ソーシャルスタイルとは何?【タイプの説明とタイプ別の対応等を説明します】

記事更新日:2021年02月05日 初回公開日:2020年12月14日

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ソーシャルスタイルという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ソーシャルスタイル理論では、人間の言動に注目し、4つのスタイルにタイプ分けします。タイプごとの特徴を知ることで、コミュニケーションを円滑にするための方法を具体的に理解できるのです。また、コミュニケーションが円滑になれば、生産性が向上する可能性も生まれるでしょう。この記事では、まず、ソーシャルスタイルについて解説し、4つのタイプごとに、特徴やコミュニケーションを円滑に進める方法を紹介します。そのうえで、マネジメントへの活用や、活用上の注意点などについても触れていきます。

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ソーシャルスタイルとは

人間を4つのスタイルにタイプ分けする

ソーシャルスタイルとは、アメリカの心理学者デビッド・メリルが提唱したコミュニケーション理論です。「感情」「自己主張(意見)」の2つの軸を使って、それぞれが強いか弱いかにより、人間を4つのスタイルにタイプ分けします。具体的には、「感情」が強く「自己主張」も強いタイプ、「感情」が強く「自己主張」が弱いタイプなどにタイプ分けするのです。相手と自分自身のタイプを理解すれば、会話や提案を適切に進めることができます。そのため、相性が合わない苦手な相手であっても、円滑で気持ちの良いコミュニケーションが可能となるのです。また、ソーシャルスタイル診断は、いくつかの質問に回答することで簡単に行えますから、ソーシャルスタイルの活用は比較的容易です。以下では、4つのタイプについて解説していきます。なお、4タイプのそれぞれを更に4つに分け、合計16に細分化する考え方もありますが、まずは大きな4タイプを頭に入れることから始めるのが理解しやすいでしょう。

ドライバー

ドライバー(ドライビングともいわれる)は、「自己主張」が強く、「感情」が弱いタイプです。必要な情報が集まれば、素早く意志決定し、合理的に行動します。結果を重視することから、目的達成のためには当初の計画を抵抗なく修正していきますね。また、冷静で、感情は表に出しません。しかし、自分で決定したいという姿勢が強いため、周囲からの指示を嫌いますし、じっくり話を聞くのは苦手です。思ったことをそのまま言ってしまい、周囲との関係が波立つこともあります。歴史上の有名人にあてはめると、素早く意志決定し、指示を出し、合理的に行動していた織田信長でしょう。

エクスプレッシブ

エクスプレッシブは、「自己主張」と「感情」が、ともに強いタイプです。周囲に注目されることや、楽しくにぎやかなのが好きで、沈黙が苦手。身振りや表情も使って感情を表現しながら話します。直感的に意志決定し、周囲を率いていこうとします。周囲を巻き込んで目標を達成していくことも得意です。しかし、細かい部分を見落としてしまうこともありがちです。歴史上の有名人としては、楽しむのが好きで、感情を表現しながら人を巻き込むのが得意だったといわれる豊臣秀吉があてはまります。また、誰もが知っているアニメのキャラクターでいうと、ドラえもんに出てくるジャイアンが、まさにエクスプレッシブでしょう。

エミアブル

エミアブルは、「自己主張」が弱く、「感情」は強いタイプです。人間関係や周囲の人たちの気持ちを重視し、協調を大切にしますね。気配りが上手で、明るく和やかな雰囲気でみんなの話を聞きます。しかし、周囲の意見に食い違いがある場合は、気をつかうあまり、決断をためらうこともあるのです。歴史上の有名人にあてはめると、協力が大切だと考え、家臣たちからもよく意見を聞いていたといわれる徳川家康があてはまるでしょう。ドラえもんのキャラクターでは、優しく協調を大切にするしずかちゃんがエミアブルですね。

