記事更新日:2025年01月29日 | 初回公開日:2025年01月29日
用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報社外取締役とは、外部から選ばれた選任役を意味します。企業の透明性や健全性を向上させる役割を担い、株主や利害関係者の利益を守るための重要な存在です。通常は会社と利害関係のない外部の専門家や経験者が選任されます。経営陣の暴走を防ぎ、客観的な意見を提供します。特にコーポレートガバナンスの強化が求められる現代ではその重要性は増してきており、多くの企業において社外取締役が設置されています。
社外取締役と社内取締役は役割や立場に違いがあります。社外取締役は企業の内部に所属せず独立した立場から経営を監督や助言をします。他方、社内取締役は会社の内部から選ばれた役員で、日々の経営や業務執行に直接関与します。経営戦略の立案や意思決定を主導する役割を持ち、企業の成長に向けた実務面の責任を負います。これらの役割の違いから役割分担され、バランスの取れた経営体制が構築されることで企業の持続可能な発展が促進されます。
社外取締役と似た言葉として社外役員が挙げられます。しかし、これらの言葉には法的な位置づけや役割の範囲に違いがあります。社外取締役は、取締役会のメンバーとして経営の重要事項に関する意思決定や監督を行う役員で、会社法に基づいて取締役会の構成員としての責任を負います。他方、社外役員は社外取締役を含む広い概念であり、監査役や執行役などの取締役以外の役員も含まれます。社外役員全体は、経営監督や助言に特化し日常業務への直接的な関与は少ない点が特徴です。つまり、社外取締役は社外役員の一部であり、取締役会での役割が中心である点が違いと言えます。
社外取締役の任期は通常2年です。任期は定款または株主総会の決議で短縮することができます。公開会社ではない株式会社の場合、定款で定めることで最長10年まで任期の延長ができます。しかし、基本的には社外取締役に対して長い任期の設定は推奨されていません。これは慣れ合いや多様性の低下により社内の利害関係にとらわれない経営判断やコーポレート・ガバナンスの強化をできなくなる恐れがあるためです。
社外取締役の役割として、取締役会に参加することが挙げられます。取締役会とは会社の経営に関する重要な意思決定を行うための合議体です。主に株式会社で設置され会社法に基づいて運営されます。社外取締役は取締役会に参加する義務があります。取締役会で自身の知見を活かした有効な意見や経営へのアドバイスが求められます。取締役会は最低でも3か月に1回は開催されます。席には代表取締役や執行役員らと共に社外取締役も参加します。
社外取締役の役割として、株主と対話することが挙げられます。株式会社の所有権は株主にあり会社法では株式会社は株主のものと定められています。株主は経営に直接関われませんが株主総会で意見を述べることで影響を与えられます。取締役は企業の方向性や経営戦略を決定します。社内経営陣の判断だけでは株主の利益が失われる危険性や少数株主の意見が反映されにくい事情があります。社外取締役は、客観的な立場で株主と対話して経営陣との対話によって株主との信頼関係構築や株主価値の向上に努める大事な役割があります。
社外取締役の役割として、コーポレート・ガバナンスを強化することが挙げられます。コーポレート・ガバナンスとは企業統治という意味です。株主などの顧客や従業員、地域社会等の各関係者の立場を踏まえた上で、企業が透明で公正かつ迅速な意思決定を行うための仕組みを言います。企業経営を監視する上での重要な仕組みと言えます。社内での不正を防ぐために経営を監視する仕組みを強化する上で、社外取締役には中立な立場での判断が求められます。
社外取締役の役割として経営の助言をすることが挙げられます。社外取締役は基本的に企業の業務執行や経営判断の主体とはなりません。これには、企業の経営戦略や事業方針の妥当性を評価し外部環境や市場動向を踏まえた改善策を提言することが含まれます。例えば、新規事業の立ち上げやリスク管理や持続可能な成長に向けた方針について幅広い知見や経験を活かして助言を行います。また、経営陣が見落としがちな課題や外部の視点からの指摘を通じてより健全な意思決定をサポートすることも考えられます。
社外取締役に求められる能力として、経営の経験や知識が挙げられます。社外取締役は経営に関する客観的な視点でのアドバイスが求められるため、経営に関する豊富な知識や経験が必要です。過去に企業を経営した経験がある、または社外取締役を務めたことがあるなどの経験も求められます。いくつかの企業事例では、大企業の取締役経験者や上場企業の社長を退任した人が別の企業の社外取締役になるといったケースが見られます。
