配置転換とは【転籍と出向の違いや配置転換の注意点を紹介】

記事更新日:2021年09月16日 初回公開日:2021年03月17日

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貴社では配置転換を上手く活用できていますか。配置転換とは、売り上げを増やすなどの目的で、会社の将来を考えて優秀な人材を多くの部署で経験を積ませるために行う人事異動を指しています。ただ配置転換には多くのメリットだけでなく、デメリットも存在しますので経営者や人事担当者は注意が必要です。そこで今回の記事では、会社が配置転換をすることのメリットやデメリット、また注意点を詳しく解説していきます。この記事を読むことで、配置転換の悩みを解決することができるはずです。人事担当者の方など実際の業務に関わってくる方には必見の内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

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配置転換とは

企業内で職種・職務内容・勤務地などを変更すること

配置転換とは同じ会社や組織内で、従業員の職種や職務内容、就業場所を変更することです。また配置転換は、略称で「配転」とも呼ばれます。会社には雇用契約上従業員に対して「配転命令権」を行うことができます。配転命令権は、会社のルールである就業規則の範囲内で行うことができる権利になり、根拠や配転が適切な場合に配置転換を従業員に命令することができます。ただし、配置命令権を行うことが権利濫用になる場合には、配置転換は認められないので無効となり、従業員は配置転換を命令されても拒否することができます。

人事異動の一種

配置転換は人事異動の一種といわれています。雇用契約によって、会社は従業員に対する人事権を所持しています。配置転換は、就業規則に記載されている業務上の根拠があるときに、会社内で配転命令権を従業員に行うことできます。そのため、配置転換されると、職種や職務内容、就業場所を変えることになるので人事異動の一種だといわれているのです。配置転換と人事異動は同じ意味で使う会社や組織も多いですが、人事異動には配置転換以外にも多くの意味があります。人事異動とは人事に関連する変更点のことですので、他にも昇進や降格、新規採用、解雇など他にも種類が多くあります。

配置転換と転籍・出向との違い

出向は所属を変えずに他の会社で働くこと

ここからは、配置転換と出向と転籍の違いを解説していきます。最初に人事異動の種類の一種である出向とは、現在就業している会社に在籍したまま、所属を変えずに他の会社で働くことを意味します。配置転換との違いは、配置転換は同一の会社や組織内で就業場所が変わることで、出向は会社に籍を残したまま他の会社や組織で働きますので、就業場所が現在所属している会社か外部の会社かの違いになります。そのため、出向は、出向元と雇用関係と指揮命令の継続を保ちつつ、外部の会社で働くことが要件です。また出向は社内の人材活用する方法の1つであり、おもな目的としては、関連会社への技術指導や従業員の人材育成、中高年の処遇など様々あります。

転籍は他の会社で新たに労働契約を結び働くこと

人事異動の種類には、転籍もあります。転籍とは現在就業している会社との雇用契約を打ち切り、外部の会社と新しく雇用契約を終結して働くことです。出向との違いは、外部の会社で働くのは同じになりますが、出向は、出向元との会社と雇用契約が継続していますが、転籍は出向元の会社と雇用契約がない点に違いがあります。従業員を転籍させるには、2つの方法があります。1つ目の方法は、従業員との雇用契約を合意解約して、新しく転籍先の会社で雇用契約を終結させることです。2つ目の方法は、現在就業している会社と、転籍先の会社で労働契約上の従業員としての地位を譲渡する方法があります。

配置転換の主な理由と目的

適材適所の実現

配置転換を行うにあたって、企業は明確な目的を持っています。目的の1つ目は、適材適所の実現です。会社経営を継続させるには、従業員の生産性を高めて売り上げを増やす必要があります。そのなかで従業員を配置転換して、適材適所を実現するには従業員の能力がわからないといけません。ある1つの業務を任せてみても、得意な人もいれば不得意な人もいます。その業務の適正があるかを判断するには、見極める時間が必要でしょう。さらに新入社員の場合だと、その業務が適しているかを判断するには、通常よりも長い時間がかかります。従業員の個々の能力が見極められれば、配置転換するか判断できるでしょう。

組織の活性化

配置転換の目的の2つ目は、会社や組織の活性化につながるからです。従業員だけでなく人間は同じ場所で同じ仕事を長期間継続すると仕事に慣れ、生産性が上がるなど良い点もあります。しかし悪い点もあり、仕事への緊張感がなくなり、仕事上のミスが生じ、人間関係が上手くいかなくなる場合も出てきます。そこで配置転換を定期的に行い、仕事や人間関係を一新させる手段が用いられるという訳です。環境が変わると、緊張感や覚えないといけないことが増え、職場環境にも緊張感が生まれ組織が活性化するようになります。そのため、職場環境の整備ができる配置転換は有効な会社にとって有効な経営手法の1つだといえます。

人材育成

配置転換の3つ目の目的は、人材育成です。会社を長期にわたり経営するには、優秀な人材が必要になります。従業員の中からビジネススキルが高い人材を選び、人材育成をするのに配置転換は有効な手法の1つといえるでしょう。配置転換をすることにより、様々な仕事を経験することができるので、早い段階からビジネススキルが向上し、会社になくてはならない人材として成長する可能性があります。そのため、優秀な人材を育てたい場合は、早期の段階から配置転換をすることにより、様々な環境での仕事を経験させ、従業員の成長を促すこともできるでしょう。

