採用単価の相場はどのくらい?【職種別の相場や計算方法について解説します】

記事更新日:2022年10月20日 初回公開日:2022年10月20日

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少子高齢化等の影響により人材不足が問題となっており、人材不足により採用コストは上昇傾向にあります。より良い人材を採用するためには、ある程度コストをかける必要がありますが、採用コストが企業の運営に支障をきたしては本末転倒になりかねません。自社の採用活動の現状をしっかりと把握するためにも、一人当たりの採用にかかっている採用単価を計算し、削減できるよう行動することが大切です。採用単価がかさむ理由や削減方法について解説していきますので、企業の採用担当の方は是非参考にしてみてください。

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採用単価とは

会社が1人を雇うのにかかる費用

採用単価とは、会社が一人を雇うのにかかる費用です。求人広告を利用した際の「掲載費」や、人材紹介を利用して採用した際の「成功報酬」だけでなく面接の会場費や筆記試験の試験代等も含まれます。その年の景気によって、労働の需要バランスは変動します。その為、労働のバランスにより買い手市場になってしまうと採用コストも増やさざるを得ず採用単価も高くなってしまいます。採用が容易に行えれば採用単価は掛かりませんが、スムーズに採用が出来ない場合は時間や手間が増えてしまうためコストをかけなければいけません。

採用単価の相場は年々上昇している

採用単価の相場は年々上昇しています。有効求人倍率は年々増加しており、新型コロナウィルスの影響を受けていた2020年以降も、新卒採用・中途採用共に1.5倍以上の水準を保っていて売り手市場が続いています。求人倍率が高い時には、求職者がより良い求人を自分で選ぶことが出来る為人材確保することは容易ではありません。その際に応募が集まらない企業は、求人掲載サイトを増やすなど様々な手段をとる必要があり、採用コストを多く使わなければなりません。

新卒採用は約72万円

就職みらい研究所が2019年に調査した所、新卒1人を採用する単価は平均して約72万円です。平均すると72万円ですが、企業規模によってかかる費用は異なっており従業員5000人以上の大企業は約60万円であるのに対して、300人未満の中小企業は約66万円です。大企業の方がTVCM等採用にコストがかかっていそうですが、大企業は知名度や福利厚生がしっかりしているため費用をかけなくても応募者が集まる傾向にあります。2020年の調査では約94万円と増加しており、新卒1人を採用することが容易ではないことが分かります。

中途採用は約82万円

中途社員を採用するためには、一人当たり約82万円かかります。新卒採用よりも中途採用を行う方が、一人当たりの採用コストは高くなっています。新卒採用よりもコストがかかっている要因として、新卒採用は決まった期間に集中して行いますが中途採用は時期が決まっていないことが考えられます。ニーズが発生する度に、採用活動を行いコストの効率化を図ることが簡単ではありません。また中途採用の場合は、採用担当だけではなく一緒に働く現場社員等が同席して選考を行うこともあり、採用コストが高くなる傾向にあります。

アルバイトは約5万円

アルバイトを雇用する為の採用単価も、約5万円ほどかかります。アルバイトを採用するのはそこまでコストがかからないように思えますが、2009年には採用単価が約3万円で採用出来ていました。3万円で採用出来ていたにも関わらず、株式会社ツナグ・ソリューションの調べによると4年経った2013年には約1.7倍に増加しています。アルバイトの採用単価は、採用する予定の地域や職種によっても差が生まれます。人気な職種であれば採用単価は安く済みますが、警備や介護等大変なイメージを持たれている職種では採用単価が10万円にもなってしまうこともあります。

採用単価の計算方法

採用コスト総額÷採用人数

採用単価の計算方法は、採用コスト総額から採用人数を割ると算出できます。採用活動において、どれだけ有料サービスを利用し選考ステップをどの程度設けるか等によって採用コストは変動します。また採用したい人数によっても、必要になってくる費用は異なります。正確な採用単価を調べるためには、新卒採用・中途採用・アルバイトやパート採用それぞれ分けて計算する必要があります。その年により採用単価は変動するため、自社の採用単価が適切なのか全国の相場と比較しながら確認を行いましょう。

採用単価の内訳

内部コスト

採用単価には内部コストがあります。内部コストとは、採用にかかる社内業務で発生するコストのことです。具体的には、面接官や人事担当者の人件費・面接会場までの交通費や内定者研修や懇親会費などが対象となります。他にも、内定者の交通費や引っ越し費用・リファラル採用を行っている場合には紹介料等様々な内部コストが発生します。「説明会を実施しても人数が少なかった」「内定を出したけど辞退されたため再募集が必要になった」等の場合は採用工数がさらにかかるため、内部コストがかさんでしまいます。

外部コスト

外部コストも採用単価にかかる費用です。外部コストは、採用活動で外部に支払うコストです。求人広告の掲載料や、人材紹介サービス料・会社案内などのパンフレット作製費等様々な費用がかかります。他にも説明会会場利用費や、PR動画などを外部に作成依頼している場合製作費なども外部コストとして計上します。外部コストは内部コストに比べて、一つ一つにかかる費用が高額です。採用コストの削減を行いたい場合は、外部コストから見直すと効果は大きくなりますが、慎重な判断が必要です。

採用単価がかさむ理由

必要な人材の市場価値が高い

採用単価がかさむ理由は、必要な人材の市場価値が高いことが原因です。即戦力として高いスキルを持った人材を採用したいと考えている場合、採用単価は高くなりがちです。人材不足はどの企業にも当てはまります。即戦力となりえる人材は、能力に見合った年収が必要です。また、高いスキルを持っている人材は市場価値がありあらゆる企業からのニーズもあります。その為採用するのは容易ではなく、採用活動が長期化します。人材紹介を利用して採用出来たとしても、紹介料が年収に比例するため採用単価は高くなります。

