リフレクションとは【種類や方法、注意点についてお伝えします】

記事更新日:2023年03月17日 初回公開日:2023年03月10日

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リフレクションは、社員が経験したことを一つ一つ振り返ることで成長を促す人材育成の手法です。日本では2010年頃から注目され始め、人材育成に取り入れる企業が多くなっています。リフレクションを取り入れことで失敗体験や成功体験から学ぶ力を高めることができ、部下の強みを引き出しやすくなります。また自ら主体性を持って動くチームを作ることが可能になるでしょう。ここでは、リフレクションの定義や効果、行う上での注意点などを紹介していきます。社員の人材育成に効果的なリフレクションの手法を用いることをお薦めします。

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リフレクションとは

ビジネスにおいては自身の行動を振り返ることを意味する

リフレクションとは、ビジネスにおいては日々の業務や現場から一旦離れて自身の行動を振り返ることを意味します。主に人材育成の場で用いられる手法の一つなのです。リフレクションによるメリットとしては、普段の自分の立ち位置から離れることによって自分を客観視することができるようになることがあります。また、自分の仕事の意味やあり方を見つめ直すことが可能になるのです。リフレクションを行うことで、これまでの経験を活かして、より良い対応をすることができるようになるでしょう。

リフレクションによる効果

新たな発見ができる

リフレクションによる効果として、新たな発見ができるということが挙げられます。個人が自身の行動を振り返ることで、新たな気づきや改善が行われ、チーム全体が活性化することにつながるのです。また、リーダーがリフレクションを行うことでマネジメントにも新たな変化が生まれやすくなります。チーム全体のマネジメントの効率が良くなれば、業務自体も改善が促進されます。最終的にはメンバーの一人ひとりがリフレクションを行うように進めていくことで、チーム全体の力が底上げされることにつながります。

社員の行動が変化する

リフレクションの実施で社員の主体性が向上し、結果として社員の行動が変化します。リフレクションは自身の経験を客観的に振り返るもので、自身が主体となる行為です。上司などからの指示を受けることのない手法で、主体性が求められます。業務において成果を出すには社員一人一人の主体性が必要ですが、社員に業務でいきなり主体性を発揮させることは難しいでしょう。そのためまずはリフレクションを行い、主体的な行動を経験させるのが効果的です。リフレクションを通して主体的な行動を経験し自己理解が深まることで、社員が自ら行動できるようになるでしょう。

生産性が向上する

人材育成の観点で企業が率先して社員にリフレクションを身につけさせることは、組織としての生産性の向上につながります。社員一人一人の自律性が高まり、各々が主体的に業務改善に取り組むようになるため、チーム全体の力の底上げが期待できるのです。また、客観的に物事を見る力を付けることが可能で、チーム全体を冷静に見ることのできるリーダー人材の育成にもなるでしょう。リフレクションによって自分の問題点や、伸ばすべきポイントが見つかるため、業務の改善が促されるのです。

人材育成に役立つ

リフレクションはリーダー人材の育成に役立ちます。従業員が上司からのアドバイス受けるのではなく、自分自身の言動を客観的に振り返り改善することで業務改善していく方法です。自立性を備えた従業員は、会社の中でリーダーシップを発揮できるようになります。リフレクションができる従業員は客観的な思考力と全体を俯瞰する力が備わっているため、チームを牽引するリーダーにふさわしいでしょう。リフレクションが得意な従業員がリーダーになるならば、チームメンバーのリフレクションの学びにも繋がり、より強固な組織を築き上げることができます。

リフレクションの種類

出来事について振り返る

リフレクションではまず、出来事について振り返ることが必要になります。振り返りを行う場合に大切なのは、体験した出来事そのものを振り返ることです。難しいことは考えずに、淡々と起こった出来事をそのまま思い返す作業をしましょう。ひとつの経験を選定し、それを徹底的に考えるというスタイルを取ることが求められるのです。リフレクションが反省とは異なる点は、ネガティブな面だけではなくポジティブな要素も取り入れて検証を行うことが重要になるということです。

周囲の環境について振り返る

リフレクションでは、周囲の環境についても振り返ることにより、経験した出来事の背後にある因果関係を考えることに役立ちます。過去の出来事を振り返ることに慣れてきたら、次のプロセスとして他者や環境も一緒に振り返っていくことが大切です。振り返った過去の出来事に関連している人物や人間関係、その時の状況や環境などを肉付けしていきましょう。つまり経験した出来事と、その時の周りとの因果関係や背景にあるものをイメージすることで出来事の本質が見えてくるのです。

自身について振り返る

リフレクションの最後のステップは、自分自身の行動について振り返ることです。経験した出来事においての自分の行動は適切だったのか、その状況での自分の役割は何だったのかなどについて意識を巡らせてみることが大切です。さらに、課題の改善のために自分は何ができたかを考えてみましょう。リフレクションのステップを踏むことによって、同じことが起こった時に対処しやすくなります。またイレギュラーな出来事に直面した場合にも、より良い対応ができるように成長するでしょう。

