グローバル採用とは【採用のメリットや注意点をご紹介】

記事更新日:2021年09月16日 初回公開日:2021年02月24日

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グロバール化が進む現在の日本市場では、企業が求める人材像が変わりつつあります。語学に堪能であること、海外でビジネスができることが重要視され、これらに当てはまるグローバル人材を採用したいと考える企業も多いのではないでしょうか。そんな中、注目を集めているのがグローバル採用です。グローバル採用は、企業のグローバル化に向けての貴重な戦略となる上、多種多様な考えを取り入れて会社を活性化させるきっかけになることでしょう。今回は、グローバル採用を検討している企業の人事担当者様向けに、グローバル採用のメリットやデメリットをお伝えしていきます。グローバル採用に積極的に取り組む企業についてもご紹介していくので、今後自社を海外展開させたいと考えている方は、是非参考にしてみてください。

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グローバル採用とは

日本人のみならずさまざまな国籍の人を採用すること

グローバル採用とは、日本人のみならずさまざまな国籍の人を採用することを意味します。求人掲載サイトや人材紹介会社を利用して外国人の採用を行う場合や、SNSを通じて外国人を雇う行うケースもグローバル採用に当たります。大手人材・広告企業の「マイナビ」により行われた調査によると、2020年卒の海外留学生を採用した企業の割合は、35.8%であることが分かりました。採用手法が多様化したこともあり、現在は3社に1社の割合で新卒のグローバル採用が行なわれています。

海外進出している企業における現地法人での採用活動のこと

海外進出している企業において、現地法人で採用活動を行うことも、グローバル採用に含まれます。例えば、中国で現地法人を設立している日本企業の場合は、中国内において採用活動を行うことを指します。2016年に人材募集会社の「リクルート」が行った調査によると、海外現地法人において現地採用の実績がある企業は、全体の86%を占めることが分かりました。この調査では850社を対象にしているので、約730社で現地採用の経験があるという結果になっています。海外での事業展開をスムーズ進めるためにも、現地でグローバル採用を行う企業が多いことが伺えます。

グローバル採用ができた背景と理由

企業がグローバル化するための人材が不足している

グローバル採用の背景には、企業がグローバル化するための人材不足であることが挙げられます。近年、国外に市場や生産拠点を求める企業は増え、海外への事業展開が増加傾向にあります。外務省の調査において、2005年の日本企業の海外拠点数は35,134拠点でした。しかし2020年には、海外拠点数が約2倍の74,072拠点まで増加しています。海外を拠点にする企業が増えたことで、グローバル人材の需要率が上昇。日本人のグローバル人材の確保が難しくなったため、在留外国人の採用を検討する企業が増えたことが伺えます。

企業がグローバル展開の中心的役割を期待したため

グローバル展開に積極的な企業が増えたことで、グローバル展開の中心的役割を期待し、外国人留学生の採用を行うケースもあるでしょう。厚生労働省が2014年に行った調査によると、中小企業の54%がグローバル採用に前向きであり、そのうち36%は「グローバル展開の中心的役割」を採用理由に挙げています。しかし現在は、「優秀な人材を得るため」の採用と考える企業も増えてきていますね。近年は外国人留学生の採用数も増加していることから、外国人採用への積極性が高まっていることが伺えます。

日本人と異なる視点を持つ人材への期待

日本人と異なる視点を持つ人材への期待のため、グローバル採用が行われる背景もあります。2014年に厚生労働省が発表した「外国人留学生の採用意欲調査」によると、約半数の企業が外国人留学生の採用を前向きに検討。その中でも「専門知識、日本人と異なる視点」を採用理由に挙げた企業が30%いました。異なる価値観やバックグラウンドを持つ人材を企業に採用することで、多様化するニーズへの対応や柔軟な発想力が身につくと期待されています。

