2025年の壁とは【課題や影響などについて分かりやすく解説】

記事更新日:2021年10月27日 初回公開日:2021年10月27日

グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報
2018年に経済産業省がDXレポートを発表して以来、「2025年の崖」が多方面で話題になっています。経営者や企業の採用担当者の方は、対策について日々頭を悩ませているのではないでしょうか。2025年の崖を対策するにあたっては、どのような問題なのか正しく理解する必要があります。そこで本記事では、2025年の崖について基礎から解説し、どのような影響があるのか、どのような対策が必要になるのかも併せて紹介します。2025年の崖の対策でお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

2025年の崖とは

2025年前後に日本経済にもたらされる経済損失

2025年の崖とは、DXの遅れと、既存の古いシステムに起因したシステム障害が2025年前後に多発し、多大な経済損失が起こる可能性があると警告した内容を指します。また、IT領域の人材不足の加速と、SAP社のERPの保守サポートが終了するタイミングが2025年前後で重なることも原因になると考えられています。そして、2025年の崖が現実のものとなれば、2025年以降に毎年12兆円の経済損失が起こるという試算も出されました。

2018年度の経済産業省DXレポートタイトルとなった

「2025年の崖」は、2018年9月に経済産業省が発表したDXレポートのタイトルにもなりました。このレポートでは、2025年の崖に備えて、DXとレガシーシステムの刷新を推奨しています。また、DX実現までの道筋を示した「DX実現シナリオ」も紹介しています。2020年2月にも、追加でDXレポートが発表されました。この追加レポートでは、コロナの影響によって、当初に比べて2025年の崖に備える時間の猶予がなくなったことを言及しました。また、国内企業のDXが、想定以上に進んでいないことも指摘しています。

2025年までに5つの目標達成を目指す

経済産業省が発表したDXレポートでは、今後のデジタル技術面での課題を克服するため、2025年までに企業が達成すべき5つの目標を掲げています。「1.「見える化」指標、中立的な診断スキームを構築する2.「DX推進システムガイドライン」を策定する3.DX実現に向けたITシステム構築におけるコスト4.リスク低減のための対応策を考える・ ユーザ企業・ベンダー企業間の新たな関係を構築する5.DXを推進させる人材の育成や確保」上記を達成することで、最大12兆円の損失をもたらすと言われる2025年の崖を回避することができると言及されています。

2025年の崖とDX

DXとはデジタルを活用しビジネスを変革すること

2025年の崖対策で重要なDXとは、デジタルトランスフォーメーションの略称です。デジタルを活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革させることを意味します。DXが推進されれば、企業が新しいビジネスを生み出すことが可能になるだけでなく、高度に経済全体に利益をもたらす変化がもたらされると言われています。2025年の崖を回避するには、DXを推進してビジネスモデル自体を変革させていく必要があると、DXレポートの中で言及されました。

2025年の崖を乗り越えるために必要とされるのがDX

経済産業省は、DXの推進によって2030年までにGDPを130兆円を目指す「DX実現シナリオ」について言及しました。GDP130兆円を実現するには、DXを推進させて企業をデジタル化していく必要があります。これが遅れてしまうと、変化の激しいIT分野において世界から取り残されて、経済的な損失を受けることになるでしょう。DXを推進させるためには、まず社内の古いシステムを見直ことが必要です。そして、これまで蓄積してきたデータをフル活用しながら、新しいデジタル技術を導入していくことが理想とされています。

2025年の崖に関する課題

経営面

日本企業の8割がレガシーシステムを抱えている

現在、日本の約8割の企業がレガシーシステムを抱えていると言われています。レガシーシステムとは、導入されて長い年月が経っているシステムのことです。長期運用の間に幾度となくカスタマイズや最適化されたことで、複雑にブラックボックス化しているシステムが多くあることがDXレポートの中で指摘されました。レガシーシステムには古い技術が使われているため、新しいビジネスモデルや製品、サービスに対応できない可能性が高いです。DXに備えて、新しいシステムへの移行も重要です。

システムのブラックボックス化が進む

これまで基幹システムの運用を行ってきた人材(団塊の世代)が、2025年前後で大量に定年退職することが予想されます。そのため、運用のノウハウが次の世代へ伝承されていなければ、基幹システムがブラックボックス化してしまうこともあります。また日本の企業は、基幹システムの運用を他社へ委託している場合が少なくありません。他社に任せ、システムがどのような状態なのかわからず、大きな問題がなく稼働しているので何も手を加えていないというのが多くの企業の現状です。そのようにして、近頃はブラックボックス化したシステムを目の当たりにしてから対応できずに国のサポートを受ける企業もニュースで話題になっています。このように、ブラックボックス化に対する問題解決は先送りされ続けると、企業は機能しなくなってしまうのです。

人材面

エンジニア人材の不足が拡大する

近年ではIT技術の発展により、ますますエンジニアの需要が高まってきました。また2025年の崖の対策には、専門技術を有したエンジニアが必要です。しかし、団塊の世代の定年退職や少子化により、今後ますますエンジニアの人材不足が顕著になっていくことが予想されます。そして、経済産業省はレポートの中で、2025年にはエンジニアの人材不足が43万人に拡大されると言及しました。DXを推進するために、優秀なエンジニアを確保することも大きな課題の一つです。

旧プログラミング言語を熟知する人材が退職する

現在運用されている基幹システムの多くは、団塊の世代のエンジニアが開発してきました。そのため基幹システムの多くは、COBOLという古いプログラミング言語を用いて開発されています。COBOLが分かる団塊の世代が大量に定年退職してしまうと、システムを担当できる人材がいない危険な状態に陥ってしまう可能性も少なくありません。そのため、エンジニアの人材不足を補うとともに、基幹システムの刷新も大きな課題になってます。

