外国人留学生の新卒採用。確認事項と注意点

記事更新日:2019年05月23日 初回公開日:2017年10月10日

外国人採用・雇用
経済社会の国際化・グローバル化に伴い、外国人雇用が増加しています。日本で留学している外国人も新卒採用として非常に期待できる率先力です。しかし外国人の雇用にはまだまだ制度として定着していない部分があり、企業側も雇用の不安を抱えているところが少なくありません。留学生の雇用について現状況を調べてみました。
本記事では、外国人留学生の現状と企業が外国人留学生を新卒採用する際の確認事項、注意点について紹介したいと思います。

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外国人留学生の新卒採用の現状は?

 現在、日本の多くの企業はグローバル化の促進に力を入れています。また、それと同時に少子高齢化の影響で人材不足の問題に直面し始めています。
 日本政府は、人材不足を解消するために外国人労働者の雇用の拡大に取り組んでいます。その施策の一つとして、以前は禁止されていた外国人の単純労働を許可する入国管理法が2018年12月に成立しました。
 また、政府は国際競争力強化を行うために高度な専門知識や技術を有する留学生の育成を行うために2020年までに留学生の総数を30万人にする「留学生30万人計画」も行っています。
日本企業は国際競争力強化、人材不足の解消のための多様な人材確保に取り組んでおり、それに伴い、外国人留学生を新卒で採用する企業が増加しているとよく耳にします。
 では、年々増加すると言われる留学生の新卒採用状況は実際はどのようになっているでしょうか?

外国人留学生の就職者数の推移

 文部科学省調査による外国人留学生の就職促進に関するデータより、平成21年から28年度までの外国人留学生の就職者数の推移を表した調査結果をご覧いただきます。
 赤色の棒グラフが留学生が国内で就職した数になっています。グラフから見てわかるように、年々、日本国内就職者の留学生の就職者数が増えています。また、全体の留学生数と比較した留学生の国内就職の比率は低いですが、年々増加している傾向があります。
 これは、日本企業が外国人留学生を採用し、受け入れる環境を整えている結果と言えるでしょう。

外国人留学生を採用する企業側の意識調査

 外国人留学生を採用する企業側の意識調査として全国の主要企業23,582社にインターネットアンケート調査を行い、そのうち732社から回答があった結果をご覧いただきます。 大卒以上を対象とする高度外国人材の採用の実績(予定を含む)企業が2018年度は34.1%に対し、2019年度の採用見込みは53.1%とおおよそ1.5倍の数字を示していることが判ります。
 従業員規模別のデータにおいても2019年度の採用見込数は2018年度の採用実績を大きく上回っています。顕著にみられる特徴は従業員1000人以上の規模の企業における採用見込が大きく伸びを見せていることです。
 また職業別のデータにおいて、製造業・非製造業別の比較でも製造業が46.5%、非製造業が60.9%と非製造業における採用意欲の高まりが現れています。
 この全体の統計から、高度外国人材は一部の大企業だけではなく、企業の規模にかかわらず一般的に広く浸透している傾向を現わしているものといえます。

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外国人留学生が日本で就職する理由は?

 平成31年度の文部科学省による調査で、平成30年の5月に日本で生活している外国人留学生の数は298,980人という統計が発表されています。
 年々増加する留学生たちは日本での就職をどう考えているのでしょうか?
 2018年3月卒業予定の外国人留学生を対象に行われた調査でディスコキャリタスリサーチによると、文系留学生の79.4%、理系留学生69.5%の学生が日本での就職を希望していて、留学生全体では77%が日本国内での就職を希望しているとの調査が明らかになりました。

<日本での就職を希望する理由>

※ディスコキャリスタリサーチデータより

 以上のデータより日本で就職したい外国人留学生の6割以上がその理由を、「生活環境に慣れているから」と回答し、2位には「外国人として日本語力を活かせるから」という日本語能力をメリットと考え、語学力を生かして活躍したいという意思があることが多分にうかがえます。3位にある「治安が良くて安全だから」はまさに日本としては非常に良い諸外国へのアピールポイントでもあり、外国人留学生がその点を非常に高く評価し、日本の住みやすさに対して好印象を持っていることを裏付ける結果となりました。

新卒の留学生の日本語能力は?