アナリティカル

アナリティカルは、「自己主張」と「感情」がともに弱いタイプです。態度は冷静で、物静か。論理的に、感情を交えずに話します。周囲にはあまり影響されません。データを収集して黙々と分析し、細かなことも見逃しません。時間をかけて慎重に物事を進め、リスクも避けがちです。また、細かなことにこだわりすぎて、決断ができなくなってしまう場合もあります。歴史上の有名人では、感情を表に出さずに、状況を論理的に分析して行動していた明智光秀があてはまるでしょう。本能寺の変も、冷静に計算したうえで、何もしないよりはリスクが少ないと判断しての行動だったのではないでしょうか。

ソーシャルスタイル活用のメリット

適切にコミュニケーションを持てる

相手のソーシャルスタイルを理解できれば、相手の行動パターンを読むことができます。そうすれば、相手の言動に振り回されず、冷静な状態で、適切なコミュニケーションを持てるでしょう。その結果、苦手な人と接するのが楽になるでしょうし、職場の人間関係が良好となることも期待できます。また、社外の人に対する営業力なども上がっていくでしょう。更に、社員がおたがいのソーシャルスタイルを理解すれば、相互に補い合うことができるので、組織のパフォーマンスの向上が期待できますね。

ドライバーとのコミュニケーション

相手がドライバーの場合は、合理性を重視しますので、くどい前置きはせずに、結論から話し、簡潔に理由を説明していくのがいいでしょう。雑談や遠まわしな言い方は嫌われることが多いので、注意が必要です。また、自分で決定することを好み、指図されていると感じることを嫌いますから、何かを提案する必要がある場合は、複数の案を筋道立てて示したうえで、選択してもらいましょう。主導権は相手にあると思ってもらうのです。その際には、相手が疑問点を持つ場合に備え、論理性を持って簡明に説明できるような準備をしておく必要もあります。

エクスプレッシブとのコミュニケーション

エクスプレッシブは、楽しくにぎやかなことや注目されることが好きです。そこで、話を楽しそうに聞き、身振りや表情も交えて、やや大げさに一緒に盛り上がっていけば、心をつかめるでしょう。また、雑談にも興味を示しますから、新奇な興味深い話題を用意しておけば、打ち解けやすくなります。ただし、雑談などが続いてなかなか本題に入れない時は、上手に誘導することも大切です。その際には、話の腰を折られることを嫌うので、注意が必要です。また、提案が必要な場合は、単にデータを示すのではなく、話題性や感覚に訴えるような方法を考えるのがよいでしょう。

エミアブルとのコミュニケーション

エミアブルは、周囲の人たちの気持ちや協調を大切にします。議論は好みませんので、お互いの気持ちを大切にしながら相談し合うように会話をしていくのがいいでしょう。和やかに話題を提供し、落ち着いて会話を進めるのです。話を聞く場合は、共感していることを表しながら、十分に聞くとことが大切です。ねぎらいの言葉をかけたり、笑顔を見せたりして、友好的な雰囲気をかもし出すことも考えてください。性急に結論を求めるようなことは避けましょう。何かを提案する場合は、決断をためらう傾向もありますから、親身に相談に乗りながら話を進めていく形がいいでしょう。

アナリティカルとのコミュニケーション

アナリティカルは、データや論理性を重視します。話をする時は、データや根拠をきちんと準備し、資料を用いて具体的に話すことを心がけましょう。十分な理解が得られるよう丁寧に話すことも大切です。会話中も考える時間を必要としますので、性急な態度をとることは避けてください。また、必要な準備を怠らないタイプですから、事前に話の要旨や質問事項などを伝えておくことも効果的です。じっくり考えてから結論を出す姿勢なので、結論を急がせず、ある程度の余裕を持った期限を設けるのがよいでしょう。

ソーシャルスタイルをマネジメントに生かす

自分のソーシャルスタイルを意識する

ソーシャルスタイルをマネジメントに生かすためには、部下のソーシャルスタイルを把握し、自分自身のソーシャルスタイルを自覚しておくことが肝要です。部下と自身のソーシャルスタイルを念頭に置くことで、部下とのコミュニケーションに関して注意すべき点などを明確にできるようになります。そして、ソーシャルスタイルに見合ったコミュニケーションによって、人間関係が円滑になり、生産性が向上する期待を持てるでしょう。ここからは、ソーシャルスタイルごとに、留意点を説明していきます。

