HR業界とは【読み方は?人材業界との違いって?HR業界にまつわる疑問を解消します】

記事更新日:2024年02月26日 初回公開日:2024年02月26日

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企業が人材不足という大きな悩みを抱える中で、人的資源とも言われる人材についてのあらゆる支援を行う「HR業界」が注目されています。採用や教育だけでなく、将来を見越した人材戦略なども提案し、企業の存続および繁栄を手助けするものです。企業にとって人的資源は、資産や生産技術にも勝るものであり、欠かすことのできない大切な財産です。ここでは企業を支える「HR」と「HR業界」の意味や種類から、「HR」に関わる人の特長や「HR業界」を支える「HRtech」の内容について詳しく解説いたします。

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HRとは

人的資源を指す

HRとは「human resource」の頭文字をとった略称で、「人的資源」を指す言葉です。ビジネスでは優れたアイデアも必要ですが、アイデアを実現させるためには、複数の領域で任務を遂行する人材が必要です。また、新しいアイデアを発想する優秀な人材も重要な人的資源であり、企業経営と発展のために欠かせないものになります。企業経営を持続させるためには、資産となるお金や情報などが不可欠ですが、複数の人的資源が必要になることは間違いありません。

HRと人事部の違い

人事部は管理的な業務を手掛ける部門

人的資源そのものを指す「HR」に対し、「人事部」とは人材の管理的な業務を手掛ける部門のことを指す言葉になります。両者は同じ言葉として混同されることも多いようですが、根本的な考え方が違う言葉になるため、使い方には注意が必要です。「人事部」とは、企業の人事戦略などに基づいて人材採用や人事評価を手がけるとともに、実際に人材を管理する部門を言います。対する「HR」は、人的資源の有効活用を目指し、最適な戦略や施策を提案して事業そのものをサポートする部門です。

HR業界と人材業界の違い

人材業界は人ひとりを人材とした軸でくくられた業界

人材業界は人ひとりを人材とした軸でくくられた業界であり、人材不足を補う採用を主とする業界と言えます。対するHR業界は、ソリューションという言葉が意味するように、企業が抱える人材の様々な問題解決を支援することが本来の目的です。HR業界は企業の人事部を軸に捉えてサービスを提供する業界であり、人材業界よりも大きなカテゴリーと言えるでしょう。業務内容だけを見て極端に言ってしまえば、HR業界の中に人材業界が含有されると考えることもできます。

HR業界に含まれる分野

採用

HR業界で携わる分野の一つが、人材の採用です。採用はHR業界が担当する代表的な分野であり、前述の人材業界とも重複します。ただし、HR業界でいう「採用」は、単に面接によって問題がなければ人材補充のために即投入するというものではありません。もっと企業の抱える問題に入り込んで、採用計画や採用すべき人物の策定と募集および選択から、入社に至るまでの過程全てを支援するものです。企業理念や事業目標なども理解したうえで、最適な人材採用を提案します。

配置や異動

人事配置や人事異動は企業側が主導権を持って行うことですが、第三者からの視点で意見を求めたいということも多くあります。社員の適性や意向などを調査し、長期的な人材育成も考慮しながら総合的に判断をして最適な提案を届けます。人材配置や異動に関わる手続きなども担当するため、企業は貴重な意見を聞けて面倒な手続きをする必要もありません。異動や配置転換は幹部育成だけでなく、生産性アップに繋がる重要事項です。私情を挟まない客観的な意見は、採用しないまでも参考になることは間違いありません。

評価や人事

評価や人事は、採用者のその後を決定づける異動や昇給などにも関わる重大なことです。また、これらは報酬にも大きく影響するため、様々な観点から慎重に行う必要があります。そのため、評価基準を明瞭に設定し、正しい評価であることを証明できるようなテンプレートを用意しておくと便利です。また、人事に関しては採用時にも聞き取りを行うはずですが、採用されてから本人の意向が変化することも多いため、定期的に本人の意見を聞くことが大切になります。それらを参考にして、採用した人材が最も能力を発揮できる舞台を提供するように心がけてください。

育成や研修

企業の育成や研修では、集合型の対面型の他にリモートで行うe-ラーニングなどの実施も増えています。また、対面型研修とe-ラーニングを並行して行う、ブレンディッドラーニングなるものも開発されており、それぞれにメリットとデメリットがあります。即戦力を狙ってOJTを行う企業が多い中で、敢えて実務から離れて研修を行うOff-JTにも注目が集まっており、一概にどの方法が良いとは断言できません。企業が望むビジョンをもとに、業種や時代に合った方法を選ぶのが良いでしょう。

組織開発

組織開発とは、組織が目指す最良の方向に向かうように、企業全体の活性化を図ることなどをサポートすることです。具体的には、従業員同士の人間関係を良くする取り組みや、仕事以外の悩みの解消などにも踏み込んで、従業員の心理を安定させて仕事に集中できるような環境を作ることです。こうした取り組みを積極的に継続することで、企業独自のカルチャー構築や、社員のエンゲージメントを強化することに繋がります。そのような考えのもとに、人事や採用を改善していくのが組織開発です。

労務や福利厚生

労務や福利厚生は、就業規則や各種保険および報酬に関連する分野であり、従業員が快適に働くためには欠かせないものです。労働条件を整備し待遇などを充実させることで、社員の企業に対する満足度がアップするとともに、企業と従業員の結びつきがより強固なものとなるでしょう。また、非常に面倒で素人では分かりにくい手続きなどを、代理で行うことによって従業員は仕事だけに集中することができます。これらは、人的資源を有効活用するためには欠かせない管理業務です。

