記事更新日:2024年04月25日 | 初回公開日:2024年04月25日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報退職慰留とは、従業員の退職を思いとどまるよう取り計らう事です。従業員が退職したいという相談や報告を受けた時もしくは退職を考えていそうな兆しが見受けられた時に会社に留まってもらえるように説得や提案をします。経験豊富な従業員や重要な役職についている従業員が辞めてしまうと、企業としても大きな痛手になってしまうため思い直してほしいと考えます。企業に残ってもらえるように、ヒアリングを行い雇用条件や仕事内容の変更など改善策の提案を実施します。
退職慰留を行うよりも、退職の予兆がしたタイミングでフォローを行う事が理想的です。従業員から退職の意思を伝えられた場合、殆どのケースでは退職の意思が覆ることはありません。そのため、従業員の離職や退職を防ぐのであれば退職の意思を伝えられてから動くのではなく予兆が見受けられた段階で動く必要があります。予兆が出た時点でフォローすることが出来れば、思い留まってもらえる可能性も高く労力をあまりかける必要もありません。
退職慰留を行う必要があるのは、引継ぎの人員が見つからず組織体制が整わなくなる為です。退職を考えている従業員が分野や業務に対して精通している場合や、取得が難しい資格などを持っている場合は、業務を代替することが簡単ではありません。知識やノウハウがデータとして蓄積出来ている場合はまだ対応可能ですが、その人にしかできないことがある場合は退職留意を行わなければ企業として組織運営が難しくなることも考えられます。
退職慰留は、退職を希望している従業員のスキルが高い場合必要になります。高いパフォーマンスを発揮している人や企業の売り上げの柱となっている事業のトップに辞められてしまうと、企業としても大きな痛手となります。また高いパフォーマンス力や、マネジメント力を発揮している人が辞めた場合補填を行うのが簡単ではありません。労働人口の減少により人の採用が簡単ではない昨今において、スキルの高い人を採用することはより困難を極めます。そのため、高いスキルを持った従業員の慰留は必須といえます。
現場のモチベーション低下を防ぐために、退職慰留が必要になる場合があります。チームの中心となり周りの従業員と積極的にコミュニケーションを取っていた人物や、ハイパフォーマーが退職することによって現場に様々な影響を及ぼします。残った社員に業務のしわ寄せが来るだけでなく、中心人物がいなくなった喪失感からモチベーション低下に繋がる可能性もあります。1人の退職から他の従業員の退職に繋がってしまう事も考えられます。
退職慰留の方法は、退職希望の従業員の話を聞いて本音を探りましょう。退職を決めている人の中には、本音を企業に伝えないまま辞めていく人もいます。エン・ジャパンが行った調査によると退職時に本音を伝えていないと回答した人は約半数に及んでいます。そのため退職の意思を聞いてすぐに慰留や一方的な意見を伝えたりすれば、従業員が本音で話してくれることはありません。退職する本当の理由を知ることが出来なければ、慰留することは難しくなるため本音を探ることが大切です。
退職慰留は、退職理由になっている原因の解決策を話し合うという方法もあります。従業員が退職を考える原因となる理由を知ることが出来ると、解決策を見つけられるか話し合いましょう。人間関係が問題で辞める場合は異動や転勤で解決するのか、業務内容が問題の場合は見直せる点がないかなどです。理由が分かったとしても解決策を一方的に押し付けては意味がありません。しっかりと話し合いを行いながら、解決すれば慰留することが出来るのか慎重に検討しましょう。
会社に必要な人材であることを理解してもらう事で、退職慰留が出来る場合があります。退職慰留で大切なのは、企業はあなたを必要としており企業にとってなくてはならない人だと伝える事です。なぜ必要としているのか、今後どういった役割を担ってほしいと考えているのかを伝える事で退職を考え直してもらえる可能性があります。事前にこういった事態を防ぐためにも、退職の意思を伝えられた時点だけでなく普段から1on1などを実施する事も大切です。
従業員が退職を希望する理由で最も多いのが、人間関係です。上司との人間関係に悩んだ末退職を考える人もいますが、先輩や同僚など身近な人との人間関係が上手くいかずに退職を考えるという人も少なくありません。仕事を行っていく上で、職場内で円滑に人間関係を築けているかどうかは重要な問題です。いじめや仲間はずれなど具体的に何かされているという事ではなくとも、風通しの悪い職場やコミュニケーションが希薄な職場でも退職を考える理由となります。
