カスケードダウンとは【3つのステップや成功のポイントについて解説します】

記事更新日:2022年04月01日 初回公開日:2022年03月29日

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カスケードダウンという言葉をご存知でしょうか。近年、ビジネス本などでも使われるようになってきたカスゲートダウンですが、特に会社の経営層の方は知っておくべきワードの一つです。組織において、戦略や目標が上層部から部下たちに伝わっていることは非常に重要なポイントです。 上層部の理念や経営方針が部下たちに伝わっていないということは、実際には会社が円滑に回っていないということになるからです。今回はカスケードダウンにおけるポイントや具体的なステップについて詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

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カスケードダウンとは

組織の戦略が上層から末端まで細分化されていくこと

カスケードダウンとは、英語の「cascade down」のことで「滝が落ちる・急降下する」という意味を指します。会社の経営層が設定した目標や戦略が、上層部から末端まで細分化されていることを言います。上層部だけが経営方針を理解していて、下層部に伝わり切れていないことは多々あります。これはカスケードダウンが正しくできていないということなのです。ビジネスにおいて、上層部の目標や戦略を下層部にしっかり理解させることが、非常に重要なのです。

各階層の「目的・戦略・戦術」が連動する

会社の「戦略」と言っても、階層や立場によって異なってくることをご存知でしょうか。正しいカスケードダウンは、上層部の戦略が下層部の「目的」となっていることです。さらには、各階層の「目的・戦略・戦術」が連動していることが理想なのです。社員がまとまらないと感じている会社の多くは、この3つがしっかり連動できてないことが多いのです。各階層の連動ができていると、上層部だけでなく下層部の仕事への取り組み方やモチベーションなども変わってきます。

カスケードダウンの目的

組織の目標や戦略を浸透させるため

カスケードダウンの目的の一つは、上流から下流に流れる滝のように、よどみなく組織の目標や戦術を浸透させるためです。よくあるのが、下層部が目の前の仕事をこなすことがだけを意識してしまうこと。また、各部署の連結が取れていないなどです。この2つが、社員の方向性をバラバラにしてしまう要因でもあるのです。このようなことが起こらないためにも、上層部の目標や戦略を部下たちに浸透させ、日頃の業務を遂行してもらう必要があります。

部署や階層の異なる人と話のレベルを合わせるため

カスケードダウンのもう一つの目的は、部署や階層の異なる人と話のレベルを合わせるためです。自身が遂行している業務以外の部署や、異なる階層の人とは話が合わない場合が多くなりがちです。ですが、それでは会社は円滑に回っているとは言えません。上層部は部下の話に合わせられるように、部下は上層部の話に合わせられるようにできるのが理想なのです。日頃から部署や階層の異なる人たちと話題を共有することで、目標や戦略も理解しやすくなります。

カスケードダウンの3ステップ

目的

組織として達成すべき使命

カスケードダウンには「目的」「戦略」「戦術」の3ステップがあります。経営方針や目標を決める際に大切になるのが「目的」を明確にすることです。まずは大きい目的を決めるのが重要と言えます。例えば「今年の売り上げは何%アップさせる」「顧客満足度を何%上げる」などです。組織として達成すべき使命は、上層部だけが理解していても企業の成績は向上しません。大きくわかりやすい目的を下層部が理解できるよう、具体的に提示することがポイントです。

組織理念に沿ったものにする

目的は、カスケードダウンの中でも一番大切なことだと言われています。ですが、ただ目的を決めればいいと言うわけではありません。組織理念にそったものにするのが鉄則です。目的を決める際には、経営方針や組織理念に合っているのか再度確認しましょう。上層部が理念に沿った目的を決定し、下層部に理解させ浸透させることが重要なのです。目的がぶれないように、定期的に会議や朝礼などで社員にシェアすると、下層部にも浸透しやすくなります。

戦略

目的達成のための長期的な指針

カスケードダウンで目的の次に大切なのは、「戦略」です。戦略とは、目的を達成するために具体的に何をするべきなのかを明確にしたものです。目的だけを立てても、どんなビジネスプランで進むのかがわからなければ、下層部にも浸透しません。目的達成のために、まずは長期的な指針を立てるのが重要です。長期的に立てた指針をまた細分化し、部署ごとに細かい戦略を立てることで、社員たちの意識も変わります。社員の意識が変われば、自ずと目的に近づくと言えるでしょう。

経営資源の配分選択を行う

戦略と一口に言っても部署や立場によって内容が異なるため、経営資源の使い道や配分の選択も必要になってきます。目的達成のために、経営資源を「何」に「誰」に集中的に投下するのかが重要です。資源配分の具体的なターゲットを決めることで、戦略も更に具体化し目的への方向性も定まるためです。配分を曖昧にしてしまうと、会社の予算と目的とがかけ離れてしまうので、経営資源の行先や配分選択は慎重に決めるべきです。

戦術

戦略を実行するための具体的な策

目的・戦略を決めてから、更に戦術を明確にすることが大切です。戦術は戦略をより具体的にする行動のことを言います。例えば「20代をターゲットに販促を行う」であれば、「◯◯大学に◯枚チラシを配る」のようなことを指します。戦術の立て方としては、下位組織になればなるほど具体的になるように立てるべきです。達成できそうだけど、努力が必要なラインを見定めるのがポイントです。戦略を実行するための戦術ということを念頭に、具体的で実行可能な策を案じましょう。

