アンラーニングとは【注目される理由や手順についても解説します】

記事更新日:2024年06月04日 初回公開日:2024年06月04日

用語集 グローバル用語解説 採用・求人のトレンド 人事・労務お役立ち情報
近年、社会では様々な変化が起こっており、常に「常識」は変化してきています。つまり、昔の常識が常識ではなくなるのです。実は、こうした常識の変化はビジネスにおいても起こっています。新たなビジネスの需要に対し、会社は適応し新たなビジネスや仕事のスタイルを確立しなければなりません。今回はこの古い常識を新しい常識に入れ替えること「アンラーニング」をテーマにご紹介致します。本記事では、アンラーニングのメリットや進める際の注意点について深くご紹介します。会社の経営層の方は是非ご一読下さい。

就労ビザ取得のためのチェックリストをダウンロードする

アンラーニングとは

古い常識から新しい常識へ入れ替えること

アンラーニングとは、古い常識から新しい常識へと入れ替えることをいいます。具体的に述べると、「不適切になった既存の習慣・知識・価値基準などを棄て、新たに妥当性が高く、有用なものに入れ替えること」が定義です。この定義は、法政大学経営学部で教授を務められている長岡健氏によるものです。これまでの知識を捨て去ると言う意味で学習棄却とも呼ばれます。捨てるといっても、昔の記憶を忘れてしまうことではありません。意図的なプロセスにより単に使用停止にするだけです。必要があればまた取り出して使うことができます。

リスキリングとの違い

アンラーニングと似た意味をもつ言葉として、リスキリングがあります。リスキリングとは、スキルを再び得るという英語の意味です。つまり、新しいことへの挑戦や新しいスキルを習得し実践し新しい職種に就くことを意味します。このように、リスキリングは新しい業務や職業に就くといったジョブチェンジを目的としています。一方で、アンラーニングはジョブチェンジが目的ではなく、環境やルールの変化に適応できるようになることが目的です。

リカレント教育との違い

アンラーニングと似た意味をもつ言葉として、リカレント教育という言葉があります。リカレント教育とは、日本語に言い換えれば社会人の学び直しを意味します。キャリアを積み上げていく上で必要なスキルや知識を維持するために行われる教育を意味します。この言葉も同様に新しいスキルの獲得に重点がおかれています。リカレント教育は、企業に限らず幅広く実施されている取り組みであえい、特に変化の激しいビジネスの場において注目されています。

経験学習との関係

アンラーニングとは、経験によって学びを得るという経験学習モデルと深く関係しています。経験学習モデルとは、デービッド・コルブにより提唱された学習サイクルを指します。そのサイクルは、具体的経験・内省的反省・概念化・抽象化・能動的実験の4つから成り立ちます。これのうち概念化・抽象化には新たな常識にも対応していかなければならないので、アンラーニングが非常に重要になってきます。

アンラーニングが注目される背景

時代の変化が激しい

アンラーニングがなぜ今注目されているのでしょうか。それは、今私達が生きる時代が激動の時代であるためといえます。今のような時代においては、ビジネスで必要なスキルは常に変化をしていきます。つまり、20代のビジネスパーソンであってもアンラーニングをおこなわなければ数年でスキルが全く使えないものになることもありえます。これは個人のみならず組織においても言えることです。必要になる知識や社会のニーズをアップデートし変化に対応しなければ市場から高い評価を得ることは難しいでしょう

アンラーニングを企業が行うメリット

優秀な人材を育成できる

アンラーニングを企業が行うメリットとして、優秀な人材を育成できる点が挙げられます。アンラーニングによって、新しいことを学ぶ上で妨げになる固定概念に気付くことができ、人材として成長が見込まれるため結果k的に優秀な人材を育成できることができます。アンラーニングは、新たな変化に柔軟に対応していくスキルを醸成することを意味するので、アンラーニングによってその時々で適格な意思決定のできる優秀な人材を育成することができると言えます。

