コーピングの意味とは【情動焦点型コーピングを含めたコーピングの種類や効果について解説します】

記事更新日:2023年08月17日 初回公開日:2023年08月17日

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現代社会では多くの人が日々ストレスを感じながら生活しています。ストレスを溜め続けてしまうと、心身に不調をきたし心の病になってしまうことも考えられます。ストレスを抱えながら働いている従業員も多いため、企業としても従業員に対してのストレスマネジメントが求められています。ストレスマネジメントの一つとして注目されているのが、コーピングです。コーピングを活用することで上手にストレスと付き合うことが出来るようになります。コーピングの効果などについて解説していきますので、是非参考にしてみてください。

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コーピングとは

ストレスに対処するための行動のこと

コーピングとは、ストレスに対処するための行動の事です。元々英語のcope(対応する・対処する)から派生した言葉として活用されています。ストレスはマイナスなイメージを抱く人が多いですが、適度な緊張感は仕事のパフォーマンス力向上や意欲を高めることに繋がります。しかし大きなストレスに晒されてしまうと心身に異常をきたす恐れもあるため、ストレスを上手に処理することが大切です。コーピング技術を活用することによってストレスを排除し、いい方向へ転化させることも可能です。

コーピングが注目されている背景

現代社会では半数以上の割合の人が仕事に対して強いストレスを感じているため

コーピングが注目されている背景には、現代社会では半数以上の割合の人が仕事に対して強いストレスを感じている為です。厚生労働省の労働安全衛生調査によると、業務上で不安やストレスを感じていると回答した人は全体の約53%となっています。ストレスが原因となる病気はうつ病などの精神疾患だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などの身体的疾患も該当します。過労自殺や劣悪な労働環境が問題となっている中でストレスマネジメントの方法の一つとして注目されています。

コーピングスキルとは

ストレスに対応する技術のこと

コーピングスキルとは、ストレスに対応する技術の事です。ストレスと上手く付き合っていく為に、コーピングスキルを身に付けストレスの種類に応じて適切な対応方法を実施する事が大切です。コーピングスキルは「ストレス耐性に関して」「対人的」「攻撃性コントロール」「それ以外」の4つに分けられます。コーピングスキルを高めるためには、自分が普段ストレスに対して行っている対処法をリストに作成します。リスト化したスキルを何度も実践することで、コーピングスキルを高めていくことに繋がります。

ストレスコーピングとは

ストレスに対しての対処法を知り、ストレス反応を和らげること

ストレスコーピングとは、ストレスに対しての対処法を知りストレス反応を和らげる技術や能力を表したメンタルヘルス用語です。心理学者リチャード・S・ラザルスによって提唱されました。ストレスに直面した時の意識のあり方や捉え方によって、ストレスになるかどうかやストレスの重さに影響するという考え方です。ストレスに直接働きかけて課題を明確にする問題焦点型とストレスを受けた事で現れる感情をコントロールする情動焦点型、ストレスを放出するストレス解消型があります。

コーピングと適応機制の違い

適応機制はストレスから精神を守るために本能的に働く心の防衛反応

コーピングと似た言葉に適応機制がありますが、適応機制はストレスから精神を守るために本能的に働く心の防衛反応です。コーピングは意識してストレスに対処しますが、適応機制は無意識に行っています。適応機制はあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、何かが思い通りにならない際に合理化や抑圧・現実逃避などを無意識に行う事です。心を守るためのものなので、防衛機制と呼ばれることもあります。適応機制は一時的なストレスの解消法として機能しますが、根本的な解決は行えません。

ストレスとは

ストレッサーに対する人間の本能的な防衛反応

ストレスとは、ストレッサーに対する人間の本能的な防衛反応です。ストレスの定義は、外部環境から刺激を受けることで起こる歪みに対しての非特異的反応を指します。ストレッサーとは、ストレスを引き起こす外部環境からの刺激の事です。ストレッサーは5つに分けられています。騒音などの物理的なものや細菌やウイルスなどの生物学的な物、家庭や職場環境などの社会的な物などがあります。ストレスだと心が感じている場合には、認知的評価が関わっておりストレスの負荷によって判断が異なります。

一次的認知評価と二次的認知評価がある

一次的認知評価

ストレスになり得る刺激を外部から受けたとしても、人によってストレスの感じ方は違います。これはストレッサーへの受け止め方である認知的評価がそれぞれ異なるからです。ストレスの一次認知的評価は、ストレッサーとなる刺激が自分にとってストレスとなるのかを判断します。一次的認知評価では、ストレッサーが「無関係・無害または肯定的・ストレスフル」の3つに振り分けられます。ストレッサーがストレスフルと判断された一次的認知評価のみ二次的認知評価に進みます。

二次的認知評価

一次的認知評価でストレスフルに該当しなかったものはストレスに該当しないため、二次的認知評価も行われません。ストレスフルと判断されたものは、二次的認知評価でその対処法について知っているのか(結果期待)、その方法について実現可能か(効力期待)を注目します。この2つの項目でどちらか対応出来ないと判断された場合は、ストレスが増加します。ここで対処可能な場合は、ストレスを和らげることが可能です。一次ではストレスになり得るかを判断し、二次では対処可能かどうかの判断を行っています。

コーピングの効果

ストレス軽減

コーピングは、ストレスを軽減させる効果があります。ストレスが高くなってしまうと心身に不調をきたし、休職や離職へと繋がってしまいます。従業員がうつ病になってしまう状況は、周りの人には突然の出来事のように感じますが本人にとっては少しずつストレスが溜まってしまった結果です。休職までは行かなくても、遅刻や欠勤が増え業務に影響が出ている場合も、ストレスが原因と言えます。コーピングを行う事で、日頃のストレスを軽減しこういった事態を防ぐことが出来ます。

