アンダーマイニング効果とは【事例などについて分かりやすく解説します】

記事更新日:2023年02月22日 初回公開日:2023年02月22日

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社員が高いモチベーションを持つことは、生産性の向上により企業の成長へとつながることに期待が出来ます。モチベーションは人によって様々であり、その影響は仕事をする目的によって変わります。他にも給与が上がることや、役職が上がることでモチベーションが上がります。しかし、一生懸命に仕事をしていても外部から要因によってはモチベーションが下がってしまうことがあります。それをアンダーマイニング効果と呼びます。この記事では社員のモチベーションが下がってしまうアンダーマイニング効果の原因や問題、課題解決のヒントを解説していきます。

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アンダーマイニング効果とは

動機づけが変わることでモチベーションが下がってしまう現象

私達はそれぞれ仕事に対する目的や目標を持っています。しかし、ある活動や行動に対する報酬が与えられると、本来その活動自体が持つ意義や楽しさが薄れてしまいます。その結果としてモチベーションが低下する現象をアンダーマイニング効果といいます。つまり外部からの報酬がある場合、人々はその報酬を得ることを目的として活動するようになるのです。その結果、活動自体に対する意義や楽しさが二の次になってしまうことがあります。これによって、本来は楽しく取り組んでいた活動に対するモチベーションが低下することがあるとされています。

内発的動機づけとは

社員がモチベーションを高める要因として、内発的動機付けがあります。内発的動機付けとは自分自身の興味や好奇心・挑戦・成長・達成感など、内部からの動機付けによって仕事などに取り組む状態を指します。つまり、自分自身がその活動に対して楽しみや意味を感じ、自発的に取り組む状態です。よって、内部的動機付けは、社員の求める目標設定や自己成長が期待できる環境により行うことが出来ます。内発的動機付けの場合、外部からの報酬が与えられることはあまり影響を受けません。

外発的動機づけとは

外発的動機付けとは外部からの報酬によって、ある活動に取り組む状態を指します。例えば、お金や賞賛、評価などの外部から与えられる何らかの報酬がその活動に対するモチベーションを高めることがあります。ただし、外発的動機付けにはアンダーマイニング効果があるため、ある程度の制約が必要です。外部からの報酬が与えられすぎると本来その活動に対する意義や楽しさが薄れ、モチベーションが低下することがあります。一方で、外発的動機付けは、内発的動機付けができていない場合にはある程度の効果があることが知られています。

アンダーマイニング効果が起こる理由

お金をもらうことが目的化してしまうため

アンダーマイニング効果が起こる原因の一つとして、外部からの報酬が目的化されてしまうことが挙げられます。その活動自体が持つ意義や楽しさが薄れ、代わりに外部からの報酬を得ることが主な目的となってしまうことが原因です。それにより活動に取り組むモチベーションが低下することがあります。特に、お金などの具体的な報酬が与えられる場合に、このような目的化が起こりやすいとされています。お金をもらえることが活動に対する意義や楽しさを希薄にしてしまい、その活動自体に対するモチベーションが低下してしまうのです。

他の社員の評価を気にしてしまうため

アンダーマイニング効果が発生する原因は他の社員の評価を気にすることが原因となる場合もあります。他の社員との競争が活発化すると外部からの報酬や評価に注目するようになり、内発的な動機づけが低下してしまう場合があります。例えば、ある社員が自分の仕事の評価を気にして他の社員と比較して上位になろうと努力した結果、目標を達成できなかったとします。その場合、その社員は挫折感を感じるでしょう。その社員はもう一度努力をして目標を達成しようとするかもしれませんが内発的な動機づけが低下しているため、次の目標に向かって取り組む意欲が薄れる可能性があるのです。

タスクが受動的になってしまうため

アンダーマイニング効果はタスクに対するモチベーションが低下し、タスクに対する取り組みが受動的になる可能性があります。内発的な動機づけに基づいてタスクに取り組むと、そのタスクに関心を持ち、自発的に取り組むことができます。しかし、外発的な報酬や評価に基づく取り組みではタスクに対する興味や関心が低下し、タスクに対する取り組みが受動的になる可能性があります。タスクに対して外発的な報酬が与えられると、その社員は外部からの報酬を得るためにタスクを行うことが目的になり、タスクに対する取り組みが受動的になる場合があります。

締め切りやノルマがあるため

アンダーマイニング効果は、締め切りやノルマがある場合に特に起こりやすいとされています。締め切りやノルマがある場合、タスクを完了するための報酬や評価が外発的なものとなり、内発的な動機づけが低下します。それによりアンダーマイニング効果が起こりやすくなると考えられるのです。締め切りやノルマが設定されたタスクに取り組む場合、外部からの報酬や評価に注目する傾向があります。その結果、内発的な動機づけが低下し、タスクに対する興味や関心が減少してしまいます。さらにはタスクの完成度やクオリティが低下する可能性があるとされています。

ミスに対して罰則があるため

アンダーマイニング効果はミスに対する罰則がある場合にも起こりやすいとされています。ミスに対して罰則がある場合、タスクの完成度やクオリティを向上させるための報酬や評価が外発的なものとなり、内発的な動機づけが低下します。それによりアンダーマイニング効果が起こりやすくなると考えられています。また、ミスに対して罰則がある場合、そのタスクに取り組む際に外部からの報酬や評価に注目する傾向があります。その結果、内発的な動機づけが低下し、タスクに対する興味や関心が減少してしまうためにミスが起こるのです。

