アジリティとは【ビジネスシーンでの使い方や実際に行われている組織の取り組みについてわかりやすく解説します】

記事更新日:2024年03月06日 初回公開日:2024年03月06日

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グローバル化やIT技術の進歩だけではなく、未曾有の災害や新型ウイルスの流行など企業を取り巻く外的要因は日々進化しています。そういった変化の多い時代に企業が長く企業運営を続けていくためには、変化に迅速に対応していく事が重要です。最近では経営や組織運営を行う中で迅速な対応力という意味を持っており、情報化社会の中で多様な変化に対応していくためのカギになっているアジリティが注目されています。今回はアジリティについて解説していきます。組織を育成する役員の方々は、ぜひ参考にしてみてください。

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アジリティとは

機敏性や軽快さを表す言葉

アジリティとは、機敏性や軽快さを表す言葉です。アジリティはスポーツの世界でよく使われる用語で、アジリティテストとは敏捷性を試すためのテストです。近年では、そのアジリティがビジネスにおいても注目されるようになってきました。ビジネスにおいてのアジリティは、経営や組織運営における敏捷性を表す言葉として活用されています。情報化社会が進みがいてい環境の変化が多い中で、状況の変化に即座に対応することが求められています。

スピードやクイックネスとの違い

アジリティと似た言葉に、スピードやクイックネスがあります。クイックネスは俊敏性と同じ意味を持っており、あらゆる方向へ瞬間的にパワーを伴い素早く動くことが出来る能力と定義されています。スポーツにおいて多くの場面で俊敏性が求められます。アジリティ(敏捷性)は、解釈は一つに限定されていませんが一般的に動作の素早さや巧みさに関する能力です。アジリティとスピードやクイックネスとの違いは、スピードやクイックネスに体を正確にコントロールする能力が加わっている点が異なります。

アジリティが注目される背景

VUCAの時代が到来している

アジリティが注目されているのは、VUCA時代が到来しているからです。アジリティは近年組織を評価する新しい指標として考えられています。グローバル化が進み、IT技術の進歩は目まぐるしく状況変化が激しくなっています。またコロナウイルス流行などにより、ビジネスは益々先行きが不透明な状態です。何が起こるかわからない・将来の予測が立てられないといった状況は、不確かな状況ということができVUCA時代として言い表されることも増えてきました。

アジリティによるメリット

業務効率が上がる

アジリティは、業務効率を上げられるメリットがあります。状況に応じて素早い意思決定を行うことが出来れば、不要な会議や報告を削減することが可能です。そういった無駄を省くことによって、組織全体の生産性を高める事へと繋がっていきます。また適度な権限委譲を行う事で、社員が責任をもって業務に取り組むようになり各社員のアジリティも向上させることが出来ます。それに伴い無駄な報告や書類作成なども減らすことが出来るため、業務効率が高まります。

柔軟な対応が可能になる

アジリティのメリットは、柔軟な対応が脳になる点です。組織全体でアジリティが高い企業では、社員一人一人の判断能力が優れており状況の変化に合わせて常に柔軟な判断を行うことが出来ます。日本では従来から縦割りを行っている企業が一般的でしたが、専門性は高い一方で組織として十分なパフォーマンスを行えないのが課題でした。アジリティを向上させることによって、想定外の事が起きた場合でもノウハウを構築しながら対処することが出来るようになります。

リーダーシップが向上する

リーダーシップが向上するのも、アジリティのメリットです。社員のアジリティを高める事で、社員一人一人の指導力や判断力を高め発揮できる環境が出来上がります。チーム内で上手くコミュニケーションが取れていることは、情報共有がスムーズに行われビジネスを的確に進めていく上で重要です。変化が多い中でも、その変化に対して適切な判断を行い次にすべき行動を瞬時に判断できる力が社員に備わっています。予測できない中で判断していく事で、リーダーシップ能力向上へと繋がります。

アジリティの高い組織の特徴

組織のビジョンが明確である

アジリティの高い組織は、組織のビジョンが明確になっています。アジリティの高い企業では、不確実な時代だからこそ変化が起こるのは当たり前だと考えており組織の目標を達成するための道筋をしっかりと立てています。経営陣だけでなく、チームや社員全員に同じ価値観がしっかりと共有されているため、予期せぬ事態が起きた場合でもビジョンに沿って臨機応変に対応することが可能です。組織のビジョンが無ければ、変化が生じた際に行動指針を持つことが出来ません。

組織内の現状を把握できている

アジリティの高い組織の特徴として、組織内の現状を把握できているという点が挙げられます。変化の多い現代において、的確に行動していくためには冷静に状況を判断できる力が必要です。現時点で自社がどういった状況下にあるのかを、客観的に判断することが出来なければ組織内外で起こることに対処することは出来ません。アジリティの高い企業では経営者から末端社員に至るまでの情報伝達が早く、些細な変化にも対応できる体制が整えられています。

リーダーシップを持つ社員が多い

リーダーシップを持つ社員が多いのも、アジリティの高い組織の特徴です。アジリティの高い企業は、社員がそれぞれ決定力や判断力を持って業務に取り組んでいます。そのため、自然とリーダーシップ能力の高い社員が集まります。一部の社員がアジリティを持っていれば、迅速に対応できるわけではなく誰しもが素早く行動することが出来なければ、アジリティの高い企業として成り立ちません。リーダーシップを持った社員を育成することで、組織内のアジリティがより高くなります。

