記事更新日:2020年06月05日 | 初回公開日:2019年09月05日
外国人採用・雇用 外国人留学生の採用 人事・労務お役立ち情報オーストラリア人というと、なんとなく白人をイメージする人が多いのではないでしょうか。国旗を見ていただければわかるように、オーストラリアは世界に53カ国(イギリスを含む)ある英国連邦の中の一国なので、「白人の国」というイメージを持つ人が多くても不思議ではありません。しかし、実際にはオーストラリア人の4分の1以上は外国生まれと言わていて、移民大国そして多民族国家として、さまざまな人種がここで生活しています。
広い国土に恵まれているからなのか、オーストラリア人は一般的にイージーゴーイング。のんびりとマイペースに人生を満喫する人が多いようです。もちろんビジネスシーンでは、TPOをわきまえた服装をするのが良いマナーとされています。しかしプライベートでは、年齢や性別に関わらず、かなりくだけた格好をしている人が多いという印象。人の目を気にせず、自分が心地よくいられればそれでいいというコンセプトのようです。
欧米諸国では、自分の意見はきちんと伝えるのが一般的と言えますが、オーストラリア人もご多分に漏れず、はっきりと自己主張できることが美徳とされています。子供の頃から親や先生から指導されているため、授業中もどんどん手を挙げて自分の意見を発表します。その上、プレゼンテーションやディベートなどのクラスを通じて、はっきり自己主張することを学ぶ。オーストラリア人は、はっきり自己主張ができるよう訓練されて社会人になると言えます。
オーストラリア人は、労働環境がフレキシブルであることを重要視します。働きながら大学や大学院などで継続的に勉強して、スキルアップをはかるという人。時間にゆとりのある子育てをしたいという人。それぞれの生活に合わせて、フレキシブルに勤務時間を調整できるという労働環境は、もはやオーストラリア人にとって当たり前のことです。毎年長期の有給休暇を取得して家族とのんびりする時間を作るという人も多く、プライベートを充実させることに重きを置く国民と言えるでしょう。
日本では「昼休み」=ランチを食べる時間と考えている人が多いのではないでしょうか。オーストラリア人の昼休みは、仕事の合間に好きなことをする時間と考えられているようです。もちろん友人とランチタイムに落ち合って食事をすることもあります。でも、自分一人で過ごすランチタイムなら、与えられた1時間はジョギングしたり、夕食の買い物をして、ランチはランチタイムが終わって職場に戻ってから、机でささっと済ませるというのも、ごく普通に見る光景です。
オーストラリア人は、「フェア・ゴー」という言葉が大好きです。この言葉、誰にでも平等に成功するチャンスがあるという意味で使われます。オーストラリア人は、「平等でありたい。」「平等であるべきだ。」という気持ちが強い。国民のほとんどが、このフェア・ゴー精神は国の価値観として重要だと考えているのだとか。人々がこの考え方を大切にする背景には、長くイギリスの統治下にあったことや、多民族国家であることが影響しているのかもしれません。
オーストラリア人はとにかくマイペース。授業開始後15分間は遅刻とみなされないという学校も多いと聞きます。バスや電車などは時間通りに来ない、また突然運休になるのはごく当たり前。仕事においても納期を守らなかったり、ミーティングに遅れたりするのは日常茶飯事。日本人は時間に正確な国民だとよく言われます。チームの一員となるオーストラリア人が、日本人の時間の感覚を持ち合わせているかどうか、採用する前にしっかり見極める必要があります。
日本の法定労働時間は基本週40時間。それに比べてオーストラリアの法定労働時間は週38時間です。日本人は、仕事量が多ければ残業してでも提出期限を守るのが当然。残業するのが当たり前とする風潮がありますよね。オーストラリア人は、残業はせずに勤務時間終了と同時に家族の待つ家路へと急ぐのが一般的。仕事帰りに同僚と一杯ということもほとんどありません。自国とは大きく異なる日本の労働環境に馴染めるかどうかが、採用決定の要件であることは言うまでもありませんよね。
オーストラリア人は、採用時に提示された職務内容に沿った仕事をするのが一般的です。しかし、どこの職場にも職務内容には載っていない、さまざまな雑務がありますよね。日本だと、「雑務は新入りに任せる」ということが多いのではないでしょうか。オーストラリアではたとえ新人であったとしても、納得がいかなければはっきり断ります。「コピー機のトナー交換は私の仕事じゃない。」「この仕事をやるだけのお給料をもらっていない。」と、はっきり自分の思いを口にします。どんな仕事に対しても協力的な姿勢を見せてくれる人材であれば、チームの一員として受け入れやすいのではないでしょうか。
移民の受け入れ数は世界9位というオーストラリアでは、英語を外国語として学んだというオーストラリア人も多いのが現状です。移民や留学生など、ネイティブスピーカー以外の人が話す英語に日常的に接しているので、英語を母語としない人、または外国人の話す英語に馴れ親しみ、完璧な英語でなくとも寛容に受け止めてくれます。オーストラリア人を採用したら、「英語が苦手」という社員にも積極的にコミュニケーションをはかってもらい、英語を学ぶモチベーションを向上させる手がかりにして欲しいところです。
オーストラリア人は、たとえ他の人と考え方が異なる場合でも、はっきりと自分の意見を周りに伝えます。もちろん一般的なものと違う意見が出た時には、その場の雰囲気が悪くなることもあります。しかし、さまざまな意見を交わすことで、思いもよらなかった名案に恵まれたり、たくさんの意見を集約したりすることによって、危機管理が徹底するという場合も。オーストラリア人はフレンドリーな人が多いということもあり、意見交換がしやすいと思われます。
どこの国でも外国人が滞在するためにはビザが必要です。もちろん日本に滞在する外国人も、日本に入国する前にビザを取得しておくことが必須。オーストラリアはワーキングホリデーの協定国になっているため、18歳以上30歳未満のオーストラリア国籍を有する人であれば、1年間は日本に滞在し就労できます。ただしこのビザは滞在の延長は認められていないので、継続して雇用したい場合には、在留期限が切れる3ヶ月くらい前までに就労ビザ申請の手続きを開始する必要があります。もちろん経験や必要とされるスキルのある人であれば、最初から就労ビザの申請も可能。職種によって滞在可能な期間などが異なるので、それぞれの企業や団体の雇用形態にあったビザを保持しているかどうかが重要です。
オーストラリアの労働環境は、非常にフレキシブル。就職希望者は、採用が内定してから勤務時間や勤務地などについて交渉を始めるケースが多くみられます。すでにこのような事例に柔軟に対応している企業であれば、なんら問題はないでしょう。しかしシフト制だったり、フレキシブルな勤務時間を認めていなかったりという企業の場合は、面接の段階で自社の就労規定を申請者に説明して、理解を得ることが重要です。内定してからお互いに「こんなはずではなかった。」と感じたのでは、互いに対する不信感が生まれるのではないでしょうか。
オーストラリアでは、履歴者などの申請書類に「推薦者(Referee)」を2、3人推挙するのが一般的です。最終選考まで残った申請者については、推薦者と電話やスカイプを通じてインタビューを実施することをお勧めします。申請者と実際に働いた経験のある人から、申請者の人柄や社内での評判、実績などについてを確認。自分が面接で得た印象が正しいのかどうかを確かめるチャンス。また申請者についての追加情報を得る機会でもあります。通訳を介してでも実施する価値があるのではないでしょうか。
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