記事更新日:2021年08月31日 | 初回公開日:2021年08月31日
採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 外国人留学生の採用 採用成功事例外国人適性検査とは、外国人求職者と日本企業との適性を測る検査のこと。外国人労働者を雇う際に、文化の違いが原因となってしまい採用を諦めるケースも多いのではないでしょうか。そのような不安を解消してくれるのが外国人適性検査です。外国人適性検査を用いれば、どんな企業文化を持つ環境で働くのがいいのか、新しい環境に適しやすい人材かどうかなどが分かります。また、日本・日系企業で働く上で必要となる行動特性があるかどうかも分かるので、より外国人労働者を採用しやすくなるでしょう。
外国人適性検査が広まった背景には、外国人労働者が増加していることが挙げられます。厚生労働省によると、2020年の外国人労働者の数は1,724,328人にも上ります。前年と比べると、65,524 人も増加しているのです。こんなにも多くの外国人労働者が日本で働いているのには、日本の少子高齢化も関係しています。会社を経営していくにあたり、より多くの外国人労働者を受け入れていく必要があるのです。そこで優秀な人材を確保していくために、外国人適性検査を用いて採用の判断材料にする企業が増えています。
適性検査には、2つの種類があります。1つ目が、性格検査です。性格検査とは、主に性格や考え方のパターンを見極めるための試験です。約300問の質問に答え、人との接し方や仕事への取り組み方などと関係の深いさまざまな性格や特徴の強弱を測定します。そしてどのような業務内容や職場の雰囲気に適応しやすいかを数値化していきます。企業はこれらの結果をもとに、自社の求める人材像と応募者の持つ特徴が合っているか、また面接時の印象と異なるところはないかといったことを確認しましょう。
2つ目が、学力検査です。学力検査とは、主に一般常識や基礎学力、論理的思考力などを測るための試験です。学力検査は、能力検査と言われることもあります。複雑なことを整理したり判断したりする能力、新しいことを学んだり持っている知識を応用したりする能力が図られます。これらは実際に働いていく上で必要とされる力です。学力検査の問題には、言語分野と非言語分野があります。言語分野では、言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できるかどうか、非言語分野では、数的な処理ができるか、論理的思考力があるかどうかを測定します。
外国人適性検査には、異文化との適応力があるかどうかを測る目的があります。外国人は、日本人とは異なる文化的背景を持っています。日本人とのコミュニケーションで文化的な衝突も起こりやすく、勘違いなどから大きなトラブルに繋がる可能性があるでしょう。異文化適応力があれば、これらのトラブルを回避することができます。日本の文化への理解度や日本や企業で求められるビジネスマナーとルールを、どの程度身に付けられそうかなどを適性検査で測定します。
また、社風とのミスマッチを防ぐことも、外国人適性検査を行う目的の1つです。外国人適性検査を用いると、自社文化とのカルチャーフィット度を測ることができます。カルチャーフィット度とは、日本の働く文化にフィットするか、または新しい刺激を与えられるかを測定すること。この度数が低ければ低いほど、入社後にミスマッチが起こってしまう可能性が高くなります。ミスマッチが発生すると、会社を退社し母国に帰国してしまう可能性もあるでしょう。よって、できるだけ長く働いてほしいと考える場合は、外国人適性検査を使用し社風とのミスマッチを防ぐことが有効な手段となります。
webテスティングは、自宅や学校のパソコンを使用して実施する方法です。パソコン1つあれば実施可能なので、どこにいても受けることができるのが特徴的です。新型コロナウイルスの流行によって対面での面接が避けられるようになり、webテスティングの需要が高まっています。ペーパーテスティングやテストセンターでの受検とは異なり、電卓を使用することができます。各問題ごとに制限時間が設けられており、時間を過ぎると強制的に次の問題に移ってしまいます。応募者の読解能力の測定にも役立つでしょう。
テストセンターでの受検は、企業指定の会場でSPIテストを受ける方法です。会場は全国主要都市に設置されています。ほとんどの企業がテストセンターでのSPIの実施を採用しています。しかしながら、全ての試験をテストセンターで実施するわけではありません。性格検査に関しては、webテスティングと同様、自宅でパソコンやスマートフォンを使用して実施します。性格検査が終わると、学力検査をテストセンターで行います。学力検査をテストセンターで行うことで、より正確な数字がでることが期待できるのです。
