記事更新日:2019年12月19日 | 初回公開日:2019年05月08日
外国人採用・雇用中華圏の主要都市や主要国の中で最も親日度が高いと言われている台湾。台湾人の中には日本語を流暢に話す方が多く存在します。一般的に台湾人は決断力に富むものの、計画性がないとの印象を持つ人もいるのではないでしょうか。しかし、台湾人は真面目に働く人が多く、仕事を処理するスピードがとても速いと言われています。今回は台湾人を採用するにあたって注目すべき台湾人の国民性や特徴、そして採用するメリットやデメリットをお伝えしていきます。中華圏での業務展開を考える際に、台湾人を会社の戦力にしていきたいと考えている採用担当者には必見の内容となっています。台湾人の国民性を理解し、適材適所の人事を行いましょう。
南国に近い気候のせいか、台湾人は皆フレンドリーです。台湾に行くと、道行く人が親切でおおらかな性格であることに驚きます。一方で台湾は様々な文化が混じり合った国であるため、ストレートな表現で主張することが良いことであるとされています。日本人としては、台湾人のストレートな表現に戸惑うかもしれません。しかし、そのストレートな表現は、相手に自分の気持ちを素直に伝えようとしている結果であることをしっかりと認識しておく必要があります。
台湾では、男性よりも女性の方が気が強い国民性であることが知られています。台湾人の女性は、日本人であれば主張することをためらうような場面でも率直に意見を述べてきます。また、自己をしっかり持っている女性が多いため、自分の意見を曲げることをあまりしません。そのため、台湾人女性に対して付き合いづらいとの印象を持つ方が少なくありません。しかし、その率直な主張も悪気を持って行っている訳ではありません。自己を確立し、自分の意見を持っているからこその主張であることを覚えておく必要があります。
台湾は、旧大日本帝国の植民地であった時期に日本の資金でインフラ整備などが行われたため、現在でも親日家が多いことで知られています。台湾人の高齢者の中には流暢な日本語を話す方が数多くいますが、若い人の間でも日本語を学習している方が多く存在しています。また、日本の文化が残っている部分もあるほか、生真面目さなど国民性の面で日本人の気質に通じる部分が多くあります。そのため、その他の国と比較すると、日本の会社文化になじみやすい方が多い国であると言えます。
台湾人は受け取った仕事を真面目に取り組む方が多い国です。とりわけ、作業内容が細かく定められているライン作業などでは、作業手順をしっかりと守り丁寧な仕事を行います。台湾には、台湾積体電路製造や聯華電子など集積回路の大手企業が多く存在します。集積回路の製造には、作業手順を厳守し、一つ一つの仕事を丁寧に行う労働者が必要不可欠です。台湾に集積回路の大手企業が多いのには、与えられた作業内容や手順をしっかりと守る生真面目な国民性が大きく影響しています。
台湾人は物事を即断即決する国民性のため、仕事を処理するスピードがとても速いことで知られています。台湾人は物事の優先順位を付けた後、細かい点を抜きにして大枠を素早く定めて仕事を処理します。一方で、仕事内容の細かい点にまでは目が届かないこともあり、業務の最終結果が事前予定と異なっていたり、後になって計画を見直すことも珍しくありません。日本人から見れば計画性がないとも写り、一長一短のある気質であると言えます。
台湾人は手順や内容が細かく定められた仕事では、処理のスピードが速く、丁寧な仕事を行います。しかし反面、応用を必要とする仕事や新しい分野を開拓する仕事では融通が利かない面があります。台湾人に対して通常とは異なる仕事を依頼した場合、その仕事の本質的な意味などを考えて応用を効かせることがあまりありません。台湾人に新しい仕事を依頼する際には、細かく内容を伝える必要が生じます。そのため、時間的なラーニングコストが掛かりますが、内容を理解さえしてくれれば、素早く仕事を処理してくれるようになります。
