記事更新日:2025年03月28日 | 初回公開日:2025年03月28日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報管理監督者とは、労務管理を行う経営者と一体となった立場です。管理監督者は労働基準法で監督若しくは管理の地位にある者と規定されています。管理監督者は労働基準法の一部が適用されず、労働時間や休日などの制限を受けません。管理監督者かどうかは、役職ではなく職務内容や権限といった実態によって判断されます。管理職についていても必ずしも管理監督者とはいえないのです。権限や勤務体系が伴わない肩書きだけの管理職のことを名ばかり管理職といいます。名ばかり管理職は管理監督者と違い一般の労働書同様、労働基準法適用されるため注意が必要です。
管理監督者と管理職の違いとして重要なのは、経営者と密接に連携し労働条件や労務管理を決定する立場にあることです。人事や賃金の決定など、従業員に関する重要な判断を実質的に行う権限を持っている必要があります。また、部下の労務管理や企業内部の運営に対する責任を担い、予算や費用管理などにも一定の裁量を持つことが求められます。管理監督者としての立場が認められるため、企業側はその判断基準に注意を払い実態に即した適用が必要です。管理監督者としての条件を満たしていない場合、名ばかり管理職となり残業代の未払いなど法的なトラブルを招く可能性があります。
管理監督者として認められるためには、経営者と一体的な立場で業務を遂行する重要な職務内容であることが求められます。労働時間や休日などの規制を超えて活動する責任や権限が与えられているか、確認しましょう。従業員の採用や人事評価などの重要な判断に実質的に関与していて、予算管理や費用管理に責任を持つ役割が必要です。また、従業員の労務管理や企業経営方針の策定などの権限を持つことも条件となります。従って各支店の業務を担っていて、一部の管理業務を行っている肩書きだけの管理職には、管理監督者としての資格があるとはいえません。
管理監督者として認められるには、企業経営に深く関わる重要な責任と権限が必要です。具体的には、労働条件の決定、人事権や予算管理など、経営者と一体的な立場で業務を遂行する権限が求められます。これらの権限は、単なる役職名ではなく、実際の職務内容に基づいて判断されます。企業は、管理監督者の定義を明確にして従業員に周知徹底しましょう。また、監督者自身も自身の職務内容が管理監督者の要件を満たしているか確認する必要があります。
管理監督者は、労働時間等の規制に馴染まない勤務体系である場合があります。管理監督者は経営陣と一体の存在であり、時間にとらわれない柔軟な職務遂行が要求されるからです。重要な職務内容に対して広範な裁量を有するため、労働時間管理よりも成果や責任が重視され、一般的な労働者とは異なる勤務体系となることが一般的です。例えば重要な会議や緊急対応など、時間外や休日であっても業務を行う必要が生じることがあるでしょう。企業は管理監督者の勤務実態を把握し、健康管理に配慮した労務管理を行って適切な評価と待遇をしなければなりません。
管理監督者として認められるためには、その地位に相応しい待遇を受けていることが重要です。管理監督者は経営者と一体的な立場で重要な職務を遂行するため、待遇も見合ったものでなければなりません。具体的には、賃金やその他の労働条件が一般の従業員と比較して優遇されていることが求められます。役職手当や特別手当が支給されていることや、人事権や予算管理の権限に応じた評価が給与に反映されることなどがあげられるでしょう。名ばかり管理職にならないためにも、相応しい待遇を受けているかは重要な判断基準となります。
管理監督者の特徴として、労働基準法における労働時間に関する規定の適用が除外されるため、時間外労働に対する残業代は原則として発生しません。管理監督者は経営者と一体的な立場で職務を遂行し、重要な責任と権限を持つため労働時間管理より成果が重視されます。しかし、企業は労働安全衛生法に基づく従業員の健康配慮義務があります。残業代は発生しませんが、企業は管理監督者の労働時間を適切に把握して健康状態に配慮する必要があるので注意しましょう。
管理監督者は、労働基準法上の休日に関する規定が適用されないため、原則として休日出勤手当は支給されません。管理監督者は経営判断や緊急対応など、休日であっても業務を行う場合があるので休日出勤に対する割増賃金は支給されないことが一般的です。ただし、残業代と同様に企業の健康配慮義務が免除されるわけではありません。休日出勤手当は支払われませんが、企業は管理監督者の健康に配慮した勤務管理を行う必要があります。
管理監督者であっても労働基準法上の有給休暇の権利はあります。労働基準法第39条は一定期間継続して勤務した労働者に対して、心身のリフレッシュを目的とした有給休暇を付与することを義務付けています。この規定は管理監督者にも適用されます。ただし管理監督者の業務は多岐にわたり、責任も重いため有給休暇の取得には工夫が必要かもしれません。企業と管理監督者本人が協力し、計画的に有給休暇を取得できるような環境づくりが重要です。
