外国人労働者を雇用できる企業規模とは【就労ビザのチェックポイントも】

記事更新日:2020年06月22日 初回公開日:2017年09月08日

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外国人雇用において、会社規模によって必要書類や審査にどのような影響があるのか実務の観点から解説します。

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企業規模の区分について

 入国管理局では、企業規模について4つのカテゴリーに区分をしています。簡単にまとめると下記になります。

【カテゴリー区分】
カテゴリー1:上場企業
カテゴリー2:給与所得の源泉徴収額税が1,500万円以上
カテゴリー3:その他一般企業
カテゴリー4:新設会社

ことを指しており、個人でも雇用していれば申告するものです。法定調書合計表がよくわからない場合は、税理士に聞けば出してもらえます。目安としては、従業員に支払っている給与が数億以上・売上で数十億以上いっていないと源泉徴収額が1,500万円以上はいきませんので、非上場企業の中でもかなり大きい規模の会社と言うことになります。

カテゴリー区分による審査基準

 上記で説明したカテゴリー区分によって、必要最低限の提出書類が変わってきますが実務的な観点で言うと、カテゴリー1や2の企業が入国管理局HPに載っている必要書類だけを提出しても追加資料提出通知書等が届き、結果カテゴリー3の企業と同じ程度の提出書類を求められることが多く、カテゴリー区分での変化はほとんどありません。

 ではどのような点で変化があるのかと言うと、「審査の厳しさと与えられる在留期間」です。カテゴリー1または2の企業は、売上が大きい企業なので企業としての安定性や継続性があることから審査が緩和され、審査期間も短くなります。それと合わせて在留期間も3年や5年といった期間が出やすいです。カテゴリー3でも、3年や5年の在留期間が出ることもありますが、1年が基本的には多いです。1年後の更新の際に問題なければ3年や5年となります。

1人会社でも外国人雇用は可能?

 カテゴリー4にあるように、新設会社でも外国人の雇用は可能です。1人会社でも1人の個人事業主でも可能です。ただ、1期目の会社(個人)であれば事業計画書は必須で、売上アップの見通しがたっているものを作る必要があります。要するに会社の規模感での審査ではなく、会社(個人)の安定性と継続性を重視しています。この事業計画書ですが、新設会社だけでなく、事業の多角化により新規事業を立ち上げようとしていて、新規事業要因として外国人を雇用する場合にも必要です。その際には、その新規事業がどうだったのか、具体的な数字等をビザ更新時に入管から求められます。

赤字決算企業の場合

 このご時世、業績を安定させるということは難しく、何期か事業を行っているが赤字決算になってしまっているという企業も多くあります。そういった企業で外国人を雇用することはできるのかという話も相談をいただきますが、結論から言うと雇用は可能です。ただ、黒字決算の会社と比べると審査は厳しくなります。ポイントとしては、「なぜ雇用が必要なのか」「なぜ外国人なのか」「今後の見通しはどうなのか」といった観点を丁寧に理由書で説明する必要があります。なので、必須ではないですが見通しが立っている事業計画書も合わせて提出した方がよいです。

 債務超過になっている企業に関しては、さらに審査が厳しくなります。通常の内容では不許可になる可能性が高いですが、売上が上がる根拠を示して、安定性・継続性を示すことが必要になります。

さいごに

 これは全ての公的機関への申請等にも言えますが、経歴や経験等を示すときにはそのエビデンス資料をつけることが必要になります。エビデンス資料を示せない場合は、内容が事実だとしても相手にはその根拠が見えないのでその事実はカウントされません。

 今回は会社規模について述べましたが、就労ビザの最重要ポイントは外国人の学歴と職務内容のリンクなので、まずはそこをしっかりとおさえるようにしましょう。

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    この記事を書いた人

    塩野 豪(しおの ごう)

    行政書士塩野豪事務所の代表。
    外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
    人材紹介会社の外部顧問としても活動している。

    HP:行政書士法人フォワード

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