記事更新日:2020年09月04日 | 初回公開日:2020年08月17日
日本の英語教育 グローバル経済2020年4月から文部科学省の教育改革が始まりました。主な教育改革の内容としては、新学習指導要領の導入が挙げられます。今までは、授業中に生徒が発言することは少なく受動的な授業が一般的でした。しかし、社会に出ると自らが発信し主体的に行動することが求められます。新学習指導要領では、生徒が能動的に学習できるようなカリキュラムが組まれているのです。また大学入試もセンター試験に代わり、より深い思考力が問われる大学入学共通テストに変更されました。
その中でも英語教育は大幅な改革により必修化されました。背景として、急速なグローバル化に伴い英語の必要性が高まっていることが挙げられます。具体的な教育内容としては、小学3、4年生で35コマずつ、小学5、6年生で70コマずつ授業が増えます。また、小学生の間に600から700の英単語の習得を目標としています。日本の英語教育は他の国に比べて大幅な遅れを取ってきました。そんな状況を打破すべく英語教育が必修化されたのでしょう。
小学生の英語教育の目的の1つとして、グローバル社会において将来的に活躍できる人材を育てることが挙げられます。近年、グローバル化はますます加速し海外進出する日本企業も増えてきました。それに伴い、英語が堪能なグローバル人材の需要も高まっています。しかしネイティブ並みの英語力がある日本人はまだまだ少なく、企業が満足出来るだけの人材を確保することが出来ていないのが現状です。小学生の頃から英語学習を始めることで、世界で活躍できる人材になると期待が高まっているのです。
異文化交流に抵抗をなくすことも、英語教育の目的の1つと言えるでしょう。幼い頃から英語に触れておくことで、異なる文化や言語に抵抗を感じることなく受け入れることが出来るようになります。これは、多文化共生の社会で生きていくためにとても大切なことであると言えるでしょう。小学生の英語教育の目的はもちろん言語の習得です。しかしそれ以上に、異なる言語や文化を持つ人々を尊重し、互いに認め合えるようになるためにも幼い頃からの英語教育はとても重要なのです。
小学校から英語教育を行うメリットの1つとして、英語脳や英語耳が身につくことが挙げられるでしょう。英語脳とは日本語訳をしなくても意味を理解できる能力のことを指し、英語耳は日本人が聞き取りにくい発音を聞き取ることができる能力のことを指します。英語をスムーズに吸収できる臨界期を超える中学生以降では、これらの能力を身につけるのは難しいと言われています。小学生で本格的に学習することで、高い英語力を身に着けることが出来るのです。
子どもの時期から英語をやると抵抗が小さいことも、小学校から英語教育を行うメリットの1つと言えるでしょう。日本語だけの環境が長いと外国語を学習することに対してどうしても抵抗を覚えてしまうものです。一方で、何事も素直に吸収する子供の時期に英語学習を始めると抵抗を感じることなく英語になじむことが出来るでしょう。特にこの時期は、聞いたことをそのまま吸収するためネイティブに近い発音やアクセントを身につけることが出来ます。
小学校から英語教育をするデメリットとしては、子どもの意志が軽視される場合があることが挙げられるでしょう。子供の頃の英語教育は、自分の意志というよりも親の意向で進められるケースが多いです。また幼い子供は、たとえ英語の勉強が嫌であっても上手く伝えることが出来ません。これでは、英語が好きになるどころか英語を嫌いにさせてしまう可能性の方が高くなってしまいます。英語教育を進めるにしても、子供の意思を尊重し楽しく学習できるようサポートする必要があるでしょう。
日本語の習得に影響が出る可能性があることも、小学校から英語教育をするデメリットの1つと言えるでしょう。小学生にとって、1つの言語でも完璧にマスターすることはとても難しいです。特に日本語は漢字とカタカナ、そして平仮名を習得する必要があり、それは全ての科目を学ぶためのベースになります。英語学習の負担を増やすことで他の科目に影響が出る可能性も十分あるでしょう。その点も考慮した上で英語学習を進めていく必要があるでしょう。
続いて、小学校の英語教育の具体的な内容をご紹介します。3、4年生からは、今まで5年生からスタートしていた内容を前倒しして、音と声を中心とした学習が始まります。具体的には、英語を使ったクイズや英語の歌を歌って学習します。3、4年生では英語を楽しく学び親しんでいく学習スタイルであると言えるでしょう。歌やクイズに加え、簡単な挨拶や会話などもこの時期に学習します。難易度の高い英語ではないため、この時期は学級担任が授業を担当します。
