記事更新日:2019年12月05日 | 初回公開日:2019年03月15日
外国人採用・雇用もしかしたら、日本と韓国でWin-Winの関係になれるかも?
厚生労働省は、平成29年10月末現在の外国人雇用状況を公表しています。上記のグラフは、日本における韓国人労働者の人数です。過去5年間のグラフは右肩上がりに増加していることがわかります。平成28年は48,121人、平成29年は55,926人、対前年増減比は+16.2%です。国籍別に見ても、韓国人労働者数の対前年増減比はベトナム、ネパールに次いで3番目に高い割合です。なぜこんなにも増加しているのか、理由を探ってみましょう。
日本での韓国人労働者が増えている理由として、韓国内での若者の雇用問題が大きく影響しています。韓国は、青年失業率が10%と通貨危機以降で最悪の状況です。韓国メディアも「100万人に仕事がない、青年失業率19年ぶりに最悪」(慶尚毎日新聞)と報道しています。この状況に危機を感じ、韓国では国をあげ政府が就職支援を行なっています。韓国は人口増加や経済状況もあり就職難、日本は人口減少のため人手不足という正反対の状況です。そのため、韓国から近く、労働環境の良い日本での就職を目指す韓国人の若者が増加しています。
韓国の外交部(在日韓国大使館)と雇用労働部は今後5年間で韓国の若年層1万人が日本で就職できるよう、求人企業の発掘から求職者の養成、マッチング、就職後のケアまで支援を行う「韓日つなぎプロジェクト」を推進すると発表しました。(日本貿易振興機構)
K-Moveセンターは、韓日つなぎプロジェクトの一つとして、主に韓国人材求人企業を発掘し韓国内求人者とのマッチング、インタビューの手配から最終就職に至るまでの全ての過程を支援しています。大韓貿易投資振興公社(Kotra)は日本企業向けに韓国人材の魅力や採用の仕方、日韓の就職活動の違いなどの情報を提供するセミナーを行なっています。
韓国の若者の多くは、大企業への就職を望んでいます。もちろん韓国のみならず日本国内の学生も大手志向が多いのが現状です。韓国の若者の大企業志向には大企業と中小企業との賃金格差があります。日本の場合大卒の新入社員の年収は大企業276万円、中小企業250万円の25万円差に対し、韓国では大企業約389万円に対し中小企業は約245万円と約150万円もの格差があります。この格差が若者の大企業志向に拍車をかけており、若者の韓国内での就職を困難にしています。
外国人が日本の大学で学ぶためには日本留学試験を受けることが義務付けられています。日本留学試験とは、外国人留学生として日本の大学等に入学を希望する者に対して、日本の大学等で必要とする日本語力及び基礎学力の評価を行うことを目的に実施する試験です。日本留学試験を受けた、韓国での受験者数が過去5年間で3倍に増加し、国外受験者の6割を占めています。また、韓国人留学生らの日本での就職者数が2万人に達しました。大韓貿易投資振興公社(Kotra)に記載されている韓国人材の留学先の内訳は、日本への留学が89%を占めています。上記のことから、韓国人は積極的に日本留学試験を受け、日本で留学をして就職するための準備をしていることがわかりました。
韓国人は、国内で就職難であることから、受験戦争を始めとしてとても勉強に対して熱心であることが知られています。また、韓国は儒教の文化が根付いているので、年長者を敬い礼儀正しい国民性があります。良くも悪くも自己主張が強く感情的で気が強いのが韓国人の特徴です。
外国人が日本で働く際に心配するのはやはり日本語力ではないでしょうか? 韓国人は、勉強熱心であることからも日本語のレベルがとても高いです。韓国の高等学校では、第二外国語に指定されている言語の中で、日本語の履修選択者が最も多いです。また、最新の2018年第一回(7月)日本語能力試験では、約14億人の人口がいる中国が受験者数が1番ですが、人口約5000万人の韓国が受験者数で2番です。日本語検定試験にはN1〜N5までレベルがあります。N1が一番日本語レベルが高いです。参考にN1は、「幅広い場面で使われる日本語を理解することができる」が認定目安になっています。韓国人は、他の日本語検定試験を受けている国に比べN1〜N3の受験者数が多いことからも、日本語レベルが高く、日本語を身に付けようとする人が多いことがわかります。
スキルが高くコミュニケーションも取りやすい韓国人が日本企業に認められ注目され始めました。その結果、日本企業の韓国人採用が積極的になってきていると思います。確かに、ハイスペックな技術力は重宝されますが、それ以上に働く上で大切になるコミュニケーション能力や日本の文化、雇用形態を理解し受け入れてくれることも大切なのではないでしょうか?
国会では、外国人労働者の受け入れに関する議論が行われていますが、外国人労働者の中でも特に注目されているのが「中核外国人材」です。「中核外国人材」とは、高度人材と単純労働者の中間に位置する層、いわゆる高度な専門性を持たないが一定のコミュニケーション能力や事務能力を持った外国人のことです。「中核外国人材」として韓国人材の採用は避けては通れないでしょう。他国に比べて日本語能力が高くスキルもあり、文化や気候などの環境も日本に近いことから、韓国人は日本企業に馴染みやすく日本企業にとってリスクが少なく採用しやすいです。
日本では大卒の初任給が安く、だんだんと年を重ねるにつれて給料が上がっていく年功序列の企業文化が一般的です。この事実に他国の労働者は理解をするのに時間がかかってしまいますが、日本の企業文化を韓国人は理解しています。そのため、韓国人は年功序列制度を理解し受け入れてくれます。このことは、日本企業にとっては、とても有難いことだと思います。
日本では残業をするのが良いことではないですが、、、残業している人が多いのが現状です。この日本の雇用形態、残業をすること、勝手に有給休暇を取得しないといった日本での働き方を理解し受け入れてくれます。
・韓国の現状から、日本で就職したい人が多い
・日本語を習得しようと積極的である
・受験や就職競争からハングリー精神がある
・日本企業について理解が深く馴染みやすい
・優秀かつ適応力が高い
日本での就職に対する気持ちの強さ、高い日本語レベル、日本企業の文化・雇用形態を理解できる この3点は、外国人労働者の中でも韓国人が一番良いのではないかと思います。国を超えて、就職活動をすることにより、両国の経済発展など様々な相乗効果が期待できると考えています。仕事をしたくても仕事がない国と少子高齢化で人手不足の国、韓国と日本が需供が一致してWin-Win関係を築ければ、今後ますます韓国人採用が活発に行われていくと思います。
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