従業員が退職を考える中で理由となりやすいのが、自分や会社の将来性です。従来までは新卒で入社した企業に定年まで勤めあげるというのが一般的でした。しかし現在では働き方改革やワークライフバランスを重視する人が増え、自分のキャリアアップのために転職をする人も増えてきています。自分のキャリアを考えたときに今の会社で働き続けるのは不安だと考えている人もいます。長く働いてもらうためには、将来のビジョンの明示が大切です。
評価に対する不満がある場合にも、従業員は退職を考えるようになります。評価基準が明確に定められておらず、評価者によって評価内容に差がある場合に公平に評価されていないと感じている場合は、上司や企業への不信感に繋がります。頑張って成果を出していても上司の好みで評価内容に差を付けられている人などは、退職を慰留することは簡単ではありません。そして評価に対する不満はその人だけでなく他の人も抱いている可能性もあり、退職連鎖に繋がるため改善が必要なポイントです。
退職希望者を増やさないためには、採用のミスマッチを防ぐようにしましょう。入社前に思い描いている理想と入社後に待っている現実の差が大きければ大きいほど、ミスマッチが大きくなり退職や離職に繋がってしまいます。入社後のミスマッチを防ぐためには、採用段階で自社にマッチしている人材を選ぶことが大切です。選考の時点で自社の良い所ばかりを見せたくなってしまいますが、ポジティブな部分ばかりではなくネガティブな部分も見せておくことでミスマッチを防げます。
退職希望者を増やさないための取組として、評価制度の見直しを行いましょう。評価制度は明確な評価基準と公平性が大切です。評価基準が明確に決まっておらず、上司の判断によって評価が決まる場合公平性が保てておらず、不満を抱いている社員も少なくないはずです。評価は給料などに影響するため、正当に評価してくれる環境を求めて転職を考えるという人も出てきてしまいます。評価による不満を解消するためには、社員に納得してもらえるような評価制度の整備を行う事が重要です。
コミュニケーションを促進するのも、退職希望者を増やさないための対策の一つです。従業員同士のやり取りが活発な企業と、全くコミュニケーションを取っていない企業を比べると離職者は後者の方が多くなってしまします。コミュニケーションがうまく取れていないことで、上司から嫌われているのではないかと不安に感じる人もいるからです。信頼関係の構築にもコミュニケーションは欠かせません。職場内の信頼関係が構築されていれば、退職者を減らせることにも繋がっていきます。
退職慰留を行う際は、一方的な提案や高圧的な態度を取らないようにしましょう。退職したいと考えている従業員の気持ちを無視して無理な慰留を行うと、「慰留ハラスメント」に繋がる恐れがあります。慰留ハラスメントとは、退職を撤回するまで退職届を受け取らない・話をうやむやにするなどです。正社員の退職は労働法で守られているため、ハラスメントに繋がらないような対応が必要です。慰留する際はあくまでも従業員の話をしっかりと聞き、押し付けにならない態度が重要です。
退職慰留を行う際に注意しておきたい点は、退職希望の従業員へ配慮を忘れないようにすることです。退職の慰留を行う場合には、他の従業員に話が聞こえないような場所で行う配慮が必要です。他人に聞かれる恐れがある場所では、従業員がほんねで話すことは出来ません。特に人間関係に悩んで退職を考えた従業員にとっては、安心して本音をしゃべることが出来なくなります。慰留出来ないとしても、今後の職場環境改善に役立てるためには退職を希望している従業員への配慮は必要です。
他の従業員に知られないように配慮する事も、退職慰留を行う際に忘れないようにしましょう。もし職場環境の改善などを行い慰留に成功したとしても、退職したいと考えていたという事が他の従業員に知られてしまうと職場に居づらくなってしまいます。せっかく退職を取りやめてくれても、他の従業員に知られてしまったと気付くとやはり退職する意識が強くなります。退職希望の従業員の慰留を決めた場合は、他の従業員に知られないように面談などは2人きりの場所で行うなど配慮しましょう。
退職慰留の方法や慰留を行う際の注意点などについて解説しました。退職慰留は簡単な事ではありませんが、もし慰留できなくても不満や本音を聞くことで職場環境改善に繋げる事が出来ます。退職慰留を行う際は、一方的な意見の押し付けや高圧な態度を取らず、退職希望者の話をしっかりと聞くことが大切です。退職希望者を増やさないようにするためには、評価制度の整備やコミュニケーションの活性化など工夫が必要です。従業員が働きやすい環境を作り退職慰留を防ぎましょう。
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