問題解決におけるプロセスとは?【解決に役立つフレームワークもご紹介します】

記事更新日:2024年01月31日 初回公開日:2024年01月01日

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目まぐるしく状況が変化する市場において、各企業は問題解決することの重要性を深く感じていることでしょう。問題解決には論理的思考と呼ばれるロジカルシンキングなどが注目されていますが、上手く機能している企業は多くないようです。ここでは、問題を認識することから、問題の本質の特定および問題の原因分析など、問題解決には不可欠な要因なども詳しく解説致します。問題解決が上手くいかない原因の多くが、この初期の段階での認識不足から起きているようです。共通の認識を持ち問題解決を考えてみてください。

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ビジネスにおける問題の意味

目標と現状の間のギャップ

ビジネスにおける問題とは、目標と現状の間のギャップのことです。人が物事を捉えるときには、無意識のうちに自分が追い求める理想の状態と現状を照らし合わせ、方向のズレや差異があるときに問題を認識します。ビジネスの場においても同様で、企業としての理想や企業人としての理想と現実を比較することで、ギャップを認識して問題とするのです。また、人が思い描く理想は個々によって異なるため、企業で問題を考えるときには、同じ理想とする目標を共有することが重要になります。

課題との違い

問題と類似した「課題」という言葉がありますが、課題とは問題を解決するために成すべきアクションのことを言います。つまり、目標となる理想と現実のギャップを埋めるために必要なことが課題です。例えば、企業において1日の生産数が500個で市場が求める需要が600個であれば、マイナス100個のギャップが生じ問題と考えます。そして1日の生産数をプラス100個以上と目標を定めるでしょう。このプラス100個以上という目標を具体的に落とし込んだものが課題です。どうすれば100個を増産できるかをアクションプランに設定し課題とします。

問題解決に必要なプロセス

問題を明確にする

問題解決に必要な最も重要となるプロセスは、問題を明確にすることです。問題を明確にするには、理想のあるべき姿とされる目標を明確にしなければいけません。人が思い描く理想とされる目標は、個々によって差が出るため、問題に対する意識の違いが生まれることや、問題と認識しない人さえも存在します。企業において問題を取り上げる際には、共通の目標と現状把握を持ち、企業と社員全員が同じ問題意識を持ち解決に向かうことが重要です。

問題箇所を特定する

問題意識を共有できたら、問題箇所を特定します。実はこの工程が問題解決には非常に重要であり、問題解決の成否を決めるものです。例えば、売り上げ低下を問題にした場合には、その問題を掘り下げて、どこに問題解決に繋がる主要な問題があるかを特定する必要があります。いろんなジャンル別に売り上げ構成比分析などをすることにより、解決すべき課題が浮き彫りになるでしょう。漠然とした問題提起は努力目標にしかならないため、根底にある問題箇所を見定めることが大事です。

原因を分析する

問題箇所を特定したら、問題が「なぜ」起きるのかと原因を分析していきます。問題発生箇所はどこで、いつなぜ起こるのか深掘りしていきましょう。このような作業は問題自体を違った目線から客観的に見ることにも繋がります。新しい発見や見落としていた顧客ニーズなどを見つけることにもつながるため、広範囲での意見を聞き取ることが肝要です。ただし範囲を広げるばかりに、事実の確認をしないまま飛躍した論理のみで原因追及するのは、問題の本質から離れることになり危険ですので、十分に注意しましょう。

解決策を出す

問題箇所を特定し原因の分析が終わったら、いよいよ解決策を考えます。ここまでの過程では複数の問題特定や原因は避け、1つに絞り込むのが最善策です。ただし、解決策は具体的な実行内容であるため、複数のアクションプランを考えていきましょう。ロジックツリーなど、問題解決に有効とされる理論的思考法を用いて細分化していくことで最良の解決策が見つかります。複数の解決策の中から、重複せず観点の違う解決策を現場とも良く協議したうえで選ぶようにしましょう。

解決策を実行する

解決策を実行するために重要なことは、担当メンバーおよびリーダーや、期限を決めることです。通常作業もこなしながら解決策を実行するのであれば、個々の時間や金銭的な負担を軽減することも視野に入れましょう。担当メンバーが複数であれば、グループ内で更に作業を分担して期限までに実行するように具体的な作業を指示します。期限のない実行プランは、柄に描いた餅になることが多く、確実に実行してプラン通りに進行させるためにも期限は必ず定めてください。また、解決策実行後の評価についても、事前に話しておくことで変化に素早く対応できます。

問題解決が上手くいかない理由

プロセスを踏んでいないため

問題解決が上手くいかない理由に最も多いのが、必要なプロセスを踏んでいないことです。前述のように、問題を共通で認識することから始まり、徐々に深掘りしていき解決策を実行するまでには様々な過程を経なければいけません。その中で間違った現状把握や変化するビジネス環境にも気付くことができるのです。どれか一つの段階を飛び越すだけで、全体に歪が出てしまいます。それぞれの段階で話し合い答えを深掘りしていくことが重要であり、問題解決を成功させる鍵になるでしょう。時間に制限もあるでしょうが、急いで答えや結果を出そうと先走ることが上手くいかない最大の原因です。