管理監督者であっても、深夜労働に対する深夜残業手当は支払われます。労働基準法は、深夜労働が労働者の健康に与える影響を考慮し、深夜に業務を行った場合は深夜残業手当の支払いを義務づけています。深夜残業手当の支払いは管理監督者にも適用されます。また、企業は深夜労働を行う管理監督者に対して健康診断など健康管理に配慮した措置を忘れてはいけません。管理監督者自身も、深夜労働が続く場合は積極的に休息を取るなど健康管理に努めましょう。
企業は管理監督者に対して安全配慮義務を負います。労働契約法第5条は「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」としています。労働契約法第5条は、労働基準法上の労働時間規制の適用が除外される管理監督者にも適用されます。管理監督者は職務の特性上、長時間労働や過度な業務負担となるケースもあるでしょう。企業は管理監督者の健康状態を把握し、過労による健康障害を防止するための対策を講じなければなりません。
管理監督者は、使用者側の立場であるため労働者代表を兼務できません。労働者代表は労働者の利益を代表する立場であり、使用者側の利益を代表する管理監督者とは利益相反の関係にあります。管理監督者と労働者代表の兼務は、労働者の利益保護の観点から認められません。労働時間や賃金などの労働条件に関する労使交渉において、管理監督者が労働者代表を兼務すると、労働者側の意見が十分に反映されない可能性があります。管理監督者は、使用者側の立場と労働者側の立場を公平に代表することはできません。
管理監督者は、労働組合に入れない可能性があります。労働組合法において、使用者の利益を代表する者は労働者とはみなされません。管理監督者が「使用者の利益代表者」に該当するかどうかは、実際の業務での権限や責任に基づいて判断されます。従業員の採用や解雇などに直接関わる人事権があるか、企業の経営方針の決定に関与しているか、労働関係に関する機密事項に接する監督的地位にあるかが考慮されます。「使用者側の利益代表者」に該当する場合は、加入が制限されるでしょう。
管理監督者は、36協定の対象外となります。管理監督者は経営者と同等の権限と責任を持つため、労働時間に関する規制が適用されません。自らの裁量で労働時間を管理し、突発的な業務にも柔軟に対応できる立場にあり、時間外労働や休日労働に関する規定がないため、36協定の対象外となるのです。ただし、管理監督者であっても、職務に相応しい賃金の支払いは企業の義務であり、適切な賃金が支払われていない場合は労働基準法違反となる可能性があります。通常の労働者とは異なるため、一律の36協定の枠組みに当てはめることが困難であるため適切な待遇が重要です。
管理監督者には、労働基準法上の法定休日の規定が適用されません。労働基準法第35条は、使用者に労働者に対して少なくとも週1日の休日を与えることを義務付けています。しかし、管理監督者は休日に関する規定の適用が除外されるため、法定休日の対象外です。管理監督者の職務の特性上、休日であっても業務をする場合があるからです。ただし、企業が管理監督者を無制限に働かせて良いということではありません。労働安全衛生法に基づき、管理監督者の健康管理に配慮する義務があります。
休日出勤を避けるために、スケジュール管理をしましょう。管理監督者の職務は多岐にわたり、予期せぬ事態への対応も求められるため休日出勤が常態化しがちです。業務の優先順位を明確にし、重要度の高いものから着手する計画を立てましょう。会議や打ち合わせは事前に議題を共有しておくと、無駄な時間を削減できます。タスク管理ツールを活用して進捗状況を把握したり、部下への権限委譲を進めることで自身の負担を和らげましょう。緊急時の対応についても、事前にルールや体制を整備しておくことで不測の事態にも迅速かつ適切に対応できます。
リモートワークを積極的に活用することで、休日出勤の回避につながります。管理監督者は業務の性質上、場所や時間にとらわれずに業務を遂行できることが多いです。リモートワークを活用すると移動時間の削減や業務効率の向上や、休日出勤のリスクを軽減できます。オンライン会議ツールやチャットツールなどを活用し、関係者とのコミュニケーションを円滑に行いましょう。リモートワークは休日出勤の回避だけでなく、生産性の向上やワークライフバランスの実現にもつながります。
管理監督者の特徴を理解し、手当の管理をしっかり行いましょう。管理監督者は、経営に深く関与する立場であり、労働時間規制の例外となるなど特有の労働条件があります。時間外労働に対する割増賃金の代わりに役職手当や管理職手当を支給する、深夜労働に対する割増賃金を支払うなどがあげられます。また管理監督者であっても有給休暇の権利はあり、休暇取得を促進するなどの対応も必要になります。管理監督者の役割を正しく理解し、適切な労務管理を行うことが企業と管理監督者双方にとって重要です。
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