新卒採用の選考チュートリアル【選考フロー設計・基準・注意点】

記事更新日:2019年03月15日 初回公開日:2018年12月13日

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 近年、企業間の新卒採用競争は激しくなってきています。新卒採用を成功させるためには新卒採用選考のノウハウを確立することが重要です。そこで本記事では、新卒採用のノウハウ確立に役立つ基本的知識から選考時の注意点、選考活動に役立つサービス、企業のユニークな選考活動まで選考活動に関する情報を広範囲にわたって紹介したいと思います。新卒採用のノウハウが無くて困っている方はぜひ参考にしてみてください。

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新卒採用の選考を始めるには?

① 新卒採用で求める人財像(人財要件)の決定

 新卒採用選考活動を始める際に、まずは企業が求める必要な人財像を決定する必要があります。この人財像を軸に選考活動を行うことでブレない選考活動を行うことができるようになるでしょう。
 求める人財像を決定する方法には、過去の選考活動の資料を参考にする、経営陣、現場のリーダー、活躍している社員にヒアリングを行うなどの方法があります。企業が求める人財像を決定すると、選考時に必要である評価項目や評価基準も明確化しやすくなります。

② 評価項目の選定

 選考の評価項目を選定することで、効率的に求める人財像を採用することができます。評価項目は、求める人財像をもとにリストを作成し、その中から取捨選択して決定すると良いでしょう。
 企業が良く使用する主な評価項目として「知識、理解力、判断力、表現力、リーダーシップ、協調性」などが挙げられます。また、グローバル化に伴って「英語力、異文化理解力、環境適応能力」などを評価項目に含める企業もあります。

③ 評価基準の明確化

 評価項目をもとに学生を評価する際にはその評価項目の基準を設ける必要があります。この基準は評価項目ごとの能力の高低を公正に判断するために必要不可欠です。基準の決め方はどういった経験や資格、また行動特性があればその評価項目の能力が高いと判断するのかを突き詰めて具体化すると良いでしょう。
 求める人財像、評価項目、評価基準を採用に関係する社員にしっかりと共有しておくことで、同じ尺度で公正に選考を行うことができます。そうすることで、ブレることなく選考活動が実施できるため、企業が本当に求める人財の採用に繋がります。

新卒採用の選考方法とその特徴は?

 新卒採用にあたっての選考には様々な方法がとられています。その中で一般的に使用されている選考方法と、その特徴をご紹介します。

広報活動

 新卒採用選考で母集団を形成するために必要なプロセスが広報活動です。効果的な広報活動を行うことで企業に興味や関心を持つ学生を集めることで、大きな母集団形成を行うことができます。母集団が大きければ大きいほど優秀な学生の採用を行うことが可能になります。

就活サイト

 学生は就活サイトの求人をチェックし情報を集めます。企業側は就活サイトに求人掲載料を払うことで、企業の募集要項やイベント情報を掲載することができます。
 主な就活サイトとして、マイナビ、リクナビ、キャリタスが挙げられますが、企業の規模などの属性を考慮した就活サイトを使用することが効率の良い母集団形成へとつながるでしょう。例えば、大企業には太刀打ちできないと考える中小企業であれば、中小企業に特化している就活サイトを使用するなどの方法があります。

会社説明会

 会社説明会とは企業の情報を学生に伝えるイベントです。会社説明会には様々な種類があり、企業に直接学生を呼んで行うものや、ほかの企業と合同で行う合同会社説明会などあります。いずれのタイプでも、学生の印象に残り、この会社で働きたいと思えるような魅力的なプレゼンをすることが重要といえます。

SNS

 学生のスマートフォン普及率は約98%と非常に高いため、SNSを利用して企業の広報活動を行う会社もあるようです。一例を挙げると、Facebookで企業のページを作成しそのページにインタビューや企業を紹介する動画をアップロードすることで企業のイメージアップを図っている企業もあります。

書類選考

 学生が企業に応募する際に応募の意思表明として企業は学生にエントリーシートを書いてもらいます。
 エントリーシートとは、学生が選考を受けたい企業に応募する際に書く書類です。エントリーシートは各企業が学生に答えて欲しい独自の質問を設定できるというメリットがあります。
 エントリーシートには、「大学名、部活動(サークル)、取得している資格」などの自己紹介のような内容から「成功体験を教えてください」「他人には負けない自分の一番の強みはなんですか」「重要なものを達成するためにとったリスクはなんですか」「あなたはどんな人ですか」などと応募者の本質を見極めるための質問項目があります。
 このようにエントリーシートの項目を求める人財像かどうか特定しやすい質問にすることで企業に必要な人財かどうかを評価をすることができます。

適性検査

 適性検査を行うことで社会人に必要な能力を持っているか、企業で活躍できるかを見極めることができます。

学力テスト

 学力試験を学生に受けてもらうことで、企業は学生が社会人としての基礎的な能力を持っているかどうかを判断することができます。社会人に必要な能力には大きく分けて「一般常識」「学力」「専門知識」の3つがあります。
 一般常識を測るテストでは、教養に関する問題や学生がどの程度時事問題に関心があるかなどを測る問題が多い傾向にあります。学力を測るテストでは、国語、数学、英語の基礎的な能力を測る問題、専門知識のテストでは基礎的な専門知識を測る問題が多いです。いずれのテストも難解な問題を解けるかどうかではなく、基礎的な知識がどれだけあるかを測るテストを実施する場合が殆どのようです。 