まず、企業が外国人留学生を採用する際に気になるのは日本語力ではないでしょうか?

 外国人留学生が実際に日本で働く場合まず必要とされるのが日常会話を含む日本語能力です。留学生を採用した企業の意識調査による回答を含めどのような推移があるのか調べてみました。

<外国人留学生の日本語レベル>

※ディスコキャリスタリサーチデータより

 現在の日本語レベルについて外国人留学生に意識調査をした結果を表したデータを見てみると、ネイティブレベルは12.4%、ビジネスレベルの58%を加えると全体で70%以上の留学生がビジネスで日本語を運用する能力があると回答しています。

 日本語能力試験による判定ではN1レベル(幅広い場面で使われる日本語を理解できる)国家試験を受験できる最高のレベルまで約7割の留学生が達しています。

 このリサーチからは企業が必要とする日本語のコミュニケーションレベルを十分に満たしている学生が多い事が判ります。

<外国人留学生の出身国>

※ディスコキャリスタリサーチデータより
 外国人留学生の出身国別データによると多くの企業が東南アジア出身の留学生を希望していることが全体の75%という数字に反映されています。
 なぜ東南アジア出身の留学生を希望する傾向が見られるようになったのでしょうか?
 経済状況と政府の対策との相乗効果によって次のような理由が考えられます。

・日本の高等教育への水準を求めて留学する学生が増えている。
・東南アジアには日本の企業が多く進出していて、賃金レベルも高い水準なので、 日本での就業経験や日本語のマスターは母国での採用の近道にもなるため。
・最近の円安の傾向を受けて、日本での留学生の授業料が安い。
・留学生向けの奨学金制度が充実している。
・大学や大学院で理工系に留学する学生の多くが日本でアカデミックな教育を受けたいと考える学生が多い。
・日本では留学から就業へのビザの切り替えが欧米に比べて比較的スムーズである。

<外国人留学生に求める日本語力>

※ディスコキャリスタリサーチデータより

 一方、外国人留学生を新卒採用する企業の日本語のレベルに対する意識調査のデータによると、入社の時点でビジネスの上級レベルを要求する企業は文系が48.4%、理系では43.8%を示しています。入社後の数字と比較してみると、文系81.5%、理系76.4%と急激に上昇しているのが判ります。これは実際の現場ではかなり高い水準の日本語能力が実践的に必要となっている現状を象徴している値と言えるでしょう。

外国人留学生の採用はビザ変更が必要

 日本企業が外国人留学生を採用する場合、「留学」から「就労」へビザの切り替えが必要になります。ここでは就労ビザ取得までの手順についてご説明します。

 外国人留学生が取得している在留資格の留学は企業などに就職が決まると、その変更許可を申請します。「留学」から「人文知識・国際業務・技術」の資格に変更になります。変更できるビザの種類には現在学んでいる学部の系統や就職先の仕事内容によって変わってきます。

<人文知識・国際業>

◆主な職種 → マーケティング・人事・経理・財務・企画・総務・法務・商品開発・広報・宣伝・デザイン・通訳・翻訳・語学指導

◆活動内容 → 人文化学の分野に属する知識を必要とする業務である。
       外国の文化に基盤を有する思考や感受性を必要とする業務。

◆条件・基準 →
  • 従事しようとする業務に必要な知識にかかわる科目を専攻して大学を卒業した場合。
  • またこれと同等以上の教育を受けている場合。
  • もしくは10年以上の実務経験により当該知識を修得していること
  • 外国の文化に基盤を有する思考や感受性を必要とする業務に従事する場合以下のいずれかに該当すること
  • (広告・宣伝・海外取引業務・服飾・室内装飾デザイン・商品開発などで3年以上の実務 経験を有する)
  • (翻訳・通訳・語学指導には大学卒業資格を有すること)
  • 日本人と同等額以上の報酬を受けること。
  • <技術>

    ◆主な職種 → エンジニア・プログラマー・研究開発・建築設計・アプリケーション開発・生産技術・品質管理・システム管理等

    ◆活動内容 → 理学・工学・その他の自然科学の分野に属する技術または知識を必要とする業務。

    ◆条件・基準 →

  • 従事しようとする業務に必要な知識にかかわる科目を選考して大学を卒業した場合。
  • またこれと同等の教育を受けている場合。
  • もしくは10年以上の実務経験により当該技術、知識を有していること。
  • 情報処理業務に従事する場合は定められた試験に合格しているか資格を有すること。
  • 日本人と同等以上の報酬を受けること。
  • ビザ申請の審査期間はどのくらいかかる?

