プリスクールや幼稚園における英語教育を徹底解説!【メリット・デメリット】

記事更新日:2020年06月06日 初回公開日:2017年09月11日

グローバル用語解説 日本の英語教育
幼稚園小学校英語を用いた教育が導入されています。母国語の日本語と並行して教育を進めるのでバイリンガルになりやすい側面がある代わりに母国語の習熟がおろそかになるという指摘もあります。今回はそんな幼稚園での英語教育についてメリット・デメリットを紹介します。また、近年注目を集めるプリスクールについてもご説明いたします。

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幼稚園から英語を学ぶメリット

 近年私立幼稚園を中心に幼稚園での英語教育が拡大しつつあります。幼稚園の差別化という性質も帯びていますが、ニーズとして外国語教育を早期の段階から実施したい家庭が増えていると考えてもよいでしょう。

「こうした英語教育の低年齢化が顕著に表れているのが私立幼稚園です。ベネッセ教育総合研究所の調べによりますと、英語教育を取り入れている割合は、平成19年度に47.6%だったのが昨年度58%まで上昇。初めて半数を超えました。」

(NHKより引用)

 では、具体的なメリットとしてはどのようなものがあるのか見てみましょう。

(1)英語の習熟度の加速

 幼年期から英語と関わることによって英語に触れる時間が長くなるので、中等教育や高騰教育から英語を学ぶ人よりも英語を早く習熟することができます。アメリカ合衆国国務省付属機関「Foreign Service Institute」によれば、英語と言語構造がかけ離れている日本人にとって英語は学びにくく、ドイツ語・フランス語話者に比べて約4倍の学習時間がかかると言われています。

【参考】Foreign Service Institute:「外国語の研修成果と学習時間に関する資料」(1973年)
Group1:英語と似た言語(ドイツ語、フランス語等)→480時間
Group2:英語とやや異なる言語(ギリシャ語、ヒンズー語等)→720時間
Group3:英語とかなり異なる言語(ロシア語、トルコ語等)→1320時間
Group4:英語と全く異なる言語(日本語、中国語、朝鮮語、アラビア語)→2400時間~2760時間

よって、早期から英語に慣れ親しめば親しむほど、上達度が向上すると言えるでしょう。

(2)多様性、異文化への寛容性・理解

 早期から英語に触れることによって、母語とは違う環境に身を置くことになります。これによって、子供の頃から知らず知らずのうちに形成される、外国への差別意識や異文化への恐れを軽減させることができます。そのため、多文化教育を売りにしている幼稚園も存在します。

【参考】コスモグローバルキッズ幼稚園ホームページ

(3)英語認知力やリスニング力の向上

「就学前幼児の英語力に関する実態調査報告」(東京工科大学調査 2010年)で幼稚園児への就学前の英語教育によって英語に対する認知度が高まっているという結果が出ています。言語脳や認識力が固定されてしまう前に英語に慣れ親しむことによって英語への認識力を高めることができます。

【参考:調査結果】
「・就学前の3年間、自宅で学習用通信教材を使って英語学習した子どもたちの英語力は、単語とアルファベットの大文字の音声リスニングによる認知力の面で優れている。」(前出調査より抜粋)

幼稚園から英語を学ぶデメリット

 しかし、幼稚園から英語を学ぶにしてもメリットばかりではありません。メリットの反面、デメリットも存在するのです。具体的なデメリットを見てみましょう。

(1)日本語・日本文化の未習熟

 英語力を高めることができる反面、我々の母語である日本語に触れる時間が短くなってしまうことも事実です。英語、日本語、どちらの言語も不十分なまま卒業する危険性があります。特に日本語能力が不十分だと、小学校に入ってからの学習についていけなくなり、その後の学力の伸び悩みにもつながります。無計画な学習計画や無目的なアクションはこうした事態を招きかねません。

(2)日本の常識からの逸脱

 いわゆるインターナショナルスクールやプリスクールといった英語のみで育った子供にとって、一般の公立小学校・中学校は慣習やものの考え方がかけ離れて感じられます。そのため浮いた存在になり、そのままいじめにつながる可能性もあります。

プリスクールとは?幼稚園や保育園との違い

 矢野経済研究所の「語学ビジネス市場に関する調査結果 2015」によると、プリスクール市場の規模は、2013年度298億円、2014年度310億円、2015年度350億円と拡大傾向にあります。国際バカロレアに注目が集まる今、プリスクールの数はさらに増えていくでしょう。

そもそもプリスクールって?