性格テスト

 適性検査で性格テストを採用する企業もあります。性格テストとは受験者の質問の回答によって性格を診断する心理テストです。性格テストによって、企業で活躍できる学生が持つ傾向があるかどうかなど診断することができます。
 適性検査として主に使用されるサービスは、SPI3、玉手箱III、GAB、CAB、TG-WEBです。これらのサービスは検査の結果を統計的に分析できます。客観的なデータを取得できるため、合格結果の裏付けとして使用することができます。また、選考にかける時間を短縮することができるというメリットもあります。

テスト名特徴
SPI学力、性格特性、組織適応能力が測れる、コスト効率が高い
玉手箱知的能力、パーソナリティで診断する、低価格
GABパーソナリティに比重をかけた適性検査、英語での受験も可能なため外国人採用の際にも利用可能
CABSEやプログラマーなどの採用に特化した適性検査、理系能力の把握
TG-WEB知的能力を測る、難解な問題が多い、はんだんりょくと推理力を問う
DPI面接では見抜けない職場適合性を判断、対人関係能力と意欲の診断/td>
V-CATストレス耐性の診断、メンタルヘルスの評価

小論文

 企業の中には学生に小論文を提出させる企業もあります。小論文を見ることでその学生の文章力や、説明能力、論理的思考、客観的思考ができるのかどうかが分かります。そういった能力を判断基準として採用したい企業は小論文を課すようです。

面接試験

 面接試験は学生を企業に呼び対面で会話する選考です。直接的に学生を見ることができるため、雰囲気や言動など書類選考ではわからない要素を見ることができます。

個人面接

 個人面接とは、学生を直接一人ずつ面接する面接形態です。個人面接は学生一人にかけられる時間が長いため、様々な質問を学生にすることができます。学生の答えで気になった部分を深堀する質問もできるため、学生を深く知ることができるというメリットがあります。

集団面接

 集団面接とは、学生複数人を直接一度に面接する面接形態です。個人面接と比較すると一人にかけられる時間は少ないですが、多くの応募者がおり、時間が限られている場合は効率的に面接をすることができます。また複数の応募者を比較しながら評価することができるというメリットもあります。

プレゼンテーション面接 

 プレゼンテーション面接とは、企業が事前に与えるテーマに沿って学生にプレゼンテーションを行ってもらい、それを評価する面接形態です。
 よく企業が使うテーマには「自己PR、学生時代頑張ったこと、長所・短所、入社したら何をしたいか」といったものがあります。
 プレゼンテーション面接では学生の限られた時間で情報を分かりやすく伝えられる能力、論理的思考力、人間性などを見ることができます。

グループディスカッション

 グループディスカッションとは複数人の学生でグループをつくり、そのグループごとに与えられた課題に対する結論を出してもらうグループワークです。
 グループディスカッションでは、学生は司会者、書記、タイムキーパーといった役割を決め話し合いを進めていきます。こういった過程で学生の積極性や協調性、コミュニケーション能力、論理的思考力などを見ることができます。
 グループディスカッションのテーマは、企業が所属する業界に関連するものや時事問題に関連するものなど様々です。

現在行われている新卒の選考フローは?

標準選考フロー

 上の図は、標準的に使用される選考フローです。学生は説明会を経て選考を受けるため企業に対する理解がしっかりと深まっています。また、この選考は数か月ほどかかるため学生の企業に対する納得度も高くなる傾向があります。

説明会と適性検査を同時に行う選考フロー

 こちらの選考フローは説明会と適性検査を同時に実施する選考一体型の選考フローです。標準選考フローと比較するとステップ数が1つ少ないため、応募から内定までがスピーディに行うことができます。
 説明会と同時に適性検査を行う際に適性検査で良い結果を出すことができる学生は適性検査の対策を事前にしてきている学生である傾向が高いといえます。そのため適性検査の結果を見ることで真面目に就職活動をしているかどうか判断することができます。

適性検査を先に行う選考フロー

 こちらの選考フローは、説明会の開催の前に適性検査を実施するタイプの選考フローです。応募してくる学生が大量にいる場合、学生にまず適性検査を受検してもらうことで、人数の調整をすることができます。人気業界や人気企業に有効な選考フローといえるでしょう。

選考フローはどうやって設計すればいいの?