ペーパーテスティングとは、マークシート方式で試験を受ける方法です。受検する場所は、応募先の企業が使用する会議室や、企業が用意した会場です。ペーパーテスティングでは、webテスティングと比べると性格検査の問題数が多く、また制限時間が長いのも特徴的です。webテスティングでは1問ごとに制限時間が設けられている一方で、ペーパーテスティングでは1問ごとの制限時間がないので、自分で時間配分を行う必要があります。
インハウスCBTとは、企業に設置されているパソコンで試験を受ける方法です。テストセンターとは異なり、1社1社受ける必要があるので、試験結果を使いまわすことができません。インハウスCBTでは、webテスティングとほぼ同じ問題が出題されます。性格検査に30分、学力検査に35分かかりますが、インハウスCBTを用いれば適性検査と面接を1日で終わらせることができます。選考過程がスピーディーな中途採用で使用する企業が多いです。
外国人適性検査を用いる際に注意すべきことは、日本語力を測ることはできないということです。外国人適性検査では、日本語能力を見極めるテストではないため、日本語力の不足によって不利になることがないよう多言語対応されているものがほとんどです。しかしながら、日本語力を測るためといって日本人向けの適性検査を用いると、ネイティブレベルの日本語力を求められてしまいます。スキルや専門性を正確に測ることができなくなるので、外国人適性検査を用いたほうが良いでしょう。
外国人適性検査では、実際の業務内容で必要とされる具体的なスキルを測ることができません。受検者の素質や能力を測ることによって、企業全体との相性などを客観的かつ相対的に測ることはできます。一方で、プログラミング言語やデータ分析、データベース設計力など、会社の中でもどの業務が得意なのかを見極めることはできません。入社後の業務内容に適したスキルを測りたい場合は、面接を行ったり、自社で用意したプログラミングテストを多言語化して受検してもらうと良いでしょう。
CQIは、株式会社エイムソウルが開発した、外国人材の採用に特化した適性検査です。カルチャーフィット度と異文化アダプテーション力(異文化に適応できるか)という2つの観点から、外国人材の適性を客観的に測定することができます。対応言語は、英語や中国語を含む11か国語です。他の外国人適性検査に比べて対応言語が多いのが特徴的です。1名の利用であれば通常プランで基本料金は0円ですが、100名以上の利用の場合は、半額プランとなり基本料金は15万円となります。
GSPI3は、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供している外国人採用向けの適性検査です。GSPI3でも、能力検査と学力検査を行うことができます。GSPI3では、能力検査を日本人大学4年生の就職希望者と、学力検査を日本の一般企業に勤めている人と比較して外国人材のスキルや性格特性を判断します。受検者の文化的背景や言語に関わらず、個人の特徴を把握することができるのが特徴です。対応言語は英語・中国語・韓国語の3か国語なので、自分の得意な言語を選択してもらいましょう。
3E-IPグローバル版は、エン・ジャパン株式会社が提供している外国人採用向けの適性検査です。学歴や職務経歴だけでは分からないビジネスに必要な知的能力と、面接では見極めづらい性格やキャリアに対する価値観を測ることができます。パソコンやスマートフォンを用いたweb上でのテストです。よって、受検者の都合に合わせてテストを受けることが可能となります。対応言語は日本語・英語・中国語の3か国語ですが、ベトナム語を加えた4か国語版もあるので、自社を受ける人材の国籍によってどちらを使うか決めると良いでしょう。
CUBICは、株式会社トライアンフが提供している適性検査です。日本人向けとして作られていますが、英語での受検も可能であり、外国人採用に向けた適性検査ができます。導入社数は6000社を超えており、多くの企業に使われています。測定できる因子は40個で、パーソナリティに関する出力パターンは370にも及びます。これにより受検者の性格・資質だけでなく、原因別のストレス耐性や意欲・やる気の測定、入社意欲を高めるものまで判定することができます。
日本の少子高齢化に伴って、外国人労働者が年々増加しています。外国人適性検査は、外国人材の採用を判断するのに有効的な手段の1つです。日本文化に適しているか、異文化に対応できる能力があるのかが分かり、外国人適性検査を用いることで外国人材の採用における文化の壁が薄くなるでしょう。また社風とのミスマッチを防ぐことができ、早期退職を避けることもできます。一方で、外国人適性検査では日本語力を測ることができません。適性検査と組み合わせて面接や独自のテストを行うことで、より自社に合った人材の確保に繋がります。総合的に判断し、企業に合った外国人材の採用に努めましょう。
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