外国人技能実習機構(OTIT)とは【外国人技能実習生受け入れの問題や見直しする必要性を交えて解説します】

記事更新日:2023年08月09日 初回公開日:2023年08月09日

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少子高齢化や人口減少によって、日本人の採用は年々厳しくなっています。コロナウイルスの蔓延により、受け入れがストップしていましたが技能実習生も重要な労働力だと考えている企業の方も多いのではないでしょうか。しかし技能実習生は希望すればすぐに受け入れる事が出来る訳ではありません。技能実習生の受け入れには、外国人技能実習機構の認定を受ける必要があります。外国人技能実習機構について解説していきますので、技能実習機構を調べている方は参考にしてみてください。

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外国人技能実習機構とは

外国人技能実習生の受け入れと管理を行う組織

外国人技能実習機構とは、外国人技能実習生の受け入れと管理を行っている組織です。外国人技能実習機構では技能実習を適切に行い実習生の保護だけでなく、人材育成を通じて開発途上地域等への技能等を伝えて国際協力を推進することを目的としています。2017年に設立され、実習生の受け入れや相談支援・各種手続き支援などを行っています。技能実習生の受け入れを行う場合には、外国人技能実習機構の認定を受けなければなりません。

外国人技能実習生の受け入れ問題とは

労働条件や人権保護の課題

外国人技能実習生の受け入れには、労働条件や人権保護の課題が問題になっています。従来は入管法で規定されていましたが、より監視を強化するため2017年11月に技能実習法が制定され、管理団体への監視が強化されました。許可制や届け出制になり機構の改善命令に従わない管理団体への許可取り消しなど厳しく対応しています。労働環境は改善されるべきですが、受け入れ企業に問題がある場合もあり低賃金や長時間労働・パスポートを取り上げるなどの人権侵害は減っていません。

外国人技能実習制度の見直しはなぜ必要

改善の必要性を指すもの

外国人技能実習制度の見直しは、改善の必要性を指しているため必要とされています。技能実習制度は、新興国への技術供与を目的に国際貢献の一環として制定されました。技術実習制度は技能実習生を労働力需給の手段として行われてはならないと記載がありますが、本来の目的とは異なり人員不足を補う目的で導入している企業が多い実情です。技能実習生を保護するために、制度見直しが定期的に行われていますが悪用する企業が減らないことから改善が必要とされています。

外国人技能実習生の監理団体はどのような役割を果たしているのか

指導や管理を担当

外国人技能実習生の監理団体は、指導や管理を担当しています。技能実習の適正な実施や技能実習生の保護を中心に企業サポートを行っています。管理事業を行うためには、主務大臣の許可を受けなければならず許可基準に適合しない場合は許可を受けることは出来ません。管理団体には、一般監理事業を行うことが出来る団体と特定監理事業まで行うことが出来る団体に分かれます。一般管理事業を行う団体は優良な管理団体とされ、法令違反をせず一定の要件を満たしている必要があります。

外国人実習生の受け入れマニュアルにはどのような内容が含まれるのか

手続きやガイドライン

外国人実習生の受け入れマニュアルには、手続きやガイドラインが載っています。外国人実習生を受け入れるためには、在留資格でもある技能実習の資格を入国管理局から許可される必要があります。全ての企業が受け入れ対象になるわけではなく、限られた職種のみ受け入れ可能の為、自社が対象かも確認が必要です。受け入れマニュアルには、受け入れる方式や受け入れ可能人数なども記載されています。初めて技能実習生を受け入れようと考えている企業の方は、マニュアルをしっかりと確認しておきましょう。

技能実習生とは

外国人労働者が技能を学ぶために来日する参加者

技能実習生とは、外国人が技能を学ぶために来日し労働を行う人のことを言います。技能実習は技術移転が目的とされているため、技能実習生は最長5年しか滞在することが出来ず本国に帰国しなければいけません。日本の技能を本国に帰って活かすために、技能実習で日本に来る場合には、本国で習得が難しい技術である必要があり18歳以上でなければ対象にはなりません。技術移転が目的で実施されている制度ですが、人材不足のため労働力として採用する企業も少なからず存在しています。

