記事更新日:2020年06月05日 | 初回公開日:2019年09月12日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 用語集雇用のミスマッチとは、「採用側の企業と採用される人材間の双方のニーズや利害関係に相違があること」です。しかし、実はこの雇用のミスマッチが発生する背景には重要な原因があることがお分かりでしょう。そして、この雇用のミスマッチの本質を理解していないがゆえに、昨今、この雇用のミスマッチが頻発している訳です。ミスマッチの本質としては、単なる双方の条件が合わなかったというミクロ的な視点ではなく、昨今の人材不足が起因するマクロ的な視点からも、この本質を理解する必要があります。
一般的に雇用のミスマッチとは、企業側が採用した人材が事前に想定していたイメージとは違うとか、逆に人材側が就職してみると自分が思っていた仕事内容と違っていた、ということですよね。そして、それにより企業側が求めている人材がみつからないケースを、一般に雇用のミスマッチと呼ばれます。しかし、これはミクロ的な視点なのです。ここでは、昨今の人材不足自体が雇用のミスマッチを引き起こしているというマクロ的な視点から、雇用のミスマッチの真の原因を探って行きましょう。そして、どうすれば企業側が求めているような企業ニーズにあった人材をミスマッチを起こすことなく発掘することができるのか、マクロ的な視点から分かりやすく解説していきます。
昨今、人材不足は企業側にとって深刻な問題となっています。そして、どの企業も優秀な人材を欲しがっているがゆえに、これが雇用のミスマッチを誘発する原因にもなっているのです。実際、人材不足の特効薬として昨今の企業は外国人の労働者も意欲的に採用していますよね。しかし、日本人の採用よりも、外国人の採用のほうがかなり難しく、これも雇用のミスマッチを引き起こす原因のひとつであるといえます。つまり、日本の労働人口はどんどん減少しており、数少ない応募者の中からより多くの優秀な人材を確保しないといけません。それゆえに、色々なことが原因となり、雇用のミスマッチが頻発しているのです。貴社も良くご存じのように、雇用のミスマッチが最近注目されるようになってきていることは、良くお分かりでしょう。そして、雇用のミスマッチはかなり根深い問題ではありますが、企業側としての解決策はあるのです。
企業のニーズが多様化するにつれて、グローバル対応も迫られ、それ故に、求める人材への要求内容もますます複雑になってきています。そして、これが原因で雇用のミスマッチが発生しているのはお分かりでしょう。結果として、必要な人材を的確に確保できていないというのが、昨今の企業の実情でしょう。近頃は企業の採用活動自体も多様化していますので、ネットでの募集や人材採用会社の活用も盛んです。しかし、採用活動の仕方がまずいと、これも雇用のミスマッチにつながるのです。
この雇用のミスマッチが引き起こすデメリットの卑近な例があります。例えば、採用担当者がせっかく採用した優秀な人材が、数か月後に職場から「あの人材はダメだ!」とか「本当に我々のニーズにあった人材なのか?」と言うような声が上がるケースです。採用担当部門に良くこのような声が寄せられることがあります。そして、実はこのような不満は、実は採用担当者が現場部門のニーズを良く踏まえて採用しても発生するのです。つまり、このことは採用した人材自体が如何に優秀であっても、貴社の採用職場でその人材の能力が活かすことができていない、という雇用のミスマッチのデメリットの典型的な例でしょう。そして、採用された方自身も同様に「こんな筈ではなかったのに。」と思っているに違いありません。そうなると、企業と人材の双方にとっても不幸ですよね。
この雇用のミスマッチがもたらすデメリットの要因のひとつに、採用人材が働く環境や組織自体の問題があります。これは、本人の能力や才能とはちょっと違った側面であり、これも大きなミスマッチが引き起こすデメリットとなっています。つまり、採用人材が、仕事自体と言うよりも採用職場の環境や組織と合わないと、人材の労働意欲自体がかなり低下します。これも大きなデメリットのひとつと言えるでしょう。しかし、これは採用時のちょっとした工夫で防ぐことも可能です。また、採用後のまわりのちょっとした配慮でも、このミスマッチのデメリットをある程度防ぐことも実は可能なのです。
