記事更新日:2019年05月10日 | 初回公開日:2017年10月11日
グローバル用語解説1968年に国際バカロレア機構が国際的な教育プログラムを目的として世界各地に認定校を設置しました。世界の複雑な問題を理解し、対処できる生徒を育成し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的としています。(※1)
そもそも、バカロレアは、フランス語で「baccalauréat」と言います。フランスでは、バカロレアは中等教育修了レベルの国家資格または、その試験のことを指します。国際バカロレアは、スイスの財団法人が管理しており、フランスでは国家資格ですが、国際的に通用する大学の入学資格を得ることが、国際バカロレアとフランスのバカロレアの違いです。
(※1)参照元:国際バカロレアとは|文部科学省
平成29(2017)年6月1日時点で世界140以上の国・地域、4868校において実施。国際バカロレアの教育プログラムは、4段階に分かれています。
3歳〜12歳を対象とした精神と身体を発達させることを重視したプログラム
11歳〜16歳を対象とした、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラム
16歳〜19歳を対象とした、所定のプログラムを2年修了後、最終試験で所定の成績を納める、国際的に認定されている大学入学資格が取得可能。プログラムで使用される言語は、英語、フランス語又はスペイン語で実施。
16歳〜19歳を対象とした、生涯のキャリア形成に役立つスキルの取得を重視した、キャリア教育・職業教育に関連したプログラム。一部科目は英語、フランス語又はスペイン語で実施。
提携している学校の中で一番プログラムとして取り入れているのは、ディプロマ・プログラムです。1969年に国際バカロレアとして初めて実施されたプログラムであり、唯一、大学入学資格を取得することが可能です。
日本で国際バカロレアのプログラムを受けることができるのは、全国で20校のみ。日本における認定校は、下記のとおりです。
市立札幌開成中等教育学校、仙台育英学園高等学校、茗渓学園高等学校、ぐんま国際アカデミー、昌平中学校、筑波大学附属坂戸高等学校、玉川学園中学部・高等部、東京学芸大学附属国際中等教育学校、東京都立国際高等学校、山梨学院大学附属高等学校、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢、法政大学女子高等学校、サニーサイドインターナショナルスクール、加藤学園暁秀高等学校・中学校、名古屋国際中学校・高等学校、立命館宇治中学校・高等学校、英数学館高等学校、AICJ中学・高等学校、リンデンホールスクール中高学部、沖縄尚学高等学校。(※3)
これは、学校教育法第1条に規定されている学校に適応されており、その他には、第1条には適応されてはいないが、プログラムを受講できる学校は上記の20校を除き、全国に26校あります。
(※3)引用元:4.国際バカロレアの認定校|文部科学省
現在、IBが注目されている理由は、多くの日本企業がグローバル人材に着目しているからです。グローバル人材は、グローバルな現場において活躍できる人材のことであり、人材採用又は育成においては日本はその他先進国と比べて、未開発な領域にいます。そのため、企業はグローバル人材として発揮しやすい環境である国際バカロレア(IB)のプログラムに将来のグローバル人材を育ててる可能性を感じています。
日本政府は、平成25(2013)年に成長戦略の一つとして「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」を掲げ、その戦略に基づき、国際バカロレア認定校を2018年までに200校増やすことを目指しています。(※4) 一部、日本語で受講できる講義も増えてきていますが、グローバル人材に必要不可欠な語学力として、英語、フランス語、スペイン語で講義を受けることができます。
カリキュラム内容は、言語と文学(母国語)、言語習得(外国語)、個人と社会、理科、 数学、芸術を6科目のうち3〜4科目を標準レベル(各150時間)、上級レベル(各250時間)を学習します。その他に、試験に必修要件とされている課題論文や「知識の本質」(最低100時間の学習)が備わっているか、無報酬での奉仕活動や創造的思考を伴う芸術活動を2年間履修します。(※5)
いわば、大学に近いカリキュラム内容であり、2年間のうちに国際的な大学入学に必要とされる能力を身に付けることができます。
(※4)参照元:日本再復興戦略平成25年6月14日|首相官邸
(※5)参照元:国際バカロレアのプログラム|文部科学省
国際バカロレアは、日本でも認定校を増やす計画が推進されているところですが、教育理念として以下の10の学習者像が掲げられています。
小・中・高の教育の段階で、これらの育成、学習者への浸透を目指す教育プログラムです。現代の企業の人材育成において、ビジネススキルという括りで重要視され、教育や研修などで力を入れられている項目が目立ちます。世界レベルで、現代でも将来的にも需要度の高い資質や能力です。就活はもとより、社会人になってからも役立つ基礎力が身に付けられると考えられます。
受け身的な学習ではなく、自発的に考え、調べ、自分の意見に落とし込み、グローバルなステージに合っても的確に伝達していくスキルを日常的に学びます。また、自分で学習計画を立てスケジュール管理していくスタイルがとられているため、困難を乗り越える経験を重ね、最後までやり抜くマインドも醸成されるようです。一般的な資格取得の際にも必須のマインドではないでしょうか。
また、世界各国の大学への入学資格や受験資格としても採用されているようです。
国際バカロレアは世界共通のプログラムが採用されています。学力だけでなく思考力やコミュニケーション能力も大変重視されたカリキュラムが組まれています。
英語、フランス語、スペイン語が主な使用言語となっています。日本でもこれまで、国語(日本)以外の学習は英語で行われていたため、日本語の理解や国語力の低下が懸念されています。この点で日本の大学への進学が難しくなる可能性も出てくると考えられています。これを受け、2016年からは国内の一部の認定校で、日本語での授業範囲が広げられているようです。
国際バカロレアの教育スタイルのメリットとしても挙げているのですが、自ら学習する術と結果につなげる力を付けることに注力されています。膨大な量の暗記や課題に個人的に立ち向かう環境が強いられるようです。精神的負荷が高くなることは覚悟が必要と言えそうです。
PYP(3~12歳)、MYP(中学校)、DP(高校)と年代ごとの種類のある国際バカロレア。学校がどの段階のプログラムを持つのかという点もチェックが必要です。それぞれの学校に配属されいてるコーディネーターの手腕によって、学校全体の学力レベルや学習効果も左右されてくるという声もあります。
グローバル化の世の中で輝く国際バカロレア。このプログラムで育成された人材は、企業の海外進出のきっかけになるかもしれませんね。
「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。
この記事を読んだ方は次のページも読んでいます。