コンピテンシー面接とは?【質問例・マニュアルを紹介します!】

記事更新日:2020年07月26日 初回公開日:2020年07月26日

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採用担当なら誰しも、質の良い人材を採用したいと考えるもの。あなたの会社では、ほしい人材を採用できていますか?有用な採用メソッドの一つとして「コンピテンシー面接」という言葉は聞いたことがある方は多いでしょう。自社でもコンピテンシー面接を導入してみたいけれど、なかなかハードルが高いと躊躇していませんか?本記事では、コンピテンシー面接の内容から導入のメリット・デメリット、そして実際のコンピテンシー面接の質問例まで、具体的に解説します。人材採用にお悩みを持つ人事担当者必見の情報ですよ!

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コンピテンシー面接とは

一言で言うとより精度の高い面接

「コンピテンシー面接」とは、面接の評価に一定の基準を設けることで採用時のミスマッチを防ぎ、採用全体の精度を高める面接方法のことです。採用面接では、短時間で候補者のスキルや性格などの本質を多角的に見極める必要がありますが、面接官によってそ質問や評価基準はまちまちになりがちです。面接時にその候補者の能力を見抜けておらず、入社後、期待していた成果を出せなかった、ということもよくあるはず。これを解決し、採用の精度を上げる方法として「コンピテンシー面接」を導入する企業が増えています。

「コンピテンシー」は「高業績者に共通する行動特性」のこと

「コンピテンシー(competency)」とは、「ある業務や役割において、優秀な成果や成績を残す人に共通する行動特性」という意味です。まずは大前提として、該当の業務に成果を上げいる社員は、特徴的な行動特性(=コンピテンシー)を共通して持っている、という考え方を理解しましょう。この面接は求める人物像としてそのコンピテンシーを明文化することから始まります。この面接を導入すると、コンピテンシーを持つ候補者を見抜くことができるため、会社が求める人材により近い候補者を採用できると言われています。

従来の面接との違いは「主観が入りにくい」こと

採用担当者の多角的な質問の受け答えから候補者を採用する従来の面接とは異なり、コンピテンシー面接では採用担当者の主観をできるだけ排除することができます。通常の面接では、どうしても職務経歴など表面的な情報や面接官の第一印象など主観によって判断されがちな傾向がありました。しかし、あくまでも候補者の「行動」という、客観的な要素で判断から判断することで、採用担当者によるバラつきをできるだけ少なくすることができます。

コンピテンシー面接導入のメリット

コンピテンシー面接は行動能力を正しく評価できる

コンピテンシー面接を導入するメリットの一つに、候補者のもつスキルやポテンシャルを正しく評価できるという点が挙げられます。従来の面接では、エントリーシートや面接時の受け答えなどから能力評価をしていましたが、その能力を本当に候補者自身が備えているのか見抜くことが難しいという問題点がありました。一方、コンピテンシー面接では候補者の過去の行動やその行動動機についての質問を繰り返し、より深く掘り下げていくため、候補者の行動や考え方をより具体的に理解できます。

入社後の人事評価の再現性が高い

コンピテンシー面接の導入により、「入社後に活躍してくれる人材かどうか」という観点で候補者を評価することができ、入社前後での人事評価の乖離を最小化することができます。企業にとっては「見込み通り」の候補者を採用できるのは大きなメリットですよね。コンピテンシー面接を導入することで、採用する面接官側も「自社で求める行動特性」を意識した質問内容で進めることができ、候補者の考えや行動特性について的確な分析が可能になります。

コンピテンシー面接導入のデメリット

コンピテンシー面接はモデルとなる人材が必要で手間がかかる

コンピテンシー面接を導入にするには、自社で成果を出している人材をモデルとしどのような行動特性(コンピテンシー)を持っているかを明確化させる必要があります。もし社内にこのモデルがいない場合は一からその人物像を設計せねばならず、非常に手間がかかるでしょう。また、職種により求められる能力は異なるため、各職種に応じた複数のコンピテンシーモデルの設計が必要になります。今後の面接の根幹になる部分のため、この業務は大変重要で手間のかかる業務です。

基準が明確になることで変化への対応が弱くなる

一度コンピテンシーモデルを構築してしまうと、日々変化するビジネスの現場に応じたコンピテンシーモデルの改定は非常に困難です。自社を取り巻く状況、事業フェーズによって求めるコンピテンシーを改定していくことが望ましいですが、頻繁すぎる改定は社員・組織の不満を生むことにもなるでしょう。コンピテンシーモデルをより具体的なものにしていればいるほど、環境の変化への対応は弱くなってしまう点は認識しておく必要があります。

コンピテンシーレベルって?

レベル1:受動行動が行える候補者

コンピテンシー面接では、候補者の行動を自社の「コンピテンシーモデル」と照合し、その行動レベルを5段階で評価することが一般的です。レベル1で示されるのは、主体性がなく、指示された内容をそのまま行動する能力。他人からの指示を待ち、最低限の内容のみを実行していたり、その状況に追い込まれたので仕方なく実行していたり、受動の姿勢を特徴として持っています。一般社員として転職してくる経験3年未満の候補者に有効な評価基準と言われています。

レベル2:通常行動が行える候補者

レベル2は、その時々の状況判断をして、適切な行動を起こすことができる能力がある状態です。レベル1の状態で何回か仕事をすれば普通はほぼ自動的に到達するといわれています。自分で気づきを持って行動を起こすことができ、大きな創意工夫はないですが、求められる通常の業務は問題なくこなすことができます。ミスなくやろう、などと前向きな考えを持っているかどうかがレベル1との違いになりますね。入社4年が経験しており、ある程度は1人立ちをしている候補者の基準として設定されることが一般的です。

