家族滞在ビザから就労ビザへ変更する方法と注意点【必要書類や条件】

記事更新日:2020年06月03日 初回公開日:2019年10月09日

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家族滞在のビザを持って日本に在留する外国人が、家庭の事情や離婚を機に就労ビザに変更するといった場合ですが、その際に注意しなければいけない点をまとめました。

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家族滞在とは何か

 家族滞在とは、配偶者等に扶養されて日本に在留することを目的としている方たちが持っているビザです。この家族滞在ビザを持っている方の配偶者(または親)は、必ず日本で就労ビザを持って働いているということを意味しており、そして家族滞在で在留している外国人は、資格外活動許可を取得すれば週28時間以内であればアルバイトをすることも可能です。企業側としてこの家族滞在者の方を雇用する際の注意点は、まず週28時間以内の勤務でなければならないという点です。詳しくは後述しますが、この管理を行ってしまうと罪に問われてしまう場合もございます。
さらに、家族滞在ビザは就労ビザを持つ外国人と結婚している必要がありますが、この結婚とは事実婚では認められていなく法律婚である必要がありますので、仮に家族滞在ビザを持つ外国人が私たちは事実婚ですと言っていたら、そのビザの取得方法に疑いが出てきますのでご注意ください。

家族滞在から就労ビザに変更する

 家族滞在ビザの外国人はアルバイトはできるものの、週28時間以内という時間制限があります。企業としてはフルタイムで働いてほしいと思っても、家族滞在ビザのままであるとフルタイムで働くことはできません。フルタイムで働いてもらうには、ビザを就労ビザに変更する必要があり、この変更は通常の就労ビザを取得する内容と条件は一緒になります。一般的な条件は、大卒(学士取得済)で行う業務内容が反復的に行って覚えられるような仕事(単純労働)でないことです。この一般的な就労ビザは基本的に、「学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的技術又は知識を必要とする活動」を条件としていますが、この中の専門的技術には現場労働などの体を動かす仕事は原則含まれません。
一般的な就労ビザでは該当しなさそうな業種の場合には、「特定技能」または「技能実習」という就労ビザであれば可能性はあるのですが、「技能実習」に関しては家族滞在ビザからの変更は難しいので、「特定技能」ビザを検討されるのがよいかと思います。この特定技能ビザは、下記14業種に絞られてはいますが、先ほど説明した一般的な就労ビザでは認められていなかった現場労働も認められております。

【特定技能対象14業種】
①介護
②ビルクリーニング
③素形材産業
④産業機械製造
⑤電気・電子情報関連産業
⑥建設
⑦造船・舶用工業
⑧自動車整備
⑨航空
⑩宿泊
⑪農業
⑫漁業
⑬飲食料品製造業
⑭外食業

家族滞在者を雇う際の注意点

 家族滞在者を企業が雇用する際の注意点は、先ほど説明もした「勤務時間の管理」です。入管は現在、この週28時間の労働時間を守っているかを厳しく見ています。仮にルールを守らず働いていた(オーバーワーク)ことが判明した場合には、この方のビザの更新はできなくなり、一度ビザを切らして帰国して再度ビザを取り直して来日する手続きを取らなければいけなくなります。近年このオーバーワークをしている外国人が急増し、入管はこのオーバーワークの件数を減らすために銀行口座情報など細かな資料提出まで求めてきております。このオーバーワークは外国人本人だけの問題ではなく、オーバーワークの疑いがあると判断されてしまうと、雇用していた企業側も入管からチェックを受け、何人もオーバーワーク者を出すと実態調査部門により調査に入られる可能性が出てき最悪の場合には不法就労罪などの罪に問われてしまうことも考えられますので、企業側としても外国人の労働時間の管理に気を配るようにしてください。

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この記事を書いた人

塩野 豪

(しおの ごう)

行政書士塩野豪事務所の代表。
外国人ビザ(在留資格)の専門家として活動し、フィリピンやカナダなど外国との繋がりも強い。
人材紹介会社の外部顧問としても活動している。

HP:行政書士法人フォワード
ビザプロ

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