意識改革を行なえる

アンラーニングを企業が行うメリットとして、意識改革を行なえる点が挙げられます。会社の中で長年働いている従業委の中には、その経験を過信し新たな変化を好まない人が一定数いることでしょう。しかし、こうした考え方は会社の成長や良い組織を作り上げる上で阻害要因になってしまいます。変化に柔軟に対応できる組織にするためには、全従業員の意識改革が必要です。そして、従業員の意識を変えてもらう際にアンラーニングが有効でしょう。

変化に対応できるようになる

アンラーニングを企業が行うメリットとして、変化に対応できる点が挙げられます。アンラーニングによって従業員一人ひとりが常識にとらわれず新たなスキル獲得に意欲的になれれば、時代の変化に対応できる強い組織ができます。常にイノベーションや業務効率化が起きやすい風土が醸成されるため、成長し続ける会社を生み出すことができます。それによって組織だけでなく従業員の成長も加速していき、会社の業績が上がることも期待できるでしょう。

業務効率が向上する

アンラーニングを企業が行うメリットとして、業務効率が向上する点が挙げられます。アンラーニングによって、常に会社の中で何が問題かを意識できるようになるため、課題が見つかりやすくなります。その結果、問題の早期発見から迅速な解決につながるため、業務の見直しをすることができます。それにより業務が効率化されるでしょう。この際に重要なのは、すぐに元の方法に戻さないことです。新しいやり方に慣れるまでには時間が掛かります。アンラーニングを促進し変化に慣れることができれば、徐々に業務効率改善もスムーズにいくようになるでしょう。

アンラーニングを推進する際の注意点

モチベーションが下がる恐れがある

アンラーニングを推進する際の注意点として、モチベーションが下がる恐れがあることが挙げられます。アンラーニングを実施するということは、これまで慣れ親しんだ仕事のスタイルを変えるということです。つまり、そこにはこれまでのことを辞めるという不安や恐怖があると言えます。それは今までの自分に合った自信がなくなってしまうことにつながることもあります。それによってモチベーションが下がってしまうことには十分注意しなければなりません。学習棄却は否定でなく、成長のために必要なことであると認識することが必要です。

チーム単位で行う

アンラーニングを推進する際の注意点として、チーム単位で行うことが挙げられます。これまで行ってきた仕事のやり方を自分のみが変更した場合、同じチームで働く人に迷惑がかかってしまいます。従って、アンラーニングはチームで統一して行うことが好ましいです。このとき注意すべきことなは、すべてを変えようとしないことです。今の方法でも通用するが社会状況の変化などで有効性が下がってきた仕事を見つけ出し、共有することが大切です。業務の優先順位や重要度を整理するなど、何からアンラーニングを行なっていくかを考えることも重要です。

リフレクションと反省が混同しないようにする

アンラーニングを推進する際の注意点として、リフレクションが反省と混同しないようにすることが挙げられます。アンラーニングを進めていくと、今までの自分の仕事のやりかたや業務知識は間違っていたと反省をし悲観的になってしまう人が一定数います。しかし、アンラーニングとは古い常識を否定することではありません。反省ではなくリフレッシュをすることにこそ意味があります。今までに自分が学んできた知識を土台に新たな常識を手に入れることを意識しましょう。

学習を否定する恐れがある

アンラーニングを推進する際の注意点として、学習そのものを否定する恐れがあることが挙げられます。時代に合わせて知識や価値観を選ぶことばかりに目を向けると、知識を取り入れる学習に対して疑問を抱きやすくなります。それにより、学習自体に意味があるのかと考えたくなる気持ちが生じてくるかもしれません。しかし、そんなときこそ学習して実際に行動を起こすことが重要です。そしてまたアンラーニングを行い、自身を成長させていくと良いでしょう。

