記事更新日:2020年06月08日 | 初回公開日:2017年10月10日
グローバル用語解説 日本の英語教育 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報BJTビジネス日本語能力検定(Business Japanese Proficiency Test)とは、日本漢字能力検定協会が主催するビジネスで使用する日本語のコミュニケーション能力を客観的に測定し、評価する試験のことです。この検定は日本語を母国語としないビジネスに関係する人々や学生を主に対象として行われる検定試験です。
1986年日本貿易振興機構(ジェトロ)が最初に実施をした検定で、現在日本・中国・香港・台湾・韓国・タイ・ベトナム・マレーシア・インドネシア・ミャンマーの10か国で試験が行われています。2006年からは政府の行政改革の一環により、制度を民間に移すようになり、入札によって日本漢字能力検定協会が引き継いだ形で実施をされるようになりました。
さらにコンピューターベイステスティング(CBT)が2017年より導入されるようになり、インドとシンガポールでも試験が受験できるようになりました。
同じような日本語の検定に「日本語能力試験 JLPT」というものがあります。ここではBJTビジネス日本語能力テストとを比較してみました。
BTJビジネス日本語能力試験 | JLPT日本語能力試験 | |
実施国 | 11か国 | 69か国 |
受講料 | 6999円 | 5500円 |
試験実施日 | 自由選択 | 7月・12月 |
試験方法 | CBT方式 | マークシート方式 |
評価方法 | 最高点800 J5~J1+ 6段階評価 | N1~N5 5段階評価 |
◆BJTビジネス日本語能力試験
・聞き取りテスト 35問 50分
・聞き取り・読み取りテスト 30問 30分
・読み取りテスト 35問 40分
点数によってJ1+、J1 、J2、J3 、J4 、J5の6段階のレベルに採点され最高点800点から最低点0点までの点数評価がされます。
◆JLPT日本語能力試験
・N1レベル・・言語知識(文字・語彙・文法)読解 110分 /聴解 60分
・N2レベル・・言語知識 105分 /聴解 50分
・N3レベル・・言語知識(文字・語彙)30分/文法・読解 70分 /聴解 40分
・N4レベル・・言語知識 30分/ 60分 /聴解 35分
・N5レベル・・言語知識 25分/ 50分 /聴解 30分
能力段階別に試験を受験し、各科目とも100点満点中60点以上で合格となります
◆BJTビジネス日本語能力試験
・日本漢字能力検定協会主催による民間資格です
・外国人の入国審査の際、留学の資格認定として参考資料になります。
・外国人採用を積極的に行う企業の採用・昇進・能力開発の参考資料になります。
・大学卒業後、資格・能力証明になり就職活動に有利になります。
・日本語学校で日本語能力をアピールするためのツールとして利用できます。
・ビジネスに対応できる日本語能力を評価する検定です。
◆JLPT日本語能力試験
・公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催による公的資格です
・日本語能力試験の結果によってN1は15ポイント、N2は10ポイントがつき、70ポイント以上を保有すると出入国管理上の優遇処置が受けられます。
・日本で医師の国家試験を受験する為に、日本語能力試験のN1を取得していなくてはなりません。
・日本で准看護師の試験を受験する為に、日本語能力試験のN1を取得してなくてはなりません。
・日本語能力試験のN1/N2を取得していると中学校卒業認定試験の国語が免除されます。
・EPA(経済連携協定)に基づきインドネシア・フィリピン・ベトナムから来日する看護師、介護福祉士の候補者は日本語能力検定のN5(インドネシア・フィリピン)N3(ベトナム)以上の認定が必要です。
※BTJビジネス日本語能力テストウェブサイトより引用
第22回~33回のBTJ受験者によるアンケート結果を基にグラフに表したものです。
N2合格者よりもN1合格者のほうがBTJにおいても平均スコアが高いという結果が出ています。一方でN1合格者の中でもBTJのスコアが300点~700点と広く分布しており、ビジネス場面においての日本語能力にはかなりの差が生じている事が見て取れます。ここで明らかなのは基礎力があっても実践力にかけることを現わしています。BJTは主に実践力を測定する試験です。
BJTビジネス日本語能力テストには基本的に合否はありません。取得したスコアによって能力のれべるが判定できます。
J5(0点~199点) | ・日本語の知識、運用能力は全く不十分 |
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J4(200点~319点) | ・日本語の知識、運用能力に問題が多く、意思の疎通が難しい |
J3(320点~419点) | ・日本語の知識、運用能力に問題があり、意思の疎通の妨げになることがある |
J2(420点~529点) | ・日本語の知識、運用能力に一部問題があり意思の疎通を妨げる事がある |
J1(530点~599点) | ・日本語の知識、運用能力に一部問題はあるが意思の疎通に問題はない |
J1+(600点~800点) | ・日本語の正確な知識と運用能力がある |
・300点以上:専門学校等にふさわしい能力
・400点以上:大学等にふさわしい能力
ビジネス日本語能力試験(BJT)の特徴についてや日本語能力検定(JLPT)との比較などをみてきましたが、実際のビジネスの現場ではとっさの判断力や臨機応変な対応が求められます。基礎的な日本語能力があっても日本のビジネス習慣や特徴を理解していなければ、日本語能力資格も率先力にはなりません。
BJTの特徴として、特にこのような実践に有効的なシチュエーション設定において、設問やグレードが設定されていますので、グレードがあがるにつれ日本語の運用能力とともに情報処理能力が上がっていることが証明できます。
BJTの能力試験とともに経験と知識が伴って更に本当の意味での日本語能力が身につくと考えてよいでしょう。
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