記事更新日:2020年06月05日 | 初回公開日:2017年09月12日
日本の英語教育 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報 用語集 グローバル経済 日本の企業が採用条件に「英語の能力:ビジネスレベル」を挙げることがたびたびあります。どのくらいの語学力を持っているとビジネスレベルであるとされるのでしょうか。
そこで、ビジネスの現場で具体的に必要とされる3つの能力と日常で使用される英語とビジネス英語の違いの具体例を紹介します。
ビジネスの種類によっては専門の語彙や表現を使うことがあります。その分野の単語力が身についていることはビジネスでは必須です。例えば、英語を流暢に話せる人でもIT分野の単語を知らなければ、IT関連の会社では何もできないということです。
英語をつかって仕事をする際、母国語が英語ではない人にも遭遇します。そのような人はアクセントが強かったり、普段耳にしない言い回しや、独特の例えなどを使う場合があります。そのようなときにも的確な返答ができなくてはなりません。また逆に、相手が自分の言っていることを理解できない場合もあります。いずれの場合でも、ビジネスシチュエーションでは上手く対応し円滑なコミュニケーションを図る必要があります。
ビジネス会話は日常会話と違い、会社で接する人によって言い回しを変える必要があります。会議や営業、交渉など、シチュエーションによっても適切な語彙は変化します。あらゆる場面で適切な英語が使い分けられる能力が求められるため、英語そのものだけでなく、社会人としてのビジネスマナーも非常に重要となります。
日本語 | 日常英語 | ビジネス英語 |
---|---|---|
上昇する | go up | increase |
延期する | put off | postpone |
考える | think | consider |
見つける | find out | discover |
しかし | but | however |
はい。大丈夫です。 | Yes. For sure. | Yes. Certainly |
元気ですか? | Hey! What's up? | Hi. How are you? |
~したいですか? | Do you wanna ~? | Would you like to ~? |
~してもいいですか? | Can I ~? | I was you like to ~? |
~は何ですか? | What is ~? | Could you please tell me what ~ is? |
このように、ビジネス英語と日常で使用する英語は異なっています。しかし必ずしもビジネスのシチュエーションの際に、上で紹介したような英語を使用しなければならないというわけではありません。上でお伝えした通り、「ビジネスレベルの英語力」にはTPOに応じて自分が使用する英語を変えることができる能力が含まれています。
では、ビジネス英語の英語力を測るにはどうすれば良いでしょうか?
ビジネス英語の英語力を測るための指標の一つとして多くの企業は英語の資格を参考にします。ここでは、英語学習者に人気な英語の資格とその特徴をご紹介します。
TOEICとは年間170万人以上の人が受講する英語を母国語としない者を対象とした英語によるコミュニケーション能力を検定するための試験です。リスニング100問、リーディング100問の設問で構成されており、満点スコアは990点です。合格、不合格などは無く、テストの出来によってスコアが変わります。
TOEICはビジネスに関連する問題が多く出題されるため、多くの企業が採用時にTOEICのスコアを参考にします
一般的に良く受けられるリスニングとリーディングのみのテスト以外にもTOEICにはスピーキングとライティング専用のテストが用意されており、それぞれ満点スコアは200点です。
英検の知名度は日本では高く、多くの学生が受験します。英検には5級から1級までの7つの級があります。受験者は受けたい級を決め、申し込みます。そしてテストを受け合格点以上とれた場合、その資格が与えられます。
英検のテスト内容は、筆記試験と面接です。英語で面接が行われるため、英検を持っている人は級相応のスピーキング能力を持っていると判断しても良いでしょう。
TOEICはビジネス関連の問題が多いですが、TOEFLはアカデミックの内容が多い英語テストになっています。また、TOEFLはリーディング、ライティング、リスニング、スピーキング全てのテストがあるため、TOEFLで高いスコアを持っている人は総合的に高い英語能力を持っていると判断することができます。
TOEFLは外国の大学に留学する場合は一定以上のTOEFLのスコアを持っているなどの条件があるため、留学を考えている学生が受ける英語テストになります。TOEFL iBTの満点スコアは120点です。
IELTSは世界的に認められている英語テストです。国によってはTOEICよりもIELTSのスコアを重要視する場合もあります。IELTSはTOEFLと同様に、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング全てのテストで構成されているため、IELTSのスコアから総合的な英語力が判断できます。
先ほどもお伝えしたように、多くの日本企業は採用活動を行う際、TOEICのスコアを参考にします。基本的にはTOEICのスコアでいうと600から700点以上をもってビジネスで英語が使えるレベルと判断されるところが多いです。
人によってはTOEIC以外の資格を取っている場合もあるため、参考までに上でお伝えした英語テストのスコアを換算し比較したものをご紹介します