学習文化がある

アジリティの高い組織には、学習文化が根付いています。変化が多い時代だからこそ、変わりゆく技術やサービスに関しての情報収集を怠ることは出来ません。アジリティの高い企業で働いている社員には、常に情報収集を行う姿勢が身に付いており、変化に合わせて必要な知識やスキルなどの習得を行おうという人が多い傾向にあります。海外に進出している企業では、国内の情報だけでなく海外の情勢に合わせた知識やスキルが必要です。学習文化が根付いていることで、他者との差別化も図れます。

組織のアジリティを向上させるためのポイント

業務のプロセスを見直す

組織のアジリティを向上させるためには、業務プロセスの見直しを行いましょう。創業が長く規模の大きい企業ほど、社内の仕組みや体制を変える事は簡単ではありません。しかしアジリティを高めるには、古い仕組みになっている業務プロセスを見直す必要があります。業務プロセスの見直しなどは時間と労力がかかるため、短期的ではなく長期的な目線で取り組むことが大切です。紙で申請や管理している物を、ITに置き換えるだけでもアジリティは高める事が出来ます。時代の変化に対応できるよう、プロセスの見直しを行いましょう。

経営理念や育成させるスキルを明確にする

組織のアジリティ向上には、経営理念や育成させるスキルを明確にすることが大切です。それぞれの社員が組織の一員として適切な判断を行うためには、経営理念をしっかりと理解しておく必要があります。社員が十分に経営理念を理解していない場合、誤った判断をする可能性もあります。経営理念や行動指針・業務を行う上で必要になるスキルを明確にしておくことで、社員はそれを元にして行動するようになります。社員にアジリティを発揮するための意思決定になる要素は、企業が明示しておかなければなりません。

裁量を与える

組織のアジリティを向上させるためのポイントは、裁量権を与える事です。現場の裁量権が小さい場合、社員は何か変化が起きていたとしても自分で判断して行動することが出来ません。また個人の裁量で進めることの出来る業務の幅が少ないと、仕事を行うスピードが遅くなります。仕事の進むスピードが遅いと、変化が多い現代において対応出来なくなってしまいます。但しただ裁量を与えるだけでなく、失敗しても否定されない空気作りも重要です。失敗を恐れて行動できない社員もいるため、職場の雰囲気も大切です。

情報共有ツールを導入する

情報共有ツールを導入することも、組織のアジリティを向上させるためのポイントです。アジリティの高い企業では、経営陣から末端社員に至るまでの情報共有に時間が掛かりません。その為、組織としてアジリティを高めていくためには情報の一元化と共有が重要です。社内決済システムの導入や、コミュニケーションツールを導入することによって情報共有や業務の手間が大きく軽減され、ワークフローを効率化させることが出来ます。時代の変化に柔軟に対応できる環境整備を行っておきましょう。

アジリティのある組織の事例

ニトリ

ニトリは、アジリティのある経営や人事を実践している企業の一つです。ニトリでは新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言などで外出規制や営業規制がある中、綿密な人事戦略の下で店舗運営を継続していました。その時実施した戦略は、社員に定期的にエンゲージメント調査を行い業務の課題だけでなく個人の想いなどあらゆることの洗い出しを行いました。中には人事への不信感というマイナスな意見もありましたが、真摯に対応を行いました。その結果、状況の変化に迅速に対応しコロナ前と同様のオペレーションを実現しています。

日立製作所

世界有数の総合電機メーカーである日立製作所も、アジリティが高い企業です。日立製作所では社員にサーベイを実施し、それぞれの社員の強みや課題を見つけ意識改革を行えるようにフィードバックを行い、精度の高い人事施策を行っています。企業として社員がアジリティを高く持てるように環境整備や施策を実施していることもあり、コロナ禍で起こった様々な変化にも柔軟に対応できる社員を増やすことに成功しました。日立製作所では、社員のエンゲージメントを高め更なる生産性向上や技術革新などを目指しています。

米ワークデイ

クラウド上で財務や人事ソリューションを提供する米ワークデイもアジリティを実施している企業です。米ワークデイでは、緊急事態宣言が発布される前に経営陣や人事部署から新型コロナウイルスに対しての注意喚起が行われました。その内容は来社時の体温計測や出張制限・衛生管理といった様々なガイダンスです。更に社員に対してサーベイを実施し、臨時ボーナスの支給や特別休暇の設定など様々な支援策を実施しています。働き方が変化しても社員が成果を出せる環境の提供を迅速に行いました。

まとめ

アジリティを持つ組織をつくりVUCAの時代に対応しよう

アジリティが高い企業の特徴や、アジリティを高めるためのポイントなどについて解説しました。ビジネスだけでなく、あらゆる場面において将来の見通しを立てる事は簡単ではありません。短期的にアジリティを高める事は出来ませんが、社員に裁量を与える・業務プロセスの見直しを行うなど出来る事から始めていく事で少しずつアジリティを高めていく事が出来ます。社員がアジリティを持つことで、生産性向上など様々なメリットがあります。アジリティを持つ組織づくりを行い、VUCA時代に対応していきましょう。

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