記事更新日:2020年06月05日 | 初回公開日:2017年10月19日
外国人採用・雇用 グローバル経済 採用・求人のトレンド グローバル用語解説日本人の大半は学校を卒業して、晴れて社会人として一から歩みだすことになります。社会人一年目として、その業務に関する知識は今後身につければ良く、入社時には求められないことも多く見受けられます。一方で、諸外国の就職活動や日本国内での中途採用では業務についての知識を問われるケースがほとんどです。国内と諸外国の就職活動の違いを比較し、外国人が日本で就職をするためにどのような点に着目するべきか解説します。
日本では「新卒採用」という言葉に、誰も違和感を感じません。大学4年生になると、みな同じ時期一斉に、同じようなリクルートスーツを身につけ、企業説明会や面接に挑みます。そして、同時期にみな春から新社会人となるわけです。そして見事決まった企業で、新人研修やトレーニングを受け、企業の一員として成長していきます。
実はこういう新卒採用のやり方は、日本独特の文化なのをご存知でしょうか。まず欧米の場合、新卒の右も左も分からないという真っさらな人材より、すでに知識と経験を持つ、即戦力となる人材を欲しがります。また、労働市場自体、流動的なので、誰かが辞めて空きが出たら、誰かを雇うというスタイルになるため、日本のように、同じ時期に一斉に企業説明会や面接などは存在しません。
では、新卒者はどうしているかというと、大学に在学中から、パートもしくはインターンシップで働き、学位以外に経験もそこで積み、自らが企業の即戦力となるように努めた上、就職先を探します。欧米では日本のように、各企業が新卒者⚪︎名募集。という風には募集をかけないので、自分が就きたい職の求人を常にチェックして、応募するようになります。
ちなみに日本と同じような新卒採用を行っているのが、お隣の中国です。日本と同じように企業は新卒枠を設け、優秀な人材を採用しています。ただそんな中国も、近年ではただ優秀なだけではなく、インターシップで経験を積んでいることを条件にするなど、即戦力を重視する欧米化しつつあります。
海外の就職活動にはどのような特徴があるのでしょうか。
就職活動にもお国柄があるようで、特定の国からの外国人採用をお考えの担当者様は、その特徴に合わせることが、応募者や内定率を上げることにつながるかもしれません。とくに新卒の就職活動の在り方は知っておいたほうがいいでしょう。
アメリカ企業は「経験」が重視で即戦力人材を求める確率が圧倒的に高いです。これは職務経験のない新卒者にとって、社会人ライバルといつも比較される不利な環境といえます。このため、アメリカの大学生たちは在学中や卒業後に何らかの社会経験を積むのが一般的です。新卒に経験を求めない日本とは、企業の視点も新卒者の意識もかなり違ってくるでしょう。
日本で「新卒採用の時期」が特定されているのも世界的には珍しいことです。各国との卒業時期がずれることもグローバル人材の確保を難しくしている一因になっています。この採用時期の特定が、就職活動の仕方にも影響を与えているようです。
また、大学での専攻に合わせた就職先を選択するというのが一般的なヨーロッパや中国では、10代のうちに将来像や方向性をある程度固め、知識やスキルアップする意識が高いです。日本はというと、大学で就活時期になって、どんな仕事に就きたいかを考え始める学生が少なくありません。就職を含め、自分のキャリアについて真剣に考える期間の違いも明白ですね。幅広い職業選択肢があるというのも特徴です。
それぞれの国の特徴を知ると、就活者の行動や傾向が違うことにも頷けます。世界中に対して同じ募集やアプローチでは、グローバル人材の採用成果は得にくいといえそうです。
さて、日本と海外の就職活動の違いを見てきましたが、外国人が、日本で就職したいと望んだ時、彼らにとっての日本はどうなのでしょうか?
日本企業も、より優秀な人材をグローバルに採用したいと思ってはいても、日本企業と外国人の間には、様々な問題が存在するようです。なぜ、外国人にとって、日本企業の就職は難しいのでしょうか?
1番の理由は「日本語」です。企業の中には、英語を日常のツールとして使用する会社もありますが、大抵の会社は、日常会話は日本語になります。当然、エントリーシートや履歴書は日本語で提出になるでしょうし、入社テストも日本語です。仮にある程度のレベルまで日本語ができたとしても、難しい日本語での読み書きのペーパーテストは、外国人にとって、かなりハードルが高いです。
そして、ペーパーテストの問題はクリアできたとしましょう。続いて日本語での面接も問題になります。どれくらい企業側にインパクトを残すような、説得力あるスピーチが日本語でできるかというと、不安が残ります。おそらく外国人自身、母国語であれば、何不自由なく自分をアプローチでき、持っている知識や経験を生かすような表現もできるでしょう。でも、日本語で話せとなると、そうはいきません。
外国人にとって、日本は魅力的な国ではありますが、いざ、就職をしたいとなると、まだまだ課題は残ります。そして現状、日本では、まだまだ少子化は進み、人口の減少にも歯止めがかかりません。日本にとって外国人の労働力は、この先、さらに必要になってきます。
企業と外国人のミスマッチを改善するため、少しずつではありますが、一部の企業では、多言語対応の採用サイトを開設したり、日本人採用の基準を押し付けるのではなく、外国人に配慮した選考フローを行うように、企業側も外国人受け入れの器を、改善しつつあります。
外国人の採用から定着までを全面サポート
「郷に入れば郷に従え」という言葉があります。外国人が日本で働きたかったら、日本語を話すのは当然。そういう見えない壁が、外国人の日本での就職を困難とさせています。確かに、日本の企業で、日本人と一緒に働くためには、コミュニケーションツールとして、日本語を話すことは重要かもしれません。ただ、それにばかり重点をおいてしまうと、外国人の優秀な人材を確保することは困難になります。仮に、日本語がネイティブレベルでなくても、日本人にはない仕事のスキルや経験があれば、企業にとっては財産になるのではないでしょうか。外国人の語学能力以外に、どんな能力があるか。その能力を生かすために、企業はどういう体制をとるべきなのか。必ず必要になってくる外国人労働力。今後、企業や国が、どのように今ある問題を解決していくか、非常に興味深く、期待がふくらむところです。
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