人事評価シートの書き方は【具体的な評価項目や導入するメリットデメリットについて解説します】

記事更新日:2023年10月19日 初回公開日:2023年10月19日

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人事評価シートとは企業が従業員を評価する際に利用するツールの一つで、従業員のスキルや意欲に対する評価を一目で確認できることから、現在多くの企業に用いられています。そのため、人事評価シートは従業員の待遇を見直すだけでなく、人材育成においても重要な役割を果たします。そんな人事評価シートですが、具体的にどのような項目が必要なのか、導入した際の効果についてよく知らない方も多いのではないでしょうか。今回は人事評価シートの作成目的や構成要素についてご紹介します。人事評価シートがどんなものなのか知りたい方は是非ご参考にしてみてください。

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人事評価シートとは

人事評価を行う際に重要事項を管理するためのシート

人事評価シートとは人事評価を行う際に重要事項を管理するために使用するシートのことです。人事評価では会社に勤める社員一人一人の普段の行動や仕事の成果を考慮して、待遇や報酬の見直しを図ります。しかし、人事評価は一人の管理職が個人的な裁量で社員に優劣をつけ、評価を下すわけにはいきません。そのため、事前に具体的な評価項目を設定し、決めた内容に沿って評価を行う必要があります。そこで、用いられるのは上記の評価項目を可視化させた人事評価シートです。

人事評価シートを作成する目的

公平な人事評価を実現するため

人事評価シートは公平な人事評価を実現するために用いられます。人事評価シートには評価基準を明確にするため、評価項目を記載する必要があります。評価者はシートに記載された評価項目に沿って社員を評価することになるので、主観的な評価を行うことはありません。そのため、全ての社員を客観的に評価でき、社員の公平性を保つことができるのが特徴の一つです。また、評価基準を明確にすることで、評価者がどのように評価をつけるのか考慮する手間が省けます。

社員のキャリアアップを支援するため

人事評価シートに記載された評価項目は、社員が今後到達すべき目標を表すものでもあります。そのため、人事評価シートを作成すれば、必然的に社員に将来的に求められるスキルを明確にすることが可能です。そして、自分が今後達成すべき目標が明示されれば、社員は目標達成に向けてどのような手段を取らなくてはならないか考えることになります。このように、企業から社員の成長を人事評価という形で促すことで、社員全員のキャリアアップを支援することに繋がります。

社員のモチベーションを上げるため

人事評価シートは社員の公平性を保てるという観点から、社員のモチベーションを上げる役割を果たすこともできます。評価基準がはっきりしておらず明確な目標が無いと、社員は努力の方向性がわからないだけでなく、頑張って仕事をしても評価に繋がらないと考えてしまいます。仕事で十分な評価を得らないということは、社員のモチベーションを下げる原因にもなりかねません。そのため、人事評価シートを活用することは、社員のやる気を引き出すためにも、必要な行為と言えます。

会社のカルチャーを浸透させるため

会社は業種や経営方針によって社員に求めるものが異なります。人事評価シートには、このような会社独自のカルチャーを浸透させられるのも特徴の一つです。例えば人事評価シートに記載した目標が資格の取得であれば、その会社は社員の資格を重視していることが明確に理解できます。このように、会社が重視している目標が可視化されることで、社員も会社の文化に適応しやすい環境を作れます。そのため、自社のカルチャーを社員に理解してもらうという意味でも、人事評価シートの作成は有意義なものと言えるでしょう。

人事評価を構成する要素

成果評価

人事評価シートを構成する要素の一つには成果評価があります。成果評価では、社員が実際の業務で出した業績や目標の達成度を基準として評価を下します。成果評価は具体的な成果から判断できる評価基準を設けているため、努力した分だけ結果が評価に反映されやすく社員にも納得が得られる評価基準です。しかし、成果だけを基準にすると、人によっては努力が結果に結びつかなかった場合もあるので、公平な評価とは言えません。そのため、人事評価では成果だけにこだわらず他の構成要素も重視することが大切です。

能力評価

能力評価とは社員の取得した資格やスキルに重きを置いた評価基準です。社員の資格やスキルは業績に直接関係ありませんが、今後の成長や会社への貢献が期待できる要素なので、人事評価では能力評価も考慮すべき部分として欠かせません。しかし、その一方で業種に関係ない資格は業績に繋がらない可能性もあります。そのため、人事評価に盛り込む際には、人事評価シートに会社の求める資格取得を目標とする項目を記載しましょう。これを行うと、どのような資格やスキルが評価対象にあたるのか分かりやすくなります。

情意評価

情意評価とは社員の普段の行動や業務態度など、目には見えない部分に関する評価基準です。前述した通り、どれだけ本人が努力をしても、その時の状況や所属する部署によっては成果に表れない場合があります。情意評価とはそのような場合にも適切に人事評価を下すためのものです。具体的には社員の積極性や、チャレンジ精神などに関する項目が例として挙げられます。目には見えない社員の努力を評価基準に組み込むことで、より公平性を保った状態での人事評価が可能になるでしょう。

人事評価シートの書き方

自己評価

ポジティブな表現を用いる

人事評価シートには評価対象である社員本人が自分で評価を下す項目も導入します。そのため、実際に評価を行う際には初めに社員本人が、過去の自分を振り返り自己評価をする必要があります。また、自己評価をシートに記載する際には、なるべくポジティブな表現を用いることが大切です。できなかったことを、「できませんでした」で終わらせてしまうと、評価者は仕事に対する意欲を汲み取れません。そのため、目標が達成できなかった場合でも、次はどのように行動を改善し達成に向けて努力するのか記載しましょう。

