記事更新日:2020年08月17日 | 初回公開日:2020年08月11日
外国人採用・雇用 人事・労務お役立ち情報 採用・求人のトレンド特定技能介護とは、外国人が日本の介護業界で働くための特定技能です。これは2019年4月1日に施行されました。主な目的は企業の生産性向上や人材の確保です。現在、特に人手不足が深刻化している14分野を対象としており、介護職はその1つ。介護職以外ではビルクリーニング業や建設業などが挙げられます。介護業界では今後5年間で最大6万人の受け入れが見込まれています。
特定技能とは、一定の技能及び日本語能力がある者に対するビザです。種類は1号と2号の2種類あります。ある程度の知識や技術を必要とするのが1号。熟練した技術やより専門的な知識が必要なのは2号です。2号の方が高いレベルを求められると言えるでしょう。さらに、1号と2号では対象となる業務が違うため注意しましょう。介護職は1号に分類され、建設や造船は2号に分類されています。
特定技能以外にも3種類の介護ビザがあるのはご存じでしょうか。1つ目がEPAです。EPAはインドネシアとフィリピン、さらにベトナムの3か国で結ばれており経済的な連携の強化を目的としています。日本の在留期間は4年です。しかし、2年以上の養成施設での就学と3年以上の介護施設研修を経て、国家資格に合格すると介護福祉士として日本の滞在が認められています。
在留資格介護も介護ビザの1つです。これは専門的な知識や技術を持つ外国人を受け入れるため、2017年から導入されました。主な流れとしては、まず留学の在留資格を利用し2年以上介護福祉養成学校で学びます。その後国家試験を受験し合格した場合、介護の在留資格を取得することが出来ます。在留期間の制限がなく、何度でも更新できる点が介護の在留資格の魅力と言えるでしょう。
また、介護ビザの1つとして技能実習が挙げられます。資格は1号から3号に分かれており、1年目が1号です。1号終了時に受ける試験に合格すると2号に進むことができ、さらに1年から2年の在留が可能に。さらに試験に合格すると、3号に進むことが出来ます。しかし技能実習は国際協力を目的としており、労働力確保が目的ではありません。事前に理解した上で雇用しましょう。
介護業界は少子高齢化による人手不足が深刻化しています。2018年時点での65歳以上の人口は全体の約28%でした。2017年が27%であったことから、今後高齢者の数は増加していくと予想できるでしょう。さらに2025年には、37万人の介護職の人手不足が予想されています。介護業界に限らず多くの業界が人手不足問題を抱えています。介護人材を確保することはますます困難になると言えるでしょう。
給与の低さによる離職も介護業界が抱える問題の1つです。介護のニーズが高まり、民間企業も介護サービスを提供できるようになりました。しかし資金に余裕がない企業では、予算を人件費に割けないという事も少なくありません。そのため、給与が労働力の割に合わず辞めてしまうケースが増えてきています。給与問題は、多くの企業が解決すべき問題の1つと言えるでしょう。
介護業界と言えば、3Kのネガティブイメージを想像される方も多いのではないでしょうか。3Kとは「きつい」「汚い」「危険」を表しています。最近では、「暗い」「臭い」を合わせた5Kで表現されることも多いです。介護は食事補助から排泄介助等の大変な仕事も多いため、ネガティブな印象を抱いてしまうのも無理はありません。このようなイメージが介護業界の人手不足をさらに深刻化させていると言えるでしょう。
特定技能介護の目的の1つとして、介護業界の人手不足を解消することが挙げられるでしょう。先ほども述べたように、少子高齢化による介護職の人手不足問題は深刻化しています。その状況を改善してくれるのが特定技能の介護です。現在、特定技能介護を有する外国人労働者の受け入れ見込みは6万人とされています。日本の介護業界にとって、外国人労働者は必要不可欠な存在であると言えるでしょう。
即戦力となる人材が必要であることも特定技能介護の目的の1つと言えるでしょう。特定技能介護は、介護に関する一定の知識や技術があれば取得することが可能です。そのため、即戦力としての活躍が期待できるでしょう。また、特定技能介護を取得し日本で働く外国人労働者の多くは若者が占めています。若く活気があるため職場が活性化され雰囲気も明るくなるでしょう。
特定技能介護の業務内容の1つとして、身体の介助が挙げられます。具体的には食事補助や排せつの介助、または利用者の心身の状況に応じた入浴などの業務が挙げられます。また、機能訓練の補助やレクリエーションの実施なども特定技能介護の業務内容と言えるでしょう。一方で訪問介護など、利用者宅を訪問する介護サービスは業務対象外とされているため注意が必要です。
