外国人を役員に就任させるには【ビザの種類と手続き方法】

記事更新日:2020年06月03日 初回公開日:2019年12月02日

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会社運営の中で外国人社員を役員においたり、外国人とともに起業する場合においてのビザの種類及び手続きについてご説明いたします。必ず経営管理ビザを取得しなくてはいけないわけではありません。

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役員としての役割で判断

 外国人が日本で働くためには、その目的に合わせて就労ビザを取得する必要がありますが、従業員として働く場合と会社経営または役員として働く場合とでは、入国管理局に申請する就労ビザの種類が変わってきます。その違いについては、ずばり“役割(活動内容)”です。従業員の場合には一般的に「技術・人文知識・国際業務」と呼ばれるホワイトカラーの仕事での就労ビザ申請が大半を占めていますが、会社経営の場合には、「経営管理」と呼ばれる経営と管理をする就労ビザを申請していくことになります。この経営管理の中には社長の他に役員も含まれることが多いですが、役員としての活動内容によっては、経営管理ではなく技術・人文知識・国際業務の就労ビザでの申請になる場合もあります。例えば、役員には入るが行う仕事内容は経営や管理業務ではなく、翻訳通訳業務を行うケースなどが該当します。役職を英語表記すると理解しやすくなると思いますが、CEO=経営責任者、CFO=会計責任者、CMO=マーケティング責任者といった形で、役員の中でも管理側の仕事をする人もいれば、役員ではあるものの管理以外の業務を行う人もいるかと思いますので、どちらの就労ビザを申請していくかは実際に行う業務内容で決定していくことになります。

経営管理と技術・人文知識・国際業務の違い

 では経営管理と技術・人文知識・国際業務の就労ビザは何が違うのか見ていきましょう。経営管理は、“本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動”という定義がなされており、簡単にいうと経営および管理の業務を行う場合に取得するものになります。この定義から会社を経営したとしても、店舗型ビジネス(例:飲食店)のような現場労働が発生する場合には、経営管理の就労ビザを持っているかといって現場で働くことはできません。あくまでも経営と管理をするためのビザになりますので、現場で活動してもらうスタッフは別で雇う必要がでてきます。その他のポイントとしては、外国人本人の学歴は必要とされず、経営の経験3年以上もしくは資本金として500万円の出資のどちらかがあれば取得が可能になります。
一方、技術・人文知識・国際業務は、“本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動”と定義されています。この意味としては、大学等で学んだ(専攻した)内容を活かせる仕事内容もしくは、外国人ならではの外国語や思考・感受性を活かせる仕事内容(例;翻訳通訳・広報など)を指します。これは経営管理を取得する経営者または役員とは違い、サラリーマンのような従業員を指すことが一般的です。

審査でかかる時間の違い

 今までの説明で経営管理および技術・人文知識・国際業務が行う仕事の内容の違いということはご理解いただけたかと思いますが、その他の違いで大きく異なる点をご説明いたします。それは審査にかかる時間なのですが、経営管理は技術・人文知識・国際業務より審査が厳しく時間がかかります。申請する入管の場所および申請する内容にもよりますが、一般的には技術・人文知識・国際業務の場合は1か月~3か月ほどかかり、経営管理は4か月~6か月ほどかかります。どちらもビザの許可がおりてからでないと正式に働くことができないので、約半年ほど審査でかかる経営管理は企業としてスケジュールがたてづらいので、予め余裕を持って進めるようにしていただければと思います。

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この記事を書いた人

塩野 豪

(しおの ごう)

行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。

HP:行政書士法人フォワード
ビザプロ

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