求人媒体の過剰掲載

採用単価は、求人媒体に過剰掲載を行っている場合にも高くなります。より沢山の人材を確保するために、「応募者がどの求人媒体から応募してくるか分からない」と考え色々な求人媒体に求人を出しているという方も多いのではないでしょうか。使用している求人媒体が多ければ多いほど、その分採用単価は高くなります。沢山の求人媒体に掲載していて、それでも応募が集まらず求人掲載が長期にわたっている場合はコストが無駄にかかってしまっているため注意が必要です。

採用ツールの過剰導入

採用ツールを過剰に導入している場合にも、採用単価がかさみます。採用ツールとは、採用活動を効率化させるために活用する求人サイトや求人広告、採用システムなどがあります。採用活動を効率化できる手段ではありますが、導入した際にその効果をしっかりと把握せずに翌年も同じ方法をとっていると効率が悪くなっている場合があります。引継ぎがしっかりと行われておらず、知らない場合に料金を支払っていたということもあります。慣例として昔からの方法を維持しているツールでも、費用対効果が低い場合は見直しを行い効率よく採用ツールを活用しましょう。

採用単価の削減方法

広告内容を見直す

採用単価を削減する方法として、広告内容を見直す方法があります。新卒採用・中途採用問わず、採用にかかるコストの大部分を占めているのが広告掲載費です。広告掲載費を削減することが出来れば、採用単価も減らすことが可能です。広告内容の見直しは、「訴求したいポイントを詰め込み過ぎない」「写真を工夫する」「仕事内容がイメージしやすい表現にする」等様々なポイントがあります。広告内容を改めて確認し自社の採用するターゲットに合わせたメディアを活用することで、採用の効果も高まります。

オウンドメディアリクルーティングを活用する

オウンドメディアリクルーティングを活用するのも、採用単価を削減できる方法です。有料の求人サイトを利用する場合、広告掲載料がかかりますが自社のサイトや採用ページを活用することによってコスト削減が出来ます。総務省の調べによると、新入社員の約9割が採用活動の際に企業のホームページを参考にしたというデータもあります。その為、自社の採用サイトやホームページがない場合は応募されないかもしれません。自社内で完結できるのでコストもかからず、オウンドメディアを活用することは新卒採用を行う上ではとても重要です。

リファラル採用を活用する

採用単価はリファラル採用を活用することで削減することが出来ます。リファラル採用とは、社内従業員の友人・知人を紹介して貰う採用方法です。社内のことを良く知っている従業員から、人柄等を知っている友人や知人を紹介して貰うことによって企業とのミスマッチを防ぐことが可能です。リファラル採用では求人などを出す必要がない為、外部コストを抑えることが出来ます。紹介されて採用になった場合は、紹介してくれた社員に紹介料としてインセンティブを払う必要がありますが、通常よりもコストをかけずに採用を行えます。

ダイレクトリクルーティングを活用する

ダイレクトリクルーティングを活用するのも、採用単価を減らす方法の一つです。ダイレクトリクルーティングとは、従来の採用方法を取らず企業が直接候補者にアプローチをう方法です。ダイレクトリクルーティングはサービスの活用や、InstagramやTwitter等を活用してピンポイントでスカウトを行うため効率がよく応募者の入社意欲も高められます。専用のサービスを使って行う場合、コストはかかりますが求人媒体等を利用する時と比べ3割ほどで済みます。サービスによって料金や登録者数が異なる為、自社に合ったサービスを利用しましょう。

採用単価削減に成功した事例

株式会社八百鮮

株式会社八百鮮は、TwitterとWantedlyを利用することで年間1000万程かかっていた採用コストを年間300万円まで削減に成功しました。Wantedlyとは月額使用料を支払えばスカウトやストーリーというブログ機能を活用することが出来、条件だけでは動かない優秀な人材にアプローチできるビジネスSNSです。TwitterとWantedlyを使用することで、八百鮮がターゲットにしていた20代からの共感を集めることに成功しました。Wantedlyのストーリーに注力したことで、面接前の志望度を高められるよう工夫をし半年で12名の採用を実現させました。

パスクリエイト株式会社

パスクリエイト株式会社は、採用では人材紹介に依存をしていましたがそこから脱却することで、採用コストを約89%削減することに成功しました。パスクリエイトは妊活や育活での独自ブランドの商品販売やオウンドメディア運用を行っています。優秀な人材を確保するために、人材紹介会社に年間で600万円程支払っていました。そこからリファラル採用やWantedlyを活用し、能動的な採用活動にシフトしたのです。業務内容や働く環境の情報提供などをきめ細かに行ったことで10名の採用を成功させました。マッチング度も90%と高く、採用コスト削減だけでなく採用の質も上がりました。

まとめ

採用単価を下げて低コストで優れた人材を獲得しましょう

採用単価について解説しました。人材不足の為、年々採用コストは増加していますが採用コストをかけた分だけ人材を雇用できる保証はありません。昔とは異なり今の求職者は、ワークライフバランスや働く環境などを大事にしている事を理解しながら求職者に合った採用方法を取る必要があります。採用した人材を定着させることが出来れば、採用コストの削減にも繋がります。採用単価を削減するためにも、何にいくら使っているかを把握することが重要です。低コストで自社に合った人材を獲得しましょう。

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