職能資格制度とは【導入におけるメリットやデメリットなどについて解説します】

記事更新日:2022年07月26日 初回公開日:2022年05月27日

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職能資格制度は人事評価制度のひとつで、労働者個人の能力を基に評価を判断する日本では一般的な人事評価制度です。しかし適切に実施されていない企業においては、社員のモチベーション低下を引き起こす可能性もあるかもしれません。また労働者の離職率の上昇につながる課題も見受けられるため、人事制度の見直しを検討しましょう。本記事では職能資格制度の構築方法や、メリットとデメリットなどを解説していきます。人事評価制度を見直したい、上手くいかないとお悩みの人事担当者は、ぜひ参考にしてみてください。

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職能資格制度とは

社員の能力によって等級付けを行うこと

職能資格制度とは、能力によって従業員をいくつかの等級に分類し、レベルに応じて賃金の管理を行う人事評価制度のことです。社員の能力に応じた賃金を支払い、人材を育成することが目的とされています。職能資格制度で決定される等級は、課長や係長などの組織上のポジションと一致するとは限りません。職務や役職・肩書に関係なく、高い能力を備えていれば昇格の対象になります。多くの日本企業に根付いており、経済成長を支えたシステムです。

職能資格制度と職務等級制度の違い

等級分けの仕方が異なる

職能資格制度と職務等級制度の違いは、等級分けする区分が異なります。職務等級制度は、職務ごとに仕事内容や難易度を明確に定義し、職務ごとに給与の等級が決まっています。職務ごとに遂行する職務が詳しく記されている記述書があり、年齢や学歴や勤続年数などの要素は考慮されないため、同じ等級であれば賃金や労働量は同じになるでしょう。 このように職務等級制度は職務ごとに区分けされますが、前述した職務資格制度は能力で区分けされます。

職能資格制度と役割等級制度の違い

評価基準が異なる

人事評価における等級制度には、他にも役割等級制度があります。職能資格制度は個々の能力を重視しますが、役割等級制度は仕事の難易度やミッションに応じて等級分けが決められています。そのため、評価される基準は大きく異なるでしょう。職能資格制度は、個人の職務遂行能力によって評価されますが、役割等級制度では個人の役割やミッションによる成果によって評価されます。役割を果たせば、年齢キャリア関係なく高評価になります。

職能資格制度のメリット

社員が働きやすい環境を作れる

職能資格制度のメリットは、社員が働きやすい環境を作れることです。能力のある社員であれば、経済的に安定した環境で長期的に働きたいと考えるでしょう。職能資格制度が導入されている企業では、勤続年数が長い社員の方が評価されることが多いい傾向があります。結果的には年功序列と似た形になりますが、職能資格制度には評価されるという人間の欲求に応えられる点がメリットです。正当な評価をされていると実感している社員ほど、能力を発揮しやすい傾向にあります。

ゼネラリストを育成できる

職能資格制度のメリットは、ゼネラリストを育成できることです。職能資格制度では、一人ひとりの業務や役割を決めず、様々な職種や業務を経験させることが可能です。そのため職務経験が偏らずバランスのとれた従業員を育てることができます。世界情勢などによる企業の急な方針変更にも、柔軟に対応できる人材が育成できると言えるでしょう。仮に個人の役割や業務内容が明確であるほど、変化に対応できず新しい人材を採用する必要があります。

組織改編がしやすい

組織改編がしやすいことも、職能資格制度のメリットと言えるでしょう。職能資格制度では、幅広い分野で活躍できる能力を備えた人物が評価されます。そのため企業の変化に柔軟に対応できる人材が育っていくと言えます。たとえば人材不足に陥った部署があれば、人事異動することで対応が可能です。また新たな部署を立ち上げる際も、新しく採用する必要がなくコストもかかりません。様々な業務の経験があれば、組織改変にもスムーズに順応することができます。

職能資格制度のデメリット

能力評価が難しい場合がある

職能資格制度のデメリットは、能力の評価が難しい場合があることです。能力と役職という2つの面から評価を行うため、管理が複雑になりやすいと言えるでしょう。従業員の潜在能力が業務に活かされるとは言い切れず、評価が難しい側面もあります。中小企業の場合は、総務や庶務などが人事評価を兼ねているため、管理する負担が大きくなり過ぎるという課題も生じるかもしれません。そのため職能資格制度の運用が、上手くいかない中小企業も見受けられます。

年功序列に陥りやすい

職能資格制度のデメリットとして、年功序列になりやすい点が挙げられます。職能資格制度は、個人の能力に加えて勤続年数に応じて昇給する傾向が見られます。そのため若手社員の立場では、能力に対しての公正な評価が得られている実感が持てず、仕事の対してのモチベーションが低下する可能性があります。また評価基準に沿った、最低限の業務だけを行う従業員が増えると考えられるでしょう。すると企業全体の生産性が下がるリスクが予測できます。

人件費がかかる

職能資格制度は、人件費がかさむ点もデメリットとして考えられます。職能資格制度では、等級が下がることは基本的にありません。そのため一度昇給した従業員の給与は、余程の事情がない限り維持されます。すると働いている人数分の人件費は、積み重なっていく一方です。また勤続年数が長いほど給与も高くなる傾向にあるため、働くモチベーションが保たれず、昇給後に熱意が下がってしまう労働者が増える可能性もあるでしょう。また、能力と給与が見合わないリスクも考えられます。