グローバル採用 の実態

グローバル人材の充足状況と育成状況

2017年に「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」が行った調査によると、グローバル人材の不足を認識している企業は、全体の約7割ありました。このことから、多くの企業でグローバル人材を確保できていない現状が伺えます。これを踏まえて現在総務省では、グローバル人材育成の推進が行われています。一例として日本人大学生の留学促進や、外国人留学生の受け入れ促進が挙げられるでしょう。日本人大学生の留学に関しては、2009年度から増加傾向にあります。しかし1ヶ月未満の留学を行う学生が増えている現状があり、6ヶ月以上の留学を求める企業とのミスマッチが生じるケースも少なくありません。外国人留学生に関しては、2013年以降増加の一途をたどり、2019年には政府目標である約31万人を達成しています。

グローバル採用のメリット

海外で事業を展開する時に役立つ人材を採用できる

グローバル採用のメリットとして挙げられるのが、海外で事業を展開する時に役立つ人材を採用できることです。現地に精通しているグローバル人材を採用することにより、現地での商習慣や文化を学ぶことができます。ローカライズ(現地化)戦略が重要となる海外進出において、これらは大きなメリットでしょう。また言葉の壁が無くなることで、現地での顧客対応や新規顧客の開拓もスムーズになります。本格的に海外進出を考えている企業にとって、優秀なグローバル人材の確保は貴重な戦力となることでしょう。

さまざまな視点を持った人材が参加することで会社が活性化する

グローバル採用には、さまざまな視点を持つ人材の参加により、会社を活性化させるメリットがあります。例えばチームにバックグラウンドや価値観が違う外国人がいることで、多角的な視点から物事を考えることができるでしょう。外国人ならではの視点が、新たなアイデアの創出へと繋がる可能性もあります。また海外の文化に触れることは、世界観を広げることにも役立つのではないでしょうか。意欲的に働く外国人社員から良い刺激を受けるケースも多く、グローバル採用が会社を活性化させる施策になることが分かります。

グローバル採用のデメリット

コミュニケーションとビジネスマナーの教育が必要

グローバル採用のデメリットとして、コミュニケーションとビジネスマナーの教育が必要であることが挙げられます。整備士・メカニック専門の人材派遣会社「株式会社レソリューション」の調査によると、外国人を採用して困ったことの約半数が「コミュニケーションの問題」であることが分かりました。日本では独自のコミュニケーション文化があるため、上手く馴染めない外国人労働者も存在するのではないでしょうか。また、ビジネスマナーに関しても不安を感じる企業が多く、採用後に研修を行うなどの対策を取るケースが見受けられます。

手続き書類の煩雑さ

外国人を企業に迎え入れる際のデメリットとされているのが、手続き書類の煩雑さです。外国人を労働者として雇用する場合、企業側でいくつか手続きを行う必要があります。「雇用契約書」の作成や「ビザの申請」などがその一例でしょう。これには雇用する外国人に合わせた手続きが必要となる上、書類審査に一定の期間を要します。実績のない企業ほど審査に時間がかかる傾向にあるため、中には就労までに間が空いてしまうケースもあるでしょう。しかし十分な手続きを行わずに外国人を採用した場合、企業が「不法就労助長罪」などに問われてしまう可能性もあります。こうした手続きの煩雑さが、グローバル採用のデメリットだと言えるのではないでしょうか。

グローバル採用の注意点

キャリアデータは信頼できるか

グローバル採用を行う際の注意点として、キャリアデータが信頼できるかを確認する必要が挙げられます。日本ではほとんど馴染みがありませんが、海外ではキャリアデータを偽装する業者も存在します。信用調査を行う企業の「JAPAN PI」によると、日本のキャリアデータ偽装が5.47%であることに対し、アメリカでは19.22%の割合でキャリアデータ偽装が行われているという結果になりました。そのため外国人の採用時にはリファレンスチェックを行うなど、キャリアデータの信頼性を確認すると良いかもしれません。