2023年の技能実習制度改正にはどのような変更が予定されているのか

具体的な変更はまだ明らかにされていない

2023年の技能実習制度の改正は、具体的な変更はまだ明らかにされていません。現状の技能実習制度では、発展途上国の人材育成を日本で行い国際協力を目的としていますが、実際には労働環境が厳しい業種を中心に人材確保の手段になっています。そのためトラブルも多く、目的とかけ離れていることから技能実習制度を廃止し、人材育成ではなく働く人材確保へと目的を変更し条件緩和に向けて調整を行っています。しかし具体的な変更はまだ未発表です。

外国人技能実習制度の問題点

労働条件や人権保護の不備

外国人技能実習制度は、労働条件や人権保護の不備が問題になっています。ニュースになることも多い外国人技能実習生への最大の問題は、一部の技能実習生が環境の整っていない場所で働かされている事です。実習生だからと言って、最低賃金を下回る給与で働かせ、長時間労働を強要し残業代も支払っていない場合もあります。そういった保護されていない現場から失踪する実習生も多く、毎年技能実習生に関する問題は改善されていないのが現状です。

外国人技能実習機構はどのように外国人技能実習生をサポートしているのか

実習生をサポートするために活動している機関

外国人技能実習機構は、実習生をサポートするために活動している機構です。外国人技能実習機構は、実習生を受け入れるための企業の認定やサポートも行っていますが、実習生のサポートを主に担っています。母国語で実習生からの相談を受け、不当な扱いを受けている実習生がいた場合には、一時的な宿泊先の提供なども行っています。また、実習先で技能実習の継続が困難になった場合に技能実習生が継続を望む場合は、新たな実習先確保も行っています。

外国人技能実習生の権利や福利厚生についてどのような保護が行われているか

福利厚生は法的に保護

外国人技能実習生の権利や福利厚生は、法的に保護されています。日本で働く技能実習生は、日本の労働基準法に則って働く必要があります。そのため、給料は地域別の最低時給以上が適用されており、特殊な技術が必要な場合は、最低時給より高めの金額が設定されています。福利厚生は日本人労働者と同様に、社会保険に加入し該当しない場合には国民年金や雇用保険などに加入可能です。年金は技能実習生が日本にいる間支払いを続け、帰国すると支払った分だけ技能実習生に戻ってきます。

技能実習制度改正によって労働条件や待遇が改善される予定は

労働条件や待遇の改善が期待されている

技能実習制度の改正によって、労働条件や待遇の改善が期待されています。現状の技術実習制度では、就労期間は1年から5年までと短く技術実習生が転職を行う事も出来ません。また、就労期間が短いため本国から家族を呼び寄せることも出来ず、技術実習生にとって不利になってしまう条件が多い現状です。また本国側の組織に多額の保証金を取られている例もあり、借金だけが残り不法就労に繋がってしまう事例もあります。こういった事態を防ぐためにも技術実習制度の改正を行い、働く環境を改善していく必要があります。

外国人技能実習生の受け入れにおいて求められる基準は

様々な要素が求められる

外国人技能実習生の受け入れるためには、様々な要素が求められます。企業が技能実習生を受け入れるためには、6つの要件を満たしておかなければなりません。企業では、欠格事由に該当しないことは勿論ですが責任者や生活指導員などを必ず配置することが必要です。また受け入れる技能実習生の住居を準備しておかなければなりません。同じ業務を行う日本人と同等以上の給与を支払い、社会保険にも加入させ帳簿を作成・保管しておく必要があります。