アンダーマイニング効果が与える悪影響

離職率が上がる

アンダーマイニング効果が継続的に発生する場合、それが離職率の上昇につながる可能性があります。アンダーマイニング効果が発生すると、モチベーションが低下し、仕事へのやる気や関心が減少します。この状態が続くことで、仕事に対するストレスや不満が溜まり、最終的に離職の原因となることが考えられるのです。また、外発的な報酬や評価に対する依存度が高まるリスクが考えられます。それにより内発的な動機づけが低下し、自己成長や自己実現を求める動機が失われる可能性があります。その結果、仕事に対する価値観や意義を見失ってしまい、職場に対する愛着や熱意が失われることがあります。

生産性が下がる

アンダーマイニング効果は従業員のモチベーションや関心が低下し、仕事に取り組む時間やエネルギーが減少します。また、外発的な報酬や評価に依存する傾向が高まり、内発的な動機づけが低下するため業務に取り組む意欲や自発性が失われることがあるのです。これにより業務の質や量、精度などが低下することで生産性が下がります。ミスに対して罰則がある場合、そのタスクに取り組む際に外部からの報酬や評価に注目する傾向があります。その結果、内発的な動機づけが低下し、タスクに対する興味や関心が減少してしまうのです。

職場の雰囲気が悪くなる

アンダーマイニング効果は職場の雰囲気が悪くなることがあります。アンダーマイニング効果が起こると、従業員のモチベーションや関心が低下することで仕事に取り組む意欲が低下します。また、外発的な報酬や評価に依存する傾向が高まることで、内発的な動機づけが低下すると考えられます。それにより業務に取り組む意欲や自発性が失われることがあるのです。これにより、従業員同士の協調性や信頼関係が低下することがあります。報酬や評価が適切でないと感じる従業員は、他の従業員との競争や比較に悩むことがあり、職場の雰囲気が悪化するでしょう。

アンダーマイニング効果の対策

自発性を意識させる

アンダーマイニング効果への対策の一つとして、自発性を意識させることが挙げられます。アンダーマイニング効果は、外部からの報酬や評価が過剰になると、内発的な動機づけを低下させることが原因の一つとされています。そのため、従業員に自発的な行動を促すことが重要です。従業員が自主的に行動するためには、組織が自律性を尊重することが必要です。組織は、従業員に対して必要な支援を提供する一方で、自主性や個性を尊重しましょう。このような取り組みを行うことで、従業員の自発性や自己決定力を促進し、アンダーマイニング効果を回避することができます。

簡単な目標から設定する

簡単な目標を設定することもアンダーマイニング効果への対策の一つとされています。簡単な目標を達成することで自己効力感を高め、内発的動機付けを促すことができます。また、目標設定を自分自身で行うことで、自己決定感も高まるでしょう。さらに、目標に関するフィードバックを適宜与えることも重要です。フィードバックによって目標に向けた進捗状況や自己評価が明確になり、自己効力感を高めることができます。仕事に必要なリソースを提供し、やりがいや成長機会を提供するのが良いでしょう。

良かった点を具体的に褒める

アンダーマイニング効果の対策として、具体的に褒めることが挙げられます。人は自分が頑張っていることや、成果を出したことが認められると、モチベーションが高まります。褒められることで、自己効力感を高め、内発的動機付けを促すことができるからです。ただし、褒める際にはいくつかの注意点があります。例えば、褒め言葉は具体的であることが大切です。あいまいな褒め言葉よりも「そのプレゼンテーションはとてもわかりやすかったね」といった具体的な褒め言葉の方が効果的です。褒める際には内発的なものにするように意識することが大切です。

エンハンシング効果を活用する

アンダーマイニング効果の対策としてエンハンシング効果を活用する方法があります。エンハンシング効果とは、人が自分自身に対して肯定的な評価をすることで自己肯定感や自己効力感が高まり、行動の動機付けや自己実現を促す現象です。具体的には、目標設定時に個人のスキルや実績を踏まえた上で、適切な難易度のタスクを与えることが大切です。タスクが適切な難易度であれば、達成感や自己肯定感を得られるため内発的動機付けが促進されます。また、フィードバックを適宜与えることで、行動の方向性を修正することもできます。

社員のことをよく理解する

アンダーマイニング効果を防ぐためには、まず社員の動機やニーズをよく理解し、個々の社員に合わせた適切な報酬や評価制度を設計することが必要です。また、社員が自己決定を行いやすい環境を整備することで、内発的動機付けを促進し、アンダーマイニング効果を軽減することができます。さらに、社員の意見やフィードバックを積極的に取り入れ、コミュニケーションを密にすることも大切です。社員とのコミュニケーションを活発にしすることで、チームワークを促進することができますのでメンバー同士の相互評価や支援を促し、自己肯定感を高めることができます。

まとめ

アンダーマイニング効果をしっかり理解して良い社内環境を保とう

アンダーマイニング効果は、活動や行動に対する報酬が与えられることが原因です。本来その活動自体が持つ意義や楽しさが薄れ、その結果としてモチベーションが低下してしまいます。社内環境を良好に保つためにはアンダーマイニング効果について理解することが重要です。まずは社員との定期的な面談やフィードバックの場を設けることで社員の動機やニーズを理解し、個別に対応できるようになります。また社員が自己決定を行いやすい環境を整備することで、内発的動機付けを促進することも有効でしょう。それらにより、社員同士の信頼関係を築くことでチームワークが向上し、社内環境を良好に保つことに期待が出来るのです。

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