カッツモデルとは【活用するメリットやその活用方法についてもご紹介します】

記事更新日:2024年06月12日 初回公開日:2024年06月12日

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私達が生きる現代社会での働き方は昔と大きく変化しました。かつて一般的とされていた終身雇用の考え方はもはや崩壊してきています。個人個人がキャリアについて考え市場価値を高めていくことが主流になってきました。したがって、今では多くの人が転職前提で会社選びをしているのです。このような個人主義的な現代において、個々のスキルが重要となってきます。今回は、このスキルに関連したカッツモデルというものを紹介いたします。ビジネスパーソンの方はもちろん、スキルある人材の獲得を目指す人事の方も是非ご一読下さい。

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カッツモデルとは

役職に応じて求められるスキル

カッツモデルとは、役職に応じて求められるスキルを指します。カッツ理論とも言われ、アメリカの経営学者であるロバート・L・カッツが提唱したものです。彼は、役職に応じて求められるスキルを3つに分類しました。具体的には、コンセプチュアルスキル・ヒューマンスキル・テクニカルスキルの3つに分類されます。この3つの能力に関して、ヒューマンスキルはどの役職においても一律に必要とされています。それに対して、コンセプチュアルスキルやテクニカルスキルは役職が高くなるにつれて必要とされる度合いが高くなっていきます。

カッツモデルを構成する階層

トップマネジメント

カッツモデルを構成する階層として、まずトップマネジメントがあります。トップマネジメントの層には、経営者クラスの人達が該当します。具体的には、会長や社長、副社長や最高経営責任者などがそれに該当します。この階層の人は、会社全体の経営や業績に責任を持つ立場です。従って、トップマネジメント層は現場でのスキルとは違ったスキルが必要になってきます。経営戦略などの会社と会社の外を分析するような力も必要とされます。

ミドルマネジメント

カッツモデルを構成する階層として、ミドルマネジメントがあります。ミドルマネジメントに該当する役職の人は、管理職クラスです。具体的には、部長や課長、工場長や支店長がそれに含まれます。彼らの役割は、トップマネジメント層が決定した事項を理解しそれを現場に落とし込み、現場を効率的に動かしていくことです。いわゆる中間職と呼ばれ、現場と経営層との間の折衝役になることも多く、トップマネジメントとはまた違ったスキルを求められます。

ロワーマネジメント

カッツモデルを構成する階層として、ロワーマネジメントが挙げられます。ロワーマネジメントは現場の監督者が含まれます。この層には、係長や主任・チーフなどが挙げられます。彼らは、ミドルマネジメントの層からの支持を受け現場作業を行なう人たちです。実際に業務を遂行するために、テクニカルスキルが最も求められる層です。

カッツモデルを構成するスキル

コンセプチュアルスキル

カッツモデルを構成するスキルとして、コンセプチュアルスキルが挙げられます。コンセプチュアルスキルとは、抽象的な概念やアイディアを理解し統合することで複雑な問題を分析するスキルです。このスキルは他のスキルよりも特に高いレベルの思考力や問題解決能力を必要とするスキルです。特に、会社の意思決定やリーダーシップを発揮する際に重要な役割と言えます。具体的には、論理的思考力や問題解決力、創造力などがこれに該当します。

ヒューマンスキル

カッツモデルを構成するスキルとして、ヒューマンスキルが挙げられます。ヒューマンスキルとは、職場においてより良い人間関係を築き上げ、チームとして効率的に働くために必要なスキルです。会社が組織として動いている以上は、ヒューマンスキルはビジネススキルとしてとても大切であると言えます。ヒューマンスキルの例としては、コミュニケーション能力やリーダーシップ、プレゼンテーションスキルや協調性などが該当します。また、部を成長させるコーチングスキルもヒューマンスキルに含まれます。

テクニカルスキル

カッツモデルを構成するスキルとして、テクニカルスキルが挙げられます。テクニカルスキルとは、特定の専門分野において必要なスキルや能力のことを指し、実際に業務をするさいに欠かせないスキルです。特定の職業に関連する業務にて必要なスキルであり、これは業界業種職種によって変化します。例えば、IT業界においてはプログラミングスキルやデータを扱うスキルが求められることが多いです。事業会社であれば、製品知識や設計製造に関する知識がテクニカルスキルとして求められます。その他には、メディカルスキルや車両整備スキル、語学力など多岐に渡ります。

カッツモデルを活用するメリット

効果的な人材育成が行える

カッツモデルを活用するメリットとして、効果的な人材育成が行えることが挙げられます。カッツモデルを活用することで、人材に必要なスキルを明確にすることが可能です。その結果人材育成の方法にも筋道が立ち、体系的に人材育成を行なうことができます。人材育成をする際によく起こりがちなことは、人事側が育てたい人材と現場の必要とする人材の間でギャップが生じてしまうことです。カッツモデルを取り入れた場合、役職ごとに必要な能力が体系化されるためにこうした齟齬が生じにくくなります。