あなたがドライバーの場合

ドライバーは、自分で決定したいという意識が強く、じっくり話を聞くのが苦手です。また、部下の仕事ぶりに物足りなさを感じることがあるかもしれません。そのため、独りよがりな指示や命令を重ねてしまって、部下の気持ちが離れていく可能性や、部下を指示がないと行動できない社員にしてしまう可能性もあります。気がついた時には、「まさか、こんなことになるとは」と思ってしまう結果になっている危険も無視できません。日ごろから、部下の意見や気持ちに耳を傾けて汲み上げる機会を、意識的に持つようにしましょう。

あなたがエクスプレッシブの場合

エクスプレッシブは、周囲から注目されることや、楽しくにぎやかなのが好きです。そのため、部下の話を聞いていても、いつの間にか自身の話に変わってしまって、部下が必要なことを言えずに終わる可能性がありますね。部下が何を言いたいのか意識し、十分に話を聞くことも大切です。また、エクスプレッシブは、直感的に意志決定し、周囲を率いるのが得意です。しかし、意志決定の内容に問題がある場合は、誤った方向に導く可能性があります。意志決定にあたっては、客観的な資料も頭に入れるよう心がけましょう。

あなたがエミアブルの場合

エミアブルは周囲の人の気持ちを重視し、協調を大切にする反面、人に要求することや指示することが得意ではありません。時には、意識的に部下への指示を行うことも必要になるでしょう。その場合は、自信を持って部下に指示できるように、指示の根拠を明確にしておきましょう。人間関係を重視するあまり、オブラートで包んだような言い方になると誤解を生む可能性もありますので、肝心な点を明確に伝えるよう心がけることも必要です。また、周囲に気をつかうあまり決断を躊躇しがちですので、はっきりとした意志決定が必要な場合があることも意識しておきましょう。

あなたがアナリティカルの場合

アナリティカルは人とあまり関わらずに過ごすこともできるため、部下とのコミュニケーションが不足する場合があります。その対策として、例えば、朝やランチ前などに、部下との会話を持つ時間枠を意識的に設けるとよいでしょう。それにより、お互いの理解が進みます。細かな部分も気になりがちなので、部下の些細な難点が気になることもあるかもしれません。その場合でも、詳細な指示を与えるのではなく、部下に考えさせるなどし、主体性を生かして、部下を伸ばしていくことを考えてみましょう。また、アナリティカルは決断が遅くなりがちな部分がありますので、自ら期限を設定してみるのもいいでしょう。

ソーシャルスタイル活用の注意点

タイプに良し悪しはない

ソーシャルスタイルの4つのタイプについて触れてきましたが、タイプによって、良し悪しがあるわけではありません。各タイプそれぞれに個性があります。組織の生産性を上げるには、ある特定のソーシャルスタイルの社員を集めるよりも、4つのソーシャルスタイルの社員をまんべんなく集めた方が良いといわれています。それは、お互いのソーシャルスタイルを理解できれば、コミュニケーションが円滑に進むことに加え、それぞれの強みを生かすことや、弱みを補い合うことができるからにほかなりません。

まとめ

ソーシャルスタイルを活用してコミュニケーションを円滑に

ソーシャルスタイルを活用し、自分や相手の個性を理解すれば、相手との対応の仕方や上司としての注意点などが見えてきて、社内や社外で適切で円滑なコミュニケーションを持てるようになるでしょう。そのことが、人間関係の改善や成果の向上につながるという期待も持てるのです。更には、組織内での配置にソーシャルスタイルを活用できる可能性もあります。ソーシャルスタイルに良し悪しはないという点や、その人の全てを示しているわけではない点を忘れずに、活用していきましょう。

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