一方、5、6年生では読み書きを中心とした学習に移行します。5年生から始まる英語は教科書型学習に位置付けられているため、算数や国語と同様に正式な教科として学習します。内容も中学校で学ぶ英語を前倒ししているため、より難しくなると言えるでしょう。本格的な英語を学習するため、担任教師に加え専門講師も積極的に活用する方針です。初歩的な日常会話だけでなく、シチュエーションに合わせた質疑応答を考えさせたりスピーチを聞き取らせたりと難易度は大幅に高くなると言えるでしょう。
小学校の英語教育に対する反対意見の1つとして、本当に英語でコミュニケーションをとれるのか疑問という意見があります。日本人が英語を習得するのに必要な時間は約3000時間と言われています。しかし、小学3年生から高校3年生までの英語学習時間はたった1130時間。確かに、完璧に英語でコミュニケーションをとることは難しいかもしれません。ネイティブ並みの会話は難しいとしても、小学生から英語学習を始めることで最低限必要な日常会話レベルの英語力は身に着けることが出来るでしょう。
中には、小学生で英語を習う必要性を感じないという意見もあります。確かに他の科目と並行して英語の学習を進めることは、幼い子供にとって大きな負担になりかねません。しかし、中学生から読み書きや文法、さらに会話を並行で学習するほうが無理があるでしょう。小学生の頃からある程度英語に触れておくことで、抵抗を感じることなく英語を学習することが出来ます。英語に慣れる期間を設けると言う意味でも、小学生から英語を学習するメリットは十分あると言えるでしょう。
日本語さえも習得できていないのに英語が出来るのかと疑問に感じている方も少なくありません。日本語は外国人にとって世界一難しい言語と言われる程習得することが難しい言語です。漢字やカタカナ、また平仮名の習得の他に音読みや訓読みもマスターしなければいけません。幼い子供にとっては、これらを習得するだけで精一杯でしょう。しかし、幼い頃から日本語と英語の勉強を両立している子がいるのも事実です。子供たち1人1人のペースに合わせて学習を進める必要があるでしょう。
小学生の英語教育で親ができる事は一体何があるのでしょうか。一番大切なことは、家庭内でも英語に触れる機会を設けてあげることです。その1つとして英語学習アプリを活用する方法があります。オススメのアプリとしては、CatChatえいごゲームが挙げられるでしょう。このアプリでは、約50種類のゲームを楽しみながら花や動物などの身近な英単語を学習することが出来ます。殆どのゲームが1、2分で設定されているため、集中力が持続しやすい点が魅力と言えるでしょう。
英語学習ドリルの活用も、英語の基礎を固めるのにとても効果的です。オススメの英語学習ドリルの1つとして、学研プラスが出版している毎日ドリルが挙げられます。このドリルでは、英語の基礎となるアルファベットとローマ字を重点的に学習することができます。CDも付いているため、発音も同時に習得できる点が魅力と言えるでしょう。さらに、クロスワードや迷路などの問題も収録されています。ゲーム感覚で勉強出来るため、子供たちも楽しく英語を学ぶことが出来るでしょう。
英語学習CDやDVDを活用することで、楽しく英語を学習することが出来るでしょう。オススメのDVDとして、リトルチャロが挙げられます。これは、異国の地で迷子になってしまう子犬の物語です。全50話で構成されおり、日常会話で使える簡単な英語が使われているのが特徴です。大人でも感動するほど良いストーリーであるため、子供たちも話に夢中になってしまうでしょう。何度も見返すうちに自然と英語を身につけることが出来ます。子供たちと一緒にDVDを楽しむことが出来るのも魅力的です。
今回は小学校の英語教育についてご紹介しました。小学校からの英語教育には賛否両論がありますが、幼い頃から英語に触れておく事で上達スピードが上がるのは事実です。そのため、小学生から英語を学ぶメリットは十分あると言えるでしょう。もちろん、小学校の授業だけでは英語を習得することは困難です。英語ドリルやアプリを活用するなど、親のサポートが必要でしょう。グローバル化に伴い、英語の需要はますます高まっています。子供たち1人1人のペースに合わせながら英語教育を進めましょう。
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