従業員のモチベーション向上

コーピングは従業員のモチベーションを高める効果を持っています。人間関係や職場環境にストレスを感じることなく働けることは、それだけで従業員のモチベーションアップに繋がります。職場にポジティブなイメージを持っている従業員は、エンゲージメントも高まります。企業に対して心理的安全性が高くなると、意見が出しやすくなり新しいアイデアも生まれやすくなります。コーピングは、モチベーションだけでなく企業としての生産性を上げることも可能です。

コーピングの種類

問題焦点型

ストレッサー自体にアプローチし取り除く方法

コーピングには3つの種類があります。問題焦点型は、ストレッサー自体にアプローチし取り除く方法です。問題焦点型には、問題焦点型コーピングと社会的支援探索型コーピングがあります。問題焦点型コーピングは、ストレスの原因になっている事を根本から解決する方法です。しかし売上などの兼ね合いで改善されない場合は、情動焦点型やストレス発散型を活用する必要があります。社会的支援探索型は、ストレスの原因を周りの人に相談しアドバイスを受けて問題解決をする方法です。

情動焦点型

ストレスだと重感情に対してコントロールしようとする方法

情動焦点型は、ストレスだと思う感情に対してコントロールしようとする方法です。情動焦点型には、情動焦点型コーピングと認知的再評価型コーピングがあります。情動焦点型は、誰かに話を聞いてもらうことで感情を整理し発散させる方法です。家族や友人などの親しい人や、カウンセラー・先輩社員に聞いてもらうことが有効です。認知的再評価型は、ストレッサーに対する捉え方を変化させます。ストレッサーの良い点を探し、今まで見つけることが出来なかった価値を見出し自分自身の認知を変化させていく方法です。

ストレス解消型

ストレスを発散させる方法

ストレス解消型は、ストレスを発散させる方法です。ストレス解消型は、気晴らし型コーピングとリラクゼーション型コーピングがあります。気晴らし型は、日常生活の中で手軽に行えることが多く、ストレスを感じた時にカラオケに行く人や友人とショッピングをして発散しているという人も多いのではないでしょうか。リラクゼーション型は、ヨガやアロマを活用してリラックスする方法です。頭痛や肩こりなど体に現れるストレス反応に効果的と言えます。腹式呼吸も自律神経のバランスを整えることが期待できます。

コーピングの実施方法

メンター制度や1on1ミーティング、カウンセリングを導入する

コーピングは、メンター制度や1on1ミーティング・カウンセリングの導入などで実施する事が出来ます。業務や人間関係など何かしらでストレスを感じている人は、愚痴を誰かに聞いてもらう・信頼出来る人に相談することでストレスを軽減することが可能です。メンター制度を構築しておくことで、スキル向上だけでなくストレスコーピングの目的も達成できます。定期的に1on1ミーティングを実施する事で、関係が構築でき相談をしやすくなります。カウンセリングも気軽に相談できる窓口を作っておくことで、従業員がストレスを減らす手助けが行えます。

ストレスコーピングに対する講座や研修を開催する

コーピングの実施方法は、ストレスコーピングに対する講座や研修を開催します。コーピングは心理トレーニングに当たるため、定期的に行う事で効果を高めることが出来ます。知識として知っていても、誰かのコーピングやストレスマネジメントに頼っているだけでは意味がありません。日常的に使えるようになる事が大切です。業務が忙しくなると余裕が無くなり、コーピングに対する意識が薄れてしまいます。そのため、定期的に研修を実施することで気持ちを切り替えて業務に取り組んでもらえる環境作りに繋がります。

オフィス環境を工夫する

オフィス環境を工夫することも、コーピングを実施する方法です。従業員がストレスを感じにくい職場づくりを行う事が1番ですが、環境整備を行うには時間を要します。時間は掛かりますが、従業員がそれぞれコーピングやストレスマネジメントを実施することで、組織全体のストレスが改善され職場の雰囲気が良くなります。従業員が働きやすい環境は生産性の向上やエンゲージメントなど様々な効果が期待できます。ストレスの要因となりやすい事などをモニタリングし、従業員のストレス状況を把握して改善を行っていきましょう。

ストレスコーピングインベントリーと呼ばれる検査を行う

ストレスコーピングインベントリーと呼ばれる検査を行う事も、コーピング実施の方法の一つです。ストレスコーピングインベントリーとは、ストレスの原因となっているものやストッサーに対しての対処方法などを棚卸や明確化させることです。ストレスはそれぞれ人によって受け止め方が異なります。また同じ人でも、その時の気分によって受け取り方が変わる場合もあります。検査を受け、自分の客観的なタイプや位置を知ることができ、その時に合わせた対処法を知ることが出来ます。

まとめ

コーピングを身につけてストレスを上手に対処しよう

コーピングの効果や実施方法について解説しました。ストレスは心身の不調をもたらし、生産性の低下や休職・離職へと繋がりかねない大きな問題です。コーピングを上手く活用することで上手にストレスと向き合うことができ、業務に対する意欲やモチベーションを高く保つことが可能です。ストレスの受け取り方は人によって様々です。そのため絶対的な正解はありません。検証や振り返りを行い、自社に合ったコーピングを行う事が大切です。コーピングを身に付けてストレスを上手に解消していきましょう。

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