記事更新日:2019年06月12日 | 初回公開日:2017年08月11日
外国人採用・雇用 2008年に立てた日本政府の計画「2020年留学生30万人計画」で、当時は14万人程度だった留学生が、2016年までに約24万人まで増えました。国別に見ると中国人が約4割、ベトナム人が約2割、ネパール・韓国・台湾と続きます。在学別では、大学が一番多く約7万人、日本語学校・専門学校と続きます。
日本企業への外国人留学生の就職者数については、2003年には約3800人だったのが、2015年では約1万5000人強と約4倍となっており、海外展開を加速させる企業の増加もあり年々増え続けています。
外国人留学生を採用する際には、外国人の専攻科目と職務内容のリンクが大切になりますが、その他にも大まかに下記3項目は事前に把握しておきましょう。
4月1日より就労を予定している場合は、それまでに「留学」から「技術・人文知識・国際業務」等の就労可能なビザへ切り替えが済んでいないと働くことはできません。つまり就労可能日は、変更許可が出てからになります。通常審査には1ヶ月~1ヶ月半程度かかるので、申請件数が増えるこの時期には4月入社の外国人留学生には前年12月1日より申請が可能という手続きをとっています。(通常は在留期限の3か月前より可能)また就労ビザ変更申請は、学士や専門士取得が条件となっていますので、許可後に新しい在留カードを受けとる際に卒業証書の原本提示が求められますので、留学生は卒業まで気を緩めることなく学生を全うする必要があります。
「留学」から「就労ビザ」への変更申請は、企業の代表者や採用担当者が代理で申請することはできず、本人が直接入国管理局に出頭して手続きする必要があります。提出書類には会社の決算書や法定調書合計表など見られたくない内部資料も多く含まれていますので、その際は行政書士等の申請取次ができる専門家に依頼することも検討するとよいです。
万が一、変更申請が不許可になってしまった場合、そのまま働いてもらうことはできないので、「職務内容の変更」や「事業計画の変更」等を行う必要がありますが、それができない時は残念ですが、内定を取り消すしかありません。そのような時のトラベル防止対策として、内定通知書や雇用契約書等に停止条件として「本契約は日本政府により入国(在留)許可されない場合は発行しないものとする」等の文言を入れておくと良いです。予め外国人本人にもその旨を通知しておく必要があります。
企業側としては、無事にビザが許可されてからが始まりだと思います。初めて外国人を雇用する場合、コミュニケーション方法などに目が行きがちですが、その他にも日本人従業員とは違い、外国人従業員ならではの注意点がございますのでご説明させていただきます。
雇用する企業規模や外国人本人のスキル等によって与えられる在留期限は変わります。
通常は、「留学」から「就労ビザ」への変更であれば1年または3年を付与されることが多いです。自分のことだから大丈夫だろうと、外国人本人だけに在留期限の把握をさせ企業側が把握していないと、気づいたら在留期限が過ぎてしまったということがあります。在留期限の3か月前から申請ができ、職務内容や雇用先企業が変わっていない通常の更新申請であれば2週間~1ヶ月ほどで審査がおりますので、スケジュール管理を事前に行っておきましょう。
日本国内で働く外国人には日本人と同様に社会保険が適用されます。原則、労災保険・社会保険のすべてに加入することになります。外国人従業員に配偶者や子どもがいる場合の扶養家族の取り扱いについても日本人と同じです。「企業内転勤」のように日本へ赴任という形で来ている場合は除きます。
上記の中でもたまに話に出てくるのが厚生年金についてです。数年後には本国に戻るので、厚生年金を支払いたくないということを言う外国人もいますが、日本で6ヶ月以上働いた場合に、日本年金機構に請求すれば脱退一時金を受け取ることができる旨の説明をしてあげると良いです。この脱退一時金については、本国に帰国後に請求するものなので、事前に金額や請求方法などを調べておくことが必要です。
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この記事を書いた人
塩野 豪(しおの ごう)
行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。
HP:行政書士法人フォワード
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