アンラーニングを進める手順

従業員の内省を促進する

アンラーニングを進める手順として、まず従業員の内省を促進します。まずは個人の単位でアンラーニングを行なっていく必要があります。まずは、従業員自身が持っている業務上の経験を新しいものと古いものに分けます。この際、特に古いものは捨てることになるため、この選別は時間をかけて慎重に行うことが重要です。加えて、自分が譲れないこだわりや価値観も整理していきます。この内省作業は難しいので、場合によっては人事などの他の人の支援を受けることも効果的でしょう。

選択する

アンラーニングを進める手順として、次に選択をします。内省を通じて分かった自分のこだわりや考え方を他者と照らし合わせることでそれらを取捨選択します。この作業がかなり重要です。しかし、その一方で一人で行うことはとても難しいとされています。従って、内省と同様にチームメンバーや上司がサポートし、フィードバックしあうことが大切です。何を捨てるべきかについて慎重に考え選択していくと良いでしょう。

学びの場を設ける

アンラーニングを進める手順として、次に学びの場を設けることが挙げられます。新しい考え方や価値観を得るには、より多くの人からそれらを享受していく、もしくは共有していくことが重要です。外部機関などを利用し、新しい知識習得や意見交換ができる場へ参加する機会を設けることが効果的でしょう。また、継続的に学び続けるために1on1ミーティングも有効です。上司がなぜうまくいったかやどうして失敗したと思うかなどを聞き、内省を促進すると良いです。

効果を測定する

アンラーニングを進める手順として、効果を測定することが挙げられます。たいていの場合、アンラーニングは一度で終わることはありません。何度もサイクルを回しながら常に時代の変化に対応できるように実施していくことが重要です。そのため、アンラーニングを行なった後にそれがどれくらい効果が表れたのかを検証することが大切です。効果測定の方法としては、新しい知識の習得度合いと活用度合で測定を行います。ただし、決まった形式がある訳ではないので、面談やヒアリングによって測定を行っていくと良いでしょう。

まとめ

アンラーニングを実施し変化に適応できる会社を目指そう

アンラーニングには、時代の変化に個人や組織が取り残されないという大きな意味があります。ビジネスに限らずどんな場面においても常に常識を疑い、あらたな常識の獲得に意欲を見出すことが重要です。古い常識を捨て、新たな学習を繰り返すことで変化に適応し、より良い組織を目指しましょう。是非、本記事を参考にしてアンラーニングを効果的に進めていって頂ければと思います。

外国人・グローバル人材の採用をお考えの企業様へ

事例

「日本語+英語+さらに語学が堪能な社員の採用」「海外の展示会でプレゼンが出来る人材」「海外向けサービスのローカライズ出来る人材」「海外向けWebサイト構築・集客」など、日本語も堪能で優秀な人材へのお問い合わせが当社に相次いでいます。

他社の外国人採用成功事例はこちらからご覧ください。

【無料】就労ビザ取得のためのチェックリストがダウンロードできます!

就労ビザ取得のためのチェックリストダウンロードバナー

グローバル採用ナビ編集部では外国人の採用や今後雇い入れをご検討されている皆様にとって便利な「就労ビザ取得のためのチェックリスト」をご用意いたしました。また、在留資格認定申請書のファイル(EXCEL形式)もこちらよりダウンロード可能です。

こちらのチェックリストはこのような方におススメです!


  1. 外国人採用を考えているがビザの申請が心配。
  2. 高卒の外国人は就労ビザの申請できるの?
  3. どのような外国人を採用すれば就労ビザが下りるの?
  4. ビザ申請のために何を気を付ければいいの?
  5. 過去に外国人のビザ申請をしたが不受理になってしまった…
  6. 外国人材を活用して企業の業績アップを図りたい方。
  7. 一目で分かるこんな就労ビザ取得のチェックリストが欲しかった!


他社での事例やビザ申請の際に不受理にならないようにまずは押さえておきたい就労ビザ取得のためのポイントを5つにまとめた解説付きの資料です。

就労ビザ取得のためのチェックリスト(無料)のダウンロードはこちらから!

ページトップへ戻る
ダウンロードはこちら
ダウンロードはこちら