採用の課題を明確にする

 前節では新卒採用のために行われている一般的な選考フローをご紹介しました。では選考フローはどのように設計されているのでしょうか? 
 選考フローを設計する際に重要になってくるのは、企業が置かれている状況に応じて設計することです。その際に、企業が持つ採用課題を明確にすることで良い選考フローの設計ができます。
 以下に課題ごとの選考フロー設計例をご紹介します。

課題例① 選考活動にコストがかけられない

 人員的にも、金銭的にも選考活動にあまりコストがかけられない場合、選考フローを短くすることでコストを抑えることができます。また、選考時期を採用力がある企業の採用時期からずらすなど工夫をすることで効果的な選考活動を行うことができるでしょう。

課題例② 母集団形成が困難

 企業が設定している採用目標人数に対して新卒のエントリーが少ないという課題がある場合で考えてみます。
 この場合の選考フローを設計する際に考えられる解決策は、「学生が企業のことを深く知ってもらうための説明会を多めに開催する」や「学生に負荷のかかるエントリーシートや面接などを無くしたり、軽めにする」などがあります。

新卒採用の選考プロセスにおける注意点は?

学事日程への配慮

 学生の本業は学業であるため企業が選考活動でのスケジュールを決定する際、学生の学事日程を十分に考慮する必要があります。日本経団連では「採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確保に協力し大学等の学事日程を尊重する」と訴えています。
 選考のための筆記試験や面接などの日時を決める時は、学生と相談し決定するなどの配慮を行うと良いでしょう。

面接での不適切な質問

 企業に応募した学生にとって会社の顔になる面接官は、面接の際に適切な質問で学生を公正に評価しなければなりません。不適切な質問によって学生を不快にさせてしまうことは、今後の企業の人気度や今後の選考活動にも悪影響になる可能性を高めてしまいます。
 不適切な質問になりえる質問を以下にご紹介します。

本籍に関する質問

 本籍に関する質問は、公正な選考から同和関係者や在日韓国人、朝鮮人を排除してしまうことに繋がりかねるため控えましょう。

住居、家族構成、資産に関する質問

 住居や家族構成、資産に関する質問は、応募者の能力や適性とは直接関係がありません。そのため、これらの質問は偏見に繋がる可能性があるため適切とは言えません。

思想、宗教、支持する政党に関する質問

 思想、宗教、支持する政党を選ぶ権利は基本的人権で守られています。そのためこれらに関する質問をして、その答えを採用の参考にすることは基本的人権を侵すことになるため不適切な質問と言えます。

性差別に繋がる質問

結婚、出産しても働けるかどうかや結婚の予定があるかどうかなどの質問は、男女雇用機会均等法に反する質問となります。

個人情報の取り扱い

 選考活動を進めると学生の個人情報を多く取得することになります。この個人情報の取り扱いは職業安定法の第5条の4で規定されています。また、厚生労働省では「募集内容の的確な表示等に関する指針」として以下のような留意点を挙げています。
・個人情報は本人から直接収集しなければならない。
・個人情報の保管、使用は収集目的の範囲に限らなければならない
・個人情報を適切に管理しなければならない
・個人情報は他人に知られないように管理しなければならない

新卒採用の選考活動の際に便利なサービスは?

採用代行サービス(RPO)

 学生一人一人と向き合い選考活動を行うには時間と労力がかかります。またそれに付随する大量の業務に追われることもあります。限られたリソースで選考活動を効率よく行うために使用されるサービスが採用代行サービス(Recruitment Process Outsourcing)です。
 採用代行サービスは、その企業の人事にしかできない業務以外の業務を請け負ってくれます。例えば、学生のエントリー対応や、合否連絡、電話連絡などです。
 また、それ以外にも採用のノウハウが無い企業向けのサービスもあります。例えば、採用に必要な広告などの作成、募集計画の立案、選考官のトレーニングなどを提供してくれます。

採用管理システム(ATS)

 採用管理システム(Applicant Tracking System)とは応募から採用までを一元管理することができるシステムです。採用管理室手無二は、進捗管理機能や、応募者とのコミュニケーションを手軽にしてくれるサービスなど様々なものがあります。
 応募者が多く、応募者の管理が大変な場合、母集団を増やしたい場合、採用の質を向上したい場合など、採用管理システムを導入すると採用管理を効率的に行うことができます。

実際に行われているユニークな新卒選考方法とは?

日本一短いエントリーシート

 新卒採用のエントリーシートは一般的なものであれば、志望動機などの情報を記載しなければいけませんが、三幸製菓は日本で一番短いエントリーシートを使用しています。
 内容は「おせんべいは好き?」「ニイガタで働ける?」「あなたの連絡先(メールアドレス)を心を込めて入力してください」という質問にWeb上で答えるといったものです。

人狼採用

 サーチフィールドは、新卒採用選考で人狼ゲームを採用しました。大学生と社員がリラックスして一緒にコミュニケーションを取りながら人狼をプレイするといった内容です。人狼の勝者が採用されるわけではないようです。

卒論採用

 チームラボはエントリーシート、適性検査、面接を一切しない採用を行いました。学生が応募するのに必要なのは、氏名、連絡先、卒論のみです。学生が一生懸命作成した卒論のみで学生の適性を評価するようです。

エイプリルフール採用

 カヤックは嘘の履歴書を受け付ける採用を実施しました。履歴書は2013年4月1日限定で受け付けました。カヤックは嘘をつくのも才能と考え選考を行い、面白い嘘をついた2名を書類審査通過にしました。

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