技術面

SAP社のERPが2027年に保守サポートを終了する

SAP社のERP(総合基幹業務システム)は、日本の約2000社以上の企業が導入しています。SAP社はERPの保守サポートを2027年に終了すると発表しています。そのため、SAP社はこれまでに早期に新しいシステム(SAP S/4HANA)への移行を促してきました。しかし、保守サポートが終了する2027年までに新システムへの移行が間に合わないと、多くのシステム障害が発生すると予想されています。救済措置として、SAP社に保守延長料金を支払えば、2030年末まで保守サポートを受けられることは可能です。

ITシステム市場に対するデジタル市場の割合が増える

近年のIT市場では、AIや IoT 、ICTなどを駆使したデジタルサービス事業の割合が増々多くなってきています。2017年では、従来のITサービス事業とデジタルサービス事業の割合が9:1であったのに対し、2025年には6:4になることを経済産業省はDXレポートの中で言及しました。デジタルサービス事業では扱うデータ量も膨大になるので、これに対応した新しいシステムへの移行が必要になってきます。もし、デジタル市場への対応が遅れて、時代の波に乗り遅れてしまうと、多大な損失を被ることになるのは容易に想像できるでしょう。

2025年の崖による影響

変化するビジネスモデルに対応できなくなる

変化が激しいデジタル市場の競争に勝ち続けるには、常に新しいビジネスモデルに対応していかなければなりません。しかし、古いシステムを刷新できない企業は、新しいビジネスモデルに対応するのが困難になります。また、古いシステムの維持のためのコストも少なくありません。古いシステムの維持費にコストがかかりすぎると、DXやITの技術開発費に回す資金が少なくなってしまいます。古いシステムの維持に手一杯で、将来的な投資に回す人材や資金が少ない企業は、次第に競争力を失うことになるでしょう。競争力を失わないためにも、古いシステムの刷新は急務となっています。

旧システムのサポート終了や価格高騰が生じる

国内の多くの企業は、SAP社のERP(総合基幹業務システム)を導入しており、保守サポートを受けてきました。しかし、2027年に保守サポートが終了となる予定で、それまでに新システムの導入が促されています。もし新システムの導入が間に合わないと、セキュリティ問題やハードの故障、不慮の事故などのシステム障害が発生すると考えられます。また旧システムの保守を引き続き委託するにしても、委託料も少なくありません。旧システムの保守に財政が圧迫されて、新システム導入に資金を回す余裕がなくなるという、悪循環に陥ることも懸念されています。

年間最大12兆円の損失をもたらす

DXが遅れレガシーシステムをこのまま放置し続ければ、2025年以降で毎年12兆円経済損失が発生すると予想されています。DXレポートが発表された2018年の時点でも、レガシーシステムに起因する経済損失が、年間約4兆円も発生していました。日本全体で毎年4兆円も経済損失を出しているので、すでに2025年の崖に陥りつつあることが分かります。そして2025年前後には、レガシーシステムのリスクが一気に3倍に上昇すると予測されています。これだけを見てみても、一刻も早いDXとレガシーシステムの刷新が必要だということがわかるでしょう。

2025年の崖に向けて企業が取るべき対策

DX評価指標を用いて社内の課題を洗い出す

2025年の崖の対策をするには、DX推進についてのビジョンの共有が必要不可欠です。ビジョンを共有するために、まずは社内の課題を洗い出すことから始めましょう。DXを促進するために、経済産業省からは「DX評価指標」というものが出されています。これはDXの進捗状況や計画を見える化できる、自己診断シートのようなものです。このDX評価指標を用いれば、社内の課題やDX移行の進捗状況を、社内で共有することができます。社内全体でDXの進捗状況や課題を共有することで、他部門とも連携しやすくなり、より効果的にDXを推進できるでしょう。

既存のITシステムを再構築する

DXや新しいビジネスモデルに対応できるように、既存のITシステムを再構築する必要があります。しかし、特定のシステムに頼りきったままでは、どんなシステムでもいずれレガシー化してしまうでしょう。2025年の崖を乗り切るだけでなく、今後導入されたシステムがレガシー化しないような対策をとる必要があります。システムを再構築する際は、IT分野の専門家の意見を取り入れながら対策を考えましょう。また、対策の例としては、クラウドストレージの利用やUXデザインを意識したシステムの導入が効果的です。

まだデジタル化されていない業務領域をDX化する

2025年の崖を回避するには、業務を効率化して、浮いた人材と資金をDXやレガシーシステム刷新の対応に回すことも重要です。社内の業務を見渡して、DXやデジタル化できそうな業務がないか検討してみましょう。AIやクラウドサービス、ICTなどのデジタル技術を既存の業務に活用できれば、業務の効率化が大幅に進むのは間違いないでしょう。DXやデジタル技術の導入は簡単ではないし、まとまった費用はかかりますが、先行投資としても検討する価値は存分にあります。

まとめ

2025年の崖に向けてITシステムの見直しと刷新を進めましょう

2025年の崖を回避するには、DXの推進とレガシーシステムの刷新が必要です。しかし、現状ではレガシーシステムが足かせとなって、DXが進まず、資金を回す余裕がないのが多くの企業の悩みでしょう。まずはレガシーシステムを刷新し、人材と資金をDXと最新技術の開発に投資できることが理想だとDXレポートの中で言及されました。実現するためにも、まずは社内の課題を洗い出し、DX推進のビジョンを社内全体で共有することが重要です。2025年の崖に備えて、少しずつ改革を続けていくように社内改革を進めていくことが賢明でしょう。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら