ラポールとは【ラポール形成の方法やその際の注意点について解説します】

記事更新日:2024年06月06日 初回公開日:2024年06月06日

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人間関係を形成するにあたって、信頼は非常に重要な役割をもたらします。信頼があるからこそコミュニケーションが増えたりお互いの結束力が高まったりします。もちろん、ビジネスにおいても信頼関係は非常に重要です。今回ご紹介する記事は、信頼に深く関連する「ラポール」という言葉をお紹介し、人と人との信頼関係にフォーカスをします。全てのビジネスパーソンの方に是非ご一読していただきたい内容です。

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ラポールの意味

話し手と聞き手の間に築かれる信頼関係のこと

ラポールとは、話し手と聞き手の間に築かれる信頼関係を意味します。元々は橋を架けるというフランス語の「Rapport」が語源です。つまり、お互いの心に橋が架かっているように信頼し合っている状態を表します。当初は、日本では心理学において用いられていた用語であり、患者とカウンセラーの間でお互いの心に橋が架かっている状態を意味していました。しかし、今では広義に用いられており、ビジネスや日常生活における信頼関係についても意味するようになりました。

ラポールの形成が重要な理由

信頼感が得られるため

ラポールの形成が重要な理由として、信頼感が得られることが挙げられます。ラポールが形成されることによって、信頼感や安心感などが生まれます。その結果、人間関係が良くなるだけでなく、コミュニケーションが活発になります。コミュニケーションが多くなるとお互いの間で認識の齟齬が生まれにくくなり、結果不要な駆け引きがなくなります。これは日常生活においても大きな効果ですが、ビジネスにおいても業務の効率化に役立つと言えます。

説得力が増すため

ラポールの形成が重要な理由として、説得力が増すことが挙げられます。先ほど述べたように、ラポールの形成によって信頼関係を築くことが可能です。そして、信頼している相手の言うことは説得力があると思います。「この人の言うことなら納得できる」と思ったことはないでしょうか。高い信頼を持つことでその人の話の説得力も増す傾向があるため、提案や助言をより受け入れてもらいやすくなるのです。ビジネスの面では、社内での提案や取引先へのプレゼンなどにも役立つことでしょう。

成果につながるため

ラポールの形成が重要な理由として、成果につながることが挙げられます。これは信頼や説得力に関係する話で、ビジネスにおいてこれらに蓄積は会社や従業員にとって成果に直結します。例えば、取引先からの信頼を得ている場合には再び自分の会社を取引してもらえる可能性は非常に大きいです。信頼があるからこそ実績につながるのです。結局はビジネスも人と人とのつながりであるから、信頼関係がビジネスの成果にも直結すると言えます。

円滑なコミュニケーションがとれるため

ラポールの形成が重要な理由として、円滑なコミュニケーションがとれることが挙げられます。ラポールが形成されている場合には、お互いに会話の流れだけでなく感情などの状態が一致しやすいでしょう。その理由の一つには、コミュニケーションが増えることによって感情を共有する場面が多くなり、共感するケースも増えるためだと考えられます。したがって、ラポールの形成によってより円滑なコミュニケーションをとることができます。

チーム力が高まるため

ラポールの形成が重要な理由として、チーム力が高まることが挙げられます。日常生活においてもビジネスにおいても、組織で動くことは多くあります。ラポールが組織内で全体的に形成できている場合には、チーム全体の信頼感が高まります。その結果、チームで行動するモチベーションやその間の活気が溢れ、チーム力が上がっていくと言えます。ビジネスの面では、これによって先ほど述べたような会社の成果が上がっていくと考えられます。

心理的安全性の向上につながるため

ラポールの形成が重要な理由として、心理的安全性の向上につながることが挙げられます。心理的安全性は、安心して自分の意見や感情を表現できる状態を意味します。心理的安全性が高い状態では、チームのパフォーマンスが向上するとされています。ラポールが形成されている状態では、相手が自分を否定したり罰したりしないという安心感があります。その結果、組織のパフォーマンス向上につながります。ラポールの形成はやはりビジネスにおいて重要であると言えます。

ラポールを形成する方法

ミラーリング

ラポールを形成する方法として、ミラーリングが挙げられます。ミラーリングとは相手の行動を真似することを意味します。例えば、会話をする際に相手のする手振りと同じことをすることがミラーリングにあたります。これによって相手との信頼関係を作ることができるということが心理学的に立証されています。不自然にならない範囲で、相手の行動や表情などを真似すると、親近感が生まれやすく、ラポールを形成しやすくなります。逆に、明らかに不自然または大げさにまねをするとかえって相手に不信感や嫌悪感を与えてしまうので注意が必要です。

ペーシング

ラポールを形成する方法として、ペーシングがあります。ペーシングとは、話すスピードやトーンを相手に合わせることです。例えば、相手がゆっくりした速度で話している場合、こちらも同じような速さで返答したり話しかけたりします。こうすることで、相手にとって親近感を与えることができるためラポールの形成に繋がります。ペーシングを活用すると、相手にこの人は話しやすい、またはこの人とのコミュニケーションは快適だと思ってもらうことができます。

バックトラッキング

ラポールを形成する方法として、バックトラッキングが挙げられます。バックトラッキングとは、相手の発した言葉を自分も同じように繰り返すことを意味します。いわゆるオウム返しのことです。例として、相手が「今日はいい天気ですね」と発した時に、「たしかにいい天気ですよね。」と返すことが考えられます。ここで注意すべき点は、受け取った言葉を一言一句そのまま返した場合にはかえって逆効果を生み出す恐れがあるということです。そのまま返すことによって、相手に本当に自分の言ったことを理解しているのかという不信感をもたらしてしまいます。

キャリブレーション

ラポールを形成する方法として、キャリブレーションが挙げられます。キャリブレーションとは、相手の状態に合わせて自身の言動を調整することです。よく私達は相手を気遣うために本来思っていることと違うことを言います。キャリブレーションは、こうした相手の本当の状態を理解してそれに合わせることを意味します。例えば、体調について質問した際に疲れている様子にも関わらず、「大丈夫です。元気です」と返答を受けた場合を考えてみましょう。疲れているという相手の様子に合わせて、話すテンポを変えたり、会話の内容を他愛もないものに変えたりなどが重要です。

マッチング

ラポールを形成する方法として、マッチングが挙げられます。マッチングとは、相手の声のトーンやボリューム、速さなどに合わせて話すことです。聴覚からくる情報を合わせることであり、声の出し方、話し方の聴覚版のベーシングです。相手が大きな声で話しているのに小さな声で対応したり、早口で話しているのにゆっくり話したり、会話のミスマッチが起きているとラポールは取れません。逆に、にテンポや息が合う人とのラポールはとりやすく、気分良く安心して話してもらうためにすることが正しいマッチングと言えます。

ラポールを形成する際の注意点

否定をしない

ラポールを形成する上での注意点として、否定をしないことが挙げられます。ラポール形成には受容的な姿勢がかなり重要です。相手を否定する行動や言葉を口にするのは避けると良いです。一度否定されると、相手にはそれが記憶に残り、ラポールの形成が難しくなってしまいます。従って、意見や考え方が相手とは異なった場合でも否定をせず、理解する姿勢を見せることが重要でしょう。どうしても意見に反対したい場合は、まず相手の意見を受け入れた上で自分にはこうした考えがあるということを伝えるようにしましょう。

よく相手を観察する

ラポールを形成する上での注意点として、よく相手を観察することが挙げられます。先ほど述べた通り、ラポールの方法としてペーシングなどの数多くの手法があります。これらを用いる場合に注意すべきなのは、実際に話すペースや表情などが相手に合っていない場合、逆効果となることです。重要なのはあくまで相手を理解しようとする姿勢であり、その表れがペーシングなどの手段にすぎません。目的と手段を混同しないように意を付けることが重要です。

過度に実践しない

ラポールを形成する上での注意点として、過度に実践しないことが挙げられます。ミラーリングなどのラポール形成のための方法を多用した場合、逆に相手に不快感を与えてしまうこともあります。同じ発言を繰り返すことは、会話においては不自然です。あまりにやりすぎると相手からこの人はオウム返ししかしないと思ます。ラポール形成のためには、コミュニケーションのなかで不自然にならないように適度に使うのが好ましいです。

相手に尊敬の意識を持つ

ラポールを形成する上での注意点として、相手に尊敬の意識をもつことが挙げられます。行動で相手への信頼関係を築こうとすることももちろん重要です。しかし、さらに重要なのは相手との信頼関係を構築したいという強い気持ちをもつことです。たとえ年下であっても相手に対して常に尊敬の念を抱くと良いでしょう。相手の年齢や立場に関係なく常に誠実に向き合うことが重要であると言えます。

本題に入るのを急がない

ラポールを形成する上での注意点として、本題に入るのを急がないことが挙げられます。ビジネスにおいて、すぐに本題に入りたいと急いでしまうことも少なくありません。しかし、まず相手の興味がある話題で会話を弾ませ、親近感や安心感を持ってもらってから本題に入ることが望ましいです。そうすることでラポール形成が促進されます。まずは本題は置いておき、相手との距離を縮めていくことが重要です。

まとめ

ラポールを形成し信頼を得よう

これまで見てきたように、ラポール形成は信頼関係の構築を意味します。従って、ビジネスシーンのみならず日常生活においても広く活用すべきものであると言えます。人同士が関わり合う場全てにおいて重要です。今回ご紹介したラポール形成の方法やその際の注意点を参考にして頂き、是非良好な人間関係づくりに役立ててください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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