人事評価に役立つ

カッツモデルを活用するメリットとして、人事評価に役立つ点が挙げられます。カッツモデルにより従業員に求められるスキルが詳細に分かるため、より客観的に評価をすることが可能です。また、必要とされるスキルがまだ醸成されていないということが分かった場合、それを人材育成の見直しやフォローアップ研修に活かすこともできます。それによって従業員のモチベーションが上がることも考えられます。なぜなら、自分には何を期待されているのかが明確になり、目標に向かって努力をすることができるからです。

カッツモデルを活用した研修

コンセプチュアルスキルの研修

カッツモデルを活用した研修として、まずコンセプチュアルスキルを身に着ける研修をご紹介します。コンセプチュアルスキルは、物事を抽象化して考えることが求められます。この場合、研修としてはディスカッションやグループワークを行なう集合研修が好ましいです。チームで他の人と話し合うことを通じて、まず自分がどのような能力を持っているかを把握することができます。その上で、テーマを戦略策定や抽象的な話題にすることでコンセプチュアルスキルが身につくことが期待されます。

ヒューマンスキルの研修

カッツモデルを活用した研修として、次にヒューマンスキルを身に着ける研修をご紹介します。ヒューマンスキルの習得には、集合研修とOJT研修が効果的でしょう。集合研修では、他の人との交流を通じてコミュニケーション能力や伝達能力が養われます。そして、OJT研修ではより実践的にビジネス上で必要なヒューマンスキルを醸成することができます。例えば、営業に関して言えば、営業ではヒューマンスキルとしてヒアリング能力や交渉力が求められます。このスキルを先輩と同行することで学習し身に着けることが可能です。

テクニカルスキルの研修

カッツモデルを活用した研修として、テクニカルスキルの研修をご紹介します。テクニカルスキルがその業界や職種特有の業務知識や能力を指します。ですので、これも実践的な内容を学べるOJT研修が好ましいと言えます。先輩に同行し業務を観察し、自身も見様見真似で実践していくことで業務に必要な知識や技術を蓄えていくことが可能です。その他にも、業務の知識には資格の取得が重要なこともあるため、資格取得のための教材や授業形式の研修を実施することもおすすめです。

カッツモデルのその他の活用方法

スキルに合わせた知識の習得

カッツモデルのその他の活用方法として、スキルに合わせた知識の習得が挙げられます。会社での研修以外にも、知識を習得するのであれば自宅でも可能です。現代では技術が発達しているため、オンラインによる講座や研修だけでなく様々なアプリケーションを用いてスキルを向上することができるでしょう。 オンラインコースでは、専門家から直接学ぶことができるだけでなく自分のペースで進めていくことができます。また、研修プログラムや動画コンテンツでは、より実践的な知識を蓄えることができます。

ポジティブな姿勢

カッツモデルのその他の活用方法として、ポジティブな姿勢が挙げられます。ポジティブ、つまりは常に前向きでいることがヒューマンスキルを醸成させる上でかなり重要です。なぜなら、ポジティブな姿勢によってチームで協力する機会を増やすことが可能になるためです。また、ポジティブでいることによって周りの人間も自身と共に行動したいと思うようになり、人間関係を良好に保つことができ円滑な業務の遂行が可能となります。

実務への転用

カッツモデルのその他の活用方法として、実務への転用が挙げられます。研修や学習を通して得たスキルは実務に活かすことでその真価が発揮されます。実践を通じてスキルを磨き、成果を上げることができます。また、実務でそのスキルを活用することで、学んだスキルが実際にどう役に立つかを体験することが可能です。さらに、実務での成果を上げることは、仕事への自信につながるため、キャリアの成長にもつながります。

カッツモデルを人材育成で使う際のポイント

取得するスキルに応じてOJTや集合研修を使い分ける

カッツモデルを人材育成で使う際のポイントとして、取得するスキルに応じてOJTや集合研修を使い分けるという点が挙げられます。先述の通り、カッツモデルを活用するにはOJT研修と集合研修の2種類があります。これをスキルのカテゴリーに応じて適切に選んでいくことが重要になってきます。さらに、従業員の成長を促すために個別のメンター制度やコーチングプログラムを導入することも効果的でしょう。その他にも、社内で勉強会やワークショップを開催して知識を共有することも効果があるでしょう。

自己啓発やeラーニングを活用する

カッツモデルを人材育成で使う際のポイントとして、自己啓発やeラーニングを活用する点が挙げられます。役職別に必要なスキルを日常的に学べるようにするために自己啓発プログラムやeラーニングを活用することが好ましいです。これによって従業員はいつでも様々なスキルや知識を身に着けることができます。さらに、外部の教育機関やオンラインコースとも提携することでさらに深い学習をすることができます。

まとめ

カッツモデルを活用し人材育成の質を上げよう

カッツモデルは、各人にとってビジネスで必要なスキルを役職という視点から明確にすることができます。それによって仕事にモチベーションが生まれるだけでなく、研修体系を整理して効率的な成長をかんがえることができます。カッツモデルを積極的に活用することは、従業員にとってもメリットがあるだけでなく組織の成長にもメリットをもたらします。是非、このカッツモデルを理解した上で活用し、人材育成の質を上げてより良い組織体制を築き上げましょう。最後までお読みいただきありがとうございます。

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