特定技能介護の主な業務内容は身体の介助ですが、その他の関連業務に関しても従事が認められています。具体的な業務としては、物品の補充やお知らせなどの掲示物の管理が挙げられます。物品管理などを外国人労働者に任せることで1人当たりの負担は解消されるでしょう。しかし、主な業務は身体介助です。これらの関連業務のみ従事することは認められていないため理解しておきましょう。
安全衛生業務も特定技能介護の業務内容の1つと言えるでしょう。具体的には事故防止のための教育や安全衛生に関する教育が該当します。さらに、福祉用具の使用方法の確認や点検、緊急時の対応なども業務内容に含まれています。これらは、トラブルを未然に防止する、またトラブルが起きても迅速に対応するために必要な業務です。これらの特定技能の業務内容を理解した上で雇用しましょう。
特定技能介護の要件としては、介護技能評価試験の合格者であることが挙げられます。これは、受験者の介護業務に関する能力や考え方を判断し、介護業務を一定程度実践できるレベルであるか見極める試験です。技能試験は、現地で実施されるため日本語で受験する必要はありません。介護技能評価試験は2019年4月から開始され、フィリピンではすでに試験が実施されています。
介護日本語評価試験の合格者であることも、特定技能介護取得に必要な要件の1つと言えるでしょう。これは、介護現場で業務を行うのに支障がない日本語レベルであるかを測る試験です。さらに、すべての業種に共通した日本語能力テストも受験しなければいけません。介護の特定技能を取得するためには、この2つの試験に合格しなければいけないことを理解しておきましょう。
すべての業種に共通する日本語試験に関しては、日本語能力テストの代わりに日本語能力試験N4以上の合格も認められています。N4以上に合格すると、生活に支障がない程度の日常会話が出来ることが証明されます。またこのテストは国外約80ヵ国で行われており、2017年には2回実施されました。一方で日本語能力テストは年6回開催されています。テスト形式も少々異なるため自身に合った試験を受験すると良いでしょう。
続いて、特定技能介護の資格取得に必要な介護技能評価試験の内容についてご紹介します。試験時間は60分。学科試験は40問で構成されています。主に、介護の基本問題から生活支援の技術に関する問題、さらにコミュニケーション技術の問題が含まれています。その他にも5問の実技試験を受験しなければいけません。受験手数料は1000円程度と比較的リーズナブルな価格です。
介護技能評価試験は総合得点の60%以上の点数で合格となります。フィリピンで行われた介護技能評価試験の結果によると、第1回目の合格率が83%。第2回と第3回の合格率がそれぞれ41%と38%でした。1回目から徐々に合格率が下がっており、試験の難易度が高くなっていると言えるでしょう。合格率が下がっている分、時間をかけてきちんと対策をする必要があるでしょう。
一方、介護日本語評価試験は全15問で構成されています。具体的な内容としては介護のことばや介護の声掛け、介護の文書などが挙げられます。実際の業務で必要となる会話を中心に出題されていると言えるでしょう。試験時間は30分。1問2分以内で素早く解く事が合格のカギと言えるでしょう。このテストは、コンピューターベースドテスティングという方法で実施されます。
介護日本語評価試験は介護技能評価試験と同様、全体の60%以上の得点で合格です。2019年にフィリピンで実施された試験の結果を見てみると、第1回の合格率が85%。第2回と第3回の合格率はそれぞれ36%と24%でした。その後第4回で45%、第5回で52%と合格率は上がっていますが、全体的に初期のころに比べて試験が難化していると言えるでしょう。
特定技能介護を取得している外国人の採用方法の1つとして、求人サイトから採用する方法があります。オススメの求人サイトとしてe-careが挙げられるでしょう。e-careでは、求人を検索する際に介護福祉士などの資格を選択することが可能です。そのため、資格保持者や実務経験者を効率よく採用することが出来るでしょう。即戦力して活躍できる人材を求める方にオススメです。
特定技能サーチも特定技能介護を有する外国人の採用にオススメです。特定技能サーチは特定技能1号の試験に合格した人、または特定技能の対象職種で技能実習を終了した人に特化した求人サイトです。e-careと同様、効率的に求める人材を採用することが出来るでしょう。また採用以外にも、ビザ申請のサポートや入社後の生活支援などのサポートも充実しているため初心者でも安心して利用できます。
今回は特定技能の介護についてご紹介しました。これは介護業界の人手不足の解消、また即戦力となる人材を確保するために導入されました。主な業務内容は、身体介助や物品の補充などの関連業務が挙げられます。人手を確保したい介護業界にとって特定技能は必要不可欠です。この機会に特定技能介護の資格取得者を採用してみてはいかがでしょうか。
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