キャリア開発とは?【個人のキャリアデザインに対して企業ができること】

記事更新日:2021年02月05日 初回公開日:2020年12月14日

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「キャリア開発」という言葉をご存知でしょうか。こちらは社員のキャリア育成のために企業が取り組む支援のことを示しており、人事課題である人材確保や離職率の低減に役立つとされています。キャリア開発は社員一人ひとりに寄り添ったものであり、個人の成長や可能性の拡大に繋げることが可能です。方法は様々存在し、企業が事前にすべき注意点も明記しているので自社に最適なものを厳選し、導入を検討してみましょう。今回はすでにキャリア開発を始めている企業を3つ例としてあげていますので、是非ご確認ください。

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キャリア開発とは

社員のキャリア育成に対する支援

キャリア開発とは、社員が自らで思い描く目標やビジョンに向けて企業がサポートする取り組みを意味しています。企業が積極的に社員のキャリア開発に取り組むことで、優秀な人材の確保と定着、そして組織の活性化が期待できます。近年少子高齢化により労働人口の減少が問題視されています。そのような問題の影響を軽減させるためにキャリア開発を導入することで社員の労働意欲向上やスキル成長を通して優秀な人材確保に繋げましょう。

目標設定や昇格に対する取り組み

更に、キャリア開発とは社員の目標設定や昇格など今後のキャリアをサポートする企業の取り組みを指します。この取り組みは社員の定着率向上や社員の能力拡大を目的とされています。取り組みの例としては、ジョブローテーションや研修の実施などです。能力向上や役職など社員によって仕事に対する目標はそれぞれですよね。そのため、彼らが自身で立てた目標を達成できるように企業が積極的にサポートするものがキャリア開発であるとされています。

キャリア開発が出来た理由

労働人口の減少

キャリア開発が導入された理由の1つ目は少子高齢化による労働人口の減少です。この人事課題により優秀な人材の確保が重要視されるようになってきました。自社で経験を積んで転職する人を出さずに長期的に勤務する人材を確保することが狙いです。彼らに仕事へのマンネリ化を感じさせないようにします。あくまでもキャリア開発とは企業が社員に強制するものではなく、社員一人ひとりのキャリアプランに合わせたサポートが目的です。

働く女性の増加

キャリア開発が導入された理由の2つ目に働く女性の増加が関係しています。1980年代には夫婦で男性のみが働く「片働き」が主流であったのに対し、女性の労働意欲の高まりに付随して「共働き」の夫婦の数が増加傾向にあります。結婚や出産などで女性のライフスタイルが変化したとしても1つの企業で長期的に就業できる環境を整えるべくキャリア開発が活用されています。労働人口の視点から見ても、退職者を出さないことは企業の経営安定に繋がりますね。

キャリア開発とキャリアパスの違い

キャリアパスは昇格や昇進などの形式的なもの

キャリアパスとはキャリアアップに向けて行うべき行動の道筋を指します。自社で働く社員がある分野での専門性をさらに高め、経歴や自身のレベルアップに努めるというものです。人材として価値があるということを証明するものであると考えられており、特に形式なものとされています。例えば「昇進」や「昇格」など役職や等級、任される仕事への責任の事ですね。キャリアパスという明確な行動計画を立てることで社員の日々の業務へのモチベーションに繋がります。

キャリア開発は能力アップへのサポート

キャリア開発とは、社員が立てた目標を達成するために必要な能力を鍛えるサポートを企業が行うというものです。キャリアパスは目標への道筋を示すのに対し、キャリア開発は目標に向けて行われる支援や取り組みを示します。日々の業務に取り組むにあたり今後の目標やビジョン、それを達成する方法が不明確であれば、業務の生産性に繋がらない可能性があります。そのため企業はキャリア開発を行い、企業は今後の人事配置や彼らの新たな経験に活かします。

キャリア開発のメリット

組織の活性化につながる

キャリア開発を導入するメリットを今回は2つご紹介します。1つ目はキャリア開発を行うことで組織の活性化が期待できる点です。キャリア開発を行うとなると、新しい人事配置や経験がもたらされるでしょう。同じ仲間、同じ環境で毎日仕事をしていると業務のマンネリ化が起こる可能性もあります。しかし、このような時に他の部署から人材が異動してくることで自身の勤務態度や意識に向き合い、業務に対する緊張感を持ち直すきっかけにも繋がります。

人材の成長と定着が期待できる

メリットの2つ目は人材の成長と定着が期待できる点です。キャリア開発を導入することで、社員ができる業務内容の幅を広げるサポートが可能となります。更にキャリアプランに応じて様々な部署での経験を積み最適な人事配置や希望のポジションの配置ができれば、社員のモチベーションに繋がり企業への定着が見込めます。働き方改革により転職や勤務環境の見直しを行う人も一定数存在するため、社員を定着させるための満足度にも繋がりますね。

キャリア開発のデメリット

必ずしも社内が活性化するわけではない

キャリア開発を導入するデメリットも2つご紹介します。1つ目は必ずしも社内が活性化するわけではない点です。キャリア開発により人事配置の変更や社員のモチベーション向上が期待できる可能性はあります。しかしながら、明確なキャリアプランを立てることに苦戦する場合や、意識の高い社員と比較して自身は劣っていると感じる社員も出てくるかもしれません。人事配置のミスが起こりうる可能性もあります。そのためキャリア開発は明確かつ慎重に進める必要があります。

