記事更新日:2018年09月18日 | 初回公開日:2017年09月06日
日本の英語教育元々高崎市内でカフェを運営していたことが契機です。主婦パートが活躍していますが、ある夏の日にパートさんが大量にお休みした日があって、休業になったんですね。最初は理由も判りませんでしたが、話を聞くと「学童保育に子どもを預けられない」から。その時初めて「働きたいのに子どもを預けられない人」がいることを実感したんです。同時期に外国人の友人から「日本で仕事を探したいが見つからない」と言う事情も聞いていたので、もしかして一緒に解決できるのではないか、という発想が生まれました。
教育事業は初めて、学童保育についても一から勉強しました。高崎は観光地でも無い、外国人も多くない、典型的な地方都市。不安もありましたが、どうしてこれをやりたい 、成功すれば多くの方が喜んでくれるという気持ちが強かったので、後ろを振り返らず進めました。県内でも初めての試みで大変でしたが、理念に共感して集まってくれた仲間と一緒にスタートできました。
横浜から転勤になった人が見学に来られた時に「よくこれ群馬に作りましたねと」言われました。地方にもニーズはあると思うのですが、どうしても群馬で英語に関わろうと考えると、学習塾・英会話教室からとなります。高崎には歴史のある英会話スクールもあるので、他の塾の手が廻らないところを狙おうかと。ライバルではなく一緒に地域全体の底上げがしたいです。私が小さい時に受けたいと思うサービスを用意できたと思います。
地方の特徴としては、やはり行政の力ですね。高崎開催の国際大会も増えています。街全体で英語教育に力を入れたいという気持ちも伝わります。実際一緒にやらないかとお話をもらうこともありますので、できる限り協力したいです。
4月オープンから、通常期間は4~5名、サマースクールは60名くらい預かります。学童に加えて英語も習える。新しくて面白いと感じていただいたようです。英語教育に熱心なご家庭から、英語に触れる機会になればというご家庭もあります。小学校1年生から英語の授業が始まることで、英語に興味を持ってもらいたいと考えるお家が多いですね。高崎市外から通うお子さんや夏休みだけ東京の子が利用するケースもありました。
イマージョン教育やクリルなど導入しています。学童保育中はなるべく英語を使いたいのですが、英語レベルの差もあります。判らない時は日本語をミックスしながら、いきなり英語だけの環境になることはありません。英語漬けにするのも大切ですが、英語を好きになってもらうことが一番大切だと考えています。できる子はどんどん英語で自分の思いを表現しますが、アルファベットが書けない子もたくさんいます。初めは判らない子でも、ゲームを利用したりと工夫しながら、繰り返し練習をすることによって理解できるようになります。
ネイティブの先生は英語を中心に指導しますが最低限の日本語も使います。英語が嫌いになっては台無しなので、ストレスに感じない程度に。時間はかかっても「英語は楽しい」と感じるよう、無理なくレッスンします。本当に判らない子はぽかんとした顔をしているので、最後に「ジャパニーズ プリーズ」 の質問時間を用意すると一斉に手が挙がります。
毎日一緒にいると子どもの成長を本当に感じます。最初はツンツンしていた子が小さい子にはお姉ちゃんお兄ちゃんの顔で接したり、夏休みの1ヶ月だけでも同じです。最初は恥ずかしがる高学年の男の子も、徐々にスイッチが切り替わりハイタッチしたりアメリカンなリアクションが出たりします。ここではグローバルネームを使っているのでスイッチが切り替えやすいんだと思います。
買い物してみる、病院に行ってみる、入国審査をしてみるなど「英語で○○してみる」をやっています。今日は 地図を見ながらnorth america について勉強をしました。小さい子には難しい内容ですが、学年も英語レベルも様々なので、簡単すぎず、難しすぎないようバランスを考えます。準2級の子はたまに退屈そうです。そんな時は「じゃあ英語で質問してみよう」なと個人に合わせて、みんなが楽しめるように心掛けています。
9月からはプレゼンテーションの時間を作りたいです。海外では小さい時から自分の考えを相手に伝える練習をします。「自分の気持ちを伝える為に何が必要か」考えることは文法や単語を覚える以上に英語学習の意欲に繋がるはずです。「自分の考えを勇気を出して伝えたい」と思う気持ちを育てたいです。
カリキュラムはみんなで考えていますがベースは学校の授業です。なのでそこから色々興味を引き出したいと考えています。たとえば日本の文化を勉強することもあります。外国の先生に日本の文化を紹介するのもレッスンになります。ここにはインドネシア出身の先生もいます。英語圏以外にもアラビア語や中国語など「外国語って英語だけじゃないんだ」という気づきもあります。
今は目の前のことに一生懸命ですが・・・群馬が成功した後「この街にも作って欲しい」と言う声があればチャレンジしたいです。というのも、せっかく日本に来てくれた海外の人達が、仕事がなくて帰国せざるを得ないということを度々目にして「日本が好きで長く居たいと思ってくれた人を応援したい」という気持ちが根底にあるからです。外国の方はアルバイトでは日本にいられません。高崎以外の街でも、その街が大好きでその街にずっと住みたいと思っている外国の方はたくさんいるはずなので、そういう人が活躍できる場所づくりはすごく大事だと感じていますし、マッチングしていきたいです。
講師の方はJETプログラムなどで群馬に来たことがきっかけで群馬が大好きになった方ばかり。
「群馬に残りたかったのでスペクトラムの仕事と出会えて本当に良かった。チャンスがあって本当に良かった。」と皆さんおっしゃっていました。将来、Spectrumで英語に触れた子ども達の中から世界に進出する子も現れるかもしれません。
「20年後が楽しみなんです。」という相京さんの一言がとても印象に残りました。
取材:深代ひろ子 城田仁美
グローリーハイグレイスSpectrum事業部 代表/相京 恵さん
住 所:〒370-0841 群馬県高崎市栄町14−1高崎イーストセンタービル302
URL :http://spectrum-gunma.com/
TEL :0120-622-666
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