記事更新日:2024年01月31日 | 初回公開日:2023年12月20日
用語集 グローバル用語解説 外国人採用・雇用 人事・労務お役立ち情報就活解禁日には、「広報活動の解禁日」と「選考活動の解禁日」の2つがあります。1つ目の「広報活動の解禁日」とは卒業および修了年度に入る前年の3月1日のことです。この日から就職広報サイトや企業の説明会などもスタートします。もう1つの「選考活動の解禁日」は卒業および修了年度の6月1日を指し、これらは経団連が「採用選考に関する指針」として加盟店に対して定めたものです。つまり、大学3年を終える前の3月1日が「広報活動の解禁日」で、大学4年になって向かえた6月1日が「選考活動の解禁日」になります。
従来は経団連がトップに立ち、就職解禁日を含む就活ルールを決定し提示していましたが、2021年春以降から経団連による就活ルールの決定および提示が廃止されました。廃止以降は経団連に代わって政府が主導となり、就活ルールの作成および提示を行っています。2021年より大学生の就活スケジュールの管轄は経団連から政府に移行しましたが、政府は学生側の混乱を避けるために、2025年卒業生までの就活スケジュールは、2021年までと同じで変更しないと発表しています。
前述のように25卒までは現行通りで、広報活動の解禁日は大学3年の3月1日、選考活動の解禁日は大学4年の6月1日です。しかし2026年の卒業生に至っては、2022年に各省庁の連絡会議にて「専門性の高い一部人材の採用日程の弾力化を検討する」としており、変更が見込まれます。なお、詳細については、2023年の秋頃までに正式決定される見通しです。とくに年々注目が集まる、人工知能AIやデータ分析などのIT関係に関わる分野の学生が変更の対象になると思われます。
就活ルールを廃止した背景には、就活ルールを遵守する企業が少ないことが挙げられます。前述の通りに現行の就活ルールは経団連によって策定されたものでした。そのため非加盟店や外資系企業、ベンチャー企業などは、この指針に従わずに広報や選考活動を行うケースも多く見られ、就活ルールが形骸化されたことが大きな原因です。また、選考とは呼ばずに採用活動と称して事実上の選考活動が行われ、大学4年の6月には内々定が出されることも多くあります。
従来の就活ルールについては経団連が策定し提供したものであり、経団連非加盟の企業は就活ルールに縛られていないという考え方が、広く浸透していきました。2018年の9月には、経団連の会長であった中西弘明氏が「経団連が採用の日程に関して采配すること事態にきわめて違和感がある」と表明して注目を集めています。そして事実上、2020年3月の卒業生をもって経団連が就活ルールの策定から撤退することが決定したのです。
また、留学生や海外大学出身者の増加により、全く別のルールで就職活動が行われていたことも、従来の就活ルールが廃止された一因であったようです。人材不足に悩む日本では、多数の企業が優秀な人材を海外からの留学生や海外大学出身者を増やすことで補おうとしました。しかし、留学生や海外大学出身者の就職活動時期は経団連が策定した就活ルールとは日程が合いません。そこで、全く別の日程と方法を用いて人材獲得に動いていたことも、経団連の就活ルール廃止に影響を与えたようです。
従来の就活ルール撤廃における企業の動向を見ると、25卒の就活スケジュールは前年より変更がないことから、企業側が動きを変えるのは26卒からのようです。経団連から政府へと主導権が代わったものの、政府としては大きな混乱を避けたいため、25卒までの就活スケジュールは従来までと同じものになっています。26年卒より一部変更が予想されるものの、企業側より率先して就活スケジュールを変えていく動きは見られないようです。
25卒までは従来と変更ないため従来の就活ルールを踏襲する起業が多い一方で、独自で採用を進める企業も出ています。独自性の1つが「選考プロセスの多様化」です。変化する市場に向けて多様な人材獲得が求められているのはご存じの通りです。多様な人材獲得のために選考プロセスも多様化し、ポテンシャルの高い人材獲得を狙い、他社に先んじて採用活動を行う企業も多くあります。とくにITなどの専門分野においては、その傾向が顕著にあらわれています。
独自で採用を進める企業の中には、インターンシップなどを上手く使って、前倒しで採用を行う企業が増えています。インターンシップでは先行して実務経験ができるうえに、職場の雰囲気などを感じることもできるため、学生にとって大きなメリットです。企業側でも学生の当人の仕事に対する姿勢などを観察できるとともに、学生の個性や社会人としての資質なども見ることができます。このようにインターンシップなどを実質的な採用選考とし、前倒しで採用決定をする企業が増加傾向にあるようです。