雇用契約に問題はないか

外国人を採用する際には、雇用契約に問題がないかを確認する必要があります。雇用契約に問題があった場合、後のトラブルに繋がる可能性があるので注意しましょう。基本的に雇用契約書は外国人の母国語で作成し、その上で契約に関しての口頭での説明があると親切です。雇用契約書の内容については、分かりやすく端的に書くことを意識し、契約期間や給与額、就業時間や業務内容などの必要事項は必ず記載しましょう。また「在留期間」と合わせた雇用期間も明記しておくことが大切です。口約束も契約の一種とされていますが、外国人の場合には意味が通じていないことも考えられます。トラブルを避けるためにも、契約書は作成した方が良いでしょう。

グローバル採用を導入している企業

日立のグローバル採用

日本において大手電機メーカーとされている日立では、グローバル採用を積極的に取り入れている実績があります。現在日立では、あらゆるものをネットとリンクさせる「IoT」や、送配電事業の展開によりグローバル化が加速。そのため世界の舞台で活躍できる優秀な人材が不可欠となっています。従業員だけでなく、執行層における外国人比率も年々増加し、2018年度には役員層の外国人比率が8.8%となりました。また企業独自の「グローバル人材データベース」を構築し、グローバル人材確保やグローバル人材育成を行っています。

海外現地法人採用を世界各地で行うパナソニック

海外現地法人採用を世界各地で行うパナソニックも、グローバル採用に積極的な企業の一つです。パナソニックは世界各地に多くの拠点を持ち、幅広い事業を展開している日本の大手企業。パナソニックの新規採用に関しては、過半数が外国人であることも珍しくなく、グローバルな人材を育てる企業としても有名です。2011年には新卒採用のうち、約8割にあたる1,100人の外国人を採用しています。また2020年には、日本で就職活動を行う外国人を対象に、国内新規採用を設立。国内での外国人採用に力を入れていることが分かります。

グローバル化の進むシャープ

日本の大阪府に拠点を置く電機メーカーのシャープでは、2016年の新卒者採用のうち、約2割の外国人新卒者を採用している実績があります。さらに現在シャープでは、外国人社員の日本国内勤務を推進。グローバル人材の確保や育成に積極的に取り組んでいることもあり、2020年には約14か国160人の外国人が在籍するまでに至っています。外国人国籍を持つ従業員はさまざまな職種で活躍していることから、ニーズに合ったグローバル人材の採用が伺えるのではないでしょうか。シャープは近年グローバル化が急速に進んでいることもあり、今後さらに海外市場で展開されていくことが予想されます。

グローバル採用の雇用までの手順

外国人採用に必要な知識

グローバル採用を行う際には、外国人の採用に関して必要な知識を覚えておく必要があります。まずはじめに、外国人留学生の採用にあたって必要となるのが「在留資格(ビザ)」です。ビザには、労働が認められているものと認められていないものがあるため、しっかり確認しておきましょう。外国人留学生を正社員として採用したい場合には、「技術・人文学・国際業務」のビザが必要になります。このビザは雇用契約書を締結していない場合には申請することができません。そのため上記のビザを取得する場合には、先に雇用契約を結ぶ必要があります。またビザの切り替えは一般的には企業側が行うこととされているため、覚えておきましょう。

まとめ

グローバル採用で企業の未来を切り拓こう

日本市場のグローバル化に合わせ、グローバル採用を検討する企業が増えています。外国人新卒者の採用数は年々増え、2020年には3社に1社が外国人留学生を採用し、優秀な人材の確保や、多様化するニーズへの対応が期待されています。グローバル採用によってさまざまな価値観に触れることは、会社の活性化にも繋がります。これから海外展開していく企業にとっては、グローバル人材の役割が大きな強みとなるでしょう。しかしグローバル採用を行うためには、適切な手続きを踏む必要があります。また外国人の採用にあたり、分からないことが出てくる場合もあるでしょう。グローバル採用を上手く活用し、企業の未来を切り開いていきましょう。

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