外国人の入国制限の現状は【新型コロナウィルス対策】

記事更新日:2020年07月16日 初回公開日:2020年07月09日

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日本政府は新型コロナウイルス感染拡大防止の水際対策として、外国人の入国制限を実施しています。日本国内では緊急事態宣言が解除されて以降、一応の落ち着きを見せています。国内の移動の制限も解除され、制約はあるものの日常の姿を取り戻しつつあり、東京ディズニーリゾートも再開されました。しかし、一方で北米、中南米では新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあり、世界全体で1,000万人を超えました。日本でも感染拡大の第二波への懸念されるところです。新型コロナウイルスの現状と、今後の外国人入国制限の状況について、整理してみたいと思います。

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日本における外国人の入国制限の状況

新型コロナウイルス感染拡大に伴い入国の制限をかけている

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、政府は入国の制限をかけました。新型コロナウイルス感染症に対する水際対策の抜本的強化として、当初は中国、韓国からの入国者に対しの入国制限でした。世界的な感染拡大が進む中、対象の国と地域は拡大し、7月1日現在、129の国と地域が『入国拒否対象地域』となっています。渡航の前に加えて、入国した日の過去14日以内にこの入国拒否指定地域に滞在歴のある方は、日本国籍を有しなければ、原則入国拒否となります。日本国籍を有していても、検疫法に基づく隔離(入院)・停留。自宅などの指定する場所において14日間の行動制限。公共交通機関の使用禁止が義務付けられます。

各国の対応が流動的なので予告なしに制限をかけられることもある

感染拡大防止は各国で対応が異なり、感染の状況によっては流動的なため、予告なしに制限をかけられることもあります。日本で緊急事態宣言がなされたのは、4月7日。これに先立ち世界各国でも同様な措置が取られたが、主な国では私権の制限などを伴う強制力のないものでした。感染者数の多い米国、イタリアなどでは外出制限を強化したものの、感染拡大を抑えられず、政府の対応に批判もありました。現在、当初感染拡大のあった地域では感染拡大は抑えられていますが、当時感染拡大のなかった中南米での感染が拡大しつつある状況です。今後も世界的な第2波、第3波の警戒が必要といえるでしょう。

100年前から日本の公衆衛生はレベルが高いと評価

100年前から日本の公衆衛生はレベルが高いと評価されてきました。日本ではマスクすることが定着していることからもわかります。マスクに関しては、WHOをはじめ、アメリカやイギリス政府も最初はマスクは効果がないとマスクの着用に疑問を呈していました。しかし、いまではマスクの着用を義務付けていますし、WHOもマスクに一定の効果があるということで立場を変えています。当初は日本の対応については批判もありましたが、徐々に日本の対応が評価されているといえるでしょう。世界的な感染では、スペイン風邪の時も日本では国内の感染を防いだことから、当時から公衆衛生のレベルが高かったことがわかります。

129か国や地域のが対象地域になっている

日本における外国人の入国制限は7月1日現在、18か国を追加され、129の国と地域となっています。アジアでは、中国、韓国、台湾、香港、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、シンガポール、インドネシア、インド。それ以外の地域では、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、ロシアとなっています。これらの入国制限の対象の国、地域からの入国、は原則入国拒否となります。一方で、ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドにおいては、往来緩和の交渉がはじまっています。7月中には台湾、ブルネイにおいても、ビジネス往来再開に向け協議されることが公表されました。

外国人入国制限はいつまで続くのか

新型コロナウイルスの状況によって変化する

それでは外国人の入国制限はいつまで続くのでしょうか。一部の国と地域では、説明したとおり往来緩和の交渉がはじまりましたが、制限の解除が決定したわけではありません。今後の新型コロナウイルスの感染の状況によって変化します。上記の往来緩和が進められている国々では、新型コロナウイルスの感染が抑えられている状態です。ベトナムでは感染が確認された時点ですぐに入国制限されました。ニュージーランドは帰国者での感染はあったものの、国内感染者0を維持しました。今後、新型コロナウイルスの感染状況から、安全だと判断された国から徐々に制限が解除されていくでしょう。

各国との交渉で決まるので今は未定

入国制限においては、各国との交渉で決まります。現在交渉のはじまった国々では、今後の感染状況によりますが、7月中とされています。中国と韓国では、感染拡大の大きい国でしたが、現在は小康状態となりました。中国と韓国については、早い段階での交渉が開始されるとされています。しかし、アメリカではいまだに感染者が増えていることから、アメリカとの往来は当分は考えられません。アメリカよりも先に中国との往来を再開することに、外交の観点から、抵抗があるのかもしれません。反対にEUでは感染が落ち着いてきたことから、日本も含め一部の国からの入国は解除されました。

外国人の入国対応

PCR検査を受け行動計画と過去2週間の健康状態の報告

過去2週間以内に入国拒否対象地域に滞在歴のある人は、全員にPCR検査が実施されます。過去2週間の健康状態を報告します。検査結果が出るまで、空港内のスペース又は検疫所が指定した施設等で、待機しなければなりません。症状がなければ、自宅で待機することも可能です。混雑の状況によっては、1、2日かかることもあります。陽性であればそのまま入院しなければなりません。陰性であっても、行動計画に基づいて自宅や宿泊するホテルなどにおいて2週間は待機し、不要不急の外出は避けなければなりません。また保健所等の保健確認もあります。入国前に入国後の計画を立て、宿泊先を確保しなければなりません。