リフレクションの方法

リフレクションする事象を決める

リフレクションのプロセスでは、リフレクションの対象となる事象を決める必要があります。この時にはあくまでも一つの事例にスポット当てて、それを徹底的に考えることが大切です。これまでに実際に体験した出来事を取り上げて振り返るのです。失敗の反省については多くの企業でこれまでも行われてきました。しかしリフレクションではミスや失敗などの悪いことだけでなく、成功したことなどの良い事象も含めて振り返りましょう。成功を振り返ることは強みを発見するという大きなメリットがあるのです。

過程について分析する

リフレクションを実施する場合には、結果に目を向けるのではなく出来事の過程について分解することが大切です。そして過程ごとに振り返りを実施しましょう。出来事を分解することで、次に似たような事象が起きた時に適切に対処することができるようになるのです。たとえば、顧客への提案営業時に受注した要因を探すのではなく、出来事の冒頭から受注までの流れを分解した上で「課題のヒアリング時」「提案時」など、一つ一つについてそれぞれ振り返っていくことが大切なのです。

リフレクションに活用できるフレームワーク

KDA

KDAとは、今後どのように行動するかを明確にする上で役立つフレームワークです。KはKeepの頭文字で、上手くいっているなどの理由から今後も続けるものを表します。DはDiscardで、上手くいかなかったなどの理由から今後はやめるもののことです。AはAddで、経験や事象を通し、今後始めるべきであるものを指します。過去の経験は、自身の行動や選択がもとになっていることが多いです。そのためKDAを用いてリフレクションを行えば、今後どのように行動するべきかを改めて考えることができるのです。

YWT

YWTとは、振り返りのために開発されたフレームワークです。日本語をローマ字に変換し、それぞれの頭文字を取って構成されています。Yはやったこと、Wはわかったこと、T はつぎにやることを表します。リフレクションに活用する場合には、まずYとして業務内容や実施した事項を洗い出します。続いてYを通してわかったこと、すなわちWの振り返りを行い、その次にT、つまりそれらを活かして今後どうするべきかを導きましょう。過去の活かし方を整理して考える上で役立つフレームワークです。

KPT

KPTとは振り返りに重点を置いたフレームワークです。KはKeepで良い点を維持し続けることを意味し、PはProblemで問題点を発見すること、TはTryで改善を試す、挑戦するという意味です。リフレクションで過去の振り返りを行う場合でも、ただ過去を思い返すだけでは意味はありません。失敗や課題点も含めた過去の経験を基に今後に活かす必要があります。KPTを利用すれば過去の経験をどう活かせば良いか具体的に考えられるようになり、リフレクションでより成果を出すために効果的です。

リフレクションにおける注意点

外的環境のみを振り返らない

リフレクション実施時に注意しなければならないのは、出来事の環境や関係者など外的環境のみを振り返らないということです。外部環境への振り返りに集中すると外部に対する感情を引き起こしやすくなり、次回の行動改善に繋がりにくくなりがちです。そして同じような状況が起きた場合に、自身が責任を負わずに済む対策ばかりを考えてしまう恐れがあります。リフレクションは、間違いを犯した人や失敗の根元の特定を目的としません。経験から学び、それを次に活かして理想に近づくことを目的とします。

ポジティブに振り返りを行う

リフレクションでは、ポジティブに振り返りを行いましょう。過去の失敗や他人のミスなどのネガティブ要素をいくら取り上げても、未来の行動にはつながりません。将来的で希望のある行動につながるような検証を行うことが大切なのです。例としては「Aさんが起こした重大なミスを防ぐにはどうすべきか」などと一つの側面のみを考えることは避けましょう。「現在の業務はAさんの許容範囲を超えている可能性があり、ほかの人で補えないか」などと、別の視点から検証することも必要です。

客観的な視点で行う

リフレクションは、自らの行動を客観的な視点で行いましょう。企業には、リーダーシップを持ちチームを牽引していく人材が必要です。リフレクション教育を受けた従業員は、目の前の業務のみでなく組織の未来のビジョンを客観的に考えられます。組織を客観的に見ることで、自己中心的な考えでなく全体を広く見渡してチームを引っ張っていく力が次第に備わるのです。リフレクションを通して客観的な思考を身つければ、部署やチームを見渡すことができます。客観的な思考により個々の従業員が業務改善を行うことで、全体の生産性が向上しやすくなるでしょう。

まとめ

リフレクションを利用して人材を育成しましょう

リフレクションは、人材教育に非常に効果的な手法です。リフレクションに慣れていない人は他者を交えて実施することで、自分の経験をより客観的に振り返ることができるでしょう。新入社員、中堅社員、ミドルシニアまで幅広い役職を研修対象にすることが可能ですので、社内の研修に取り入れてみることをお薦めします。変化がめざましい現代のビジネス社会では、未来志向で考え行動できる優秀な人材を育成することが企業にとって非常に重要な課題です。企業や人事担当者は、リフレクションを利用して人材を育成しましょう。

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