外国人技能実習制度の改善に向けた具体的な提案は

労働条件の改善や監理体制の強化

外国人技能実習制度の改善に向けて、労働条件の改善や監理体制の強化が進んでいます。監理団体は法律で決められた役割をしっかりと満たしてない場合、許可を取り消されてしまいます。監理団体は訪問指導や監査を行い、報告書を技能実習機構に提出しなければなりません。制度改善していくためには、劣悪な労働環境を改善し働きやすい環境を提供する必要があります。監理体制を強化し受け入れ企業をしっかりと監視することによって技能実習生にとって働きやすくなります。

外国人技能実習生の教育や研修内容についてどのような取り組みが行われているのか

技能トレーニングや日本の文化・法律の理解

外国人技能実習生の教育や研修内容は、技能トレーニングや日本の文化・法律の理解が進められています。来日前までに採用が決定した実習生は、母国で外国人技能制度の理解や簡単な日本語の読み書き日本の文化や守るべきことなどを勉強します。来日してからは、母国での研修時間により受ける時間は異なりますが、管理団体が日本語や日本で生活を行うための知識などの講習を実施します。派遣先の企業で円滑に技術を身に着けるためのトレーニングや、法令違反についての知識も監理団体の研修で身に着けます。

外国人技能実習制度の成果や効果はどのように評価するのか

技能習得の評価と実習生の意見収集と労働市場への貢献の3つになる

外国人技能実習制度の成果や効果は、技能習得の評価と実習生の意見収集と労働市場への貢献の3つから判断します。成果や効果は一見すると可視化が難しいように思えますが、外国人技能実習制度に対しての成果や効果はしっかりと判断基準が決まっています。技能実習を行う前と比べ、しっかりとした技術を身に付けられているかや実習生にヒアリングを行い判断します。また外国人技能実習制度は国際協力の目的と一つとして実施されている制度のため、労働市場への貢献が行われているかも効果を判断する一つです。

外国人技能実習機構の役割と責任

おおきく3つに分かれる

実習生の受け入れ企業の選定や指導

外国人技能実習機構の役割と責任は3つに分かれており、実習生の受け入れ企業の選定や指導がその一つです。技能実習生を企業が受け入れるためには、技能実習計画を作成し外国人技能実習機構の許可を得なければなりません。外国人技能実習機構では、技能実習計画の内容や受け入れ体制が適正かどうかを審査します。技術実習生を全ての企業が受け入れられる訳ではなく、受け入れるには一定の要件を満たす必要がある為、外国人技能実習機構の指導・選定が必要です。

実習生の監督・指導・教育プログラムの提供

外国人技能実習機構では、実習生の監督・指導・教育プログラムの提供を行っています。技能実習生に内定した人は、本国で日本語や文化についての教育を受けて来日しています。日本へ入国した後は、実習生の指導や教育は外国人技能実習機構が請け負うことになっており、日本の法律や日本での生活をしていく上での知識などを実習生に行っています。技能実習生の生活をサポートするだけでなく、技能実習生が問題を行さないように監督も行っています。

労働条件の監視

労働条件の監視を行うのも外国人技能実習機構の役割です。国際協力の一環として行われている技能実習制度ですが、安い労働力として本来の目的とは異なった理由で技能実習生を受け入れている企業も少なくありません。目的に反して導入している企業は、技能実習生を劣悪な環境で働かせている場合が多く、技術実習生を守るためにも外国人技能実習機構が労働条件を監視しています。技能実習生の生活を守るためにも、労働条件監視は欠かせません。

まとめ

外国人技能実習機構の詳しく理解して活用しよう

技能実習生の受け入れや問題点、外国人技能実習機構の役割などについて解説しました。技能実習制度は、発展途上国に技術移転を行う目的として実施されている制度です。しかし現実では、劣悪な労働環境で働かされている技術実習生も少なくありません。外国人技能実習機構は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を行う機関です。技能実習生の受け入れを考えている企業は必ず外国人技能実習機構とのやり取りが発生します。外国人技能実習機構を詳しく理解し、活用していきましょう。

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