英検 | TOEIC | TOEFL iBT | IELTS | 英語力 |
---|---|---|---|---|
- | - | 118~120 | 9 | ネイティブに近い 海外赴任以上 |
- | - | 115~117 | 8.5 | |
- | - | 110~114 | 8 | |
- | 970~990 | 102~109 | 7.5 | |
1級 | 870~970 | 94~101 | 7 | |
- | 820~870 | 79~93 | 6.5 | 企業の国際部門基準レベル |
準1級 | 740~820 | 60~78 | 6 | |
- | 600~740 | 46~59 | 5.5 | 企業が中途採用で求めるレベル |
2級 | 550~600 | 35~45 | 5 | - |
- | 500~550 | 32~34 | 4.5 | - |
準2級 | 450~490 | ~31 | 4 | - |
- | 300~440 | - | 3.5 | - |
3級 | 291~299 | - | 3 | - |
- | 270~290 | - | 2.5 | - |
4級 | 260~269 | - | 2 | - |
5級 | 100~259 | - | 1.5 | - |
社内でビジネス英語の習得を支援する企業も増えています。語学は一朝一夕には身に付かないスキルです。ビジネスで活かせる英語となると業務をスムーズに進めるための異文化間でのコミュニケーションについても同時に意識することが重要なポイントでしょう。
企業で活躍する社員の多くがミレニアル世代となっている現代。インターネット環境でスマートフォンやタブレットがあれば、都合に合わせて、短時間で、どこででも取り組むことのできるE-ラーニングやマイクロラーニングでの英語習得支援も人気です。
また、スカイプを使用したオンライン英会話レッスンを利用するとスピーキングの練習もすることができます。
このようなインターネットを使用する英語学習コンテンツを社員に提供し、社員の英語力を向上するための支援を行う企業が年々多くなっています。
企業ニーズの高まりもあり、ビジネス英語の市場サービスもさまざまな展開が見られます。職場のコミュニケーションだけでなく、プレゼンや商談、交渉、会議、マネジメントなど、それぞれのシーンに合わせたメニューを提供しているところもあります。
自社ニーズに合わせて業務上での実践度の高いカリキュラムの構築や、分析や評価までを請け負ってくれるサービスもあります。学習記録や能力評価が得られることは、人事業務の面でも役立てられているそうです。
まずは企業にとって英語でのコミュニケーションがどんな役割を果たすのかを目的として共有することがポイントのようです。学習する社員も何のために語学力が必要なのか、ビジネス上ではどんな会話コミュニケーションが有効なのかを自覚して取り組むことで業務への成果にもつながりやすくなるでしょう。
ビジネス英語力を向上させる研修に加えて異文化理解を促進するための研修を行う企業も増えています。
なぜなら、英語を使用して異文化を持つ人とコミュニケーションをとる際、異文化理解が全くないと、フラストレーションが溜まりトラブルに繋がることが多いためです。
例えば、日本人は遠回しに物事を伝える文化をもっていますが、欧米でははっきり物事を伝えることが良しとされています。この文化の違いを知らずにお互いにコミュニケーションをしているとお互いに寛容になれないためフラストレーションが溜まってしまいます。
グローバルにビジネスを行う際は、英語力と同じくらいグローバル環境でのビジネスマナーや多文化に寛容になる能力が必要になるため、異文化理解を促進させる研修を行う企業が多くなっています。特に、多くの外国人を採用する企業は、この研修を取り入れています。
外国人を採用する企業について興味がある方は「外国人採用のメリット・デメリット」「外国人を積極的に採用する企業。その理由と本音」をご覧ください。
帰国子女とは両親の国外勤務などの事情により、海外で長期滞在をし、大学入学前後までに日本へ戻ってきた人を指します。彼らは英語で海外で教育を受けていますから、英語を問題なく使用できます。では英語が流暢な彼らはビジネスで通用する英語力を持っているのでしょうか?
帰国子女の人たちは英語の読解力、会話力には問題がないと思われますが、実際の仕事の経験から専門知識やビジネスマナーを学んでいないと即戦力とまではいかないでしょう。
前半でお伝えした通り、ビジネスで英語を使用するには専門的な語彙力が必要となります。
そのため、海外で英語を学んでいない人でも日本の企業で十分経験を積んで、専門知識を蓄えた上で、国際部門へ転向したり、海外赴任に挑戦したりと、今あるキャリアを活かしつつ、英語を習得することでグローバルで活躍する人材になれる可能性は大いにあります。
むしろ、経験と実績に裏づけられたビジネスの基礎をしっかりと持つ人物の方が、企業にとっては安心して仕事を任せられる人材となるでしょう。
ビジネスレベルの英語を身に着けるには業務内容の知識力と経験、それに伴った英語力の総合的なスキルが必要です。
また、英語も一つの言語です。日本語も日々変化するように、言語は社会や情勢に合わせて変化していきます。ビジネスレベルの英語を使える人になる為には、日々の変化に注目し吸収していくという姿勢でいることが大切です。そうすることで初めて、生きたビジネスレベル英語を使える人になれると言えるでしょう。
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