レベル3:能動行動が行える候補者

自身で主体的な行動を起こし一定の成果を上げられる能力がレベル3です。レベル3の人材は、現状に対して正しい認知ができ、それに応じた行動を正しく判断し、行動に移すことができます。レベル1が具体的な指示を受けて行動するのに対して、レベル2は知識を受けて行動ができる。そしてレベル3は自身の思考により行動できる人材です。自身で明確な根拠に基づいた判断・行動ができるため、成果の再現性を期待することができます。部署のリーダー職以上の人材採用には、レベル3以上の能力が望ましいでしょう。

レベル4:創造行動が行える候補者

レベル4では、主体的行動に加え、自ら課題を見出し解決する行動をとる能力が求められます。前項でレベル3の人材も自身の思考に基づいて判断ができると説明しました。両者の違いは、状況を適切に把握し判断するレベル3に対して、レベル4はその判断が独創的で、より具体的に状況を変化させる能力を備えている点だといえます。外部からの即戦力を投入し部署の変革を狙う場合には、創造的な仕事ができるかどうかが重要です。開発職などクリエイティビティを求められる職種や、人事総務など事務系でも問題解決を求められる職種の採用基準として非常に有効でしょう。

レベル5:パラダイム転換行動が行える候補者

斬新かつ創造的な仕事で会社全体にインパクトを与えることができる能力が、最高基準のレベル5です。誰もが課題と認識していなかったような点に目をつけ、これまでにない発想を打ち出し、周囲を巻き込みながらその独創的なアイデアを実現することです。部課長職以上や役員待遇で外部から優秀人材を登用する場合には、このようなレベルが求められます。前職まででどのような業務経験があり、具体的に会社にどのようなインパクトを与えたのかを問うとよいでしょう。このような人材は自社の状況に変革をもたらし新しい価値を生み出せる優秀な人材といえます

コンピテンシー面接の質問例とマニュアル

実際に使える!質問例

コンピテンシー面接で実際に活用できる例文として、求める能力と、それを問う質問例をまとめてみました。

  • ・組織プロジェクト管理:複数のタスクが一度に重なってしまった時、どのように対処しましたか?
  • ・チームワーク:過去にチームの一員として馴染めない人や協調するのが難しい人がいた場合、どのように対処しましたか?
  • ・リーダーシップ能力:リーダーシップ力を発揮して、チームを成功へ導いた時のことを教えてください。
  • ・創造性:0から1を生み出した経験について説明してください。

コンピテンシー面接時に意識するポイント

コンピテンシー面接で面接官に求められるのは「候補者の行動」に焦点を当てることです。入社したらどんなことがしたいか、などの想定質問は不要です。候補者の行動特性を掘り下げるには、Googleの入社試験でも導入されておりSTARモデルを意識するのが良いでしょう。STARモデルとは、Situation(状況)→Task(課題)→Action(行動)→Result(結果)の順番で質問をしていく面接法で、下記に質問例を記載します。

  • ・状況:「どんなチーム構成でどのような役割・責任を負っていましたか」
  • ・課題:「なぜその問題が発生したのですか」
  • ・行動:「その課題に対してどうアプローチをしましたか」
  • ・結果:「周囲の反応はどうでしたか」

コンピテンシー面接をもっと詳しく知りたいときの参考書籍

「コンピテンシー面接マニュアル」 川上真史・齋藤 亮三著 弘文堂(2006年)2,530円

「正しい採用が、企業の競争力を高める。」というコンセプトのもと、一冊でコンピテンシー面接の全てが網羅されている、コンピテンシー面接のバイブル本。コンピテンシーの概念から始まり、面接の具体的な進め方や応用の仕方に加え、コンピテンシー面接により採用を成功させた企業の実践例(東京海上日動火災保険、AIU保険)なども盛り込まれています。コンピテンシー面接導入の担当者は、この本を丸々理解することから始めましょう。

「できる人、採れてますか?―いまの面接で、「できる人」は見抜けない」 川上真史・斉藤亮三著 弘文堂(2004年)1,300円

前項、「コンピテンシー面接マニュアル」の著書である川上真史氏による書籍。川上氏は日本におけるコンピテンシー面接の第一人者といわれており、本著をより実戦的なマニュアル化してほしいという声に応えて出版した第二弾が前項の著作となります。採用時においてありがちな現状と今後、採用に求められるあり方などが詳しく書かれた一冊となっており、人事部採用担当者のみならず、候補者側にとっても必読の一冊です。

「まんがでわかるコンピテンシー面接」 川上真史・斉藤亮三著 弘文堂(2018年)1,540円

同じく川上氏の「コンピテンシー面接マニュアル」の著書を一部マンガ化した導入本。会社を強くするコンピテンシーとは?会社を未来の成長に導く人材には、共通点がある、という事実が手に取るようにわかる一冊です。コンピテンシー面接の導入で採用が変わり、会社が変わる!コンピテンシー面接の目的や実践方法、コンピテンシー面接あるあるなどが読みやすく書かれており、コンピテンシーの基本エッセンスが凝縮されています。まずは概要をざっと掴みたい方にもおすすめです。

コンピテンシー面接で質の高い採用を!

コンピテンシー面接は、候補者の行動特性を見抜き、より自社の求める候補者を採用したい会社には大変有用な面接方法です。自社が求める行動特性を明確化させ、候補者がその行動特性を持っているかどうかをより客観的な目線で測ることができるため、入社後のミスマッチも防ぐことができるでしょう。本記事ではコンピテンシー面接の概要や導入時のメリット・デメリット、コンピテンシーレベルの測り方など、採用初心者にもわかりやすくまとめてきました。自社の採用にお悩みの方は是非一度、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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