記事更新日:2021年02月18日 | 初回公開日:2021年02月08日
人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド 用語集企業の社員は人間関係において、少なからず問題を抱えているものです。例えば上司と部下の性格が合わず仕事を円滑に進められない、または同僚とのコミュニケーションの取り方が分からないなどがあるでしょう。ソーシャルタイプ理論は、職場でコミュニケーションを円滑に行うために有効な理論です。今回は、ソーシャルタイプ理論の中の「エミアブルタイプ」に焦点を当て、エミアブルタイプの特徴や接する時の注意点などをご紹介します。エミアブルについて知ると、職場はもちろんプライベートでも活用できるようになりますので、ぜひ読んでみてください。
エミアブルとは、ソーシャルスタイル理論から生まれた言葉です。ソーシャルスタイル理論とは、様々な特性の人に対して、円滑なコミュニケーションをとるための手法を示したものです。理論を知ることで、職場の人間関係の改善や、社員の士気を上げることに役立つでしょう。ソーシャルスタイル理論では、人は4種類のタイプに分かれるとされ、エミアブルタイプは、その中の1つに分類されます。エミアブルタイプは、感情が表に出やすく自己主張が控えめという特徴があります。
エミアブルの特性は、感情が表に出やすく自己主張が控えめです。エミアブルタイプの人は、感情的に物事を考えるため、感情が表情に出やすい傾向があります。そのため、論理的に理詰めで追及されることなどは苦手です。また、人前ではっきりと自分の意見を主張するよりは、組織の和を大切にする傾向があります。協調性や他者に共感する気持ちが強いため、他者をサポートする役割に適しています。カウンセラーや、人と関わる職業に向いているでしょう。
ソーシャルスタイル理論とは、「感情表現の強さ」と「自己主張の強さ」の2軸の観点から、人の性格特性を4種類に分類したものです。1968年にアメリカの社会学者デビッド・メリルが提唱しました。具体的には、感情表現が強く自己主張が弱い「エミアブル」、感情表現が弱く自己主張が弱い「アナリティカル」。さらには、感情表現と自己主張が強い「エクスプレッシブタイプ」、感情表現が弱く、自己主張が強い「ドライビング」に分かれます。
アナリティカルタイプは、感情が表に出にくく、自己主張が控えめなタイプ。じっくりと思考し、データや客観的事実に基づいて論理的に物事を処理していきます。アナリティカルタイプは、研究者や事務処理の仕事に適性があります。長所は、じっくりと思考するため、物事の本質にたどり着きやすいことです。苦手なことは、スピード感を持って物事を処理し、素早い決断をしていくこと。アナリティカルタイプの人と接する時には、「事前予告をすること」が重要です。考えてほしい物事を事前に伝え、思考する時間を与えてあげることが大切です。
エクスプレッシブタイプは、感情が表に出やすく、自己主張が強いタイプ。話好きであるとともに表現が豊かで、他人から注目されることを好みます。人と接することが得意で主体的に話を展開するため、営業職や接客業に適性があるでしょう。長所は、流行に敏感で発想力があり、意思決定位のスピードが速いことです。短所は、論理的に思考せず、感情的に物事を決めがちなため、意見に一貫性が無いことです。エクスプレッシブタイプの人と接する時は、相槌を大切にするとともに、感情表現を豊かにすることを意識し、相手との時間を楽しむようにしましょう。
ドライビングタイプは、感情が表に出にくく、自己主張が強いタイプです。論理的に物事を考え、意思決定のスピードが早いため、合理的に仕事を進めていきます。リーダーシップを発揮できる経営者や教員などに適性があるでしょう。長所は、冷静で客観的な判断ができ、意思が強く周囲の影響を受けにくいことです。一方短所は、他人に指図されるのを嫌がるため、人の意見に聞く耳を持たない場合があること。ドライビングタイプの人と接する時は、相手の意見を尊重し、物事の最終的な判断を相手に委ねるようにしましょう。
エミアブルタイプの長所は、協調的で共感力があることです。基本的にお人好しな面があり、他人と衝突することや、激しく意見をぶつけあうことを避ける傾向があります。また、業務で困っている人を見かけたら、優しく手を差し伸べて助けることをいといません。個人で仕事を進めるより、チームで仕事を進めていく環境に向いています。他人に共感する力が強いため、自然と他人から相談事をされやすいです。相談事に優しく耳を傾け、共感を示すミアブルタイプを信頼する人も多いでしょう。
エミアブルの長所は、人の意見をしっかりと聞くことです。エミアブルタイプの人は、他己的であり、困っている人や悩んでいる人の相談には、積極的に乗るでしょう。また、自己主張も控えめなため、人の意見をじっくりと聞くという傾聴の姿勢を見せます。真摯に人の話に耳を傾ける姿勢に、他のタイプの人は好感を抱くでしょう。じっくりと人の話を聞くことのできる傾聴力は、ビジネスでも大いに役立ちます。相手の考えや思いを引き出せるので、各人に応じた対応をできるでしょう。
