経営理念を浸透させるには?【理念浸透のステップや成功事例についても解説します】

記事更新日:2024年01月16日 初回公開日:2024年01月15日

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コロナウイルスなど企業を取り巻く環境があらゆる変化をしている中で、長期的な利益を生み出し社会から必要とされる企業運営を行っていくには、組織一丸が欠かせません。様々なバックグラウンドを持った人が働いている昨今で、社員全員が同じ方向を向いて業務を行うために経営理念は必要不可欠です。理念が明確で社員に浸透している企業は、リモートワークになっていても組織力を失う事はありません。今回は経営理念の浸透について解説していきます。経営層の人たちは参考にしてみてください。

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経営理念とは

経営を行う上で経営者が大切にしている考え方

経営理念とは、経営を行う上で経営者が大切にしている考えです。経営理念は、大手や有名企業に必要なもので従業員が少ない中小企業の経営層の人たちの中には、必要ないのではないかと考えている人もいます。経営理念は、企業を経営していく中でどういった未来を目指しているのか・その未来を実現するために何をするのかを社内外に伝える物です。経営理念は他にも企業の姿勢や社員の行動指針を示す役割も担っているため、企業規模に関わらず設定することが大切です。

経営理念を浸透させるべき理由

企業の成長に欠かせない

経営理念を浸透させるべき理由は、企業の成長に欠かせないためです。経営理念は企業の考え方を具体的に表しており、社員の行動指針の元にもなるものです。経営理念を元にして社員が業務を行う事で、企業を成長させる原動力になります。また社内への影響だけでなく、社外に経営理念を発信することで取引先や顧客からの理解や共感を得る事も出来ます。経営理念を社内外に浸透させることで、企業の在り方や仕事の指針になるだけでなく企業として社会でどうあるかを示すことに繋がります。

社員が一体感を持てる

経営理念は浸透させることで、社員が一体感を持つことが出来ます。経営理念が浸透している企業では、社員は会社から求められている行動を自然と意識して行動するようになります。また社員が経営理念を元に行動して同じ方向を向くことで、生産性を高めるための組織内のチームワークも高める事が可能です。経営理念がきちんと全員に共有されていると、組織全体に同じ価値観を持ちゴールに向かって進む仲間という意識が形成されてチームワークも高めることにも繋がります。

社員の自主的な行動を促すことができる

社員の自主的な行動を促すことが出来るのも、経営理念を浸透させるべき理由です。経営理念がしっかりと定まっている企業は、企業活動の方向性が決まっているため業務でも理念に基づいた行動を取ることが出来ます。社員が企業から何を求められているのかをしっかりと理解が可能です。そのため現場で迅速に判断を行う必要がある場面が出てきたとしても上司の判断を待たず、的確な行動を取ることが出来ます。経営理念は社員に自主性を持たせるためにも大切です。

経営理念の浸透状況

浸透していないと考える企業が過半数を占めている

経営理念の浸透状況は、理念が浸透していないと考えている企業が過半数を占めています。経営理念は企業が成長し従業員の自主性を促すためにも重要な物です。しかしあまり浸透していないと感じている企業が殆どです。HR総合調査研究所の調べによると、企業理念がしっかりと浸透していると回答した企業は全体の6%程度でした。やや浸透していると回答した企業も36%と少なく、全体の半分以下になっています。このことからも経営理念を設定していても、浸透していないと感じている企業が多いのが現実です。

経営理念が浸透しない理由

理念を定めただけで経営層が満足している

経営理念が浸透しない理由は、理念を定めただけで経営層が満足しているからです。経営理念は設定しただけでは社員に浸透していく事はありません。定めた理念を社員に浸透するためには、工夫や施策が必要です。工夫や施策をしないままでは、社員に認知されることなく理念の存在を知られることもないままになってしまいます。自社のHPに掲載して社外に向けて発信していても、働いている社員に浸透していなければ意味がありません。認知してもらえる工夫が大切です。

内容が抽象的で社員に理解されない

経営理念が浸透していないのは、内容が抽象的で社員に理解されていない事が考えられます。経営理念は企業の方向や社員の行動指針になるものであるため、具体的である必要があります。具体性がなく抽象的な表現ばかりで構成されている経営理念は不明瞭になり、行動に簡単に移せなくなります。経営理念は企業の歴史や考えを簡潔にまとめるため、抽象的な表現になってしまいがちです。しかし抽象的な表現は自社の強みとしては弱いため、なるべく具体的な物を設定しましょう。

時代の変化に合った内容になっていない

経営理念は時代の変化に合った内容になっていないと、浸透していきません。創業から長い歴史を持っている企業は、創業当時に設定した経営理念のままになっている可能性が高いため時代に合っていない事が考えられます。IT化が進みグローバル化など変化が多い現在において、古い理念のままでは時代に合わなくなっています。精神論などをベースとした経営理念は、働き方改革が求められている今とは合わず社員に浸透しにくくなってしまいます。

