記事更新日:2021年09月16日 | 初回公開日:2021年02月24日
用語集 外国人採用・雇用 グローバル用語解説 人事・労務お役立ち情報企業における人材育成とは、会社の経営理念の実現に貢献できる人材を育てること。単に、仕事ができる社員を育成するということではなく、主体性を持ち、自立した大人としての「ヒューマンスキルの向上」を主軸に置くものです。会社の将来的な姿を見据え、その時々において必要となる人材が持つべき能力を発揮できるよう「自社の目標」とリンクさせる必要があります。これによって組織の業績向上させつつ、社員の働きがい向上も目指せるのです。
人材育成の準備としては、まず人材育成のニーズ・課題を整理し、担当者からヒアリングするなどして現場の課題をすくい上げます。また組織構成員の能力評価すなわちスキルマップが作成してあれば、より効果的に現状分析が進みます。次に経営者の経営方針など将来的に自社のありたい姿を把握しましょう。このようなプロセスを踏むことで、研修で習得する知識と職場で得られる経験などが相乗効果を発揮する体系的な仕組みが構築できます。
人材育成の目的は、効果的かつ効率的に企業の経営資源である「人材」を活用して競争力を向上させ、企業の利益を最大化することです。その目的を達成するために必要なことも明確になります。例えば、次世代リーダーの育成が目的の場合、次世代リーダー候補者に求められる要件の定義や候補者選抜が必要です。選抜された対象者に研修を実施する際は、次世代リーダー候補者としての意識付けと、研修の目的を伝えることで、施策の効果が高まります。
人材育成上、もっとも一般的に用いられている方法が、「On the Job Trainig」、すなわちOJTでしょう。業務の実践を通じて実施する教育法です。「百聞は一見に如かず」というように、現場で学ぶ事は有効な方法です。受身的な講義形式の教育と異なり、インプットしたらすぐにそれを実践でアウトプットするので、仕事の方法が身に付きやすいと言えます。ただし効果的な教育方法にするには、マニュアル整備が大切です。
eラーニングは、おもにインターネットを利用した学習形態のこと。従来の集合研修と比較すると、eラーニングでは、まずインストラクターと受講者が、同じ場所に長時間いる必要はありません。また受講者の進捗情報などは、すべて人間が行う必要はないのです。これにより、時間とコストが大幅に削減されます。人材育成に用いられるeラーニングとしては、発信者がWEB上に学習プログラムを用意して、オンラインで受講者に届けます。
ジョブローテーションとは、社員の能力開発を目的に、人材育成計画に基づいて行われる戦略的な異動のこと。「戦略的人事異動」や「計画的人事異動」と言い換えることができます。同じ部署内で業務・職務内容を変更するケースばかりでなく、部署をまたいだ異動となるケース、勤務地が変更になるケースもあります。過半数の企業がジョブローテーションを取り入れており、正社員規模が大きいほど、その割合が高くなっているようです。
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う対話のことです。1on1は、たいていの場合、週に1回、最低でも月に1回実施されます。ただし上司が報告を求め、指摘するような「管理のための時間」ではありません。部下の現状や悩みに寄り添いながら部下の能力を引き出す「部下の育成のための時間」なのです。そのため1on1が終わったあとに、部下が上司と「話してよかった」と思えれば、このミーティングは成功と言えます。
OFF-JTとは「Off the Job Traning」の略称です。業務の実践以外に人材育成のために用意された教育の場、つまり研修のこと。代表的な例としては、新卒者研修、管理職研修などがあるでしょう。その他に、専門的な知識が求められる職場では、スキルアップ研修や、キャリアプランニング支援研修などがあります。会社がスキルマップ管理を導入していれば、年に1ないし2度程度スキル評価を加えた研修もあります。
自己啓発とは、社員個人が学習する内容を決めて、自発的に受ける教育研修方法のことです。職務上、必要と判断される場合や、個人のキャリア構築のための資格取得を目的として受講する方法などがあります。自己啓発のメリットは、主体的にスキルアップを目指す人のニーズに合い、自由時間を活用して実施できること。デメリットには、自主参加の場合、活用する上で強制力がない場合、受ける人と受けない人のばらつきが出やすい点などがあります。