雇用のミスマッチが引き起こすデメリットの中で、もっとも避けるべきものは退職ですよね。実際、何らかのミスマッチが原因で採用人材が入社してすぐに辞めてしまうのは、双方にとって悲しい事です。また、採用に要した費用のことも考えると、企業にとって退職は、もっとも防ぎたい雇用ミスマッチのデメリットになるでしょう。 新規採用人材であろうがなかろうが、退職者が出るというのは企業側にとっても採用人材にとっても一番大きなデメリットです。更に、社内の雰囲気も悪くなり、何も良い事はありませんよね。昨今の求人が難しくなっている現状において、より多くの人材を採用したいという人事採用部門の思いは良く理解できます。しかし、会社の将来の為にも、またその人材の為にも、雇用のミスマッチによって発生する雇用後すぐに退職するというデメリットは、当然避けるべき事柄であることは良くご理解いただけるでしょう。
企業が求人で良く利用するのは、インターネット等のメディアや人材採用支援企業です。しかし、これらの活用の仕方によっては、雇用のミスマッチが発生する可能性があります。これは貴社からネットや人材採用会社へ提供する採用情報の不明確、不透明さから発生することがお分かりでしょう。すなわち、貴社が必要とする人材がどのような人材なのかを、明確に応募者に伝えることができていない、ということが原因なのです。採用情報の不明瞭さや不正確さは、当然雇用のミスマッチを引き起こしますよね。企業側としては、どのような人材を必要としているのかだけでなく、貴社の企業情報や将来戦略も明確に発信することが大切です。そうすれば、応募者も自分に期待されるスキル面だけでなく、貴社の将来への貢献度合いも含めて明確に把握することができるでしょう。そして、この認識がミスマッチを防ぐことにもつながるのです。
双方の要求能力の不一致とは、企業が必要とする能力と応募者の持つ能力とが一致していないということです。これは、上記の「ミスマッチタイプその1」とも関連します。つまり、双方の要求能力・提供能力が明確になっておらず、必要とされる人材が、企業に適切に提供されていないというミスマッチですよね。そしてこれは、昨今の労働市場ではかなり頻繁に起こっているのが実情です。これは昨今の企業ニーズ、要求スキルが複雑化している現状において、典型的なミスマッチのタイプとなっています。しかし、これも採用段階での工夫により、ある程度は防ぐことは可能なのです。
このミスマッチのタイプも結構発生しており、採用後に即退職となる原因のひとつにもなっています。当然、企業側、人材側の双方ですべての希望が一致する労働環境や職場、人事組織となることはまれであり、かなり難しいのが実情です。転職人材のほうも、多かれ少なかれこのことは感じておられることであり、どこまで妥協できるかが鍵になるでしょう。労働環境と言う意味では、職場環境だけでなく、応募者の年齢や経験度もその後の採用人材とまわりの組織との関係でミスマッチが発生することもあり、かなり難しい問題です。しかし、このミスマッチも採用段階でその人材が所属することになる組織の構成や特徴を、事前に明確に応募者に説明することによりある程度は解決出来るのでしょう。つまり、様々なミスマッチのタイプは相互に関連して発生しますが、これらミスマッチを防ぐためには、一つのポイントがあります。それは、採用候補者に採用後本当に自分に合った職場かどうかをイメージできるような判断材料を事前にできる限り提供することです。これを企業側から積極的に実行することにより、雇用のミスマッチはかなり防げるでしょう。
まず一つ目は、希望する採用人材の情報だけでなく、自社企業の明確な情報発信が、雇用のミスマッチを防ぐうえで一番重要といえるでしょう。明確な会社情報の発信といっても、いくつか重要なポイントがあります。まずは、「貴社の人材ニーズの明確化」です。。更に、採用人材の配置部門はもちろんのこと、採用担当者もそのニーズを明確に理解する必要があります。つまり、ネットや人材採用会社へこれらを的確に発信することも重要なのです。もうひとつは「貴社の将来戦略の明確化」です。貴社がどのような部門や部署で人材を確保しようとしているのかの情報はもちろん重要でしょう。しかし、貴社でその人材のスキルを将来的にどのように活用しようとしているのか、という貴社の将来戦略を明確にすることも重要なのです。これにより応募者も貴社の真の採用人材へのニーズを理解でき、本当に自分がその人材候補として最適かどうかを見極めることができますよね。また、この「貴社の将来戦略の明確化」することよって、雇用のミスマッチは初期段階でかなり防げるのです。