職能資格制度の評価項目

情意評価

職能資格制度では、等級付けの評価項目に情意評価と呼ばれるものがあります。具体的に言うと、働く意欲や仕事に取り組む姿勢など、労働者の態度を評価する項目になっています。等級付けの評価の際には、判断する人物の主観が入りやすい傾向があると言えるでしょう。そのため上司や同僚など、できるだけ多くの人からの意見を集めることをおすすめします。情意評価の項目には、協調性や積極性や思いやりなど、前向きな姿勢を評価する傾向が見受けられます。

能力評価

職能資格制度の評価項目には、能力評価が存在します。能力評価とは、個人の知識やスキルなど、業務に役立つ能力が備わっているかを判断されます。また現在だけでなく過去からの成長過程も評価されるため、人材育成や自己啓発の促進にも効果的です。評価項目には、職務や職位に沿った適切な項目を選びましょう。具体的な項目としては、企画力や交渉力などが挙げられます。先ほどの態度を評価する情意評価と異なり、仕事の業務を遂行するスキルが評価されると言えるでしょう。

成績評価

職能資格制度の評価項目には、成績評価が存在します。成績評価では、一定期間での業務成績や成果を上げるまでの作業プロセスが評価の対象となります。一般的には、評価する前にあらかじめ目標を設定するため、目標設定時から達成度までを踏まえて評価がされています。特に実績は数値化しやすいので、評価者も判断しやすい項目と言えるでしょう。意欲で判断される情意評価に比べて、従業員も目に見えて成果を実感できるため、同時に企業側も利益を上げやすいことが特長となる項目です。

職能資格制度の昇格制度

卒業方式

職能資格制度の昇格制度には、卒業方式があります。卒業方式とは、現在の等級に必要な能力が習得できたら、上位等級に昇格するシステムです。つまり今の業務は問題なく行われているので、次の等級でも同じように業務を遂行できるという予測に基づいています。現在の状況だけが判断材料となるため、評価が容易であり手間や時間を削減できる点はメリットと言えるでしょう。デメリットは、予測した結果が得られない可能性があるかもしれないことです。昇格先の仕事内容は考慮されないため、昇格先では十分な成果を上げられない事態が起きるかもしれません。

入学方式

職能資格制度の昇格制度には、入学方式というものもあります。入学方式とは、上位等級の能力を満たしてから昇格するシステムです。昇格先の判断基準に基づくため、卒業方式に比べると厳しい判断と言えるでしょう。しかし上位等級の業務を遂行できるか慎重に検討されるため、昇格後の失敗や挫折するリスクを抑えることができる点はメリットです。一方で、人材が活躍しきれない可能性がある点はデメリットです。たとえば現在の業務分担によって、能力を発揮できていない場合があるかもしれません。

職能資格制度の事例

株式会社コガネイ

職能資格制度について、株式会社コガネイの事例をご紹介します。コガネイでは教育カリキュラムがなくても、⾃らどんどん学んでいくような⼈材が育つ制度を構築しています。資格定義というツールを使用して個人の⽴ち位置を把握できるために今後何をすればいいのか、従業員の誰が見ても理解できる仕組みと言えるでしょう。等級ごとに必要な能⼒に基づいて、いつ何をどのように習得していくかまでを教育制度として組み込んでいます。⾃ら知識を探す環境が実現されるように、新しい仕組みを模索しながら取り組んでいます。

アサヒグループホールディングス

アサヒグループホールディングスは、職能資格制度を導入しています。アサヒグループホールディングス泉谷会長は人材を育成するためには、人事と賃金制度が重要と考えています。若い世代でもキャリアを描きながら成長できる制度の構築と、人事制度と給与を連動させている方針から、人事制度に力を入れていることが分かります。職能資格制度によって、昇給の機会が平等に与えられることで、モチベーションの高い社員は増えていくでしょう。そのため優秀な人材の定着に繋がりやすく、企業の成長にも効果的と言えます。

シロキ工業

シロキ工業は、職能資格制度を導入して成功した事例です。自動車部品メーカーのシロキ工業では、組合員1500人を対象に職能資格制度に沿って、グループ単位で順位を決めるシステムを取り入れています。評価された順位によって、給与や賞与アップや昇進に反映させています。よって従業員同士の競争力の向上に繋がるでしょう。また職場での一人ひとりのポジションを明確にすることで、個人に課される責任を実感してもらい、従業員が活躍できる組織づくりに取り組んでいます。

まとめ

職能資格制度を採用し組織の発展に繋げよう

職能資格制度を取り入れることで、役職が重視されることなく、能力で評価されやすい傾向が見受けられます。管理職でなくても昇給が望めるため、従業員のモチベーションが高く保たれ、生産性も上がると言えるでしょう。世界の情勢は日々変化しており、時代に合った新しい仕組みを模索していくことをおすすめします。改めて自社の人事評価制度の課題の可視化を行い、新しい制度の構築に役立ててみてください。そして職能資格制度を採用して、組織の発展へと繋げていきましょう。

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