     新卒の外国人留学生を社員として受け入れるには、ビザの切り替えが必要です。留学ビザから、働くことのできる在留資格取得の申請をすることになります。申請すれば、直ちに承認受理されるものではなく、個々に審査が行われます。

     申請から完了までの期間は、早ければ約1か月ほどですが、申請が増える混雑期(1月~5月)には2~3ヵ月かかることもあります。4月1日に入社して働き始める場合は、4月1日までに就労ビザを取得しなければなりません。就労ビザがない状態で働いてしまうと、不法就労助長罪に問われますので注意しましょう。本人や在学している大学と連携して早めに手続きを行なうことをおすすめします。

     審査項目としては、主に以下のようなものが挙げられます。

    「外国人留学生の専攻を含む学歴と入社後の業務内容に関連性があるか」

     個々に審査が行われる部分で厳密化はされていないのですが、原則として、大学で専攻した内容を活かせる業務でなければ許可されません。まず、企業は採用する留学生の大学・専門学校での専攻を確認しなければなりません。例えば、大学でプログラミングを学んだSEの留学生に対して財務として内定を出しても就労ビザは取れません。また、日本語学校卒業のみの学歴では就労ビザは取れません。(海外の大学卒業していれば可能)

    「就職前の在留状況に問題はなかったか」

     留学生の場合、期限切れや不法滞在の可能性は低いかもしれませんが、在学中のアルバイト経験は法律の範囲内で行われていたが、法に触れるような問題行動がなかったかが審査対象になります。

    「受け入れ企業の財務状況に問題はないか」

     上場企業や官公庁以外のカテゴリに分類される、中小企業や新規立ち上げ企業などでは、登記事項証明書や直近の決算文書の写し、前年の源泉徴収票など財務状況のわかる書類の提出が必要となります。

    参考:外国人留学生のための就活ガイド2019

    留学生と企業側の課題は?

    日本政府が2008年より推進するグローバル戦略として2020年をめどに留学生を30万人にまで増やそうという「留学生30万人計画」が着々と進行しています。

    実際、2018年5月には留学生が298,980人まで増加しており、留学生30万人計画達成目前となっています。

    留学生30万人計画の狙いは、外国人留学生は日本企業にとっては将来を担う重要人材になる可能性を秘めており、日本企業のグローバル化への貢献につながるという期待から優秀な外国人留学生を卒業後日本で就職してもらい、多様な分野で就職してもらうことです。しかし、留学生の日本での就職率は低いのが現状です。

    就職率が低い課題として

    <企業の課題>

    ・留学生が希望する職種と実際に採用される職種とのズレの解消が課題

    ・日本式の就職方法の指導や日本語修得のための支援

    ・企業による留学生採用枠の拡大や採用枠の明示

    <留学生の課題>

    ・日本語能力が不十分

    ・日本企業における働き方の理解が不十分

    ・業界研究・企業研究が不十分

    まとめ

    少子高齢化による労働力不足の問題を政府が外国人の単純労働を解禁することで緩和しようとしているように、近い将来、外国人に頼らざるを得ない状況になることが予想されます。まだまだ一般社会のなかで外国人と直接つながる生活が少ない中、大衆化するには少し時間が必要かもしれませんが、深刻な労働力不足に陥ってから外国人の労働環境を整備するのでは遅すぎるかもしれません。企業と留学生が互いに課題に向き合い課題解決していく努力をすることが大切です。

    日本全体の文化やこれまでの習慣を少しずつグローバル化し外国人が就労しやすい環境をつくりお互いが歩みよることで、外国人にも日本人にも良い環境を築けるのではないのでしょうか。たくさんの外国人が来日するオリンピックの年2020年を目標に日本のグローバル化を達成させたいものです。

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