記事更新日:2020年06月06日 | 初回公開日:2017年09月13日
日本の英語教育 グローバル経済 人事・労務お役立ち情報 用語集海外では書類や契約書に承諾、承知したという証拠にサインを書きます。日本でいうところの印鑑にあたるものですが、このサインはたいてい本人が書きやすいようにある程度崩していたり、デザインらしくデフォルメされたりしたものを署名として使うことが普通です。
印鑑の文化は日本、韓国、中国、台湾だけに存在します。どの国も10年ほど前までは印鑑登録の制度が日本と同じようにありましたが、2014年まで段階的に印鑑登録を廃止して電子認証制度に移行してきた韓国を最後に、今でも印鑑証明制度を起用しているのは日本だけになりました。これらの東アジア諸国でも現在ではサインで署名は認証されます。
ここで少々疑問に残るのは、サインはハンコのように形が決まっていませんから、本当に本物かどうかどうやって照合するのだろう?というとうところです。その場で公証人制度という「Notary Public/ノータリーパブリック」という人たちがサインが本人の書いたものであるという「notarization/認証」を発行します。公証人の立ち合いのもとに書いたサインに「この文章に申請人本人がサインをした」という旨を公証人が日付と共に記載することで本物であるという証明をする方法がとられます。またイニシャル(名前と苗字の初めの英字を合わせた2つの大文字英字で表されるもの)もサインと同時に署名の効力を持ちます。契約書のようなある程度のボリュームのある書類にはサインと共にイニシャルも各ページに書かれることもよくあることです。
英語でのサインには、もちろんアルファベットを使いますよね。しかし、さまざまなシーンでのサインには、いくつかのパターンが見られます。それぞれどういった場面でより多く使われているかをご紹介しましょう。
フルネームのサインは、公的にも重要度の高いものに使用されます。クレジットカードの契約、パスポートやビザの申請、ビジネス上の契約書などがあてはまるでしょう。ブロック体で表記し、あらためて手書きのサインを併記することも多いです。
公式のサイン(署名)の場合、ファーストネーム(名前)だけ、イニシャル2文字だけでは認められないものもあるので注意が必要です。プライベート度が高いほど、これらの書き方の許容範囲は広がります。ただ、ビジネス上では、本人が書いたことが分かることのほうが、きちんと読めることよりも重要なため、これらが一概にルール違反とは言えないようです。
ファーストネームのイニシャルにラストネームを続ける書き方はよく見かけます。クレジットカードの署名は基本的にはこのスタイルでも通用しますが、偽造防止のためにも筆記体にするほうがいいでしょう。大量な書類へのサインにも用いられることが多いようです。
ここで田中ようこさんという名前を例にサインの書き方を見てみましょう。
通常はファーストネーム(ようこ)、ラストネーム(たなか)の順番にローマ字で一つ目のイニシャルは大文字、あとは小文字で表します。
Yoko Tanakaが基本です。このままでももちろん十分署名としては成り立ちますが、筆記体でYoko Tanakaと書かれている方が偽造される可能性を防げますので、効果的です。また、サインと同時に日付を書く場合がよくあります。
アメリカ式は月/日/年(4/25/2017)となり、イギリス式は日/月/年(25/4/2017)というように違いがありますので、注意が必要です。
サインは日本ではほとんど使う機会がありませんので、自分のお気に入りをコンスタントに書くには練習が必要です。
最近ではかっこよく見えるサインを作成してくれるサイトもありますので、本格的に事業などで使用頻度が増える場合は、ビジネスサイン(ほとんどがカスタマイズされた変形や歪曲のデザインで形成されたサイン)をもって置くことで統一感がでて会社のイメージも非常に良く見えます。
英語でのかっこいいサイン、美しいサインを書きたいときの書き方のポイントをご紹介しましょう。セキュリティ面からも、自己アピールという面からも、オリジナリティのあるサインを練習しておくのもおすすめです。
ファーストネームやラストネームの頭文字を大きくし、続くアルファベットを小さめに書くとバランス良く見えるようです。これはブロック体でも筆記体でも同じです。英語のサインの場合、判読不可能なくらいに崩しても問題ないとされるのが一般的で、自分のサインとわかればいいのです。もちろん、いつも違うスタイルとなってしまってはいけないのですが、基本的に署名サインには決まりはないと捉えていいでしょう。
学校で習ったような筆記体でなくても自分でつなぎ方を変えたり、縦横の長さを調節したりして見た目のいいデザインを創り出すこともできます。点やハネを強調したり、直線や曲線ライン、囲んでフィニッシュという方もいらっしゃいます。
自分の気に入ったスタイルが決まったら、繰り返し練習して書き慣れておくことも大切です。セキュリティ面や信用性の重要度が高まるものの場合は、お手本のような美しさよりも、独自性があって「これは自分で書いたサイン」というのがわかり、かつ自分で常に再現できるものという点を意識するようにしてください。
日本では印鑑は印鑑証明から銀行の口座開設をはじめ本人確認、認証として使用されてきました。最近では大手の銀行も印鑑なしで口座開設が出来るサービスを提供し始めています。三菱東京UFJ銀行ではスマートフォンから口座が開設できる「スマート口座開設」を推進しており、運転免許書、マイナンバーカードの登録で口座が開設できます。
そのほか三井住友銀行でも入出金や名義・住所変更の手続きにサイン形状や筆圧を電子的に登録する「電子サイン承認」を導入していく方向や、りそな銀行系列では生静脈情報を登録することで口座が開設できる生態承認によって印鑑レスで出来るサービスを促進する動きが強くなっています。
日本のハンコは長く続いた公式承認の方法として広く浸透してきましたが、東アジア諸国をはじめ海外ではサインを用いての承認が当たり前になってきました。
とくに本格的な国際社会を目指していくためには、サインを起用してサービスをスムーズに行えるように改善することで、年々増加する外国人雇用にはメリットになるでしょう。ハンコを漢字やカタカナで作らなくても銀行口座を開設できると、それだけ手間と無駄が省けますし、契約書なども企業側がサインで署名する書式に変えていくことで、さらに外国人の混乱を軽減し、事務作業もスムーズに完了できます。
日本人にとって常識であったことが、国際化が進むことによって少しずつ変化しています。より良い部分を日本文化へ取り入れることで、業務もよりスムーズに遂行できるようになるでしょう。
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