エミアブルの短所に、感情的に物事を判断する傾向があります。エミアブルタイプの人は、親切な人が多く、物事を相手の立場にたって考えることが多いです。そのため、優しいあまり、相手に頼み事をされた時、要望を断れない場合があるでしょう。優しすぎて、気が付いたら仕事を抱えすぎているということも多いです。物事の良し悪しを論理的な視点で見るより、感情が先走ってしまいがちです。日頃から物事を論理的に考える習慣をつけると良いでしょう。
エミアブルの短所は、意思決定が苦手であることです。アナリティカルタイプとエミアブルタイプは、意思決定のスピードが遅い傾向にあります。反対に、ドライビングタイプとエクスプレッシブタイプは、意思決定のスピードが早いです。エミアブルは、優柔不断で決断力が弱い傾向にあります。一般的に他人に依存しやすい傾向があるため、他人に意思決定を委ねようとする特徴があります。日頃から、自分一人の力で、意思決定をする練習をすると良いです。
エミアブルタイプと接する時は、笑顔を心がけると良いでしょう。エミアブルタイプの人は論理的に考えるより感情的に物事を考える傾向があります。そのため、人の表情から感情を読み取ろうとしますので、接する時は笑顔で話すと良いです。相手が笑顔であると、エミアブルタイプの人も安心して相手に自己開示ができます。相手と協調することを大事にし、チームプレイで強みを発揮しますので、人との精神的な繋がりをとても大事にします。
エミアブルタイプの人と接する時は、相手に対して傾聴する姿勢を心がけましょう。他人への気遣いに優れており協調を大切にするため、いわゆるドライビングタイプの論理的で自己主張が強い人を、苦手に感じる傾向があります。そのため、エミアブルタイプの人と接する時は、話の内容にしっかりと耳を傾けるようにしましょう。具体的には、相槌を適度に打つ、聞いた話の内容を反復して話すなど。話をきちんと受け止めていると分からせることが大切です。
エミアブルタイプの人と接する時は、感謝や労いの言葉をかけるようにしましょう。エミアブルタイプの人は、困っている人や助けを必要としている人のために、素早く行動します。そのため、その行動に対して丁寧にお礼や感謝をすることで、必要とされている喜びを感じるでしょう。基本的な声掛けを怠らないことで、職番の雰囲気も良くなります。他者への貢献や、行いに感謝をすることで、エミアブルタイプの人は仕事に対するモチベーションも上がります。
エミアブルタイプの人が会社で生きる場面は、顧客と対面する時です。エミアブルタイプの人は、物腰の柔らかい人が多く、初対面の相手にも笑顔を心がけて接するでしょう。また、人の話をじっくりと聞く傾向にあるので、顧客にとっては親身になって話を聞いてくれるエミアブルタイプに好感を抱くはずです。働いている人の印象が良いと、もちろんその会社のイメージアップにもなります。顧客と対面する時には、エミアブルタイプの人に同伴してもらうと会社の印象が良くなるでしょう。
エミアブルが会社で生きる場面は、困っている人がいる時です。エミアブルは、心優しい人が多く、困っている人を率先して助けるでしょう。会社内では業務量が多く忙しいと、自分のことで手いっぱいになり相手に構う余裕がない場合もあります。しかし、エミアブルタイプの人は、そんな時でも困っている人がいればできる限り力になりたいと考えるでしょう。相手のことを思って行動する姿に、周りの人は尊敬の念を抱くことも多いはずです。
エミアブルタイプに向いている職業に、営業職があります。営業職に向いているタイプは、自己主張が強いタイプであると誤解する人が多いのではないでしょうか。自己主張が弱いエミアブルタイプも、実は営業職に向いています。なぜなら、じっくりと人の話を聞き、顧客の要望を引きすことができるからです。また、感情が表に出やすく、笑顔で対応するので、取引先に良い影響を与えやすいです。顧客の立場に立った営業で、信頼されやすいでしょう。
エミアブルが向いている職業に、カウンセラーがあります。カウンセラーは、会話を通じて、相手の問題を聞き、解決の方向に導く役割をします。学校や企業など多くの場所で活躍しています。カウンセラーに必要な能力は「傾聴力」。「傾聴力」とは、相手の話にじっくりと耳を傾け、相手の思っていることや感じていることうまく引き出す力です。エミアブルタイプは、相手の心に寄り添い、協調的であるので相手に安心感を与えるでしょう。
エミアブルタイプは、ソーシャルタイプ理論の中の1種であり、感情が表に出やすく、自己主張は控えめという特徴があります。協調性があり、困っている人を積極的に助けることができるため、自然と職場の雰囲気を良くします。今回は、エミアブルタイプの特徴や、接する時の注意点、向いている職業などをご紹介しました。企業は、様々な特性の人で構成されています。エミアブルタイプへの接し方や強みを理解し、より良い職場環境作りを目指しましょう。
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