入国後2週間は公共交通機関の使用禁止

入国後2週間は電車、バス、タクシー、国内線の航空機、旅客船などの公共交通機関は使用禁止になります。しかも入国後からですので、空港等からの移動も公共交通機関は使用できません。家族や勤め先の会社等による送迎が必要になります。首都圏などの国際線のある空港の近くであれば問題ないですが、地方に住んでいれば大変な話です。地方から両親が自家用車で空港に迎えに行かなければなりません。何万円もかけて、何時間もかけて、自分でレンタカーを運転して帰宅するということもありました。宿泊先と同様に空港等からの移動手段をあらかじめ準備しておく必要があります。

各国の入国制限の現状

【アメリカ】入国後14日間の待機を求められる

33の国からの渡航者に対し、永住権のない外国人は入国不可となってます。永住権を有する者は、グローバルCOVID-19パンデミック通知として、次のとおり要請されます。マスク、フェイスガードを着用し飛沫の防止。帰国してから14日間の自宅待機。体温計で1日2回体温を測定し、席または呼吸困難に注意し、指定の体温記録表を使用しての体温モニタリング。外出、通勤、通学の制限。公共交通機関、タクシーの利用、自動車の相乗りの制限。6フィートまたは2メートルのソーシャルディスタンスの確保。アメリカでは今現在も感染者が増え続けている状況です。

【中国】外国人の入国を暫定的に停止

現在有効な訪中ビザ、居留許可、APEC・ビジネス・トラベル・カードを持つ外国人は入国が暫定的に停止されています。外交、公務、礼遇、乗務員(C)ビザ、3月27日以降に発行されたビザ、永久居留許可を持つ外国人は入国可能となっています。中国のビザ・居留許可がない外国人に対する措置として、ビザ免除措置は全て暫定停止になりました。上海を目的地、あるいは経由地として入国する場合には、核酸検査及び14日間の指定施設での集中隔離措置が行われることとされています。上海以外にもそれぞれの市、省で定められていますが、概ね14日間の待機が必要となります。

【台湾】外国人に入国を禁止(例外あり)

基本的にはすべての非台湾籍の入国を禁止されていますが、6月22日以降条件付きで緩和されました。感染リスクの少ない国。3ヶ月の滞在期間。ビ ジネス目的(検品、アフターサービス、技術指導・研修、契約等)であること。感染リスクの高い国への渡航歴がないこと。一定の待機期間を設けること。受入機関の関連証明書類、搭乗前3日以内のPCR検査陰性証明、訪台中の行程表、防疫計画書を提出すこと。これらの条件により入国が可能となりました。待機期間については、基本的には14日間の待機となりますが、感染リスクの特に低い国からの入国であれば、7日間となる場合もあります。

外国人入国制限の課題

新規入国人数が多くPCR検査の実施は現実性がない

入国制限により、現在の検査対象は全国で1日1千人程度にとどまっています。しかも、連日空港での感染が確認されています。全国13カ所の検疫所のPCR検査能力は1日最大2300件というところでしょう。2018年の新規入国の外国人数は観光客を除いても300万人弱で、1日当たり約8,000人に降りません。日本全体のPCR検査数を超えるため、検査体制から考えるとPCR検査の実施は現実性がありません。当然、出国する外国人や日本人の出入国者にも検査が必要になります。空港内のスペースや検査技師の確保などでこれ以上の増強は難しいのが現状です。

外国人の来日が減少する事で日本の経済に影響がでる

外国人の来日が減少した事で、一番の影響が出ているのが観光産業です。インバウンドとして、国が推進してきた事業を新型コロナウイルスが、アジア、オセアニアからの来日客の減少により、直撃しました。政府の観光産業への経済支援に力を入れているものの、観光産業関連企業の倒産件数が増えてきたという現実があります。もう一つは、労働力としての外国人の減少が与える影響です。少子高齢化社会の担い手として取り組まれてきた外国人労働者ですが、このような現実を突きつけられるとは思いもしませんでした。農業では、人手が足りず、収穫されない野菜が畑に残されています。

日本への再入国が出来ずに困っている人がいる

外国人の日本への入国制限を巡り、大学の外国人教員や留学生など長期滞在者の再入国を原則認められず困っている人がいます。日本人のほか、在日韓国・朝鮮人が大半を占める特別永住者が帰国を許可されます。一方で、それ以外の長期滞在の在留資格を持つ外国人は、親の葬儀等の「人道上配慮すべき事情」以外は原則的に再入国が認められていません。これもいわゆる一つのコロナ禍といってしまえばそれまでですが、当事者の立場で考えてみる必要があります。しかし、そもそもが新型コロナウイルス感染拡大防止のための措置だということは前提として認識する必要があります。

厚生労働省による接触確認アプリの配信開始

スマートフォンアプリ「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」として、厚生労働省が6月19日に配信を始めました。新型コロナウイルスの陽性者に濃厚接触した可能性を通知するものです。利用者が新型コロナウイルスに感染した場合、保健所から処理番号が発行され、接触した相手に通知される仕組みです。運用が始まったものの、不具合が見つかり、これまで処理番号の発行を見合わせていました。アプリはスマートフォンを持っている人が15分以上、1メートル以内に近づくと、相手のデータを互いに記録します。厚生労働省はアプリを修正し、7月3日から処理番号を発行し、接触を知らせる通知を開始すると発表しました。

入国制限以外にも感染症防止策はあります

入国制限と、新型コロナウイルスの現状について説明しました。国内では今現在は小康状態を見せている新型コロナウイルス感染拡大ですが、今一番懸念されるのは第二波、第三波の感染拡大です。緊急事態宣言か解除されてからというものの、感染者がゼロとなっているわけではありません。実際、首都圏での感染者数についての報道も増えています。自粛、自粛の生活は続いており、日常の生活での我慢が限界にきているのかもしれません。緩和の動きが出始めていますが、感染拡大防止には、個人の判断に委ねられています。新しい生活様式に取り組み、ひとりひとりの意識で新規感染者を減らしましょう。

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