経団連に加盟している大手企業の就活解禁日は経団連の採用指針に従うのが慣例となっており、原則として大学3年の3月1日の0時を持って情報解禁します。そして大学4年時の6月1日に選考が始まるというのが一般的なスケジュールです。ただし、近年主流となっているWEBテストやエントリーシートの提出には制約がないため、早期に実施する起業も増えています。優秀な人材獲得を目指すのはどの企業も同じであり、経団連加盟の企業であっても水面下で動き、3月には内々定を出す企業もあるようです。
経団連非加盟の上場企業は、経団連の採用指針に従う必要がないという意識もあり、経団連に加盟する企業よりも動きが速い傾向が見えます。インターンシップの実施は大学3年の6月頃からと同じですが、選考活動は大学3年の2月には始める企業もあります。大企業よりも先に活動することにより、優秀な人材を早期に確保したいという目的があるからです。内定も大学4年の3月から続々と出しているようで、経団連加盟企業よりも2ヵ月以上先に内定を出すことにより、人材を抑え込む目的があります。
外国法人や投資家が一定以上の金額を出資する外資系企業でも、優秀な学生を確実に企業へ取り込みたいため、日本の一般企業よりも就活解禁日は早めです。選考活動は大学3年時の10月頃には始めることが多く、内定も大学3年の11月から12月には出す企業が多いようです。外資が入るという特殊な企業であるとして、日本の慣例や規則にとらわれることなく、採用活動のスケジュールを立てて実施しています。内定が早くもらえることは、学生にとって大きな魅力であり、早めに仕掛けて優位に立とうというのが外資系企業です。
マスコミ業界では、大手企業の採用活動が終わったあとに、地方の企業が活動を始めるのが慣例となっているようです。時期としては大学3年次の11月から年度末の3月にかけて採用選考を行い、学生が3年生のうちに内定を出すこともマスコミ業界の特徴です。地方の採用活動に影響を及ぼさないように、経団連に加盟する大手企業なども早めに就活を解禁しています。そういった意味では学生に有利に感じますが、マスコミ関係の企業は非常に少なく狭き門となっています。早めの就活解禁であるために遅れがちですが、十分な準備をして就活に臨みましょう。
大手企業や上場企業、および外資系企業にも属さない多くの中小企業では、就活解禁日や就活スケジュールに特に決まったパターンはないようです。経団連や政府の決定する就活解禁日に拘束力はなく、決定事項を守らなかったとしても罰則はありません。そのため、多くの中小企業は自社の都合に合わせるので、学生側では企業ごとに選考スケジュールを確認する必要があります。また、中小企業の中には、大企業の選考が終了した頃を見計らって採用活動を開始したり、留学生や既卒者などに配慮して通年雇用にしたりする企業もあるようです。
就活解禁日までに行うべきことはたくさんありますが、中でも是非やってもらいたいのが自己分析と業界および企業分析です。自分の過去を振り返り、趣味や特技、以前にやりがいを持ってした事などを書き出してみましょう。この作業によって自分の長所や短所、向いている業種などが分かるとともに、自分のアピールできる能力や強味を客観的に知ることができます。これらは応募書類作成や面接時にも役立つため、是非やっておきましょう。同様に希望する業界や企業の分析をすることで、業界や企業の裏側まで知ることができます。
インターンシップは、就活スケジュールとしては最も早く行う企業が多いようです。企業での業務体験ができるため、ミスマッチを防ぐには最高の手段と言えます。また、インターンシップと称して説明会や座談会を行う企業もあり、事前に企業側より多くの情報を得られ、前述のように採用に直結することもあるので、参加されることをおすすめします。ただし、インターンシップを行わない企業や、就活スケジュールの後半にインターンシップが開催されると、就活全体が滞ってしまうことにもなるので注意しましょう。
エントリーシートや履歴書の準備は早期に行って、ポイントをおさえて簡潔に書かれているか、読み直して何度もチェックしてください。書き方のポイントは「簡潔でありわかりやすいこと」、「具体的な事実体験なども書き込むこと」、「志望動機に繋がる経験や自分の強味を理論的に書くこと」などです。大企業などでは、エントリーシートが最初の選考になることもあります。採用担当者が読みやすく、且つ興味を持つ内容に仕上げましょう。大学のキャリアセンターなどに協力を仰ぐのも方法の一つです。納得がいくまで書き直してください。
経団連が採用選考に関する指針として加盟店に対して定めた「就活解禁日」は、管轄が政府に変更され、今後の動向が気になるところです。しかし経団連から政府に管轄を変更しても、就活解禁日に拘束力はなく、解禁日以前に企業が採用活動をしても罰則はありません。そのため前述のように、企業は優秀な人材獲得のために前倒しで採用選考を行っています。学生側としては、逆に企業の動きを利用して最善の就活を行うことが求められます。就活解禁日に止まらず、企業の動向を把握しながら、自分が納得できる就活準備を進めていきましょう。
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