台湾人は日本の植民地支配を受けたり、蒋介石政権を受け入れるなど政権が不安定な歴史が多かったことから、国や会社から守られるのではなく、自分の身は自分で守るとの意識を有する人が多い国民です。そのため、会社組織に忠誠を誓うという意識がやや薄く、待遇の良い職場があれば何度も転職を繰り返します。日本とは異なり、終身雇用制が根付いていないことも理由の一つです。しかし、反対に言えば、自分の仕事と思ったものについては、責任感を持って処理します。台湾人と仕事をする際は、彼らの転職に対する考え方を理解しておくことが必要です。
台湾人は日本人と気質が通じる部分があるものの、中華圏の国であるため面子を非常に大事にします。この傾向は中国ほどは強くないものの、日本と比較するとやはり強いと言えます。そのため面接の際に、中国人と同様に台湾人も自分の能力や業務経験を多少誇張して主張することがあります。口頭のみの面接で相手の実際の能力を見極めることは難しいため、相手の資格や経歴など明確に形となっているものを確認することが重要であると言えます。
台湾人は日本人と比較すると、受注した仕事の品質や納期に厳格でない面があり、これは台湾人が物事を即断即決していく気質が別の形で表れたものだと言えます。また一方で、中華圏の国らしく自分の不利益には敏感に反応する面があります。そのため、台湾人を採用する際には、契約内容に注意して利益と不利益を明確化しておく必要があります。台湾人の気質はミスにおおらかであると言えますが、自身のミスにもおおらかな面があるため、この点に関する処遇や待遇を明確化しておくことは重要です。
台湾では、学生から社会人に至るまで、昼寝をする習慣が身についています。2012年に実施された調査では、昼寝をしない人が15%を下回るなど、社会全般にわたって昼寝が習慣として根付いていることが分かります。台湾人は、社会人であっても職場を消灯して昼寝をすることがあります。日本人の会社員の中には、たとえ昼休みであっても昼寝をすることに抵抗を感じる方がいます。そのため、台湾人の生活習慣に対して理解するよう努めることが大切です。
台湾と日本では文化が違うので、性格や考え方の差はあります。しかし、日本人と台湾人はどちらも真面目で働き者という気質を持ちます。同じような気質を持っていることは仕事の指示をするときや、将来台湾人社員の方が上司になって人材を教育することになる際にも重要です。もちろん個人によって違いはありますが、大いにして日本人が一緒に働きやすい人材であると言えるでしょう。
台湾は中華圏の国であるため、国民性として面子を重要視します。そのため、台湾人が自身の人脈などを駆使して行った業務を蔑ろにすると、面子を傷つけられたと感じ、強い抵抗を示します。台湾人はこのような気質を有しているため、採用後もその処遇には注意が必要です。仕事上のミスに対して注意や指導を行う際は、人前で行わず個室で行うなどの配慮が必要です。一方で、きちんとした配慮を行えば日本人と似た気質も有しているため、しっかりとした信頼関係を気付くことが可能です。
台湾人は中華圏の国らしく、国民性として自身の不利益に敏感な面があります。これは約束事、交渉事、契約の場でも同様で、自身の不利益をなるべく回避しようとします。一方で、相手方の不利益に対してはアバウトであったり鈍感な面があります。そのため、採用後に与えた仕事でミスをした場合、そのミスの責任の所在をめぐって、やった、やらないの水掛け論になる可能性があります。雇用関係を結ぶ段階や仕事を依頼する場面では、契約書やメモなどを作成し、明確な形にしておくことが重要です。
台湾人は商人的な気質を有しているため、仕事に対してもいかに楽をして儲けるかを重要視する傾向にあります。反対に日本人は、信頼関係を構築するために利益にならないことも行う傾向にあるため、日本人から見ると台湾人は義理人情に薄いと映る場合があります。しかし、この気質は台湾人が仕事の能率や費用対効果を重視している現れでもあります。台湾人に対しては、日本人と異なる気質を有していますが、ビジネスに対して誠実であるという前提を忘れないようにして付き合うことが大切です。
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