HR業界が提供しているサービス

人材紹介

HR業界が提供しているサービスに、人材紹介があります。人材紹介とは、求職者と企業のマッチングを支援するものです。両者の間に入り、求職者が希望する諸所の条件を聞き取ったうえで、その意向に合致する企業を紹介します。基本的には求職者側の立場で支援することが多く、書類の書き方や面接での対応なども詳しくレクチャーし、マッチングが成功するように導くものです。求職者が負担を強いられることは殆ど無く、企業側が費用などを負担します。

人材派遣

人材派遣もHR業界が提供しているサービスの一つで、人員不足に悩む企業に人材を派遣する事業です。派遣される人材は派遣会社と契約し、派遣先の企業で業務を行います。給与も派遣会社より支給されるため、派遣先の企業では源泉徴収や保険加入などの面倒な手続きをする必要がありません。また、派遣先の企業では繁忙期に限定して人材確保ができるメリットがあり、働く側も自分のライフスタイルに併せて時間や場所を選んで働けることも大きな利点です。

組織開発や人事コンサルティング

組織開発や人事コンサルティングは、HR業界が提供するサービスの領域であり、クライアントである企業価値を高めるための業務です。企業が考える人材戦略や従業員の教育に即した人材育成や評価制度などを提案します。また、クライアントが業種のノウハウを良く理解していない場合などは、最も適切な事業戦力を提案するとともに、戦略を実行するサポートも行うものです。企業側で漠然とした課題を抱えているようであれば、内容を精査したうえで明確な解決方法を示し問題解決を図ることに努めます。

HR業界に向いている人の特徴

人と向き合うことが得意

自分がHR業界に向いているかを知りたいときは、人と向き合うことが得意であるかを考えて判断するのが良いでしょう。HR業界では求職者の要望を真摯に受け止めるとともに、企業側が求める人材を詳しく知るため、経営者の本音を聞くことが重要です。職種も多岐にわたるため、人と真剣に向き合ってお互いに悩みを共有しながら、仕事を進めることが大切になります。人について考えることが好きであり、人と真剣に向き合って一緒に考えることに、やりがいと喜びを感じられる人が適任です。

コミュニケーションが好き

前述のように、HR業界での仕事は人に関わることが殆どであることから、人とのコミュニケーションが好きな人に適した業種です。他の業種であってもコミュニケーション力が重視される要素であることに変わりはありません。しかし、HR業界では個々の持つ能力や知識が異なる人材を、異なる企業の担当者や経営者の要望に合わせるため、より高いコミュニケーションスキルが必要になります。人とのコミュニケーションが好きであることが大前提であり、相手から信用されることが業務を円滑に行う大きなポイントです。

社会の変化に興味があって成長意欲も高い

企業は目まぐるしく変化する対応に迫られており、人材獲得や育成も、それに合わせて変化することが求められています。企業側のそうした状況を理解して対応するために、アイデアを提供する側も、社会の変化に興味があって成長意欲も高くなくてはいけません。大きな企業であるほど、社会の変化に気付くことに遅れることもあるため、組織開発や人事コンサルティングでは適切なアドバイスを届ける必要があるのです。求職者の要望や傾向も常に変化しているため、それらを敏感に察知し常に成長しようとする姿勢が求められます。

相手の立場で物事を考えられる

HR業界で活躍するためには、人の考えや価値観に共感し相手の立場で物事を考えられることが重要になります。自分が相手の立場であればどのように思うのか、相手が本当に不安に思っていることは何なのかを理解することが大切です。自分の立場や考えを押し付けることは、HR業界ではご法度になります。共感性を高く保っている人は、相手の仕草や言動から本質的な課題を見出すことが得意です。それは自分と相手の立場を置き換えて考えることで、相手の気持ちを理解できるからに他なりません。

HR業界でHRtechが注目を集める理由

テクノロジーの進化のスピードが増している

HR業界でHRtechが注目を集めている理由の一つが、テクノロジーの進化するスピードが増していることです。AIやビッグデータなどのテクノロジーは、われわれの想像を超えるスピードで進化を続けています。紙媒体でのデータがデジタル化されて、あらゆる膨大なデータを省スペースに蓄積できるようになりました。それらのデータから、あらゆることが分析できるようになり、今までになかった新しいサービスの提供が誕生しています。HR業界においても、データ分析による最適手法の提案や人材管理などで、大きな役目を果たすと期待されているのです。

非効率な業務の見直しをする必要がある

企業が時代の変化に合わせるように変革を続ける中で、非効率な業務を多く抱えていることも現実です。これらを最適化し効率の良い仕組みを作るために、HRtechが大きく寄与すると考えられています。労務管理などがその代表であり、雇用契約書の作成から給与計算などまで、あらゆるデータを使い、瞬時に作成もしくは計算できるようになったのです。雇用契約書から給与計算まで一括管理するとともに、非効率と捉えるならば、企業と切り離して外注することも根本的な改善策の候補に挙げられています。

まとめ

HR業界についての理解を深めよう

HR業界とは、人的資源を有効活用するように企業に適切なアドバイスをすることや、有能な人材をマッチングする企業に提供することを担当する業界です。そのため、人と正対し話を聞いて相談に乗ることや、企業側の悩みにも真摯に耳を傾けるアナログ的な仕事が主になります。しかし、そのような業務とは裏腹に、テクノロジーの進化を利用した業務の見直しも求められる業種です。ぜひHR業界についての理解を深め、枯渇する人材資源の重要さを、もっと身近に肌で感じとってください。

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