原因の分析が不十分なため

問題解決が上手くいかない理由の一つに、原因の分析が不十分だということが挙げられます。前述のように問題箇所を特定してから原因分析を行いますが、問題箇所を間違うことも考えられます。間違っていなくとも、他にもっと重要な問題箇所が存在することもあるでしょう。問題箇所の特定とともに原因の分析では、マインドマップなどの思考表現により考えていることが周囲にも理解しやすくなります。真の原因を知るために、十分な話し合いと理解をもって次の段階に移行しましょう。

解決方法の選択肢が少ないため

解決方法の選択肢が少ないことも、問題解決が上手くいかない理由となり得ます。具体的な解決方法が1つや2つでは問題解決に繋がらないことも多くあるでしょう。顧客のニーズや市場は常に変化しており、状況も常に変動しています。その瞬間には効果があったかもしれない解決方法も、手遅れになることも多いものです。解決方法は根拠さえあれば多い程よく、視点を変えた解決方法をいくつか盛り込むと良いでしょう。単独では効果が少なくても、他の解決方法と同時に実施することにより大きな効果が現れることもあります。

検証ができていないため

問題解決策を実施したあとには、しっかりとした検証と分析を行いましょう。一度の対策で成功を収めることは非常に難しいことです。失敗しても検証して新しい解決策を考えることで、問題解決に繋がることは珍しくありません。むしろ、あの手この手を試していくことこそ、真の問題解決であり、企業の在るべき姿と言えます。注意したいのは、検証とは、間違い探しや犯人捜しではありません。どこで間違ったか、もしくは別の選択が最良であったかを問うものであり、次のために前向きに考える最終プロセスです。

問題解決に役立つフレームワーク

MECE

問題解決に役立つフレームワークとして代表的な「MECE」は、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive の頭文字を取って造られた言葉です。「漏れなく、重複のないように」という意味で使われますが、とくにピラミッド型構造での思考をするときに、偏りやダブりが無く公平且つ効率的に役立ちます。同じ職業に就くものは思考回路も似通ってくる傾向があるため、全く別の角度と視点で見ることにより、見えていない部分を指摘して漏れを防ぐ手法です。

ゼロベース思考

新しいことを考えるときに人は拠り所とする場所を見つけたがる傾向がありますが、それでは余計な先入観などが思考を邪魔してしまうでしょう。そのため、全く白紙の状態から考える姿勢のことを「ゼロベース思考」と言います。ただし、無意識のうちにも先入観や思い込みが入り込んでしまうため、いかにして白紙の状態から考えられるかが大きなポイントと言えるでしょう。人間には直観的に判断する思考と、良く吟味して決断する2つの思考が備わっていると言いますが、直観的な思考を抑えてゼロベースで考えることが重要です。

as is/to be分析

as is/to be分析は、目標を明確にするのに大いに役立つ手法です。as is/to be分析とは、「as is:現在の姿」と「to be:あるべき姿」という2つのフレームを使う分析方法になります。現状と目標のギャップを知ることで問題を認識できることは前述の通りです。同様の意味ではありますが、「to be:あるべき姿」は、目標よりも高い理想に近いものになります。まずは、あるべき理想の姿を具体的に書きまとめ、それに対応した現状の姿をまとめましょう。

6W2H分析

6W2H分析とは「When」「Where」「Who」「Whom」「What」「Why」「How」「How much」という8つの要素から分析する手法です。いつ・どこで・だれが・だれに・なにを・なぜ・どうやって・いくらで、というフレームに入力することで問題を整理し、本質を理解できます。ビジネスの基本とも言える分析手法であり、不足している要素を埋めることで簡単に理解できなかった問題や解決方法も分かりやすく見えてきます。個々がやるべきこともハッキリすることから、中小企業から大企業まで満遍なく使われているフレームです。

ロジックツリー分析

ロジックツリー分析は、原因追及などに有効なフレームワークです。大本の問題を分解して要素を書き出しツリー状に繫げていきます。それを繰り返していき、最下層に現れた要素を原因と捉える手法です。ロジカルシンキングの代表とも言えるロジックツリー分析では、問題を深掘りすることで問題の原因や解決策に辿り着くことができます。また、課題やアクションに優先順位をつけやすいのが特徴です。ロジックツリーはたくさんの目的に使える手法ですので、目的をあきらかにして使うようにしましょう。

3C分析

3C分析は、「Customer:顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」の3つの頭文字である「C」から取ったもので、自社の現状を知るために役立ちます。自社を取り巻く顧客のニーズや市場、競合他社の状況、および自社の状態を分析して強味や弱みを明らかにして、問題解決へと導いてくれる手法です。また、3C分析はマーケティング環境分析のフレームワークとも言われるように、自社を取り巻くビジネス環境を知ることで、自社の現状を客観的な視線で理解できます。

まとめ

プロセスを踏んだうえでフレームワークを活用し、問題を解決しよう

自社をはじめ競合他社も多くの問題を抱えていることは間違いありません。ただし、問題として捉えているのか、問題解決に向けて取り組みをすすめているのかは別の話です。問題として認識しているものの問題解決が上手くいっていないことも多く、多くの企業が悩んでいます。問題解決が上手くいかない原因の多くは、解決のためのフレームワークを使いこなせていないことにあるでしょう。使う側が十分な論理的思考を持って一つずつのプロセスを踏んで次のステップに移行し、問題解決に繫げていきましょう。

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