メンター制度とは、経験の浅い新入社員や若手社員に対して、豊富な知識と実務経験のある「他部署」や「年齢の近い」先輩社員がサポートをおこなう制度のことを指します。仕事にまつわる悩みの解消やキャリア開発など、幅広いサポートをおこなうことで個人の成長を支援します。メンターから指導を受ける新入社員のことを「メンティ」と呼びます。また、メンターがメンティに対しておこなう指導法のことを「メンタリング」といいます。
人材育成の進め方ですが、研修対象となる社員や、テーマ別の研修内容、実施方法を検討します。こうして体系化された社員一人ひとりの成長に合わせて学習、体験できる枠組みを作り、階層別に実施するのが一般的でしょう。まず新入社員の場合は、会社員としての基礎的な振る舞いを習得させるところから始まりますが、この手法には多くのマニュアルがあるといえます。そのうえで、その企業特有の方針を教育し、さらに配属先の専門性の高い分野の基礎的なレベルの教育へと進んでいきます。
次に一般社員ですが、入社後ある程度の経験を積んだ層に対しては、社内の中間層・現場の若手にヒアリングして、今すぐに解決すべき課題を把握するのも効果的です。また、その課題が教育で解消できるかどうかも検討し、現場の個々人が「自らの状況」を正確に把握できていないことも課題とした軌道修正をいれます。その上でさらに配属部署毎のスキルアップを目指す教育プログラムを入れていきます。こうして各人の個別課題クリアと、さらなる目標達成に向けてスキルアップを図るのです。
管理職ともなると、他者からのアドバイスを受ける機会は少ないでしょう。そのような点においても現状把握を曖昧にさせず、明確にしていきます。経営者に話を聞くことも重要です。経営者は社内の中間層や現場の若手とは異なったスキル・意識を管理職に求めていることも多く、人材育成担当者はそのニーズに対応しなければなりません。管理職層は、実践エキスパートからマネジメント層に進んだ自覚を持つ研修を受けることで、より効果的にマネジメントスキルを向上させることができます。
人材育成のメリットは、まず受講者の意欲の向上です。効果的に編成された人材育成のカリキュラムは、受講者が知識的にポテンシャルを自覚でき、OJTなどの実践で、その効果を確かめることができるように組まれています。受講者側の立場に立ち、社員の職務知識の充実と、その応用力を自覚できるようになれば、社員の意欲は自然に向上していくものです。こうして体系化された社員一人ひとりの成長に合わせて学習、体験できる枠組みが、効果的な人材育成へとつながるのです。
人材育成法の全てが、各社員に効果的というわけではなく、各手法への社員の適性によって、効果は分かれます。能動的な学習に適性がある社員、受動的な学習に適性を発揮する社員などさまざまです。複数の人材育成法を提供することで、受講者は自分に合った教育の効果を自覚でき、個人のスキルアップが見込めるのです。会社側では複数の方法を提供するには、コスト的な負担はかかりますが、社員のスキルアップはコスト以上の利益を生むことを検証して、人材育成に取り組みましょう。
ここまで見てきたように人材育成法には複数の手法があり、その各々にメリット、デメリットがあります。例えばOJTでは、実践力を短期間で高められますが、トレーナーへの負担は大きく、トレーナースキルへの依存度は大きいといえます。集合研修やeラーニングはやり方次第で講師側の負担は減るとしても、受身的な手法であり、効果は受講者の集中力に依存するといえます。OJTに加えて集合研修やeラーニングと併用するなどの工夫によって、人材育成法はバランスが取れてきます。
会社の目標達成には、社員のスキルアップは重要であり、それこそが人材育成の目的なのですが、従来、社員教育は厳しさが付きまとうものでした。しかし、厳しすぎると社員のモチベーションを下げてしまいます。正しい人材育成法は、自分のスキル向上が自覚でき、会社との関係性の問題も解消できて、モチベーションをあげるものでなくては意味がありません。会社から社員へのストレートな要求ではなく、自発的に自らを向上させようとする方向に向かわせるように編成すべきでしょう。
会社は、社員に対してより有能で、会社の目標達成に貢献できる人材であることを求めます。しかし、その実現のための人材育成には工夫が必要です。人材育成は、会社から社員への一方的なスキルアップ要求とイメージされがちと言えます。受講することによって社員が自らその研修の効果に気づき、日常抱える問題も解消でき、さらなるスキルアップに意欲を燃やす工夫が必要なのです。受講者側の立場に立った人材育成を行い、業績向上と社員のモチベーションアップに活用してみましょう。
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