玉突き人事とは?【課題や注意点などについて】

記事更新日:2021年02月24日 初回公開日:2020年11月27日

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人事異動は会社員であれば全員が経験する可能性があります。しかし人事異動は適切に行わなければ従業員のモチベーション低下など、様々なデメリットを起こしかねません。多くの場合は組織の活性化などの目的を持って人事異動が行われますが、やむを得ない理由によって実行されることもあるでしょう。そこで今回ご紹介するのは「玉突き人事」です。玉突き人事という用語を聞いたことがないという方もいるかもしれません。ここでは玉突き人事の意味や注意点、課題などについて詳しく記載するので、是非参考にしてください。

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玉突き人事とは

人事異動は従業員の配置や地位、業務内容などを変化させること

玉突き人事について説明する前に人事異動について確認しておきましょう。人事異動とは企業が従業員の配置や地位、業務内容などを変更することです。人事異動は、採用や退職といった自然な人の出入りだけではありません。様々な理由から意図的に行われることもあります。例えば配置転換、昇進、解雇、新規雇用、退職などといった組織の人の動きすべてを指します。また企業内の異動だけでなく、出向や転籍といったグループ企業などへの異動も含みます。日系企業では特に年度末である3月に行われることが多いでしょう。

玉突き人事は欠員を補充するための人事異動

次に今回のテーマである玉突き人事についてご説明します。玉突き人事は一言でいうと、欠員の補充をするための人事異動です。例えばある部署の一人が異動になったとします。それによって空いたポジションを埋めるためには誰かがその部署で働かなければなりません。このように連鎖的に人事異動が起きるのが玉突き人事の特徴です。ビリヤードで1つの玉が他の玉に当たり、動く様子が名前の由来とされています。玉突き人事は意図せずに行われるため計画性を欠いた人事異動となってしまうでしょう。

玉突き人事と配置転換の違い

配置転換は適材適所の人事異動

玉突き人事と混乱しやすい言葉として配置転換があります。配置転換とは職種や業務内容、勤務地などを長期間に渡って変更することです。玉突き人事と基本的な人事異動の流れに違いはありません。しかし配置転換は企業側が何かしらの意図を持って実行しています。配置転換を定期的に行うことで、従業員それぞれの特性に合ったポジションで働きやすくなるでしょう。一方で玉突き人事の場合は、突発的に発生することが多いので、従業員の特性などは考慮されづらいといえます。その結果、玉突き人事は多くのデメリットを生むこととなってしまいます。

玉突き人事とジョブローテーションの違い

ジョブローテーションは社員に複数の業務を経験させるための人事異動

配置転換と同様に玉突き人事と似ている言葉としてジョブローテーションがあります。ジョブローテーションは社員の能力開発を目的として、一定の期間職務や職種を異動させ、経験やスキルを身に着けさせる制度です。玉突き人事と異なり、ジョブローテーションは企業側が計画的かつ戦略的に実施します。社員は様々な仕事を経験することで、多くの成長機会を得ることが出来るでしょう。また企業にとっても、社員の適性に合った社内人事を行うことが出来るといったメリットがあります。実際に大企業を中心に多くの会社で導入されています。

玉突き人事の目的

人員不足を解消すること

人事異動を行う目的はいろいろありますが、玉突き人事の最大の目的は人員不足を解消することです。言い換えると何らかの理由によって空いたポジションの穴埋めをするために人事異動を実施するということです。この場合、人員不足を解消することが最大の目的なので、他の目的は後回しになってします。そうなると人員不足の解消以外の意味合いの薄い、場当たり的な人事異動が繰り返されることになるでしょう。

玉突き人事が起こる原因

突発的な変化

玉突き人事はなぜ行われるのでしょうか?玉突き人事が起こる主な原因は、社内の突発的な変化です。ジョブローテーションや配置転換は計画的に行われるのに対し、玉突き人事は突発的な変化に対応するために行われます。例えばある部署の社員一人が突然退職してしまったとします。そうすると同じ部署の人の負担が大きくなり、業務が回らなくなってしまうかもしれません。そのときに他の部署から人員を異動させて部署の業務をカバーしてもらいます。このケースで言うと一人の社員が突然退職したことによって、玉突き人事をしなければならない状況が生まれました。退職だけでなく、他の突発的な社内の変化によっても玉突き人事は発生します。

玉突き人事の課題

キャリア形成を阻害

玉突き人事には様々な課題やデメリットがあります。ここでは主な課題を4つ挙げます。まず一つ目は従業員のキャリア形成を阻害してしまうことです。通常の人事異動の場合、従業員のスキルや経験、本人の希望などを踏まえた上で、人材配置がなされます。そのため従業員はキャリアパスを描きやすくなるでしょう。しかし、社内で玉突き人事が行われると、欠員の補充が優先されるため長期的なキャリア形成や人材育成が後回しになってしまいます。