退職のきっかけになる可能性がある

デメリットの2つ目は自社でのキャリア開発が原因で社員の退職を引き起こす可能性がある点です。前にも述べた通り、働き方の多様化によりキャリアプランや労働条件の見直しを考える人が一定数存在します。社員のモチベーションや経験のために人事配置の変更や成長のチャンスを与えたとします。しかし、社員によってはその経験を生かして転職を考える人が現れるかもしれません。そのため、一人一人との定期的な面談を行い退職者が出さないように注意しましょう。

キャリア開発をする際の企業の対応

キャリアデザイン研修

ここからはキャリア開発を導入する際の考えられる方法を2つご紹介していきます。まず1つ目はキャリアデザイン研修です。この研修は自身の今までの経歴を見直し、今後のキャリアプランをどのように進めていくかを見つめ直す時間となっています。研修内容や研修目的は若手社員、中堅社員など勤続年数によって異なることはご存知でしょうか。立場や能力によって日々の業務で求められることも変わってきます。そのため、研修を通して求められている姿や今後のキャリアプランの可能性を理解してもらう自社で働く勤務態度に繋げてもらいましょう。

ジョブローテーション

2つ目の方法はジョブローテーションです。ジョブローテーションとは一定期間の職種を経験したのち社員を別の職種に異動させ、経験を積ませるという仕組みのことです。これを経験することにより、社員の適材適所の把握や新たな可能性の発見に繋げることが出来ます。一定期間で業務内容が変化することで、仕事へのマンネリを防ぎ業務を行う上での緊張感を維持することが出来ますよね。専門性のある社員であっても違う仕事ができるようになることでキャリアの幅も広がります。

キャリア開発の注意点

あくまでも社員が主体となる

キャリア開発を行う上で企業が注意すべき点がいくつか存在しますので、今回は2点抑えていきたいと思います。まず1点目はあくまでも社員の主体性を重視することです。キャリア開発は社員視点が最重要となってきます。社員が思い描く今後のプランや行動計画、社員自らで行動する主体性を伸ばすことがポイントです。そのため、「上司に言われたからこのような目標にした。」と社員が納得していな状況や「こういったプランで行動したらいいよ」と企業側が強制感をしないように注意が必要でしょう。

キャリア相談可能な環境を整える

2つ目の注意点はキャリア相談窓口の設置です。こちらは社員のキャリアに対する不安解消や精神状態の管理をするために活用しましょう。例えば、キャリア開発を行うために社員のビジョンを確認すると、自らでプランを考えることが得意な活発な社員に対し、目標が曖昧な社員もいるかもしれません。そのような時にこの窓口に相談できるようにしておくことで、目標の明確化や目標達成に向けて行動する方法のアドバイスが可能となるのです。社員が自身の興味関心や目標を知ることで、日々のパフォーマンス力向上に繋がります。

キャリア開発を導入している企業

株式会社ドリコム

実際にキャリア開発を導入している3社の実例をチェックしていきましょう。まず1社目はソーシャルゲームの開発や提供を行うIT企業の株式会社ドリコムです。こちらでは2015年にインターネットベンチャー企業であるピクシブ株式会社との間で「社会人交換留学」というものを実施しました。ドリコム社員として他社での勤務を経験することで、異なる社風や仕事の進め方などを実際に経験することができます。いつもとは違う環境で刺激を受けて学ぶことで自社の強みや弱みを把握するというものでした。

株式会社日立製作所

2社目は世界有数の日本の電機メーカーである株式会社日立製作所です。こちらの企業は企業が求める人材の育成だけでなく、個人の成長を重要と考えキャリア開発を始めました。具体的には事業目標と個人目標を連動させてキャリア開発を行い、上司が一人一人と密に面談を行いながら細かくフィードバックをしたことで社員の生産性の向上に成功しました。中長期的な視点で明確なキャリア開発をサポートしたことにより社員の自発性に繋がり、社員一人一人の自律出来るようになっています。

ソフトバンクグループ株式会社

3社目はインターネットや通信事業を行っているソフトバンクグループ株式会社です。こちらの企業は様々な人材が1つの企業で勤務しているという特性がありました。社員の数が年々増加傾向にあり、人材配置を見直す必要があったためキャリア開発に着手を決めました。部署が認可すれば希望部署への移動を可能とする制度や自らのキャリアを見つめ直すイベントなど、社員の自発性を活性化するようにキャリア開発を進めました。これは「自ら手をあげた者に機会を与える」という企業理念をもとに行われています。

まとめ

正しい方法で定着率に繋げる

今回はキャリア開発についてご説明してきました。キャリア開発を正しく導入することができれば企業の人事課題の解決に近づくかもしれません。早期退職者や転職希望者を出さないためにも研修やジョブローテーション、キャリア相談窓口など自社に適した新たなものも取り入れて社員のサポートに努めましょう。すぐに結果が出ないことや思わぬ結果に繋がる可能性もありますので、施行には注意が必要です。今回挙げた3つの事例以外にも様々な例がありますので是非調べてみて下さい。

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