ジグソー法のやり方とは?【メリットや実際に行う際のポイントも解説します】

記事更新日:2023年11月22日 初回公開日:2023年11月15日

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ジグソー法は学校教育のみならず企業の研修や勉強会でも用いられる学習方法の一つです。ジグソー法は、他者と協力して一つのテーマについて学習するという特性から、上手に利用することで協調性や責任感を育む機会にもなります。そんなジグソー法ですが、学習方法がどのように設計されているか、よく知らない人も多いのではないでしょうか。今回はジグソー法で得られる効果や詳しい手順だけでなく、実施する際に注意すべきポイントについてご紹介します。研修や設計の手法について悩んでいる方は、ぜひご参考にしてみてください。

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ジグソー法とは

共同学習を促すために開発された学習方法

ジグソー法とは共同学習を促すために開発された学習方法です。学習というと、自分でテキストや参考書を読みながら黙々と勉強するイメージがあります。しかし、ジグソー法はこの方法とは異なり一つの課題やテーマについて、グループで役割分担をして、調べた内容をグループメンバーと情報交換します。そのため、テーマに関する学習と同時に他人との協調性やコミュニケーション能力を育める方法です。このようにジグソー法はパズルのように他人同士が協力して内容を埋めていく方法のため、ジグソー法と呼ばれています。

ジグソー法とは共同学習を促すために開発された学習方法です。学習というと、自分でテキストや参考書を読みながら黙々と勉強するイメージがあります。しかし、ジグソー法はこの方法とは異なり一つの課題やテーマについて、グループで役割分担をして、調べた内容をグループメンバーと情報交換します。そのため、テーマに関する学習と同時に他人との協調性やコミュニケーション能力を育める方法です。このようにジグソー法はパズルのように他人同士が協力して内容を埋めていく方法のため、ジグソー法と呼ばれています。

提唱者はエリオット・アロンソン

ジグソー法はアメリカの社会心理学者であるエリオット・アロンソンが1970年代頃に提唱した学習方法です。ジグソー法が提唱されたのには当時のアメリカの人種的格差が背景にあります。当時のアメリカの学校では白人と黒人では生徒の教育レベルに格差がありました。そこでアロンソンは生い立ちや人種によって教育レベルの格差が生まれてしまう問題を解決するため、お互いが協力し合わなければ成立しない学習方法を開発しました。これがジグソー法の始まりと言われています。

ジグソー法が注目されている理由

アクティブラーニングが教育で重要視され始めているため

ジグソー法が注目され始めたのには、学習者が主体的に他者と協力して学習を行うアクティブラーニングが教育で重要視され始めたのが理由として挙げられます。アクティブラーニングは他者への説明と意見交換や、体験することに重きを置いた学習方法です。また、学習の経験を経てコミュニケーション能力や思考・判断力も同時に育めるとも言われています。ジグソー法も含め、アクティブラーニングが浸透していたのはアメリカですが、2010年以降から日本の学校教育でも取り入れられるようになりました。

ジグソー法のメリット

主体的に考えられるようになる

ジグソー法のメリットは学習参加者が主体的に物事を考えられるようになることです。従来の教育方法では教育担当者が説明する内容を、学習者は受け止めるだけの受動的な内容でした。しかし、ジグソー法では学習者同士が役割分担を決めて、自分なりの考えをまとめ、互いに発表し合わなければならない構造になっています。そのため、必然的に学習者は必要な情報の精査や、調べた内容の説明方法を考えなくてはなりません。このような理由からジグソー法は学習者が自主的に物事を考える訓練になるとも考えられています。

積極的に授業が受けられる

学習者が積極的に授業を受けられるという点もジグソー法のメリットの一つです。ジグソー法は他者と協力し合い学習を進めるという側面から、参加すると自然に責任が発生します。例えば、グループで役割分担して決められた内容の調べものを、自分が怠ってしまうと他のグループメンバーの学習にも影響が及びます。そのため、学習者は他のメンバーに負担をかけないためにも、積極的に授業に参加せざるを得ません。このような理由から普段は授業に消極的な人も参加しやすい空気が作られます。

協調性が培われる

ジグソー法は活用することで、学習者の協調性も培うことができます。自分とは異なる価値観や考え方を受け止める柔軟性や他社への思いやりは、社会生活を送る上で必要不可欠な能力です。ジグソー法は他者と関わり合う学習経験を通して、上記の能力を培うことができると考えられています。そのため、ジグソー法は自分の意見の伝え方や異なる価値観に触れた時に得られる気づきなど、指導だけではカバーできない部分も補うことが可能な手段と言えるでしょう。

ジグソー法をする手順

テーマ・課題の設定する

ジグソー法を実践するには、初めに学習内容に沿ったテーマや課題の設定が必要です。ジグソー法は学習の過程で、参加者同士が持っている情報を教え合う工程を経ること重要なので、一人でも解決できるテーマにしてしまうと効果が得にくくなります。そのため、この時設定するテーマは複数の知識を組み合わせなければ答えの出せないものにすることが大切です。また、テーマを決めた後は、参加者に配布する資料の作成も忘れず行いましょう。

グループ分けをする

テーマを決めたら、次は実際にテーマを発表しグループ分けを行いましょう。この時構成されるグループをホームグループと呼びます。ホームグループの人数は4~5人が適切な人数と言われています。1グループに対して所属している人数が多いと、一部の人が活動に参加しにくくなる、規定時間内に十分な議論ができないなどの問題が発生します。そのため、ホームグループの人数は一人一人の参加者がしっかりと自分の意見や情報を出し尽くせる人数に設定することが大切です。