二つ目としては、採用応募者の情報を事前にできる限り入手して、分析することです。必要な情報のポイントとしては環境適応力でしょう。つまり、その人材が貴社に適応できる能力があるかどうかですね。これは結果的に、「ミスマッチタイプその3:労働環境・組織の相違」を避けることにもつながります。個人情報保護の観点からも、事前にすべての情報の入手は難しいです。しかし、その応募者の前職での情報をネット等の公開情報からできる限り事前に多くの情報を入手することにより、雇用のミスマッチを少なくすることが当然可能となります。
当然のことながら、この三つ目の方法は雇用のミスマッチを防ぐうえでかなり効果的です。しかし、その反面、やり方を間違えると逆効果にもなるので注意が必要でしょう。この面接によって、初めて会う人に如何に短い時間で貴社のことを良く知ってもらい、また逆に、この面接によって応募人材の本音やスキルを的確に把握しないといけないからです。例えば、以下のような面接の事前準備を行うことにより、雇用のミスマッチをかなり減らすことができるでしょう。
(1)応募者の履歴書や職務経歴書を事前に良くチェックし、あきらかに記載内容でおかしいところや矛盾のあるところ等があれば、事前にメールや電話で問い合わせて確認をしておく。(これにより面接時間の短縮にもつながり、より多くの質問ができる。)
(2)応募者が説明する前に、まず貴社側から採用ニーズや貴社の将来戦略を明確に説明し、応募者に誤解がないかどうかをまず確認する。(この貴社側からの最初の説明が重要であり、それによってその後の応募者の説明内容が変わることもある。)
(3)応募人材に要求する能力や経験を、採用現場部門のみでなく人事採用部門の担当者も事前に良く把握しておく。更に、面接時にはできれば関係部門複数のメンバーで対応する。(質問面接官が気づかないような応募者の微妙な表情や回答の仕方を、他の採用面接官が読み取れることが多分にある。)
これはある意味、雇用のミスマッチを防ぐ暫定的な方法とも言えます。昨今は自宅勤務やサテライトオフィス等が採用されている企業もありますよね。よって、単に正社員という雇用形態だけでなく、応募人材の状況やニーズに応じて多彩な雇用形態を提供することも、雇用のミスマッチを防ぐ方法のひとつになりえます。仮にその応募人材に労務上の何らかの制約やニーズがあるのであれば、まずはこの可能性も含めて仕事をしてもらいましょう。そして、その後の状況に応じて人事部門として労務上の観点からアフターケアーすることで、このことが雇用のミスマッチを防ぐためのひとつの対策にもなりますよね。
通常の企業は新入社員には試用期間を設けているでしょう。同様に中途入社の社員に対しても、仮採用期間(仮格付期間)というような形で、ある程度の期間を企業側の雇用リスクを回避するために設けている企業もあります。この仮採用期間をうまく活用することにより雇用のミスマッチを防ぎましょう。例えば、応募採用者が希望の職場や給与で採用となった場合でも、その後の職場での業務内容で、自分の労働に見合う給与でなかったと感じるケースもあるでしょう。これが原因で退職となるような最悪のミスマッチが発生する可能性もあります。よって、この仮採用期間の制度を上手く活用することにより、このミスマッチを防げるかもしれません。例えば、半年後にその人材に想定したポテンシャルがなくて、その職場に合っていないということが判明した場合の対応はどうされるでしょうか。この場合、退職というのは双方にとって避けたいことであるので、実情を正直に本人に伝え、給与面で本格付け前に交渉する、あるいは、一旦貴社内での他のより最適な職場での活用を考える手もあります。本人とよく相談の上、よりスキルを活かせる職場への異動やスキルにあった格付け(給与)への再提案をして、上手く継続雇用できる方法を模索しましょう。仮に再格付けの合意が得られずに、給与面の低下等により本人が退職を希望されても、そのままミスマッチで継続するよりは、双方にとって良いことだと思われます。
以上、このところの企業の重要な課題である「雇用のミスマッチ」について、対応策も含めてふれましたが、如何でしたでしょうか。人事・採用部門として「雇用のミスマッチ」を如何に防ぐかは、昨今の人材不足の時代の重要なテーマですよね。単に「採用した人材が合わなかった」とか、「採用が失敗して良い人材が確保できなかった」とよく言われます。しかし、これはミクロ的な視点からの意見であり、本質は別のところにあるということがご理解いただけましたでしょうか。今回解説させていただきました雇用のミスマッチを防ぐためのいくつかの施策を貴社にあうようにアレンジいただき、これにより雇用のミスマッチを防ぎ、貴社の為に長年貢献していただけるような良い人材を是非多く採用されて下さい。
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