理念が作られた背景が社員に理解されていない

理念が作られた背景が社員に理解されていない場合も、経営理念は浸透しません。経営理念があること自体は社員が把握していても、意味や背景などを理解できていなければ社員に浸透していく事はありません。作っただけにしないためにも、社員には経営理念が示す方向や必要な行動などをしっかり理解してもらう必要があります。創業当時から在籍している社員に浸透していても、入社が浅い社員は当時の想いや方向性などを知らないため浸透しにくくなっています。

経営理念を浸透させるまでのステップ

経営層が理念を策定する

経営理念を浸透させるには、経営層が理念を策定しましょう。経営理念は企業の方向性などを決める大切な指標です。そのため、外部に頼んだりするのではなく経営層が自分たちの言葉で理念を策定することが重要です。理念を策定するには、自社が社会に提供している価値をしっかりと把握し5年後・10年後の未来のビジョンを織り込む必要があります。理念は社外にも明示する機会が多いため、社内に向けてだけでなく社会にどう貢献していくのも織り込んでおきましょう。

社員に伝えて理念を意識してもらう

経営理念を策定したら、社員に伝えて理念を意識してもらい浸透させていきましょう。企業理念は1度伝えただけでは理解してもらう事は出来ません。社員に何度も伝え、社員の目に触れる場所に掲示するなど工夫が必要です。理念を意識してもらうために、社内報や掲示板への記載だけでなく部署やチーム内で影響力のある人材を選び伝えてもらうという方法も効果的です。理念と自分たちが行っている業務を紐づけることが出来れば、社員の共感を得やすくなります。

理念に沿った行動を促す

経営理念を浸透させるためには、理念に沿った行動を促すことが大切です。理念に沿った行動を社員にしてもらうためには、企業としての理想像を社内全体の共通意識として認識してもらう必要があります。営業や接客などにおいても、業態や提供しているサービスによって方法が異なるため価値観を一定化していなければ人によって差が出てきてしまいます。理念に対しての誤解や誤認を防ぐためにも、企業として求めている姿を細かく設定しておくことが大切です。

習慣を根付かせる

習慣を根付かせることも、経営理念を浸透させるために重要なステップです。理念に沿った行動を促し、社員からの理解を得られた場合はそれらの言動を根付かせることが重要です。理念が定着した社員は、細かい指示を行わずとも主体的に理念に沿った行動を取ることが出来るようになります。更に社員が理念に対して理解し共感意識を持つことで、社員同士のコミュニケーションが活性化します。社員の言動が企業の価値を高め、課題解決や生産性の向上にも繋がっていきます。

経営理念の浸透に成功している企業

スターバックス

経営理念の浸透に成功しているのは、スターバックスです。スターバックスでは、全てのお客様に最高の体験を提供するために「Our Mission and Values」という行動指針を定めています。これにより、約3万人のスタッフの内殆どがアルバイトですが質の高い接客を提供出来ています。離職率の高い飲食業界ですが、スターバックスではアルバイトであっても70~80時間の教育時間を設けミッションを十分に理解してもらう事が出来ています。そのため、理念を実現しようと業務に取り組むスタッフばかりです。

オリエンタルランド

経営理念をしっかりと社員に浸透させている企業は、オリエンタルランドです。ディズニーランドで有名なオリエンタルランドでは、1.S(安全)2.C(礼儀正しさ)3.S(ショー)4.E(効率)という優先順位を付け行動指針にしています。オリエンタルランドでは経営理念を浸透させるために、経験年数問わず誰が実行しても同じ結果を生むマニュアルを提供しています。その結果として「スタンダード以上を10割とする」組織づくりに繋がっています。

株式会社スタメン

経営理念浸透を行えているのは株式会社スタメンです。スタメンではエンゲージメントを「会社と従業員、および従業員同士の信頼関係」と定義づけを行っています。「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」という経営理念を現実のものにするために、スタメンでは会社が発信するすべてのメッセージを理念に基づいて発信を行っています。理念を実現するために会社が一貫性のあるメッセージを発信し続ける事によって、何のために行っているのか社員の理解を得られます。

インバウンドテクノロジー

インバウンドテクノロジーも経営理念の浸透に成功しています。インバウンドテクノロジーは働きがいランキング入りを果たしたこともある、多国籍な社員が在籍している会社です。インバウンドテクノロジーでは社員それぞれがミッションの体現を果たせるような仕組みづくりを行っています。朝礼で代表のメッセージを伝え、社員が理念に親しみやすい環境を作っています。また多国籍な社員が在籍していることから、様々な壁を超えるため口頭での確認を徹底しています。

まとめ

経営理念を浸透させて企業の成長に繋げよう

経営理念を浸透させるべき理由や、浸透し辛い理由について解説しました。経営理念は企業の強みを伸ばし、会社として成長し続けるために欠かせない考え方です。しかし経営理念を策定すれば勝手に浸透していく訳ではありません。経営理念を社員に浸透させるためには、様々な工夫や施策が必要です。完全に浸透するまで時間が掛かりますが、経営理念が社員に浸透するとエンゲージメント向上や離職率の低下などメリットがあります。経営理念を浸透させて、企業の成長に繋げていきましょう。

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