エキスパート活動をする

ホームグループ完成後はそれぞれのグループに内容の異なる資料1~4を渡し、資料の内容を学習して、その分野に関するエキスパートになってもらいます。この時に、グループ内では誰がどの資料を担当するかを決めてもらいましょう。エキスパート活動では、配られた資料を学習するだけでなく各グループから資料ごとの担当者が集まり、ディスカッションを行うことで知識を深めます。学習した内容はホームグループで発表するので、集中して取り組まなくてはなりません。

ジグソー活動をする

エキスパート活動を終えると、各担当者は自分のホームグループに戻り、自分の知り得た情報をグループメンバーに教えます。このパートはジグソー活動と呼ばれていて、ジグソー法の学習ではこのパートが最も重要な工程の一つです。ジグソー活動では各担当者が持ち帰った情報を発表し、意見交換を行うので参加者の表現力や構成力が養われます。また、ジグソー活動の後にはグループごとの発表もあるので、グループメンバーは互いに話し合い、学んだ内容をまとめて自分たちで発表内容を構成しましょう。

発表をする

グループごとの発表では、各グループで学んだ内容について発表をしてもらいます。発表パートでは、グループで学習した内容の説明だけでなく、グループメンバーが今回の学習の過程を通して得られたテーマに対する見解なども組み込む必要があります。この発表では、テーマに対する最終的な結論や根拠となる点が含まれているかが重要です。また、発表の際に全体をまとめる進行役は各グループが、全体に伝わりやすい話し方や説明の順番等を工夫しているのかにも注目しておきましょう。

フィードバックをする

発表までを終えたら、学習の進め方やグループ活動についてのフィードバックを行います。フィードバックの方法は様々なものがありますが、学習内容に合わせて適した手法を選びましょう。具体的な例としては個人の活動に対する採点と改善点や評価点について記載したシートを渡す、グループごとに採点を行い、優秀なグループの表彰を行うなどの手法があります。フィードバックは基本的に学習活動全体の進行役が行いますが、事前にチェックリスト方式のシートを作成して、参加者に自己評価をつけてもらうのもおすすめです。

一人で問いに答える

ジグソー法を用いた学習活動の最終パートは、全体のまとめとして一人一人が個別に用意した問いに答えます。このパートで用いる問いは、エキスパート活動やジグソー活動で得られた情報が無ければ解けない問題にしておきましょう。最後にテストを行い採点することで、学習活動を通して参加者がどの程度テーマについて理解したのか確認するための判断材料になります。このパートで得られた結果はフィードバックと併せて、今後の学習内容を検討する際に利用すると、より効果的な授業構成に繋がります。

ジグソー法をする際のポイント

時間を十分に設ける

ジグソー法を用いる際のポイントは、時間を十分に設けることです。ジグソー法を用いた学習で重要なのは、学習参加者が主体的に考え行動することや、他者との積極的な意見交換です。そのため、各パートの持ち時間が少ないと、全ての参加者が平等に意見発信するのが難しくなり、期待していた効果が得られない可能性があります。このような事態を防止するためにも、各パートはグループ内の全てのメンバーが十分にアイディアや意見を出し尽くせる時間を用意するよう設計しましょう。

興味の持てる問いを用意する

ジグソー法のテーマや課題については、参加者が興味を持てるものを用意しておきましょう。テーマや課題が興味の持てないものになってしまうと、参加者は積極的に学び、他者と交流しようとは思えません。消極的な態度を防止するためにも、なるべく参加者の関心のありそうな話題をテーマにした方が学習活動はより活発的になります。このような理由から参加者の主体的な行動を促すためにも、テーマの選定は事前にリサーチしておくと共に学習意欲を刺激するような内容を提示することが大切です。

エキスパート資料を入念に準備しておく

エキスパート活動で使用する資料は入念に準備しておくことも大切です。エキスパート資料は参加者が担当の分野を学ぶ上で重要な資料です。資料に参加者が既に知っていそうな内容しか記載されていないと、学びが得られないだけでなく意欲を引き出すこともできません。さらに、資料が文字ばかりで難解な内容になってしまうと、同じくやる気を削がれてしまいます。そのため、エキスパート資料は文字だけでなくグラフやイラストなどを挿入し、内容が理解しやすく読む人が関心を持てるよう工夫して作成しましょう。

参加者の不安を取り除く

ジグソー法はグループメンバー同士のディスカッションが盛んに行われます。そのため、人によっては批判的な意見や厳しい意見が出てしまうことも想定されます。しかし、ジグソー法はあくまでメンバー間で持っている情報を教え合うことを目的としています。そのため、あらかじめ学習内容が討論など、他者の意見を否定または論破するためのものではないということを周知させておきましょう。これを行うことで、自分の意見や考えを否定されるかもしれないという参加者の不安を取り除くことができます。

まとめ

ジグソー法を教育や研修に活用しよう

ジグソー法はテーマや課題に対する知識の履修だけでなく、他者との対話に必要な能力を高めるという点からも非常に有益な学習方法と言えます。また、学習した内容を他者に教えるという行為は、自分自身がしっかりと知識を理解しなければ困難です。そのため、得た情報を他者に教えるという工程を挟むことで、より深く知識が頭に入り効果的な学習が可能な点も魅力と言えます。しかし、その一方でジグソー法は入念な事前準備や交流しやすい環境を作らなければ高い効果は期待できません。そのため、必要なポイントを押さえて教育や研修に活用していくことが大切です。

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