転職等の人材流出

2つ目は転職等による人材流出の可能性があることです。玉突き人事によって希望のポストに就くことが出来たという人もいるでしょう。しかし多くの従業員の場合は、自分のスキルや経験が考慮されない状態で玉突き人事がなされて、新たな業務を行うことになります。玉突き人事の主な目的は欠員の補充ですので、人事異動について従業員が満足のいく理由を説明しづらくなってしまいます。そうなると従業員の不満が溜まり、モチベーションも低下しかねません。最悪の場合は退職、あるいは他企業への転職にも繋がってしまいます。

適材適所の人材配置がしづらい

3つ目は適材適所の人材配置がしづらくなることです。通常の人事異動は、人材育成のためだけでなく、適材適所の人材配置を目的として実施されることがあります。この場合、ニーズや本人のスキルや経験、適性などを基に総合的に判断されるため、一人ひとりに合った環境で仕事がしやすくなるでしょう。そうすることで生産性の向上などのメリットを得ることが出来ます。ところが玉突き人事は突発的かつ連鎖的に行われるので、従業員にとって望ましい異動となる可能性は非常に低いです。その結果、ミスマッチな人員配置が行われる可能性が高くなってしまいます。

従業員の負担増加

最後の4つ目は従業員の負担が増えてしまうことです。部署やグループ間の異動があった場合、従業員が以前働いていた部署に空きが出来てしまうので、周りの従業員の負担は大きくなってしまいます。またそれだけでなく、異動先である部署の負担も増加します。異動先の部署では、新たな従業員への業務の説明や教育、サポートなどをしなくてはなりません。これが戦略的な人材育成の一環であれば必要なことですが、玉突き人事が繰り返されると双方の部署の負担がより増加してしまうことになるでしょう。

玉突き人事の注意点

異動する従業員を納得させることが必要

玉突き人事自体はあまり好ましいことでありません。しかし突発的に人員不足に陥るなどの理由によって実施しなければならないこともあるでしょう。その際は注意点があります。それは異動することになった人に納得してもらうことです。異動しなければならない理由をしっかりと伝え、お互いが納得した上での人事異動でなければ、当然異動する従業員の中に不満が残ってしまいます。人事異動の際は異動する従業員に納得してもらうためにも出来るだけ丁寧な対応を心がけましょう。

玉突き人事を防ぐためのポイント

長期的な組織計画を作成する

ここでは玉突き人事を防ぐようにするためのポイントをいくつかご紹介していきます。まず1点目は、長期的な組織計画を作ることです。玉突き人事は突発的に行われることがほとんどなので、どうしても短期的な戦略となってしまいます。しかし従業員のスキルアップや生産性アップを実現するためには、短期的な計画だけではうまくいきません。まずは経営者や人事担当者がどのように人材管理を行うのかを考え、長期的な組織計画を作ることが必要です。その上で必要であれば人事異動を行い組織を活性化させると良いでしょう。

戦略的な人事異動を行う

2点目は戦略的に人事異動を行うことです。1点目に挙げたように長期的な組織計画を作成した上で、戦略的に人事異動を実行することが必要です。そのためには、なぜ人事異動を行うのかという問いに対して、明確な目的や理由がなければなりません。玉突き人事であれば欠員を埋めることが主な目的ですが、通常の人事異動であれば他の理由があるはずです。例えば人材育成や適材適所の人材配置を実現するための手段などが挙げられるでしょう。いずれにしても、戦略的に人事異動を行うことで企業にとっても従業員にとっても多くのメリットが得られるはずです。

社員のキャリアプランを把握する

続いて3点目は従業員一人ひとりのキャリアプランをしっかりと把握することです。社内で働く従業員はそれぞれキャリアプランも異なります。例えば新入社員と入社5年目の社員では社内での役割も変わってくるので、それぞれが描くキャリアパスも異なるはずです。そのため人事担当者が従業員のキャリアプランを正確に把握出来なければ、本人のモチベーションを引き出すことは難しくなるでしょう。人事異動をする際は、従業員それぞれの将来に対する方向性を考慮した上で決定することが大切です。

人事異動の範囲を明記する

最後に4点目は人事異動の範囲をあらかじめ明記することです。人事異動は、異動することになった従業員がしっかりと納得した上で実行されることがとても重要です。しかしどんなに移動する従業員に対して丁寧な対応をしたとしても、必ず納得してもらえるとは限りません。だからこそ事前に誓約書や就業規則などといった書面に人事異動の範囲をしっかりと記載し、あらかじめ本人の同意を得ることが必要になるでしょう。従業員が納得した上で人事異動がなされれば、異動によって発生するトラブルも未然に防ぐことが出来ます。

まとめ

玉突き人事を避け、効果的な人事異動を実施しよう

今回は、「玉突き人事」という用語について関連語との違いや原因、課題など様々な側面から紹介をしてきました。この記事を読んで玉突き人事に関する知識を深めることが出来ましたでしょうか?玉突き人事は突発的な要因によって発生するので仕方ない部分もありますが、様々なデメリットがあるのでなるべく避けたいものです。人事異動も計画的、そして戦略的に行えば適材適所の人材配置をすることが出来ます。人事異動をする際は従業員の意向も考慮した上で慎重に実行していきましょう。

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