社外取締役に求められる能力として、法律や会計の知識が挙げられます。これらの知識は企業経営の透明性と健全性を確保し、リスクを適切に管理するために必要です。まず、法律の知識は会社が法令遵守を徹底し、不正行為や法的トラブルを未然に防ぐために重要です。加えて、株主や利害関係者の利益を守る観点から取引や契約における法的リスクを判断する能力も必要です。他方、会計の知識については、企業の財務状況や収益性を正確に分析し不適切な会計処理や財務リスクを監視するために欠かせないでしょう。
社外取締役に求められる能力として、特定分野の専門知識が挙げられます。IT部門や人事部門などの社内で不足している分野の知見を持つ人材を選任し、その分野を強化することも社外取締役を設置する目的の1つです。その業界に関する深い知識や経験を持つ人材を採用し専門分野を強化することを目的とする場合もあります。例えば、技術分野の専門家はイノベーションやデジタルトランスフォーメーションを推進し、法律や会計の専門家は法令遵守や財務健全性を確保するという目的を遂行できるでしょう。
社外取締役に求められる能力として、幅広い視野と客観性が挙げられます。その理由は、経営陣とは異なる独立した立場から企業の意思決定や戦略を多角的に評価し適切にアドバイスや監督をするためです。幅広い視野を持つことで、最新の経営などのトレンドや変化を理解し企業が新たな機会をつかみリスクに迅速に対応できるよう助言できます。また、経営陣のバイアスや内部事情に左右されず公平かつ中立的な視点で意見を述べる上で客観性も重要です。
社外取締役に求められる能力として、弁護士経験があることが挙げられます。その理由として、法的リスクの管理や企業のコンプライアンス強化において重要な役割を果たすことが挙げられます。弁護士経験を持つ社外取締役は法令違反や訴訟リスクを未然に防ぐことが可能です。また、複雑な契約や取引における法的リスクの評価や規制対応の助言によるサポートも可能です。さらに、企業ガバナンスの透明性を高め、利害関係者との信頼関係を築く上でもその知識が活用されます。
社外取締役の報酬額は平均で663万円です。朝日新聞デジタルによれば、社外取締役は平均663万円の年収で、兼務によってさらに高額な報酬になるとのことです。なお、これは東京証券取引所第1部に上場する企業が対象なので、全国平均に比べると高額ともいえます。自社の規模や社外取締役に求める役割を勘案して役員報酬を決めることが望ましいです。また、具体的な金額や報酬体系は株主総会や取締役会で承認されることが一般的です。
社外取締役の登記申請方法として、司法書士に頼むことが挙げられます。基本的に自分は作業せず依頼する司法書士にやりたいことを伝えることや、聞かれたことに回答するだけで申請書類が作成でき申請まで代理をしてくれます。専門家が対応するので最も臨機応変にできます。他方、反面報酬が発生するのと情報や書類のやり取りが発生するため、手続きが完了するまでの時間が読めないことがあります。また、自分だけの作業で完結できないという一面があります。
社外取締役の登記申請方法として、自身で申請することが挙げられます。社外取締役の登記申請を自身で行うことは可能ですが、手続きには法律や必要書類に関する正確な理解が求められます。登記申請は、会社の本店所在地を管轄する法務局で行います。主な必要書類には、取締役の就任承諾書や株主総会議事録(選任決議の記録)、場合によっては印鑑証明書や住民票が含まれます。また、登記申請書の記載内容や添付書類が正確でなければ申請が却下される可能性もあります。申請手続きには手数料が必要で、登録免許税もかかります。
社外取締役の登記申請方法として、オンライン上の支援サービスを利用することが挙げられます。司法書士にお願いするよりも費用が安く、オンラインでPCだけの操作なので最も早く書類作成ができることが最大のメリットです。作業する時間を選ばないので、日中は時間がとれない方にも向いています。簡単に作成できる反面、複雑な登記申請に対応できないというデメリットもあります。
このように、社外取締役を会社に配置することで社内にいくつかのメリットをもたらします。しかし、その役割は重大であり、社外取締役に求められる能力は非常に高いです。各分野の専門知識や弁護士の経験など様々です。さらに、選任から登録申請までの道のりも多少複雑です。しかし、このような適した人材を選任し是非社外取締役を配置し社内活性化に役立ててみてはいかがでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございます。
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