 プリスクールとは、英語で保育・教育をしている保育園や幼稚園を指します。1つのクラスを日本人保育士と英語ネイティブ講師の2人で担当するのが一般的ですが、英語の比重により以下のタイプに分けられます。

①オール・イングリッシュ型:入園から卒園まで、すべて英語で保育するプリスクール
②バイリンガル型:日本語保育と英語保育の時間があるプリスクール
③日本語から英語へと移行していくタイプ:学年が上がるにつれて日本語保育から英語のみの保育へと移行するプリスクール

どのタイプのプリスクールを選ぶかは、将来どのレベルの英語を習得させたいかによって変わってくるでしょう。
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英語教育に力を入れる幼稚園や保育園との違いは?

①カリキュラム内容
多くの幼稚園や保育園は、週に数回英語ネイティブ講師を招き、歌やダンスを通して英語に触れています。学ぶというよりも、小学校での英語教育に向けて英語の楽しさを伝えることを重視しているようです。一方、プリスクールではライティングやフォニックスなど実践的な英語も学ぶことができます。またバレエや料理の時間もあり、バラエティ豊かなカリキュラムも魅力です。

②講師の免許の有無
保育園や幼稚園ではそれぞれ保育士、幼稚園教諭の免許取得が義務付けられています。一方、プリスクールでは保育士には免許必須ですが、講師に対しては明確な採用基準はありません。各園によって、4年制大学卒業や海外留学経験や英検の資格取得など採用基準は様々ですが、共通してネイティブ並の英語力が求められます。またプリスクールは法律上、学校教育法(幼稚園)と児童福祉法(保育園)のどちらにも当てはまらないため、認可外保育園が多いというのも特徴の一つです。


参考:矢野経済研究所「語学ビジネス市場に関する調査結果 2015」https://www.yano.co.jp/press/press.php/001415

卒園後も英語力は保てるのか

プリスクールに通っている間は毎日触れる英語ですが、卒園後も変わらず英語力を維持できるのでしょうか?もちろん、まったく英語に触れないと子供は忘れていってしまいます。プリスクールを卒園させた親御さんは以下のような対策をしています。

インターナショナルスクールやイマ―ジョン教育の学校に通う

卒園後も日常的に英語を使う環境で生活することができます。しかし、子供のうちは母国語である日本語も学ぶ必要があるため、日本語がわからない状態で通ってしまうと、どちらも中途半端な「セミリンガル」(2つの言語のどちらでも日常会話はできるものの、抽象的な内容を伝達したり理解したりできない状態)になる恐れがあります。

卒園生向けのレッスン

プリスクールの中には、放課後などに卒園生向けの英会話教室を開催しているところがあります。英語力維持・向上のアプローチ方法はさまざまな手法がありますが、大抵その園の教育理念とリンクしているため、卒園後も同じスクールに通うことによって同じ教育方針で続けていくことができます。

英会話教室に通う

習い事として、英会話教室に通う方法があります。ただし、プリスクールの通っていた子供と小学校に入学してから英語を始めた子供ではレベルの差が。そのため、英語力を考慮しながら英会話教室を選ぶ必要があります。

自宅で英語に触れる

英会話教室等に通わない場合、家庭でのフォローが必要不可欠です。例えば、テレビや映画を定期的に英語でみる、英会話教材を自宅で行うなどがあげられます。この場合、英語を親子で英語を楽しむことが大切です。

プリスクールを選ぶときの注意点

 プリスクールを選ぶ際、通常の保育園や幼稚園選びとも共通しているポイントとして、「送り迎えがしやすい距離か」「治安の良い地域にあるか」など立地面の良し悪しがあげられます。ここでは、プリスクールならではといえる「学費」や「雰囲気」についてご紹介します。

学費って高いの?

 1年間にかかる平均費用をくらべてみると、幼稚園は私立で約50万円、公立で約22万円、保育園は約30万円(世帯の所得による)となっています。一方、プリスクールでは地域やカリキュラムによって金額差はありますが、100万円~180万円ほどかかります。したがって一般の幼稚園や保育園にくらべると、授業料は高いといえます。これは英語ネイティブ講師の雇用や少人数授業を行っているためです。他の保護者と生活レベルが合わないという状況になることもあるので、現実的な授業料の学校を探しましょう。

まわりの生徒たちの雰囲気は?

 プリスクールには日本人以外の子供も入学してくる可能性が高いので、そういった子供たちと楽しく過ごせる環境かどうかを事前に把握しておくことが大切です。環境の変化に敏感な子供にとって、異なる国の言語や文化にいきなり触れることは難しいといえます。子供の性格を踏まえたうえで、プリスクールがよいのか、幼稚園や保育園がよいのか考えていきましょう。
 またプリスクールといっても、アットホームな園や自然に触れる経験ができる園、イベントが盛りだくさんの園など、様々な種類があります。まずはパンフレットをもらって、園の特徴を調べていくことをおすすめします。

(参考:厚生労働省「平成24年地域児童福祉事業等調査」

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