フィードバック

具体的に書く

社員が自己評価を下した後は上司や教育担当など、評価者にあたる社員が評価シートの内容をフィードバックします。この時に、評価基準に沿った内容を「できる・できない」で判断するだけでは、返ってきたシートを読んだ社員が今後どのように行動していけば良いか分からないので不十分です。そのため、評価対象のどのような点が評価できるのか、できない点に関しては今後どう改善していくべきなのか、具体的な内容を記載しましょう。これを行うことで、社員も今後の行動指針を明確に認知しやすくなります。

人事評価シートを導入するメリット

企業のメリット

人事評価のシステムを透明化させることができる

人事評価シートは、企業の評価システムを透明化させられるというメリットがあります。人事評価シートには、企業から社員へのニーズを明確化させる意味も含まれています。そのため、評価基準に透明性が無いと社員は不満を抱きやすくなるだけでなく、会社が自分に何を求めているかもわかりません。評価システムを透明化しニーズが明確になると、社員がより企業の求める人物像に適応できる可能性が上がります。さらに、社員が求める形に成長できると必然的に企業の業績も上がるため、人材育成と同時に会社自体の成長も期待できます。

社員のメリット

評価に納得感が得られる

人事評価の内容が評価者の裁量のみに偏ると、評価の結果に対して不満を覚える社員が現れる可能性も否定できません。社員が会社の評価に不信感を覚えてしまうと、モチベーションの低下や人間関係の悪化などのリスクが発生します。しかし、人事評価シートを導入し、評価基準を明確化すれば、社員も評価内容に対して納得感が得られます。そのため、人事評価の導入は上記の問題を未然に防ぐ役割を果たします。また、努力に対して正当な評価を受けられれば、今後の報酬や待遇もより良いものとなることが期待できるので、人事評価シートの導入は両社にとって有益な行為です。

人事評価シートを導入するデメリット

評価者のスキルによっては不信感が生まれることがある

人事評価シートは評価者のスキルによっては不信感が生まれることもあります。例えば、評価者が適切な目標設定や公平な判断ができるほどのスキルを保有していない場合、どれだけ構成要素が充実していても意味がありません。特に前述したフィードバックの内容が不十分だと社員の納得が得られず、離職の原因になる可能性もあります。そのため、企業は評価者を選出する際には、本人のスキルを十分に考慮し慎重に検討する必要があります。また、人事評価シートを導入する際には、評価者を対象に研修を行うなど、しっかりと準備しておくことが重要です。

人事評価シートの自己評価を書く際のポイント

客観的な視点で結論から書く

人事評価シートで自己評価を書く際にはできるだけ客観的な視点で、結論から内容を記載しましょう。人事評価シートは社員本人の気持ちや考えを評価者に伝えるものではありません。主観的な考えから文章が始まると、読んでいる評価者は結果的に何が言いたいのかわからなくなってしまいます。また、内容によっては、社員が目標を達成できなかった言い訳を述べていると思われてしまうこともあります。そのため、書く時には客観的な事実に基づき、論理的な文章で自己評価を記載することが大切です。

具体的な数字を用いて簡潔に書く

自己評価の内容に説得力を持たせるには具体的な数字を用いるなどの手段が有効です。例えば営業職であれば、目標の契約数を達成できたという事実を記載する際には、結果だけでなく何件契約をとれたのか記載すると評価基準と照らし合わせることができます。目標達成できなかった場合にも、具体的な数字があれば達成に向けてどの程度努力したかを汲み取られやすくなります。また、自己評価が長くなればなるほど評価者は内容を判断しにくくなるので、文章はできるだけ簡潔に書くようにしましょう。

失敗や問題点に加えて改善点も書く

自己評価を記載する際には、失敗や問題点を記載するだけでなく、改善点も書きましょう。単純に失敗や問題点などの事実を記載するだけでは、評価者は社員の意欲を汲み取れません。また、人事評価シートの記載は、今後の社員の成長に繋げるためのものでもあります。そのため、自己評価で自分のマイナスな部分を書く際には、今後どのようにマイナスな部分を改善していくか記載し、行動に移す必要があります。これを行うことで、評価者に自分のやる気をアピールすることにも繋がります。

自分が思うよりも一段高い評価を書く

自己評価を記載する際には、つい評価段階を控えめに記載してしまう人も少なくありません。仕事に対して謙虚な姿勢は大切ですが、卑屈になりすぎると高い評価を得られる機会を失くしてしまうことにもなりかねません。そのため、高い評価や良い印象を相手に残すためにも、自己評価は自分が思っているよりも一段高い評価を設定しましょう。ただし、実力に見合わない評価をつけると、却って逆効果に働く危険性があります。そのため、あくまで自分が思うよりも少し高い位置にとどめることが大切です。

まとめ

人事評価シートについて理解して作成に活かそう

人事評価シートは社員を正当に評価するためだけでなく、企業のニーズに合った人材を育成するためにも必要不可欠なツールと言えます。そのため、人事評価シートを導入する際には評価項目や評価者の人選を慎重に検討しなければなりません。また、評価シートに記載された内容は、評価以降も社員や評価者が振り返ることができるように、社員ごとにファイリングするなど、適切な管理をすることが大切です。記録を確実に残しておくことで社員の成長度合いが分かるため、より現状に即した評価が可能になります。人事評価シートを理解し、より良い成長に繋げていきましょう。

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