戦略の4Sをチェックする

良い戦術を練るために最も大切だと言われているのが、「4S」というものです。「Selective(選択的か)」「Sufficient(十分か)」「Sustainable(継続可能か)」「Synchronized(自社の強みや特徴とマッチしているか)」の略です。自社の戦術が果たしてこの4Sの当てはまっているか、常にチェック・改善するようにしましょう。4Sが当てはまれば、自ずと戦略は確かな戦術になり、目的への道筋になります。

カスケードダウンの方法

組織の経営目標が定性的な場合

カスケードダウンは大きく分けて、「定性的な目標」「定量的な目標」のそれぞれ2つの方法があります。組織としての経営目標が定性的な場合は、数値化ができず目標などを振り返ること自体難しくなります。そのような場合は、今所属している社員に定期的に理解度・満足度調査を行うのがいいでしょう。目標が数値化できないものであれば、アンケートなどを使って数値化するのが最適です。定性的な目標だからといって、曖昧にしたままではいけません。常に数値化し、データとして見える化しておくことが重要です。

組織の経営目標が定量的な場合

組織の経営目標が定量目標であれば、「できた」「できなかった」は明確に数値化することができます。これは定性評価と比べると定量評価においてのメリットと言えます。ですが、数値化できるからと言って油断するのは危険です。常に定量目標に対して、具体的に数字としてどれくらいの成果が出ているのかチェックが必要です。目標意識ががずれないように、上層部が求める数字と部下たちの成果を日頃から細かく照らし合わせることが大切です。数字への真摯なアプローチは、目的達成への確実な近道になるからです。

カスケードダウンのポイント

主体的な目的を設定する

カスケードダウンにおいて4つのポイントがあります。しっかり頭に入れつつ積極的に実践していきましょう。まずは、どのような企業であれ、主体的な目的を設定することから始めることが鉄則です。自社の事業戦略に基づいた、主体的に目標でないと、季節や流行などで目標そのものがぐらついてしまいます。ぶれない軸を作り、継続的に達成できる目標を設定しておくことが大切と言えます。主体的なプランがあることで、社員たちも理解しやすく、自分ごととして落とし込みやすくなるためです。

明確な戦略を定義する

次に大切なのが、明確な戦略を定義することだと言われています。そこで必ず確認しておきたいのが、あらかじめ設定した目標値が、目標に対して適切なのかどうかという部分です。上層部もしくは経営部で、自社の社員が達成できそうだけど、現状努力が必要な数値を設定することがポイントです。社員に戦略が浸透するためには、具体的かつ明確な戦略が必要になってきます。あまりに現実味のない戦略や、手の届かない戦略はタブーです。社員たちのモチベーションを保ちつつ、確実に目標に近づける戦略を立てましょう。

従業員の意見を反映する

次に大切なのが、目的や戦略に従業員の意見が反映されているかどうかということです。企業の目的・戦略などは上層部や経営部が決定することが一般的です。ですが、このようなことを実践したり、日頃から業務に取り組んだりするのは従業員の一人一人です。現場で働いていてくれる従業員の意見を全く取り入れなければ、反感を買ってしまう可能性もあります。直接コミュニケーションが取れない場合は、社内でアンケート調査をするなどして工夫しましょう。日頃から、従業員の小さな声を聞き逃さないようにすることが大切です。

情報共有にとどまらず実践されているか確認する

最後の大切なポイントは、情報共有にとどまらず、実際に業務として実践されているかということです。よく起こりがちなのが、会議で目標や情報を共有して「やっているつもり」になってしまうことです。特に、上層部の目が細部まで行き届いていない企業にこのようなことが起こりがちです。社員が企業の目業や戦略に対し、日頃から積極的に実務に取り込めているか確認しましょう。確実に確認するために、データで数値化し見える化した上で、常に社内の業務を共有するのが良いでしょう。

カスケードダウンに関するおすすめ本

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方

カスケードダウンについて更に詳しく知りたい方に、おすすめの本があります。それは森岡毅さんの「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」という本です。この本では、誰もが知っているテーマパークUSJの経営について詳しく書かれています。どのようにカスケードダウンを取り入れるべきか、具体的な策を考えるのにおすすめです。いかに目標や戦略、戦術を上から下まで浸透させることが大切かが分かります。ぜひ熟読して、カスケードダウンの実践に活かしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

カスケードダウンを意識して組織の方向性を統一させましょう

上層部や経営部で目標を立てたり、経営方針を固めるまでは実践している会社が多いでしょう。ただし、その考えや理念、目標が下層部まで伝わっていなければ、良い組織だとは言えません。会社の理念に沿った目標を掲げ、具体的に策を打つためにはカスケードダウンが必須だと言えます。組織が大きくなればなるほど、部下たちと意思疎通を図ることが難しくなるのは仕方がありません。ですが、諦めずに上層部や経営部が積極的にカスケードダウンを意識し、組織の方向性を統一させましょう。

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