事業活動の変化への対応策

配置転換の4つ目の目的としては、事業活動の変化への対応策という点が挙げられます。現在のビジネスは過去と比較にならないほど、スピードやレベルが速く進歩していく時代です。そのため競合との競争に勝つためには、新規事業など新しい事業活動が必要になります。その事業活動の変化に対応するために、現在所属している従業員の能力を見極めて、配置転換をするケースもあるでしょう。新規事業の業務に最適な従業員を、配置転換することにより成功確立が高くなります。また既存事業にプラスして、新たな利益を生む新規事業が軌道に乗れば、経営基盤も強固になります。

配置転換のメリット

イノベーションやアイディアが生まれやすくなる

ここからは、配置転換を行うメリットについて、詳しく解説していきます。メリットの1つ目は、イノベーションやアイデアが生まれやすくなることです。長期間同じ仕事や、同じ従業員と仕事をすると今までと同じ売り上げを作ることは可能ですが、それ以上に増加する可能性は低いです。そのため配置転換をすることにより、新しい人材が過去の仕事より生産性が高くなるアイデアや、新規事業などイノベーションが生まれる可能性があります。新しい人材は過去の知識や仕事の仕方に固執していないため、職場に新しい変化が起きてきます。また別部署との知識の交換や会議など、話し合いをすることで、これまでと違う考え方が生まれやすくなります。新しい考え方や仕事の仕方は、ケースにより売上げが増える要因にもなります。

マンネリ化を防止出来る

メリットの2つ目は、マンネリ化を阻止できることです。職場環境のなかで従業員や業務が変わらないとマンネリ化する傾向がでてきます。マンネリ化を阻止するのに、配置転換は非常に有効な手法です。配置転換を定期的に行うことで、従業員は新しい知識や仕事を覚えないといけませんので緊張感が生まれます。また1つの業務を複数の従業員ができることにより、何かアクシデントがあっても他の従業員が対処できますので、業務が止まることがないです。更に複数の従業員がスキルが向上しますので、会社b全体として生産性が高くなり、売上げが増える可能性もでてきます。

配置転換のデメリット

従業員のモチベーションが下がる可能性がある

配置転換を行うデメリットについて、詳しく解説していきます。デメリットの1つ目は、従業員のモチベーションが下がる可能性があることです。配置転換が行われた先で仕事を上手くこなせない従業員は、仕事に対してモチベーションが下がります。また配置転換をする前の業務で、プロジェクトが未完了のまま異動となった場合、仕事ができないことで不満やストレスとなり、モチベーションが下がる可能性があります。そのことが原因で、最悪優秀な人材が退職を検討したりするので注意が必要です。最悪な事態を回避するには、日頃から従業員と会話や、定期的な個別面談など、仕事や会社への不満やストレス、会社への期待などを話し合う環境を整えることが重要です。

一時的に生産性が下がる

デメリットの2つ目は、一時的に生産性が下がることです。理由としては、配置転換をすると2つの新しい仕事が従業員に課されるからです。配置転換する前の仕事の引継ぎが必要となり、後任の従業員が覚えてくれるまで時間が必要になります。2つ目は配置転換後の新しい仕事を覚えるまでに、時間がかかることです。そのため会社全体として配置転換をした後は、生産性が下がる傾向にあります。また少しでも生産性を下げないためには、優秀な人材を指導させる立場にして、新しく教えることを任せるなど、仕事環境でのサポートを充実させると有効でしょう。

配置転換の注意点

あらかじめ就業規則に記載する必要がある

配置転換の注意点の1つ目は、あらかじめ就業規則に配置転換について記載する必要があることです。配置転換を行うには就業規則に記載されている場合のみ、労働契約上根拠ある配転命令権を従業員に伝えることが可能になります。もし就業規則に配転命令権が出せることが記載されていないと、従業員は配転命令が出されても、拒否することが可能になります。そのため配置転換を行うには、就業規則に記載していることを必ず確認し、記載されていない場合には必ず追記する必要があります。

パワハラと判断されるケースもある

配置転換の注意点の2つ目としては、パワハラと判断されるケースがあることです。パワハラには様々なケースがありますが、4つのケースについて解説していきます。1つ目は、妊娠や出産後に配置転換をすることです。2つ目としては、配置転換を従業員が拒否した後はしつこく配置転換を要求したり、業務のなかで嫌がらせをすることができません。3つ目は、配置転換を強引に進めることです。4つ目は、従業員の個々の事情を無視して配置転換をすることです。高齢の親の介護や、子育てなど配置転換できないケースでも強引に進めます。以上4つのケースに当たれば、就業規則に配置転換が記載されていてもパワハラで無効になるケースがあります。

配置転換が無効な場合は従業員が拒否出来る

配置転換の注意点の3つ目は、配置転換が無効な場合は従業員が拒否できることです。配置転換が職件濫用になるケースは、就業規則に配置転換が記載されていても無効になることがあります。職件濫用にあたるかは、業務上で配置転換する必要性があるか、従業員へ不利益があるか、配置転換が不当な動機がないか、人員の選択が合理的かなどを考慮して判断されます。また子育てが必要なケースでは、育児休業法の規定も関わることがあるでしょう。また専門職として雇用されたのに、経験がない他の職種に配置転換も無効になるケースがあります。

まとめ

適切な配置転換を実施しましょう

ここまで、配置転換のメリットやデメリット、注意点などを解説してきました。現在雇用している従業員や会社にもメリットがある経営手法の1つである配置転換ですが、使い方を間違えると優秀な人材がモチベーション低下で退職してしまい、最悪のケースを招くこともあるでしょう。ものすごく会社にとって損失になる可能性もありますので、対策としては定期的に従業員との会話や個別面談を大事に行うことです。時代のスピードが速い今の競争を勝ち抜くために、経営者や人事担当者が配置転換の注意点を確認し、上手に配置転換して売上げ増大になる戦略を練りましょう。

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